ままならないの意味とは?
ままならないの意味をご存じですか?日常的にはあまり聞かない言葉ですが、ビジネス面においてはよく聞く言葉でしょう。今回は、まままならないの言葉の意味について解説していきます。ままならないを正しい意味で理解して、誤用していないか振り返ってみましょう。
2つの意味がある
ままならないには2つの意味があります。1つは思い通りにいかないという意味です。もう1つは自由にならないという意味があります。どちらの意味も不自由な状況を指す意味合いで、ままならないはネガティブな場面で使われる事が多い言葉です。
ままならないの語源
ままならないの語源をご存じですか?ままならないは歴史のある言葉です。ままならないの語源について解説していきます。国語を勉強されている方は、既にご存じでしょうが、ご存じでない方は世間話の話題にも使えますので、知っておいて損はないです。
我儘の意味に由来
ままならないは歴史が古く江戸時代からある言葉です。その語源は我儘の儘から来ています。我儘の意味は周りの人間の意見や主張を聞かず、自分のやりたいようにするという意味です。この事からままならないは、我の儘にならない。
つまり、自分の思う通りにいかないという意味を指し、自由にならないという意味で使われることが多くなりました。普段、ままらないという言葉を聞いたら、自分の思う通りにならない。そういう意味で使っていると理解しましょう。ちなみに、ままならないは敬語ではありません。
丁寧に聞こえるため、敬語と誤解されれている方もいるでしょうが、会社の上司や先輩に敬語の意味でままならないを使われている方がいましたら、違いますのでその人のためにフォローしてあげましょう。
ネガティブな意味合いで使われる
ままならないは言葉の意味は思い通りにいかないという意味です。この意味の通り、ネガティブな意味合いで使われることが多いです。例えば、「仕事が苦しくて、生きる事ががままならい」や、「ウィルスが怖くて、外出がままならない」といった使い方です。
この二つの例文の意味は、前者は、仕事が苦しくて生きる事が思う通りにいかない。後者は、「ウィルスが怖くて、外出が思う通りにいかない」という形の意味になります。どちらも使い方としては正しい使い方になります。
丁寧な言い回しで使われる
ままならないという言葉は、それ自体は敬語でありません。ままならないという言葉はその言葉の響きが柔らかく聞こえるため、遠回しな言い方をするときに使っている方が多いです。ビジネスにおいてもそのような場面で使っているのではないでしょうか。
ですので、使い方を例文にすると、「プロジェクトに不明な点が多く、ままならない進捗です」や「仕事が忙しく本日のランチには同席することがままなりません」などの使い方が出来ます。
意味合いとしては、前者は「プロジェクトに不明な点が多く、思う通りに進捗していません」という意味になり、後者は「仕事が忙しく本日のランチには同席できません」という意味になります。どちらの例文もままならないを使うことによって、丁寧な使い回しになっています。
ままならないの類語
では、ままならないの類語について紹介していきます。ままならないの意味は、思う通りにいかないです。ですので、類語も似たような意味になります。さらに使い方も似たような形の例文になります。
国語に詳しい方は、ままならないの使い方や意味については理解されているでしょう。また、類語についても同じです。普段、ままならないという言葉を使っている方は、類語についても使っているのかもしれません。
ままならないの意味や使い方は既に解説している通りです。類語についてももしかすれば、意味や使い方を間違えているかもしれません。これを機会に改めて確認してみましょう。
不如意
ままならないの類語に、不如意という言葉があります。意味は同じで思い通りにならないです。不如意の語源は如意という仏教語が語源です。ですので、不如意はお坊さんが説法などで使うことが多いかもしれません。
例文としては、「お金がなく、今月は生活が不如意だ」や「給料が少なすぎて、旅行に行けず不如意だ」などの使い方が出来ます。意味としては、前者は、「お金がなく、今月は生活が思う通りにいかない」になり後者は、「給料が少なすぎて、旅行が思う通りいけない」になります。
不如意は、その語源からままならないと比べると、お金に困っている時などの場合に使われることが多いです。どちらかと言えば、不如意はままならないよりも限定的な場面で使われる言葉かもしれません。
難しい
難しいは実はままならないの類語です。難しいの語源は、むつかしがむずかしいに変化した形です。不愉快やうっとうしいなどの感情を表現する意味合いで使われます。
例文としては、「現状では納品が難しく、納期を延長して頂けないでしょうか?」や「仕事が難しく、給料も低く、人生がままならない」といった使い方ができます。
意味は、前者は、「現状では納品できないので、納期を延長して頂けないでしょうか?」という意味なり、後者は、「仕事が難しく、給料も低く、人生が思い通りにいかない」という意味になります。使い方によっては、難しいと一緒にままらないも使えます。
ままならないの使い方
ままならないの意味と使い方について、4種類の例文を作り紹介を交えて解説していきます。普段ままならいを正しい意味で使っている方も、新しい使い方を発見できるかもしれませんのでご参考にされてみてください。
ままならないの使い方がわからない方は、例文を元にどういった場面に使えるかご参考ください。普段使わない言葉と使うと、職場の話題にも使えますので、使い方を覚えておいて損はないです。
例文①
では、まずままならないを直訳した形の例文を紹介します。「時間がかかる仕事だが、報酬が少なく生計をたてる事もままならない」この例文を翻訳すると、「時間がかかる仕事だが、報酬が少なく生計をたてる事も思い通りにいかない」となります。
ままならないを使う事も出来ますが、類語の不如意を用いることも可能です。この例文は、報酬が少なく生活が苦しいという意味の例文です。文章からお金に困っている事が見受けられますので、不如意を使っても同じ意味になります。
例文②
次に、ままならないのもうひとつの使い方、自由にならないという意味を使った形の例文を紹介します。「交通事故にあい怪我をして入院してしまった。入院中は怪我で体を動かすこともままならない」
この例文を翻訳すると、「交通事故にあい怪我をして入院してしまった。入院中は怪我で体を動かすことも自由にならない」という意味になります。こちらの例文はままならないの自由にならないという意味を使っています。
ままならないの類語、難しいに変えても同様の意味として状況を伝えることが出来ます。この場合、難しいの方が感情的な意味合いが込められ、より深刻に状況を伝える事ができるかもしれません。
例文③
次に遠回しに断る際のままならないの使い方について紹介します。直接的にな言葉で断るより、ままならないを使う事で柔らかく相手に配慮した印象を与えることが出来ます。
例文としては、「携帯電話の機種交換はしたいのだけど、技術の進歩が頭に追い付かなくてままならない」という使い方が出来ます。意味としては、「携帯電話の機種交換はしたいのだけど、技術の進歩が頭に追い付かなくて思う通りに使えない」という形に翻訳できます。
意味としては、「機種交換しても、携帯電話を使い切れない」という意味で相手に断る意思を伝えています。回りくどく聞こえますが、直接的に断るより相手に不快感を与えずに済みます。
例文④
ままならないは敬語的な使い方も出来ます。例文としては、「飲み会のお誘いは嬉しいのですが、仕事が溜まっておりままなりません。またの機会がございましたら宜しくお願い致します」といった形で敬語を挟むことにより、丁寧な言い回しになり敬語のように聞こえます。
意味を翻訳しますと、「飲み会には行きたいのですが、仕事が溜まっており行くことが出来ません。またの機会に参加させて下さい」という意味で相手に行けないことを伝えています。
相手が目上の人であれば、ままならないを使うことによって、敬語を使いながら丁寧な言い回しになり、相手に行けない意思を伝えられます。
間違った意味での使い方
ままならないは、丁寧な言い回しに聞こえ敬語のように感じますが違います。敬語的な使い方をする場合、ままならないの前か後ろに敬語を挟んで使う必要があります。
ままならない単体では敬語にならないので、正しい日本語を理解されている方に文章や言葉で意思を伝える際は、使い方に気をつけてください。場合によっては相手に不快な感情を抱かせることになるかもしれません。
ままならないは思い通りにならないという意味
ままならないは思い通りにいかないまたは自由にならないという意味があります。普段、ままならないという言葉を使われている方は正しい意味の使い方を出来ていましたか?
また、ままならないは敬語ではありません。目上の人や会社の先輩に敬語的な使い回しで使っているようでしたら、敬語を挟んで使っているか確認しましょう。