ミスリードの意味とは?
ミスリードという言葉の意味は、極めて明快に答えるとするならば「誤解をさせること」また、リードという言葉が意味するように「人を誤った方向へ導くこと」などのような意味を持った言葉です。
今回はこのミスリードという言葉の由来や特徴、そして例文を用いて意味をより具体的に把握することや英語での表記が英語においての例文、そしてミスリードの類語についても解説します。
ミスリードの使い方の中で「ミスリードを誘う」という使い方がありますがこちらについての紹介もしていきます。ミスリードを誘うとはどういうことなのでしょうか。それでは順番に見ていきましょう。
ミスリードの語源
ミスリードという言葉はもともと英語のmisleadから由来しています。読み方もそのままミスリードと読みます。日本語としての意味も英語としての意味も内容は同じで、「導く」を意味するLeadに「間違って」を意味する「mis」を接頭語に付けた言葉となります。
ミスリードの特徴
ミスリードという言葉は英語が由来となった日本語英語です。そのため本来の意味に加えて「誤解させること」としての認識が一般化しているという特徴があります。また、日本語としての使い方に、「ミスリードを誘う」という用法もあります。
これはわざと誤解させるような言い回しや、言動をすることを「ミスリードを誘う」として表現した言葉です。本当は違う意味なのに、あえて誤解を招くように表現する手段としてミスリードを誘うと表現していますが、これも日本語独特の表現という特徴があります。
ミスリードの類語や英語表記
続いては、ミスリードという日本語英語に対しての類語や、より詳細な英語表記に関して解説をします。さまざまな類語から日本語としてのミスリードの意味をより深くニュアンスを感じ取り、意味や使い方についても言及します。
また、英語表記においての意味や使い方を例文を用いて紹介するとともに、英語表記での「ミスリードを誘う」という言葉がどのような表現や意味を持つかについてもご紹介します。
ミスリードの類語
類語というのは、ミスリードという言葉に対して全く同じ意味もしくは限りなく近い意味を持った言葉のことを類語として定義しています。限りなく同じ意味もしくは近い意味ということなので全く同じ意味の場合もあればそうでないこともあります。
そのあたりを踏まえて、ミスリードの類語としてどのような意味の違いがあるのか、使い方にはどのような変化が現れるのか、ミスリードを誘うというような表現の方法が他にもあるのかといった点を紹介します。
ミスリードの類語「誤誘導」の意味や使い方と例文
ミスリードの類語「誤誘導(ごゆうどう)」の意味は、”あやまって導く”もしくは”まちがった行先を教える”というような意味になります。正しくない方向や道、考え方などにむかって誤って導いてしまうという意味の言葉です。
ミスリードとの意味の違いとして、本人の真意は根本的に善意である点です。ミスリードにはそうした主観は含まれませんのでどちらともいえないという所に違いがあります。
使い方としては、「あとで気付いたが、どうやら正しくはこちらの道であったようだ。誤誘導とはまさにこのことである」といった名詞的な使い方になります。さ行での活用が行えるので、一部動作としても活用が可能です。
ミスリードの類語「裏切り」の意味や使い方と例文
ミスリードの類語「裏切り(うらぎり)」の意味は、「期待とはちがった行動をとること」もしくは「同盟関係もしくは仲間関係にあった相手から敵対側に鞍替えすること」などがあります。本来のあり方ではなく、別の方向へと意趣返しをするといった意味です。
ミスリードとの意味の違いとしては、「裏切り」は明確に反発する意思を暗示させる言葉であるのに対して、ミスリードはどちらとも取れない意味をもった言葉である点と言えます。
ミスリードを誘うと同じように「裏切りを誘う」とした場合でも、明確に意味が違った言葉になります。使い方としては「本当に裏切ったんですか!?」というように、ろれつが回らなくなるほど強烈な印象を相手に与えます。
ミスリードの類語「情報操作」の意味や使い方と例文
ミスリードの類語である「情報操作(じょうほうそうさ)」の意味は、「思った通りに情報を操る」などや「与えられるべき情報を制限する」のような意味をもった言葉です。情報そのものを意図してながしたり流さなかったりすることという意味だといえます。
ミスリードという言葉との違いとして、情報操作では情報そのものの内容を変更することはありません。あくまでも「流すか、流さないか」という点が主体にあります。ミスリードは情報よりも「意識」の誘導を指した言葉です。
ですから「ミスリード誘う」というような使い方を情報操作で使っても、意味が大きく変わります。結局お本質的に情報を意図的に操作するだけ、というのが情報操作という言葉で、ミスリードはその情報そのものを「誤って」認識させています。
ミスリードの類語「羊頭狗肉」の意味や使い方と例文
ミスリードの類語である「羊頭狗肉(ようとうくにく)」は中国をルーツに持つ言葉で、意味は「見た目は立派だが、中身が伴っていない」もしくは「竜頭蛇尾」という意味の言葉です。見かけは美味しそうな羊だが、中身は犬の肉であったという言葉です。
ミスリードとの意味の違いは、羊頭狗肉の意味が「見掛け倒し」という点なのに対して、ミスリードの意味は「勘違い」ですから、悪意という意味では薄いのがミスリードであり、やや濃いめなのが羊頭狗肉であると言えます。
ミスリードの英語表記
ミスリードの英語表記ですが、すでに語源の項でも登場しています。同じ読みでmisleadが英語における表記となります。英語におけるmisleadの意味は日本語英語のようなやや遠まわしな意味をもたない言葉で、”迷わせる”や”誤解させる”のように直接的な意味の表現となります。
そのため基本的にはポジティブではなくネガティブな表現として嫌われている行為にたいして用いられている言葉となっています。また動詞ですので文法としては「mislead “human” about “something”」として用います。
さらにmisleadに加えてもう一つ表現があり、misreadという言葉も英語にはあります。こちらも日本語表記では「ミスリード」となりますが、意味は”誤読”や”誤った解釈”のようなニュアンスとなります。日本語英語のミスリードはこちらの解釈も若干含まれています。
ミスリードの英語表記の例文①
「We must not, however, let this mislead us.(私たちはこれで誤解させるようなことがあってはならない)」「It must not mislead by distortion, undue emphasis or omission.(歪曲、誇張表現、言葉足らずなどによって皆を誤解させてはならない)」
「Never mislead your intended mark with news that could be perceived as dangerous.(危険を想像させるニュースで、目標を意図的に誤解させないでください)」。誤解させる、迷わせるという表現でmisleadを使っている例文です。
いずれも基本的な使い方、もしくはすこし活用された使い方として例文に挙げています。どの例文でも誤解を産むような行動や表現に対するものとなっています。
ミスリードの英語表記の例文②
「This appears gravely to misread history.(これは歴史を読み違えているようにみえる)」「Claudia put on a pout, thinking she had misread Jackson's intentions for her.(クローディアは、ジャクソンの意図を読み違えたのだと思い、口をとがらせた)」
「Obviously he had forgotten it was there and he thought she had misread his intent.(明らかに彼はそれがそこにあることを忘れていて、彼女が彼の意図を読み違えたと思っていた。)」「They proved that he misread events and misunderstood his own position.(彼らは彼が出来事を読み違え、自分の立場を誤解していたことを証明した。)」
読み違える、という意味でmisreadを使用している例文です。最後の例文にmisunderstoodで「誤解」として表現していますが、悪意のない誤解という意味ではこちらが一般的に用いられます。
ミスリードの英語表記の例文③
「He then again said he really wanted to remain friends and he hadn't meant to mislead me.(彼はまたしても私に”友達になりたいんだ!”といったが、彼は私を惑わせるつもりで言ったわけではない)」misleadを「惑わせる」という表現で用いた例文です。
「But this is just what the despatch does not state verbally and precisely, and accordingly Grouchy, like Ney on the 16th and 17th, misread it.(しかし、これは正確に口頭で伝えられていないことであり、Grouchy氏は16日と17日のNey氏と同様にそれを誤解しています)」
こちらはmisreadですが、誤解として表現できる例文になります。どちらも内包している根本的な意味は日本語的にはさほど変わりないので、表現手法として難しく誤解を産みやすい言葉なので注意が必要です。
ミスリードの使い方
それでは実際にミスリードという言葉を、日本語英語としてどのようにして用いたらいいのかについてそれぞれの例文でご紹介します。基本的な使い方として用いる方法や動詞として活用する方法等に加えて、「ミスリードを誘う」という文言でもご紹介します。
例文を使うことでミスリードという言葉がもつ意味についてより深く知ることができるようになります。日本語としてのミスリードの解釈がどのようなものなのかについてしっかりと把握しておきましょう。
例文①
「この報道ではミスリードになるのではないだろうか?報道のあり方として私は常日頃考えることがあるのだが、本来伝えなければならないことを、さも全く違う意見のように誘導するミスリードな行動が目立っているように感じる」
報道の内容が意図的に誤った方向に誘導されているという表現で、ミスリードという言葉を使っています。ミスリードという言葉をごくごく基本的に使った使い方の一つと言えます。名詞的な表現方法となります。
例文②
「ほんの少しの表現の違いで相手に少しだけ誤解の種を植えていく、そのようにしてミスリードを誘う手口はこれまでにもたくさんあった。ただそれが公になってきたからそうでなかったかの違いでしかないのだろう」
ミスリードを誘う、という言葉を使った例文です。誤解させる、あやまった解釈をさせるといった意味で「ミスリードを誘う」という表現を使用している例になります。
例文③
「ここは言い方をよく考えなければ相手に余計な情報を与えてしまうことになる。そこで私は少しだけ言い方を変えて情報をミスリードする。別に間違ったことは言っていない、ただほんの少し言い方が違うだけで相手が勝手に誤解するのだ」
さ行にて活用したミスリードの例文になります。意図的に相手に誤解を招くような表現を与える、という形でミスリードするという言葉を使った文となっています。
例文④
「その情報がミスリードかそうでないかを見分けるというのは非常に難しい。情報が正しいか間違っているかを見分けるためには、たくさんの情報の中から正確なものを選び取らなければならない。ミスリードの見分け方というのはえてして時間がかかるものだ」
ミスリードという存在に対して考察を深めていくというような例文になっています。ミスリードという概念的なものに対してどのような考え方が必要なのかという例文です。
ミスリードの注意点
ミスリードと同じようなものとして考えがちな言葉がいくつかあります。「伏線」「ミスディレクション」などはいずれもミスリードと同じような意味合いで取られがちな言葉ですが全て全く別の意味を持った言葉です。内容を混同してしまわないように注意しましょう。
「伏線」は”今後の話の展開を示唆すること”で、「ミスディレクション」は”注意をそらすこと”です。どちらも誤解を招くという表現では全くないので、誤った解釈をしないようにだけ注意しましょう。
ミスリードとは誤解させるという意味
ミスリードという言葉は「相手に誤解をさせる」「誤解を招く」「誤解する」というような意味を持った言葉です。日本語英語としてはややネガティブな表現になります。しかし悪意の有無が特にないので気軽に使いがちです。
しかし、英語で用いられるmisleadやmisreadの意味としては、むしろネガティブな表現なので使用する際には注意が必要です。正しい解釈のもと正しい用法で使いましょう。