「反故」の意味とは?正しい使い方・類語・対義語をまとめて解説!

「反故」の意味とは?正しい使い方・類語・対義語をまとめて解説!

「契約を反故にされた」「計画が反故になった」などは、ビジネスシーンで使うことも多いので、意味をしっかり理解しておきたいところです。今回は、「反故」の意味を知ることから始まり、類語や対義語をチェックすると共に、例文を参考にしながら正しい使い方も見ていきます。

記事の目次

  1. 1.「反故」の意味とは?
  2. 2.「反故」の対義語・類義語
  3. 3.「反故」の使い方・例文
  4. 4.「反故」と「破棄」の違い
  5. 5.「反故」を使う際の注意点
  6. 6.「反故」の由来・歴史
  7. 7.「反故」の英語表記
  8. 8.「反故」は不用となった紙という意味

「反故」の意味とは?

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「反故」は「ほご」と読み、書き損じなどで不用となった紙を意味しています。それが転じて役に立たない不用なものや物事を指すようになりました。使い方は「反故にする」などです。

「反故にする」には、「不用なものとして捨てる」「契約破棄や約束を破る」と2つの意味があります。「ほうご」や「ほぐ」と読むこともありますが、意味は「反故(ほご)」と同じです。

また、「反故」と「紙」の組み合わせで「反故紙」という単語としても使われます。書き損なったりして不用になった紙を意味する言葉です。「ほごがみ」と読みます。

「反故」の対義語・類義語

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「反故」は物事を取り消したり無駄にしたりする意味があります。「反故」は類語も多く、使い方によって言い換えることができる言葉です。

例えば、「反故にする」と使うと堅い言い回しに聞こえ、イメージもネガティブなものになります。「なかったことにする 」に置き換えると柔らかいニュアンスになり、意味も伝わりやすいでしょう。

類語に対して対義語も多くあります。「反故」の類語「なかったことにする 」に対して、対義語は「実行する」意味を持つ言葉になります。例文を見ながら、「反故」の類語と「対義語」を見てみましょう。

「反故」の対義語

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「反故」の反対の意味を持つ対義語を紹介します。対義語が持つ意味は「実行する」です。【対義語1】任務などを成し遂げる意味を持つ「遂行する」、【対義語2】実際に行うことを意味する「実行する」、【対義語3】決め事などに従い遵守する意味を持つ「守る」などがあげられます。

他にも、【対義語4】言葉通り実際に行うことを意味する「履行する」、【対義語5】物事にたずさわる意味を持つ「従う」、【対義語6】なしとげる意味を持つ「果たす」などがあります。今回は「遂行する」の意味と使い方について、例文を参考にしながら見ていきましょう。

「反故」の対義語「遂行する」の意味

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「反故」の対義語である「遂行する」は、任務などを成し遂げる意味を持ちます。計画通りに最後まで成し遂げることが、「反故」の「契約破棄や約束を破ったりする 」意味と反対の意味を表現しています。

「遂行」は、「業務を遂行する」「任務を遂行する」など、ビジネスシーンでよく使われる言葉です。使い方の例文を見てみましょう。

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【例文1】昨日いただいた業務につきましては、本日の午後に遂行致します。【例文2】次の展示会までに行うプラン遂行には、人員確保が必須です。【例文3】共同事業の遂行に向けて、〇〇社と会議を致します。

例文のように、上司への報告などで「遂行する」を用いる使い方は、敬語表現になります。「業務を遂行致します」「遂行にあたりまして」のように変えると良いでしょう。

「反故」の類義語

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「反故」の類語を紹介します。「反故」の類語は物事を取り消したり無駄にしたりする意味を持つ言葉です。類語を覚えておくと、「反故」を使いたいシーンによっては置き換えることができます。語彙力も高くなりますので、チェックしておきましょう。

【類語1】なにもなかったことにして最初の状態に戻す意味を持つ「白紙に戻す」、【類語2】約束や契約などを一方的に取り消すことを意味する「破棄する」、【類語3】約束事や決まり事を守らず無視することを意味する「破る」などがあげられます。

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他にも、【類語4】発言や態度を急変させることを意味する「ひるがえす」、【類語5】約束をしたことを実行せずにほうっておく意味を持つ「すっぽかす」、【類語6】約束などを実行せずにやめてしまうことを意味する「なかったことにする」などがあります。

今回は「反故」の類語として「白紙に戻す」を見てみましょう。「白紙に戻す」の意味と使い方について、例文を参考にしながら解説します。

「反故」の類義語「白紙に戻す」の意味

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「反故」の類語「白紙に戻す」は、今までの経緯や約束事をなかったことにして、最初の状態に戻してしまう意味を持ちます。「白紙に返す」とも言います。

類語である「白紙に戻す」は、「反故にする」の使い方と同じようにビジネスシーンで多く使われる言葉です。会話やメールなどで使う場合は、申し訳ないという思いを相手にきちんと伝える必要があります。例文を見てみましょう。

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【例文1】大変恐縮ではございますが、今回の案件につきましては、いったん白紙に戻していただきたくお願い申し上げます。【例文2】こちらの都合で大変申し訳ございません。今回の件は白紙に戻していただきたくお願いする次第でございます。

また、類語の「白紙に戻す」は日常生活でも使われる言葉です。例文を見てみましょう。【例文1】彼の浮気が発覚し、結婚は白紙に戻された。【例文2】自治会で決まった夏祭り、花火大会と重なっちゃって白紙に戻ったよ。

例文のように、取引先との交渉を中断したり計画をなかったことにしたりする場合に、「白紙に戻す」は使われます。日常生活でも同様です。予定がなくなったり約束が破棄されたりした場合に、類語である「白紙に戻す」を使うことができます。

「反故」の使い方・例文

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「反故」の使い方は、「反故にする」「反故になる」「反故にされる」が主なものです。契約を破棄したり約束を破ったりする際に用います。また、「反故紙」という使い方もありますので、チェックしておきましょう。例文を参考に、「反故」の使い方を見ていきます。

例文①

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書き損じや不用になったものを捨てることを意味する「反故」の使い方から見てみましょう。書き損なって便箋を無駄に使う、やり直しで用紙を捨てるということはよくあるものです。その際に用いる「反故」の使い方は次のようになります。

【使い方の例文1】プリンターのサイズ設定を間違えて、会議用の資料を反故にしてしまった。【使い方の例文2】招待状を作り終えたが、デザインがどうしても気に入らないため反故にして作り直した。「反故」は類語が多いのが特徴です。同じような意味を持つ類語で置き換えてみましょう。

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【使い方の例文1】プリンターのサイズ設定を間違えて、会議用の資料をなかったことにしてしまった。【使い方の例文2】招待状を作り終えたが、デザインがどうしても気に入らないため白紙に戻して作り直した。

このように「反故」は類語が多いので、場面によって置き換えて使うこともできます。ここでは、類語の「無かったことにする」「白紙に戻す」で入れ替えました。

例文②

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次は、契約を破ったり、計画を破棄したりすることを意味する「反故」の使い方です。ビジネスシーンでよく見られる使い方になります。

【使い方の例文1】期待されていた業績アップに失敗したため、昇進は反故にされた。【使い方の例文2】過去に先方には取り決めを反故にされたことがあります。今回は慎重に進めましょう。【使い方の例文3】最終段階になって、A社は計画の全てを反故にした。

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上記の例文を「反故」の類語で置き換えてみましょう。使うのは、「無かったことにする」「破棄する」「白紙に戻す」です。

【使い方の例文1】期待されていた業績アップに失敗したため、昇進はなかったことにされた。【使い方の例文2】過去に先方には取り決めを破棄されたことがあります。今回は慎重に進めましょう。【使い方の例文3】最終段階になって、A社は計画の全てを白紙に戻した。

「反故」は堅いイメージで表現したい時に向いている言葉です。類語で言い換えるとニュアンスがやわらかくなりますので、シーンによって使い分けると良いでしょう。

例文③

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「反故」はビジネスシーンだけではなく、日常生活でも使うことができます。使い方の例文を見てみましょう。

【使い方の例文1】ずっと楽しみにしていた旅行が、反故にされた。【使い方の例文2】宿題の水彩画を描いてみたが、どうにも気に入らず反故にして描き直した。【使い方の例文3】いつも約束を反故にする友人に、嫌気がさした。

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このように、日常生活においても約束や計画を破られたりした時に「反故」は使えます。上記の例文を「類語」で置き換えてみましょう。

【使い方の例文1】ずっと楽しみにしていた旅行が、取りやめになった。【使い方の例文2】宿題の水彩画を描いてみたが、どうにも気に入らず白紙に戻して描き直した。【使い方の例文3】いつも約束をすっぽかす友人に、嫌気がさした。

類語「取りやめる」「白紙に戻す」「すっぽかす」で言い換えた例です。「反故」は文字で使うと意味が伝わりやすいのですが、会話では伝わりにくいことがあります。言葉で伝える際には、「反故」を類語で置き換えたほうが無難です。

例文④

最後に、「反故紙」を意味する「反故」の使い方です。「ほごがみ」と読む他、「ほごし」とも読みます。例文を見てみましょう。

【使い方の例文1】コピー機の2段目は反故紙が入っています。白い紙で印刷する時には注意してください。【使い方の例文2】情報漏洩を防ぐため、当社では反故紙を2次利用しません。【使い方の例文3】昼休みに反故紙でメモ帳を作った。

反故紙として「反故」を使った場合、言い換えることができる類語は「裏紙」です。プリントミスした用紙や、不用になった情報が印刷された紙を意味します。「反故紙」を類語の「裏紙」で置き換えてみましょう。

【使い方の例文1】コピー機の2段目は裏紙が入っています。白い紙で印刷する時には注意してください。【使い方の例文2】情報漏洩を防ぐため、当社では裏紙を2次利用しません。【使い方の例文3】昼休みに裏紙でメモ帳を作った。

オフィスなどで節約のため裏紙を使うといった場面は、多くみられます。最近では、「反故紙」を用いるよりも、「裏紙」というほうが一般的でしょう。

「反故」と「破棄」の違い

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「反故」の類語には、「破棄」があります。「破り捨てる」「約束や契約などを一方的に取り消す」ことを意味する言葉です。「反故」と「破棄」は似たような意味を持つ言葉ですが、大きな違いがあります。使い方を見てみましょう。

「破棄」は「契約や約束を無かったことにする」という意味

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「反故」の類語である「破棄」は、「契約を破棄する」「約束を破棄する」など、一方的に断るまたは断られる時に使います。「反故」が契約破棄や約束を破ったりすることを意味することと似ているので、言い換えることもできる言葉です。

「反故」と「破棄」の違いは、「破棄」には「書き損じなどで不用になった紙」や「無駄にした紙」という意味がないことです。書き損じや不用になったものを捨てることを表現している場合は、「破棄」で置き換えることはできません。

【例文1】取引の最中であるにも関わらず、契約を反故された。【例文2】B社との業務提携は、契約書を交わす直前に反故された。【例文3】今週末に予定されているミーティングの資料に修正箇所があり、いったん反故にして作り直した。

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上記の例文を「破棄」で置き換えてみます。【例文1】取引の最中であるにも関わらず、契約を破棄された。【例文2】B社との業務提携は、契約書を交わす直前に破棄された。※【例文3】は書き損じや不用になったものを意味しますので、「破棄」は使えません。

例文からわかる通り、契約や約束事を破ったりする場合に使われる「反故」は、「破棄」で置き換えても意味が通じます。【例文3】のように、書き損じや不用になったものを意味する場合は、「破棄」ではなく別の言葉で置き換えましょう。

この場合でしたら、「白紙に戻す」です。【例文3】は、「今週末に予定されているミーティングの資料に修正箇所があり、いったん白紙に戻して作り直した」となります。

「反故」を使う際の注意点

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「反故」は、2つの意味がありました。1つめは、書き損じなどで不用となったものを捨てたりすること。2つめは、契約を破棄したり約束を破ったりすることです。ビジネスシーンで多く使われるのは2つめですが、「反故」を使う際には注意点があるのでチェックしておきましょう。

「反故」は相手に非が無い展開では使えない

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「反故」は、会話よりもビジネスメールや文書で使われます。注意点は、相手の会社に原因があり、契約破棄や約束を破るなどの現象が発覚した際に、使う言葉だということです。

また、契約や約束を破られるのではないか?と予想される時点でも使われます。良いイメージがなく、強い言い回しになる言葉なので、「反故」という言葉を使ったことでさらにトラブルを招くことにならないよう注意してください。使うシーンを間違えないようにしましょう。

「反故」の由来・歴史

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書き損じた紙や不用となった用紙を意味する「反故」ですが、「反故する」となれば、約束を破ったり、契約を破棄したりする意味も持ちます。マイナスイメージの強い言葉の誕生も気になるところです。「反故」の由来と歴史を見てみましょう。

由来

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「反故」は「反」と「故」の組み合わせでできています。由来は「漢語」です。裏返すという意味を持つ「反」と使用済みの紙を意味する「故」、即ち「裏返して使用済みの紙を再利用する」ことを表現しています。

「裏返して使用済みの紙を使用する」から派生して、「書き損じた紙」を指し示すようになったのが「反故」です。さらにそこから転じて、書き損じた紙や不用となったものを捨てる行為も「反故」と言われるようになりました。

歴史

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「反故」の歴史は、平安時代にまで遡ります。「裏返して使用済みの紙を再利用する」から「書き損じた紙」を指し示すようになったという由来からもわかるように、「反故」の意味と紙は深い関わりがあります。では、紙はいつから使われるようになったのでしょうか?

紙が使われるようになる前に利用されていたのは木です。文書などを記録するための細長い木で、「木簡」と呼ばれます。平安時代である10世紀までは、木簡に墨で文字を書いていました。木は丈夫で長持ちしますし、何よりも紙がとても高価なものだったからです。

その後、木簡よりも紙が主流になっていきますが、高価なことには代わりがありません。一枚一枚の紙を大切に扱い、紙が墨で真っ黒になるまで表も裏も使うことが当たり前のこととして、浸透しました。この平安時代からの流れが、「反故」の歴史です。

「反故」の英語表記

「反故」の英語表記は2通りあります。名詞として「書き損じた紙」を表現したい時の英語は、「wastepaper」です。また、「反故する」という使い方をする時の英語は、「break one's promise」となります。

「反故」の英語表記「break one's promise」の意味と例文

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日本語でもよく使われる「反故する」の英語表記として、「break one's promise」の意味と使い方を見てみましょう。英語で「break」が意味するのは、「壊す」「壊れる」「折れる」「割れる」「切れる」です。

「break」とペアで使う英語の「promise」は、名詞では「約束」を意味し、動詞では「約束する」を意味します。2つを合わせた英語での表現、「break one's promise」は直訳では「約束を壊す」ですが、日本語の表現に置き換えると「約束を破る」となります。

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英語の例文を見てみましょう。【英語の例文1】 Before, that company broke their promise .(以前、その会社は約束を反故にした)「反故」は英語でも日本語と同様に、重要な約束や契約を破ることを意味します。

【英語の例文2】 If you break your promise again, we'll never trust you.(あなた方が再び約束を反故にするならば、我々はあなた方を信頼することは決してないだろう。)このように、「break one's promise」で「反故」を表現することができます。

「反故」は不用となった紙という意味

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「反故」は名詞では書き損じなどで不用となった紙を意味します。そこから、役に立たない不用なものや物事も意味するようになりました。「反故にする」とは、不用なものとして捨てたり、契約破棄や約束を破ったりすることです。

書き損じとはいえ、紙を無駄にするのはあまり良いこととはいえません。約束を無かったことにされたり、契約を破棄したりということも、できれば経験したく無いものです。

ビジネスシーンにおいて「反故にする」という言葉を使う場合は、既に悪い出来事の渦中にいるという可能性もあります。企業間の空気や相手の思いを推し量り、間違った使い方でさらに流れを悪くすることにならないよう、気をつけましょう。

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ライター

kana_emoto

副業としてライターを始めたのは、2018年9月です。 webサイトの制作や更新をする中でコンテンツの重要性を感じ、始めました。 この先、webライティングを本業にできるよう、修行中です。 足りないスキルは随時補いながら頑張ります。

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