国家公務員の平均年収はどのくらい?年齢別・職種別に詳しく解説!

国家公務員の平均年収はどのくらい?年齢別・職種別に詳しく解説!

安定と信頼の証明、「国家公務員」は不景気な世の中では人気の高まる職種として、近年でも多くの若者から熱いまなざしを受け続けている職種です。そんな国家公務員の実際の年収はどの程度なのでしょうか?職種や資格別に実際の年収をお教えします!

記事の目次

  1. 1.国家公務員の給料の見方
  2. 2.国家公務員の年齢別の平均年収
  3. 3.国家公務員の職種別の平均年収
  4. 4.国家公務員の採用試験別の平均年収
  5. 5.国家公務員の生涯年収額の平均
  6. 6.国家公務員の年収は年功序列

国家公務員の給料の見方

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安定の成功者の代名詞とも言われる「国家公務員」ですが、その給与体系は一般的な企業とはすこしおもむきがことなります。そもそも、国家公務員には各省庁に勤める「官僚」と、そうではない一般職に配置されている「ノンキャリア」にわかれています。

そして、そうした職務の難易度や複雑性などから「俸給制」と呼ばれる給与体系を敷いています。国家公務員の給料&年収である俸給は、どのような仕組みできまっていて、それぞれにどのような額が給料として支払われているのでしょうか。

俸給表で定められているこれらの手当の金額、俸給、そして諸手当など、国家公務員に支給される年収の支払い体系について、どのようなしくみなのかをご紹介します。

職種によって俸給表が違う

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国家公務員の年収を決め、支給される俸給が定められている「俸給表」には、職種によって11種、17表という多用に渡る種類に分類されて支給が行われています。

行政職、公安職、海事職、教育職はそれぞれに2種ずつ、医療食は3種、そして専門行政職、税務職、研究職、福祉職、専門スタッフ、指定俸給者など、合計で11種17表に分類されます。

俸給表にはそれぞれの給与支給条件が記載されており、配偶者の有無や扶養家族の人数によっても違いがあり、個々で実際の受け取り給与の金額は変化します。

棒給表の見方

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国家公務員の年収を決める俸給表は、縦軸の「号棒」と横軸の「級」で表されています。横軸で表されている「級」の意味するところは役職です。課長や係長、係員などの役職に応じて俸給表に表されている「級」が決められています。級の上昇がすなわち昇格となります。

では、縦軸の「号棒」というのはなんでしょうか?最大で125号まで記載されている号棒は、役職を意味する「級」をさらにこまかく細分化したものとも言えます。頑張りや年齢に応じて徐々に号棒は上昇しますが、号棒の上昇のことを「昇給」と呼んでいます。

初任給の目安は?

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一般的な初任給はどこも明確に決められていて、そのほとんどが学歴によって左右されます。総合職の院卒者であれば2級11号棒となり、25万8980円が給料として支払われます。大卒であれば2級1号棒となり、初任給は22万6940円が給料となります。

一般職の大卒であれば、俸給は1級25号棒として22万140円が給料として定められています。高卒者一般職であれば1級5号棒ですので18万1620円が給料となります。

国家公務員のボーナスの呼び方

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国家公務員には厳密に言えばボーナスという名称ではなく、「期末手当」もしくは「勤勉手当」と呼ばれる臨時手当が支給されます。この二つの手当が民間企業でいうところの「夏のボーナス」と「冬のボーナス」に相当します。

年収を構成するこれらのボーナス支給額は、「国家公務員の給与を増額する改正給与法」によって明確に定められており、夏のボーナスおよび冬のボーナスともに俸給表によって定められた基礎給与より算出されます。

期末手当

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期末手当というのは、在職している期間に対して、一定利率で決められた金額を支給する制度です。基本給の基礎額に6ヶ月在籍した期間を100パーセントとして割合を出し、さらに夏は120%、冬は140%を掛けて算出したものに役職手当を加えたものをさします。

基礎額に含まれるのは基本給、扶養手当、地域手当、広域移動手当、研究員調整手当、専門スタッフ調整手当などを加えて算出されます。実際の額は職種や俸給表に応じてことなります。

勤勉手当

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勤勉手当というのは、勤務してきた成績に応じて支給される査定評価というものになります。期末手当同様に6ヶ月を100%としてまずは算出し、勤務態度や実績を評価した値(あらかじめどのように算出するのかがきまっている)を加えて計算されます。こちらも職種や俸給表によって変化します。

公務員におけるボーナスは、6月30日と12月10日にそれぞれ期末手当と勤勉手当の合算が支給されることを「ボーナス」と呼ぶことになります。

国家公務員の年齢別の平均年収

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国家公務員は原則として年齢に応じて、年収は増加していく傾向にあります。そうしたことを踏まえて、各年代ごとの年収について平均値を集計したものをご紹介します。それぞれに20歳、25歳、30歳、40歳、50歳での年収の平均をご覧いただきます。

年収の推移がどのような体系で増加していくのか、国家公務員がどれほど安定した職業として見られるのかについてが、この年収推移である程度の判断が出来ます。ボーナスや各種手当を含み、全ての職種を加味した上での算出ですので個人差はあります。

しかし、国家公務員の年収がこういうものだ、という理解をしておくことで、今後の人生設計の一助になることを願います。

20歳の平均年収

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高卒による地方公務員がそのほとんどを構成している年齢が20歳未満の公務員は、勤続年数が極めて低いなどの理由から給料や年収がそこまでおおくありません。残業を含めても月収で21万程度が一般定とされています。20歳を超えると、月収で25万程度が平均支給額となります。

ボーナスは年齢が20歳以下では80万程度で、年齢が20歳を超えると94万ほどまで支給額が伸びます。それらを加味した結果として、20歳での年収の平均額は340-390万程度が目安と言えます。実際の手取りはここから更に所得税や保険などが引かれます。

25歳の平均年収

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ある程度国家公務員として経験を詰んだ状況とも言える年齢が25歳付近での年収の平均値はどのていどなのでしょうか?、まずは月々の給料の平均額から見てみましょう。25歳付近の国家公務員の平均給料は、すべての職種を含んでいますがおおむね29.3万円程度となります。

続いてボーナスの支給総額ですが、こちらは105万円ほどが国家公務員の一般的な平均ボーナス支給額です。そして合算した国家公務員の25歳時点での平均年収は、およそ456万円ほどとなります。順当な伸びを見せた支給額と言えます。

30歳の平均年収

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一定の役職を得て扶養家族も増える年齢が30歳の国家公務員の場合の平均年収はどのような数値になっているのでしょうか。まずは月々の給料から見てみましょう。30歳ともなれば基本給に加えて各種手当が加わるので、給料は34万円ほどまで伸びます。

さらにボーナスですが、こちらも118万円程度と順当な伸びを見せています。それぞれを合算した場合、30歳の国家公務員の平均的な年収は、525万円ほどとなります。年齢x10万+αのペースで年収の増加傾向にあります。

40歳の平均年収

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年齢が40歳ともなれば相応の役職を得て、職場内でも相応の立場や役割を求めらえる年齢です。早い人であれば子供が受験に差し掛かる人もいることでしょう。そんな40歳の国家公務員の年収はどのようなものでしょうか。まずは月々の給料から見てみましょう。

40歳の国家公務員の月々の給料の平均値は、おおむね46万円程となります。ボーナスは年齢や役職に応じて順当にのび、170万円ほどが支給されます。結果として40歳の国家公務員の年収の平均支給額は、725万円ほどと急激に伸びます。

50歳の平均年収

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最後に、定年も見据えるようになる50歳での国家公務員の平均年収はどのようになるのでしょうか。役職もさだまり職場の立ち位置も相談役に近しい年齢ともなる50歳の平均月収は、55万円ほどとなります。

つぎにボーナスですが、こちらは199万円ほどとかわらず順当に伸びます。このあたりの伸び率は勤続年数が如実に反映されている結果と言えます。総計して50歳の国家公務員が支給される平均年収は、およそ834万円ほどとなります。

国家公務員の職種別の平均年収

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同じ国家公務員とは言っても、その職種によって年収は大きく変わっていきます。特に特別な技能を必要としないものと特別な技能や資格を必要とする国家公務員の職種では最終的に得られる年収が大きく開くことになります。

各職種別にどのような年収の開きが起きていくのか平均的な年収の支給額を見ながらそのさを確認してみましょう。

総合職の平均年収

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国家公務員の中でもエリートといわれる「国家総合職」の平均給与はどの程度支給されるのでしょうか?月々の給与の合算平均値は47万円ほどで、ボーナスの支給額の平均値は165万円といわれています。

となれば、その合算が年収になりますので、各種税収などを加味しなければ国家公務員の花形である総合職の平均年収は726万円となります。

指定職の平均年収

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国家公務員の最高幹部と目される「国家指定職」に属する本物のエリートたちの年収はいくらなのでしょうか?一般職としての国家公務員の中でも限られた存在として国を動かす彼らの平均給与は、月々で58万円ほどです。

さらにボーナスの平均支給額は300万円で、最終的な年収の平均額は1000万円とされています。しかしこれは官僚それぞれの給与支給額には結構な開きがあり、実質的には350-1400万という支給年収額の平均となります。

研究職の平均年収

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国家公務員全体のなかでもかなり特殊な立ち位置にあるのが「国家研究職」です。全体のわずか0.6%しか居ない彼らの存在は、それを補う任期付き研究員の存在で補われることで独自の研究を行っています。平均月収は55万円ほどで、ボーナスは244万となり、平均年収は900万円と見られています。

心理職の平均年収

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自動相談所などへの配属が多い国家心理職の平均年収はどのようなものでしょうか。まず平均給与額は40万円程度です。ボーナスは160万ほどですので、合算すると心理職の平均年収は、おおむね676万円程度とみなされます。

国家公務員の採用試験別の平均年収

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続いては国家公務員の基本的な採用試験の実績における平均年収の違いについてもご紹介します。地方にもいえることですが、国家公務員はみずからの価値を試験結果によって左右されます。評価制度が試験によって明確にされています。

そのため、国家公務員試験のそれぞれの結果によっても支払われえる給与に大きな違いが生まれます。どのような違いになるのでしょうか?

I種の平均年収

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キャリアと呼ばれる国家公務員試験のI種の試験を通過している人の平均的な月収は52万円程度となっています。ボーナスについては詳しいデータが見つかっていませんが、国家公務員試験I種の資格保持者の平均年収は、634万円から837万円と見られています。

II種の平均年収

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次いでノンキャリアと呼ばれる国家公務員試験のII種を通過し、資格を保持している人の平均的な月収は31万円前後と見られています。そこから算出される国家公務員II種保持者の平均的な年収は、603万円あたりだと言われています。日本の平均的な給与と同程度と見られます。

III種の平均年収

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国家公務員採用一般職試験として高卒者以上を対象に行われる国家公務員試験を突破した人が対象となります。大卒者は受験できないように、高等学校卒業後2年以内という受験資格の条件が設けられています。月収の平均では35万円、年収では640万円程度が平均と見られています。

国家公務員の生涯年収額の平均

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国家公務員は、最終的な生涯年収はどのくらいの収入になるのでしょうか?圧倒的な稼ぎを生み出す仕事ではないですが、安定と確かな収入を得ることが出来る国家公務員は、どの程度の収入を生涯を通じて得ることが出来るのか、平均をご紹介します。

役所や省庁などの行政に携わる国家公務員と、そうでない警察機構や法務、教育や心理などに携わる国家公務員の生涯年収をそれぞれ見比べて見ましょう。

行政職の生涯年収の平均

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国家の大計を担う行政職の平均的にみた場合はおおよそ2億8000万円ほどと言われています。一般的な大卒であると仮定して、給与やボーナスなどの総支給額が生涯で2億5790万円で、退職金を2223万円支給されるという計算になっています。

これは地方公務員や国家公務員の給与における実態調査の結果に基づいて算出された生涯年収の推計となります。定年退職を向かえる60歳までに、概算での予想支給額の平均を算出した結果このような結果になっています。

行政職以外の生涯年収平均

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次に、行政に関わらない公務員の総支給額は最終的にどの程度になるのかをご紹介します。まずは大卒者での警察官の場合の生涯年収の平均は、推定で3億288万円と推計されます。消防士の場合は2億6084万円で、高校教師の場合は2億8173万円とされています。

危険と隣り合わせの現場を抱え、日々の過酷な訓練で知られる消防士が意外と全体を通してそこまで多くありません。低い給与で話題によく登る保育士で、生涯年収は2億2919万円と推計されます。

ちなみに、高卒者と大卒者の平均生涯年収額は、大卒の平均が2億6356万円なのに対し、高卒は2億6389万円とそこまで大きな差がないことも分かっています。

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国家公務員の年収は年功序列

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厳密にいうと、公務員の給与は「勤続年数」と「級」に大きく依存している事がわかります。しかも、公務員は基本的に年齢で級、つまり役職がほぼ決まります。高卒でも大卒でも同じ年齢に至ると自然と相応の役職と給与を受け取れるようになっているのです。

五所川原銭男
ライター

五所川原銭男

ガジェット系を好む。雑食。暴食。時折暴走する。知る人ぞ知る某国産プロジェクトの中の人。

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