オリーブを挿し木で増やす方法!おすすめの時期ややり方のコツを詳しく解説!

オリーブを挿し木で増やす方法!おすすめの時期ややり方のコツを詳しく解説!

オリーブオイルは健康に良いですが、オリーブの実自体も健康に良い食材です。また庭木として非常に人気があるオリーブの木ですが、種から育てると難しく、また長い年月がかかりますが、挿し木として植えれば簡単で短期間で済みます。挿し木として植えて増やす方法を紹介します。

記事の目次

  1. 1.オリーブの挿し木の方法を覚えよう!
  2. 2.オリーブを増やすには挿し木がおすすめ
  3. 3. オリーブの挿し木に適した時期
  4. 4.オリーブの挿し木のやり方
  5. 5.オリーブの挿し木にはもうひとつやり方がある
  6. 6.オリーブの挿し木の植え替え方法
  7. 7. 挿し木の方法を覚えてオリーブを増やそう!

オリーブの挿し木の方法を覚えよう!

Photo by neyssensas

オリーブの木をご存じでしょうか。オリーブはモクセイ科に属する常緑高木です。学名はOlea europaeaで、乾燥に強いことからスペイン、イタリア、ギリシャなどのヨーロッパの南欧ならびに地中海沿岸諸国で栽培されています。

オリーブというのは健康志向でオリーブオイルが有名ですが、実は室内のインテリアとか庭木としてもおすすめです。オリーブの木は品種も多く、鮮やかな常緑で光沢がある葉に太く直立した幹が魅力です。

そんなオリーブを増やすのは挿し木が簡単です。挿し木の方法を以下解説していきます。挿し木のやり方を覚えて、オリーブの木を室内に飾ったり、庭木として植えることで、自宅でちょっとした地中海や南欧のヨーロッパの気分を味わっていきましょう。

オリーブを増やすには挿し木がおすすめ

一般的に植物といえば、種から育てると思われがちですが、それ以外のおすすめの方法もあります。それ以外のポピュラーでおすすめな方法としては挿し木です。

挿し木とは増やしたい木の枝を切り取り、土に挿して発根させて増やしていく方法です。種から育てるよりも短時間で済み、かつお手軽であり、園芸やガーデニングの初心者にはおすすめの方法です。切り取って土に挿した枝の数だけ苗木を増やすことができ、おすすめです。

種から育てると大きくなるまで時間がかかる

一般的に樹木というのは種から育てると、大きくなるまでに時間がかかります。オリーブも例外ではありません。

オリーブは適切な処理を施しても種からの発芽率は非常に低い上に、最低でも発芽までに1週間、長い場合は数か月もかかります。さらに実をつけるまで育つまでには最低15年もの期間を要します。

それに対し、挿し木の場合は実をつけるまで5年ほどで、種から育てたものに比べて3分の1以下の期間で済むのでおすすめです。

挿し木だと土に刺すだけで簡単に大きくなる

オリーブを含め挿し木で増やせる樹木はたくさんありますが、それは動物と異なり植物の体細胞には分化全能性があるからです。

動物では細胞に特別な操作をしない限り、分化全能性をもつのは受精卵のみです。植物でも枝も根も花も葉も構成する体細胞は受精卵からつくられるのは同じですが、植物はどの部位の体細胞でも自分の他の部位および体全体をつくる能力、分化全能性をもっています。

だから、挿し木では切り取った枝を土に挿しておくと、全くなかった根の細胞が枝の細胞より作られ、切断面から根がでてきます。新たな根より土壌にある水や養分を吸収し、一本の樹木として新たに成長していきます。

オリーブの挿し木に適した時期

Photo by Sgobbone

オリーブの挿し木にはそれぞれ適した時期とやり方があり、やみくもに枝を土に挿せばいいというわけではありません。2月と5~7月の時期に行うのが挿し木の成功率が高く、おすすめだとされています。

オリーブの挿し木には時期によって、大きく休眠枝挿しと緑枝挿しの2通りのやり方に分けられます。一般的に行われているのは休眠枝挿しです。

休眠枝挿しは2月などのオリーブの枝の成長が止まった寒い時期に挿し木することで、逆に緑枝挿しは5~7月の初夏の暖かくなる時期に、オリーブの枝が成長を始めるときに行います。

2月

2月の寒い時期はオリーブの枝の成長は止まっています。その寒い時期に行う挿し木を休眠枝挿しといいます。

休眠枝挿しは太く成熟した枝を使います。直径5~10cm、長さは30cmくらいがいいでしょう。2月前後の冬の剪定の際に太い枝を切り落とすことがあれば挿し木の材料にしてもいいでしょう。

5月~7月の間

5~7月は暖かくなり日照時間も増え、オリーブにとっては成長の盛んな時期です。この時期に枝を剪定した挿し木を行うことを緑枝挿しといいます。

緑枝挿しは能率自体は高くオリーブの苗木の生産者が行う方法ですが、管理がやや難しく、休眠枝挿しに比べたら難易度の高い方法です。

緑枝挿しは新芽のでている元気のいい枝を用います。土に挿す前に葉を3~4枚程度残す程度に落とし、切り口を2時間ほど水につけておきましょう。

オリーブの挿し木のやり方

挿し木は適切な時期に切り取った枝を発根させて土に植えて、新しい苗として育てることです。土に挿すだけで手軽だと思いがちですが、決して優しくはありません。

オリーブの挿し木のやり方は休眠枝挿しと緑枝挿しの2通りがあることを前述しましたが、あくまで、挿し木の枝を採取し、挿し木する時期の違いであって、どちらも挿し木の基本的なやり方自体に違いはありません。

用意するもの

オリーブの挿し木を始めるにあたり用意するものは、挿し木に使うオリーブの枝は当然としても、他に必要な物品は①ビニール製の鉢もしくはプランター、②挿し木用の用土(弱アルカリ性が望ましい)、③コップなどの容器、④割りばし、⑤発根促進剤の最低5つです。

準備するのものなかで入手困難なものはありません。コーナンなどのホームセンターに行けば全て普通に手に入るものでしょう。強いて聞きなれないものといえば、発根促進剤くらいでしょうか。

発根促進剤とは

発根促進剤とはその名の通り、発根を促進したり、発根した根を太くしたりする薬です。植物の発根や根の発達を促進することにより、水や栄養を吸収する力が高まり、光合成も活発になり、植物がより元気に育ちます。

オリーブの挿し木の成功率は低いです。土に挿したものの根がうまく張らず、植えた苗が全滅してしまったということがよくありますが、発根促進剤を用いることによって、成功率が高まります。

挿し木の手順

挿し木に使うオリーブの枝と、挿し木に必要なものを揃えられたら、オリーブの挿し木を始めていきますが、挿し木に成功しやすい手順というのがあります。ここでは具体的な手順を述べ、注意しなければならない点について解説していきます。

①挿し木に使うオリーブの枝を長さ10~15cmくらいになるようにカット

まず、コップなどの容器に水をためて張っておきます。次に挿し木に使うオリーブの枝を10~15cmくらいにカットします。切り口は斜めにしておきます。

カットする際は清潔で切れるナイフやハサミを用いてください。切れないナイフやハサミだと、切り口の繊維をつぶして傷めたり、汚いナイフやハサミだと細菌等で切り口を汚染する可能性があります。

②水をためたコップなどの容器の中に挿し木用の枝をつける

2~3時間ほど水を張ったコップなどの容器に挿し木用の枝をつけておきます。水につけるだけで水栽培ではありません。挿し木に使われる枝は水分の少ない末端部分であることが多く、かつ強い根圧によって水分を補給できないので、水につけて水分を多く吸収させる必要があります。

③ビニール製の鉢もしくはプランターに挿し木用の土を入れる

挿し木用の枝を水につけている間に、ビニール製の鉢もしくはプランターに挿し木用の土を入れます。挿し木用の土はパーライトなどの育苗用の土が望ましいでしょう。土を入れ終わったら、水差しなどで入れた土を湿らせておきます。

④発根促進剤を切り口に塗る

枝を水から上げて、水を切った後に切り口に発根促進剤を塗ります。ルートンなどの粉状の発根促進剤であればまぶす切り口に水につけて十分に濡れた状態でまぶします。多量につけすぎない、まぶしすぎないように注意します。

⑤枝を土に挿す

枝を挿す前に、土に割りばしなどで深さ10cm程度の穴をあけます。枝の切り口を傷つけないようにするためです。そうしてできた穴に挿し木用の枝を入れます。ぐらつかないように土を軽く押さえて、土を固めて完成です。

挿し木を置く場所と水やりの仕方

オリーブ自体はもともと温暖な地域が原産であり、日当たりを好む樹木です。しかし、挿し木したての頃は直射日光は強すぎるもので当てるべきではありません。

挿し木を置く場所は直射日光の当たらない窓辺などの半日陰の場所がいいでしょう。発根するまでは半日陰程度の日光もしくは室内のライトで十分です。

オリーブの挿し木の土を乾かさないように気を付けて水をあげましょう。ただし、一度に水をあげ過ぎると挿し木が腐って枯れてしまう原因となります。水をあげるときは適量を守りこまめにあげるというのがポイントです。

オリーブの挿し木にはもうひとつやり方がある

前述のような一般的な挿し木の方法以外に、ペットボトルを使うやり方もおすすめです。そのやり方は密閉挿しと呼ばれています。

挿し木する枝には葉がついており、そこから水分が蒸散していきます。発根するまでは水を吸収する力が弱く、枝自体が枯死することもあります。それを防ぐために一般的な挿し木の方法では余分な葉を落とすこともあります。

しかし、葉は光合成をするためには必要なものです。なるべく葉を落とさないで、かつ水分の蒸散を防ぐためには高い湿度を保つおすすめの方法があります。それはペットボトルを用いて挿し木自体を密閉する密閉挿しという方法です。

ペットボトルを使う密閉挿し

Photo by torisan3500

自宅で挿し木を行う場合、ペットボトルを使う密閉挿しは簡単で手軽なおすすめの方法です。家庭から出て毎年多くの量のペットボトルが廃棄されていますが、そういったペットボトルの活用手段としても、ペットボトルを使う密閉挿しはおすすめです。

水栽培ではないの?

水栽培とペットボトルによる密閉挿しは違います。もちろん、水分を多く枝に与えるという点で水栽培と同じですが、水栽培との間には明確な違いがあります。

挿し木の方法には枝を水に挿す方法と土に挿す方法の両方がありますが、水栽培は前者です。それに対してペットボトルによる密閉挿しは後者です。

ペットボトルによる密閉挿しは土に挿す土栽培です。土栽培も水栽培と同様に枝を水漬けしますが、初めの数時間だけで後の工程は全て土に挿すのに対して、水栽培は発根してからもしばらくの期間、もしくは成長してからもずっと水に挿し続ける栽培方法です。

水栽培はヒヤシンスやムスカリなどの球根類、レタスや豆苗などの野菜類、ポトスやアイビーなどの観葉植物を部屋で手軽に楽しむための栽培法として用いられています。

密閉挿しの手順

ペットボトルの密閉挿しの手順は基本的には前述のオリーブの挿し木のやり方をベースにしていますが、異なる点もあります。その異なる点を含めて、丁寧にやり方を後述していきます。

①挿し木用の枝を用意する

先述したオリーブの挿し木のやり方と同様に、挿し木用の枝を用意します。枝の長さが10~15cmになるように、そして切り口が斜めになるようにカットします。そして、コップなどの容器に水を張って、水につけておきます。水につけておきますが、水栽培とは異なります。

②密閉挿し用のペットボトルを用意する

空のペットボトルを用意します。その際、ペットボトルを丁寧に洗浄し雑菌などがいない清潔な状態にしましょう。

洗ったペットボトルはちょうど半分のところでカッター等で半分にカットします。上半分についてはまた密閉するときに使うので捨てないようにしましょう。

③カットしたペットボトルに無菌の用土を敷き詰める

カットしたペットボトルの下半分に用土を敷き詰めます。密閉挿しに使う用土は無菌のもので、かつ軽いものが適しています。軽石を高温処理したバーミキュライトがその用土として相応しいものでしょう。

用土は切り離したペットボトルの下半分の3分の2以上になるように敷き詰めます。用土を敷き終わったら、大体用土の3分の1程度になるように水を注ぎます。水栽培ではないですので、水を注ぎすぎないように注意しましょう。

水を注ぐとき、なるべく水道の蛇口から直接注ぎましょう。ジョウロなどを介すとジョウロなどに雑菌がいる可能性があります。密閉挿しが失敗してしまう原因の一つはカビの発生です。できるだけ雑菌の汚染がないように気をつけて行いましょう。

④水につけておいた挿し木用の枝を土に挿す

土の表面に割りばしなどを使って穴をあけましょう。水から挿し木用のオリーブの枝をあげて、水を十分に切ったのちに、穴に挿して土に植えます。

挿した枝は発根を促進するためにもぐらぐらしないように、土壌をやさしくしっかりと固めるようにします。穴の深さは先述した挿し木のやり方と同様の10cm程度の深さがいいでしょう。

⑤ペットボトルの上半分をかぶせて密閉する

しっかりとオリーブの枝を土に挿しこんだのであれば、最後にオリーブの枝が土に挿しこんである下半分のペットボトルに 切り離しておいたペットボトルの上半分をかぶせ、テープで空気が入らないように密閉して、オリーブの密閉挿しの完成です。

オリーブの挿し木の植え替え方法

挿し木自体はどんどんと成長していきます。枝から新しい芽が生えて目に見える部分も成長していきますが、何よりも目に見えない土の中の根も成長します。

同じ大きさの鉢のままだと、土の中に根が成長するためのスペースがどんどんなくなっていくので、新しい鉢へ植え替える必要がでてくるのです。

植え替えるタイミング

挿し木したオリーブは発根はもちろんのこと、新しい芽も出て、そして葉っぱも増えてどんどんと成長していきます。

植え替えるとなったら元の鉢よりも一回り大きい鉢を用意し、新しい鉢に植え替えてあげましょう。オリーブについては根の成長が特に著しいために、定期的に鉢の交換をしないとすぐに根詰まりします。

根が張ってきたと思ったら植え替えをする必要があります。その植え替えの期間の目安としては数か月をみておいたらいいでしょう。

用意するもの

オリーブの植え替えを行う際に最低用意するものは、①元の鉢よりも一回り大きい鉢、②市販のオリーブ専用土もしくは水はけのよい団粒構造の観葉植物用の用土、③鉢底ネット、④鉢底石、⑤植えてある苗を取り出すためのスコップ、⑥フォーク、⑦ハサミ、⑧支柱、⑨紐、の9つです。

植え替えの手順

実際に道具が準備できたら、実際に植え替えをしてみましょう。きちんと手順を踏めば、初心者であっても簡単にできるでしょう。以下、植え替えの方法を具体的に述べていきます。

①新しい鉢に鉢底ネットをかぶせて鉢底石を敷き詰める

準備してある一回り大きい鉢の鉢底に鉢底ネットを敷いていきます。鉢底ネットを敷き終わったら、鉢底石も鉢の底に敷き詰めます。鉢底石を敷き終わったら、用意した土を鉢の3分の1程度入れましょう。

②古い鉢からオリーブを引き抜く

土を含めてオリーブの根を古い鉢から引き抜いてください。根詰まりを起こしているなど、抜きづらいときは鉢の縁や横などを叩くか、シャベルを使いましょう。そうすれば、抜き取ることができます。

抜きとった後は、土を落としつつ根をほぐします。フォークを使うと根っこが非常にほぐしやすいです。オリーブの根の先が完全にばらばらになるまでほぐします。ほぐす過程で、古い根や腐っている根、伸びすぎている根をハサミで切り落としていきます。

③新しい鉢にオリーブを植える

新しい鉢の中心に古い鉢から取り出したオリーブの木を置きます。置き終わったら、オリーブの周りに土を追加して入れて根を埋めていきましょう。

オリーブの木がより立ちやすいように、土は隙間ができないように入れていくようにします。土を入れる目安は鉢の縁から下2~4cmくらいです。土を入れたら、たっぷりと水を与えましょう。水栽培とは違いますので、水を与え過ぎないように注意しましょう。

④無事に新しい鉢に移し替えることのできたオリーブの木の横に支柱を立てる

無事にオリーブの木を新しい鉢に移し替えることができたら、オリーブの木の横に支柱を立てましょう。支柱を立てたら、オリーブがぐらつかないように、支柱とオリーブの幹を2箇所ほど紐で結びましょう。

紐を締める際はきつ過ぎないように注意してください。支柱とオリーブを紐で締めるのはあくまでオリーブの木が倒れないようにするためで、きつく締めすぎるととオリーブの成長を妨げる恐れがあります。これでオリーブの植え替えは完成です。

挿し木の方法を覚えてオリーブを増やそう!

Photo byulleo

オリーブの苗木自体、通販で簡単に購入することができます。苗木一つを購入すれば、挿し木でどんどんとオリーブを増やすことができます。増えたオリーブでまた、剪定した枝で挿し木して無限に増やすことができます。

挿し木の方法を覚えてオリーブをたくさん増やしましょう。挿し木で増えたオリーブの木々達を観葉植物や庭木としてインテリアとして飾ることで、日常の生活空間をおしゃれにしたり癒しを与えてくれます。きっと日々のストレスを大きく軽減し、人生を充実させてくれるでしょう。

HaRY
ライター

HaRY

宜しくお願いします。 京都出身で、とある化学工場で正社員をしています。将来が心配になり副業に取り組み始めました。ライターの仕事は初めてですが、よろしくお願いします。

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