障子の張り替えガイド!簡単なはがし方・貼り方・アイロンを使うコツなど!

障子の張り替えガイド!簡単なはがし方・貼り方・アイロンを使うコツなど!

和式家屋管理の登竜門といえば「障子」ですが、一年もすればやがてゆっくりと黄ばみがみられ、二年三年と経つうちに経年劣化しる障子を張り替えるにはどのような手順が必要なのでしょうか?ここでは障子の張り替えテクニックの虎の巻を伝授します。

記事の目次

  1. 1.障子の張り替えのコツを確認しよう
  2. 2.障子の張り替え時期は?
  3. 3.障子の張り替え①はがし方
  4. 4.障子の張り替え②貼り方
  5. 5.簡単に障子の張り替えをするコツ
  6. 6.障子の張り替えは初心者でも簡単!

障子の張り替えのコツを確認しよう

Photo by tamakisono

障子を張り替える方法についてどこまでご存知ですか?普通の障子なら、購入してきた障子のパッケージを読み込めばある程度は理解することもできるでしょうが、細かい注意点や気をつけるべきことに関してはなかなか理解が難しいことがあります。

そこで初心者の方でもなるべく簡単に障子の張り替えが出来る貼り方や、障子の張り替えの時の剥がし方のコツについていくつかの説明を紹介します。どのようなルールに基づいてどのような貼り方や剥がし方、障子の張り替えのポイントがあるのかについてしっかりと学びましょう。

障子の張り替え時期は?

フリー写真素材ぱくたそ

障子の張り替えには適切な時期というものがあります。毎年決まった時期に張り替えるという必要性はありませんが、少なくともこのぐらいには、障子の張り替えを行うべきという目安となる期間というものがあります。

何かの拍子に破れてしまったのであれば早々に張り替えてしまえば良いですが、破れていないのに張り替える必要はありません。また、障子を張り替えるのに適した季節というものもありますので、障子の張り替えに適した季節や、最適な張り替え期間などについて、まずはご紹介します。

障子紙の寿命は3年前後

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一般的に、障子に使われている障子紙は、概ね3年程度でその寿命を迎えると言われています。実際には、障子紙全体の色がぼんやりと黄色くなり、障子紙そのものの厚みが失われ、うっすらと向こう側が透けて見えるようであれば寿命を迎えたと考えられます。

ですが、そこまで至った障子紙はすでにかなりの年数が経過しているものと考えられますので、早々に張り替えてしまうことをお勧めします。また先ほども申し上げましたが、何かの拍子に破れているのであれば、年数に関係なく部分的に張り替えるなどの対処を行ってください。

雨が多い季節の張り替えがおすすめ

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障子の張り替えに適した季節というものがあります。最も分かりやすい季節は、雨がよく降る季節が最適です。雨がよく降る季節といえば梅雨時期ですが、日本では9月上旬から10月中旬までの季節も比較的雨がよく降る季節として言われています。

ですので梅雨時期と言われる5月下旬から6月上旬までの季節と、9月上旬から10月中旬までの季節が雨が比較的よく降る季節なので障子の張り替えに最適の季節だと考えられます。ですので障子の張替えをするのであれば上記の季節を狙ってスケジュールを合わせると良いでしょう。

お祝いごとを迎える前にする人も

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法事や正月など、親族や友人知人近所の付き合いのある人たちとの会合などを予定しているような場合は、そうした関係者が集まる前にあらかじめ使う予定のある和室の障子を張り替えておくというようなこともあります。

もしもそのような予定が予め考えられているのであれば、日取りが近づいてから慌てて張り替えるようなことがないようにあらかじめ予定を組みつつ障子の張り替えを行っておくことをお勧めします。

依頼する場合はあえて時期をずらす人も

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障子の張替えをプロに委託する場合は、当然ですが繁忙期とそうでない時期とで仕上がりの早さや、価格にも影響が考えられます。ですので、張り替えにあまり適さないと言われている時期や、お店が空いている時期に実施される割引きサービスを敢えて狙う人もいます。

障子の張り替え①はがし方

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まずは障子のはがし方からですが、はがし方としてありがちなひたすら破くというのはとても非効率なので、正しく準備を行って、なるべくきれいなはがし方で古い障子を取り除きましょう。はがし方が雑だと新しく張り替える障子が駄目になりやすくなります。

用意するべき道具をきっちりと準備して、正しいはがし方で限りなく綺麗に古い障子を取り除けるようにしましょう。美しい障子の張り替え方には、すでにはがし方から準備は始まっているのです。

障子をはがすときに使う道具

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障子の張り替えのなかで、はがし方に必要な道具として用意しなければならないのは「はたき・霧吹き・雑巾などの布・水もしくは障子剥がし剤」といった物です。霧吹きが無ければスポンジとバケツを用意しておいても構いません。なるべくキッチリと揃えましょう。

障子をはがす手順

フリー写真素材ぱくたそ

障子を張り替えるための古い障子のはがし方ですが、一通りの道具を揃えたら、以下のような手順で順番に古い障子をはがしてください。簡単な作業なのでそれほど構える必要はありませんし、破いでしまったところでどうせ剥がしてしまうので気にせず進めていきましょう。

①桟を濡らす

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はがし方の最初にやるべきこととして、障子の桟の部分にそって、障子そのものを霧吹きやスポンジで水か剥がし剤で濡らしていきます。桟というのは障子が貼られている木組みの骨組みの事で、ここに糊で障子が貼る付けられているので、糊をふやかせます。

②下からゆっくりはがす

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続いてのはがし方手順として、一通り全てののり付けされている場所に剥がし剤や水が塗り終わったら、古い掃除をしたからゆっくりと剥ぎ取って行きます。豪快に一気に進めても構いませんが、障子が古い場合はどうしても細かい繊維や糊のカスが残りがちなので、なるべく丁寧に剥がしましょう。

③桟に残った障子紙をはがす

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はがし方の最後には、桟に残った障子の残りカスを雑巾や布でしっかりと拭き上げていきます。こうすることで残った余計な汚れや糊などがすべてきれいに拭き取ることができるからです。最後に日陰で一度干して水分を飛ばして完成です。

障子の張り替え②貼り方

フリー写真素材ぱくたそ

最終的な目的は障子の張り替えですから、剥がし終えた障子を今度は新しい障子へと張り替えて行きます。続いては障子を貼っていく作業になりますが、具体的な貼り方についてはどのようになるのかご紹介します。簡単ですので落ち着いてチャレンジしてください。

和紙製はのりを使って貼る

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基本的な障子として「和紙」の障子の張り替えについてご紹介します。多くのご家庭ではこのタイプの障子が一般的でしょう。「和紙」タイプの貼り方について、準備すべきものや作業に関しての順番について、なるべく詳細にご紹介します。

①準備物を揃える

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新しい障子の貼り方としてまずしなければならないのは、張り替えるための道具を用意することです。和紙タイプの障子の貼り方に必要な道具は「障子紙、のり、はけ(※)、マステかセロハンテープ、カッター、直定規、霧吹き」となります。

②仮止めをする

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貼り方のコツとして、先に4辺の内の1辺だけにセロハンテープかマステで障子紙を仮止めします。こうすることで貼るときにズレずに美しく貼ることができるからです。そうして位置決めをしたら、一旦仮止めしてある障子を巻いて避けておきます。

そして桟に障子用の糊を1~2mm幅で塗り忘れが無いように全体的に塗ります。全て塗り終えたら丸めていた障子をゆっくりと転がすように広げて障子を貼ります。たるみが出ないようにハケなどで広げながら張り替えましょう。

③熱を加えつつ貼る

Photo by MIKI Yoshihito. (#mikiyoshihito)

貼り方のコツとして、障子紙の巻きが強くなりすぎている場合はアイロンやドライヤーを使うことでぴんと伸ばすことができます。一通り貼り終わったら、しっかりと張り替えるためにアイロンでかるく中央から外側に向けて熱を加えると伸びやすくなります。

④余分な紙を切り取る

フリー写真素材ぱくたそ

最後に、端に余っている障子紙をカットします。糊が乾いていることを確認してからカットするのが貼り方のコツです。しわが気になる場合は霧吹きで全体的にスプレーするとうまく馴染んで伸びてくれます。直定規を上手く使ってカットして張り替えましょう。

プラスチック製はアイロンで貼る

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プラスチック製の障子には、二種類の貼り方がありますが、今回はアイロンを使った貼り方についてご紹介します。プラスチック製の障子はアイロンなどの熱を使った圧着タイプなので、火傷などの注意が必要です。しかしそのぶんとても簡単なので、昨今ではかなり増加傾向にあります。

和紙からプラスチックタイプへ張り替えるさいには、前述したように和紙タイプの張り替え方が参考になります。まずは古い和紙の障子をはがしてから張り替えを行うことになるからです。

①アイロン・雑巾・マステを用意する

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プラスチックタイプの障子の張り替えに必要なものは、「アイロン(もしくはドライヤー)、はたき、雑巾や布巾」が必要な道具となります。和紙に比べてかなり必要な道具が少ない事がポイントとなります。プラスチックタイプの障子のはがし方は、軽く暖めれば簡単に剥がれます。

②桟を温め汚れを取る

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はがし終えたプラスチックタイプの障子が圧着していた部分に、少量ながらホットメルトが残っている可能性があるので、汚れが残っていれば雑巾や布巾で綺麗にふき取っておきます。糊で貼っていた場合は水ぶきと乾燥の工程が加わります。

③仮止めをする

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貼り付ける障子によっては余計な圧着を防ぐ「紙じゃくり」という部位があります。なければ障子枠を圧着すると困る部分にマステなどを貼って予防しておくなどの対応をしておきましょう。マスキングテープによる予防ができたら、障子枠の四隅をアイロンで仮止めします。

④真ん中から貼る

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次にアイロンで仮止めしている障子の中央部分から外に向かって広げるようにアイロンによる熱を加えながら広げていきます。ゆっくりしすぎるとアイロンの熱で障子が溶けすぎてしまうので、過剰な熱が加われないように手早く貼り付けてください。

一番外側の枠はしっかりとくっつける必要があるので、溶けすぎない程度にしっかりとアイロンで圧着させます。しわが残らないように中央から手早く確実に張り替えましょう。

⑤余分な紙を切る

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最後は和紙の張り替えと同様に、余った部分をカッターやカット定規を使って取り除いていきます。あらかじめ貼っていたマスキングテープのラインや、もともと貼ってあったガイドを中心に不必要な障子紙を取り除きます。

この時にしっかりとマスキングテープによる処理が行えていなかった場合、取っ手や余分な場所に障子が張り付てしまい大惨事に繋がる可能性がありますので、張り替え前にはしっかりと処理をしておくか、ガイドテープの位置の確認をおこなっておきましょう。

簡単に障子の張り替えをするコツ

フリー写真素材ぱくたそ

なるべく簡単でキレイに障子の張り替えをするためのテクニックについて、いくつかの簡単テクニックをご紹介します。張り替えそのものを簡単にするテクニックや、簡単に問題点をクリアするためのテクニックですので、障子の張り替えに挑戦する際は試しててください。

たるまないようにする

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障子の張り替えの最大の敵は「たるみ」です。これは特に張り替え直後に発覚しがちなので、無理に障子を引っ張ったりせずに、なるべく自然体で張り替えるようにしましょう。仮止めの位置や張り替え方の段階でずれると起こります。仮止めの位置はしっかりと行いましょう。

汚れをしっかり落とす

フリー写真素材ぱくたそ

障子の張り替えが上手くいかない、簡単にはできないと悩んでしまうもう一つの原因が「汚れが残っている場合」です。このパターンも張り替えの失敗談に非情によく耳にします。簡単な対策方法はごく単純で「もっときれいに枠を掃除する」ということです。

とくに和紙タイプはノリや古くなってこびりついた障子が固まってしまって歪なデコボコを形成していることがあるので、面倒ではありますがそぎ落とす必要があるのです。簡単な手段としては工具の「サンダー」を使って研磨すると比較的美しい仕上がりが期待できます。

手元にサンダーが無い場合は、紙やすりなどでそぎ落とす方法もおすすめです。きれいに張り替えるにはとにかく障子枠に余計なデコボコを残さない事がポイントとなるのです。

アイロンでしわをとる

Photo byAlexas_Fotos

アイロンを使って張り替えるタイプのしわ取りについては、すこしだけ前述しましたが、アイロンで障子が溶けださない程度にゆっくりと熱を充てていくことで余計なしわを取り除くことができます。ですが、長時間の熱を受けると、障子が変色してしまう危険性があります。

ですので、アイロンをつかってしわ伸ばしをしてキレイな張り替えを行うときには、なるべく止まったりしないように一定の速度以上でスライドさせることが簡単に張り替えるためのコツです。

霧吹きを使う

フリー写真素材ぱくたそ

障子の張り替えのコツとして、障子を適度に湿気させておくと、乾いた時にしっかりと張らせることが出来ます。ですので、余っている霧吹きでも構いませんので、障子の張り替えの際には必ず霧吹きを用意しておきましょう。

できるだけ細かい霧が出る者の方が、湿度を調整することができるのでおすすめです。多くでてしまうものはかえってよれたり縮みすぎたりしてしまうので、振りすぎにも注意しましょう。

障子の張り替えは初心者でも簡単!

Photo byAlexas_Fotos

張り替えのコツさえ把握しておけば、障子の張り替えで躓きがちな「シワ」は回避できます。あとはなるべく事故が起こらない環境下で作業を行いましょう。せっかく張り替えたばかりの障子をネコにやぶられてしまうようなことがないように、気をつけてください。

また、障子枠は木製ですので、トゲが刺さらないとも限りません。古い障子枠は傷んでしまっている所もあるでしょうから、あらかじめ古い障子をはがし終えた後に確認しておくなどの対処も行えれば障子のメンテナンスは完璧です。

五所川原銭男
ライター

五所川原銭男

ガジェット系を好む。雑食。暴食。時折暴走する。知る人ぞ知る某国産プロジェクトの中の人。

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