「しょうがない」の意味とは?
「しょうがない」という言葉にはいったいどんな意味があるのでしょうか。ここでは「しょうがない」の意味について紹介していきます。
「しょうがない」という言葉には「ほかには方法がない」「もうやり方がない」「つまらないこと」などの諦めの意味が込められている言葉になっています。
「しょうがない」という言葉には「すでに手に負えない状態」となっていて、「もうどうしようもない事」、「もうどうすることもできず、他にいい方法も見つからない」と分かって諦める際に使われることが多い言葉です。
「しょうがない」の由来
「しょうがない」という言葉にはどんな由来があるのでしょうか。「しょうがない」という言葉の由来は、「仕様(しよう)がない」という表現が変化して使われるようになったと言われています。
「しょうがない」の由来は「仕様」の「仕」は当て字となっていて、動詞「する(為る)」の連用形「し」を意味しています。
「仕様」はもともと、やり方や物事をしている様子などの意味として使われていて、その後に「手段、方法」などの言葉も意味するようになってきました。表現が変化して「仕様(しよう)」に「ない」という否定をつけた「仕様(しよう)がない」という言葉が使われるようになりました。
「仕様(しよう)がない」とは「手段や方法がない」といった意味になります。また「手段・方法がない」といった言葉から「いかなる方法もないので諦める」「どうにもならない」「やむを得ない」という「諦め」の意味も含んだ言葉として使われるようになっていきました。
「しょうがない」の漢字表記
「しょうがない」にはいったいどんな漢字表記があるのでしょうか。「しょうがない」を漢字で書く場合には「仕様が無い」となります。
「仕様」とは「なにかをする様子」のことで方法や手段、仕方または機械、電機、構造物などの構造や内容、性能などを意味している言葉です。「しょうがない」は「仕様が」と「無い」を組み合わすことによってできた言葉になります。
「しょうがない」の英語表記
「しょうがない」という言葉は英語ではどんな表現になるのでしょうか。「しょうがない」の英語での使い方と解釈について紹介します。
「しょうがない」という言葉は「Oh well」「It can't be helped」「There's nothing I can do」「I have no choice」「That's life」などのような英語表記の使い方があります。「Oh well」は「まぁ、しょうがない」、「It can't be helped」は「避けられない」という意味として解釈されています。
「There's nothing I can do」は「私にできることは何もない」、「I have no choice」は「他に選択肢はない」、「That's life」は「それが人生なのさ」というような意味で解釈されています。
例文の一つに「Oh well, we’ll just have to wait for the next one.」(まぁ、しょうがいない。次のを待つしかないね。)のような文章があります。
「しょうがない」状況の特徴
「しょうがない」という状況の場合にはいったいどんな対応をすることができるのでしょうか。「やりようがなく、方法も手段もない」ような「しょうがない」状況にはどんな特徴があるのかについて紹介していきます。
「しょうがない」状況の特徴「諦める」
「しょうがない」状況の特徴に「諦める」があります。なにかを精一杯に取り組んで、もうこれ以上はどうしようもない状況で諦める場合に「しょうがない」を使うことがあります。
自分自身で結果を出そうと努力してそれでも結果が付いてこないような「しょうがない」「どうしようもない」状況の特徴として「諦める」といった心境になることがあります。
「しょうがない」状況の特徴「妥協するとき」
「しょうがない」状況の特徴に「妥協する」という場合があります。なにかどうしても成し遂げたいことや叶えたい希望などがあったのにどうしても無理だとわかった場合などに「妥協する」という選択が生じます。
「妥協する」ことを選択したときに「しょうがない」を使うことによって気持ちを表現することがあります。
「しょうがない」状況の特徴「選択肢が他にない」
「しょうがない」状況の特徴に「選択肢がない」という場合があります。仮に他に選べる方法がある時には、自分や周りの人が納得できる方法で選ぶことができるのですが、選択肢が一つしかない場合には方法や手段を選べません。
選んだ結果がどんな状況であっても選択肢が他にない状況の特徴には「しょうがない」で表すことがあります。
「しょうがない」の類語
「しょうがない」という言葉には類語があるのでしょうか。ここでは「しょうがない」の類語について紹介していきます。「しょうがない」という言葉にはいくつか類語が存在しています。
「しょうがない」を言い換えて使う場合には、使う状況によって言いまわしが若干違ってきます。ここでは「しょうがない」の類語や言い換えについていくつか紹介していきますので参考にしてみてください。
仕様がない
「しょうがない」は他の言葉でも同じような意味として表現できるということを紹介してきました。ここでは「しょうがない」の類語にあたる言葉の「仕様がない」について紹介していきます。
「仕様がない」は「しょうがない」の由来にもなっている言葉なので、「方法がないので諦める」のような「しょうがない」と同じような意味をもつ言葉になっています。
「仕様がない」という言葉を由来としてだんだんと使いやすい「しょうがない」という言い方が広まっていった歴史からも類語として扱わうことができます。
仕方ない・やむを得ない
「しょうがない」の類語の一つに「仕方ない、やむを得ない」という言葉があります。「仕方ない」の意味は、なにか問題が発生して解決をしなければならないのに解決方法がなく、どうすることもできないことを意味している言葉です。
「やむを得ない」の意味は「他にやり方や選択する方法がなくてどうしようもない様子」を表している言葉なっています。
どちらの言葉も他に方法ややり方がなくて諦めるといった「しょうがない」と同じ意味として言い換えて使うことができます。
致し方ない
「しょうがない」の類語に「致し方ない」という言葉があります。「致し方ない」は「致す」という謙譲語(けんじょうご)を仕方ないの前につなげた形になっている言葉です。
「致し方ない」という言葉は「しょうがない」に「致す」をつけることでより丁寧な言葉として使うことができます。
特に目上の人と会話したりコミュニケーションをはかる場合には「致し方ない」という言葉を使うことで相手を敬うことにつながるのではないでしょうか。
「しょうがない」の使い方
「しょうがない」にはいったいどんな使い方があるのでしょうか。「しょうがない」の使い方について紹介していきます「しょうがない」は「なにか解決をする手段や方法もない」という諦めという意味として使われるようになった言葉です。
ここまで紹介してきた「しょうがない」には「がっかり」といった要素のある言葉としてネガティブなイメージを持ちやすいかもしれません。しかし、「しょうがない」という言葉はネガティブな意味の使われ方だけではないのです。
すでに選択肢がなく、手段や方法もないような「しょうがない」状況を諦めて次の行動や考え方につなげるような前向きな要素も含んだ言葉としても使われることがあります。次に「しょうがない」という言葉を使ったいろいろな要素をふまえた例文を用意しましたのでいくつか紹介していきます。
例文①
昔から大事に使っていた家具や電化製品や自動車などが壊れてしまった場合などに「しょうがない」を使うことがあります。
例文として「昔から大事に使っていた古い家具や電化製品、パソコンや自動車が故障してしまうのはしょうがない」のように「しょうがない」を使うことができます。
この場合の「しょうがない」の意味は「古くなって故障するのは時間の流れや劣化などによるものなのでどうにもならず、やむを得ないこと」のような意味で使われます。
例文②
「仕事で失敗してしまったのはしょうがないので、失敗した経験をふまえて次に生かそう」のような「しょうがない」の使い方があります。
失敗したということ自体は変えることができないしょうがない事なので諦めるしかないのですが、今後は失敗してしまったことを仕方ないとして次に生かすといった意味で「しょうがない」を使うことができます。
例文③
前から楽しみにしていた野外イベントなどが中止になってしまった場合などに「しょうがない」を使うことがあります。
楽しみにしていた花火大会、スポーツや音楽などの野外イベントが中止になってしまった場合などにも「しょうがない」が使われます。
例文として「台風がきているからしょうがない」などような言い方をします。行きたかったけど、台風や大雨ではどうすることもできないという寂しい気持ちをくみ取ることができるような使い方になっています。
例文④
営業の売上の成績が思ったより悪かったとした場合にも「しょうがない」を使うことがあります。新規顧客へのアプローチや既存の顧客へのフォローもしっかりしていたのに思ったより成績が伸びなかったり先月より下がってしまった場合などに使います。
例文として「しょうがない、自分でやれることはやったからまた頑張ろう」「今月は売上にはつながらなかったけどしょうがない、しっかり分析して来月につなげよう」のような意味として使うことができます。
例文のような「しょうがない」の使い方をする場合には、結果がでなかったことに対しての言い訳や失敗した自分自身に言い聞かせているようなニュアンスとして捉えられるような意味合いで相手に伝わる言い方となっています。話を聞いている相手は言い訳をしていると感じてしまうかもしれません。
例文⑤
「しょうがない」の使い方にはネガティブなイメージの諦めの意味としてだけではなく、自分の状況を受け入れて、諦めることで気持ちを切り替えて次の段階に進めるような言葉としてポジティブな意味で使うことができるということを紹介しました。
ポジティブな意味を含んだ「しょうがない」には「しょうがないなぁ」という言葉があります。ここでは「しょがないなぁ」について例文を使って表現してみます。
会社の同僚の会話で「あいつはいつも誰かの仕事の手伝いをして自分のことは二の次なんだよ、たまにミスをすることもあるけどしょうがないなぁ、あいつはそうゆう仲間思いのやつだから」のような言い方もできます。
「しょうがないなぁ」には、同僚の行動に対する諦めの気持ちと、その同僚の人柄を理解して許容する気持ちがあることを表している使い方になっています。
「しょうがない」を使う際の注意点
「しょうがない」を使う際に注意する点などはあるのでしょうか。「しょうがない」という言葉にはもうこれ以上はやりようがない、方法がないのような意味の使い方をする言葉となっています。
目上の人や仕事の取引先の相手に使う際には注意が必要になります。ここでは「しょうがない」の注意点について紹介していきます。
「しょうがない」だけでは丁寧さが足りない
「しょうがない」を使う際に注意する点として目上の方に対して「しょうがない」をそのまま使うのは丁寧さに欠けて失礼な印象を相手に与えてしまう可能性があります。
会社の上司に対して「今回のプロジェクトが失敗したのはしょうがない」のような「しょうがない」の使い方はしないほうがいいでしょう。なんとなく上から目線の言い方に感じてしまいます。
目上の方に対しての「しょうがない」の使い方としては「しょうがありません」や「仕方がございません」「致し方ございません」のように目上の方への敬意を示した使い方のほうが相手への印象も違ってきます。
自分が間違っている場合「他人ごとな印象」
「しょうがない」を使う状況において自分の方がなにか間違っている状況で自分に否がある場合に「しょうがない」を使うのはどこか他人ごとでやや無責任な印象があります。
仕事ので取引先の相手に依頼通りに自分ができなかった場合に「これ以上はもうしょうがないですね」「これはしょうがないです」などのような使い方は失礼にあたってしまいます。
相手から理解や了承を得られる前に「しょうがない」というのは相手への配慮に欠けた表現になりますので注意したほうがいいでしょう。
「しょうがない」は「手に負えない」「どうしようもならない」の意味
ここまで「しょうがない」の言葉に意味や使い方、漢字・由来などについて紹介してきました。「しょうがない」には「もうこれ以上手段や方法がない」「どうしようもない」のような意味があります。
「しょうがない」は仕方がない、仕様がないという言葉の言い回しとしても使われる言葉になっているので、いろいろな意味として表すことができます。
「しょうがない」という言葉の意味を理解して会話の中で類語などに置き換えながらその場の状況によって使い分けてみてはいかがでしょうか。ここまで紹介してきた「しょうがない」の使い方を参考に、円滑なコミュニケーションにつなげてみてください。