獣医の平均年収はいくら?給与や仕事内容についても詳しく解説!

獣医の平均年収はいくら?給与や仕事内容についても詳しく解説!

獣医には犬や猫などの小動物を診る獣医と、馬や牛・豚などを診る獣医の大きく2種類があります。獣医の平均年収はどのくらいなのでしょうか。開業医と動物病院などの勤務医では年収に差があるのでしょうか。獣医の仕事内容や必要な資格なども合わせて紹介します。

記事の目次

  1. 1.獣医の平均年収は616万円
  2. 2.獣医の平均年収・ボーナスの違い
  3. 3.獣医の業種別平均年収
  4. 4.獣医の仕事内容
  5. 5.開業する獣医について
  6. 6.獣医になる方法
  7. 7.獣医は長時間だがやり甲斐のある仕事

獣医の平均年収は616万円

獣医
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年収は誰でもが一番気になるところです。獣医には開業医と勤務医がありますが、開業医の場合は開業資金や設備投資、人を雇えば人件費などの経費がかかるので一概に平均年収の比較を出すのが難しいため、ここでは勤務医の平均年収を中心に紹介します。

厚生労働省の調査を基にした調査サイトの数値では勤務獣医の平均年収は約616万円と言われています。一般的サラリーマンの平均年収が約430万円に対し200万円ほど高い数値です。

獣医
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人を診る医師の平均年収の約1,000万円強と比べれば低い数値ですが、サラリーマンと比べれば高い年収です。もちろん平均ですから動物病院勤務、各施設勤務ではバラツキがありますが、それでも平均年収が600万円強は高い年収です。

また獣医の生涯推定年収(生涯で稼ぐ年収の合計)は約2億4千万円〜2億9千万円と、一般的サラリーマンの生涯推定年収と比べるとかなりの高額になります。獣医は稼げる職業といえます。

年収は550~660万円程度

年収
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獣医の年収のデータから平均を出すやり方には、年齢などの中央値(データの真中の数値)をとる出し方と、動物病院勤務の平均・各施設勤務の平均をおしなべて、その平均値を加算して該当する種類の数で割って出すやり方など様々あります。

一概に平均年収と言っても平均の出し方によって数値はまちまちになります。それらを総合すると獣医の平均年収は550万円〜660万円になります。このデータで見ても獣医の年収は一般のサラリーマンよりかなり高いと言えます。

初給与は23万円が平均

給料
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獣医が動物病院などに勤務して初めてもらう初給与(初任給)の平均は約23万円です。一般企業の大卒の初任給約20万円強とさほど変わりがありません。しかしこれは表向きの数字です。

獣医の場合は、勤務時間が一般企業と比べ大幅に多いのが実情です。つまり残業手当が多いのです。また一般企業の給与体系は未だに年功序列方が多いのに対して、獣医の場合は経験やこなした仕事の量とスキルによって給与が伸びていきます。

つまり給与(年収)が年齢に関わりなく、伸びるスピードが一般的サラリーマンより早いのは、大学の獣医科で6年も学び国家試験を突破したスキルがあるからです。逆を言えばスキルのない獣医師は年収が伸びないという厳しい現実もあります。

獣医の平均年収・ボーナスの違い

年収
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獣医の平均年収には月給だけでなくボーナスも含まれます。ボーナスの額の決め方は、勤務する動物病院や施設が民間企業、国家施設、地方自治体の施設によって大きく変わります。

ボーナスの金額は民間企業の場合は、その年度の収益によって決まられます。黒字が大きければボーナスの金額は大きくなりますが、収益が少なかったり赤字の場合には金額は縮小され、最悪の場合はゼロもありえます。

施設が国家施設の場合は国家公務員のボーナス規定に準じます。保健所などの施設の場合は、それぞれの地方自治体の規定で決められます。つまり獣医の平均年収は勤務先の施設が民間、国家、地方自治体によるボーナスの違いによって変わるということです。

獣医の男女別の平均年収・ボーナスの違い

ボーナス
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獣医の男女別の平均年収やボーナスの違いには、他の職種とは違う特徴があります。これは次に紹介する年齢別の違いとリンクしています。

年齢が20代の女性の獣医の平均年収は約410万円、男性は約370万円と女性の方が男性を上回っています。ところが年齢が30代を過ぎると平均年収は逆転して男性の方が上になってしまいます。なぜこのような現象が起きるのでしょうか。

これは女性の場合は、結婚や出産というハンディがあります。それにより勤務時間や出勤日数に男性と差が出てしまいます。特に30代以降の女性にはこの傾向が強くなるので、平均年収やボーナスの金額に差が出てくるのです。

女医
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猫や犬などのペットの病気を心配して獣医に診せにくる患者は、ほとんどが女性です。男性より女性の獣医に相談する方が気兼ねなしに安心できるので女医の方が人気が高いのです。しかし女性には結婚や出産というハンディがあるために勤務日数に影響が出てしまいます。

つまり年齢30代で男性と女性の獣医の平均年収に逆転現象が起きるのはこのような理由があるからです。もし30代の女性でも現役でバリバリ仕事をしていれば当然男性の年収の上をいっているかもしれません。

しかしそれが嬉しいことなのか、悲しいことなのかは個人の考え方次第です。最近のテレビドラマでも女医がよく取り上げられています。つまり男女別に平均年収やボーナスに差があるということには深く考えさせられる意味があります。

獣医の年齢別平均年収・ボーナスの違い

年収
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獣医の年収とは年間の給与額にボーナスを加えた金額です。年齢別平均年収とは年代別に平均年収を分けたものです。これも統計の取り方によって変わりますのであくまで目安の数字と捉えてください。

年齢が20代では390万円、30代は510万円、40代は650万円、50代は720万円と年代が増すごとに年収は11%〜13%のペースで上がりますが、年齢が60代になると500万円と下がります。

牛や馬などの大型動物を診る獣医の場合は、特にかなりの体力を使います。年齢が60歳を超えると身体的にきつくなり給料の高い仕事に就けなくなったり、勤務日数が減ったりリタイアが増えるためです。これは女性の獣医の年収が30代以降男性より低い原因の一つにもなります。

比較
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男女別の年収で比較すると、男性の獣医の場合は年齢が20代で370万円、30代は560万円、40代は730万円、50代で810万円、60代で490万円、70代で290万円と年齢の40代〜50代が最も年収が高くなっています。

女性の場合は年齢20代では410万円と男性よりも高いのですが、30代は490万円、40代で550万円、50代で790万円、60代で290万円、70代では年収はゼロと男性よりも低くなります。年齢70歳を超えると女性の獣医はリタイヤしていないことを表しています。

また女性の獣医の年齢別平均年収が30代以降低いのは、結婚や出産だけでなく体力が一般的に男性よりも低いためと考えられます。このように獣医という仕事は年収は高いけれど、体力や力を使う職業です。

獣医の業種別平均年収

業種
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獣医の平均年収は、前述のように年齢や性別によって違いますが、勤務する業種によってもかなり差があります。大学の獣医科で6年間学び国家試験にパスして獣医になる人は、まず最初は動物病院に勤める人がほとんどです。

そこで経験を積んでから各種施設など他の業種に移る場合が多いようです。それでは獣医の業種別平均年収を年齢が40歳前後の平均で比べてみましょう。

動物病院勤務の場合の年収

動物病院
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動物病院勤務の獣医の平均年収は約300万円〜350万円と獣医全体の平均600万円強と比べるとかなり低い金額です。それは経験を積むために大学を卒業してすぐに勤務する若い医師が多いからです。

また前にも紹介したように動物病院勤務獣医の平均月給は23〜24万円と一般企業の大卒の初任給とあまり変わりないくらいに低く、勤務時間も1日12時間になることも珍しくないほどの激務です。

ステップ
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若い獣医は経験を積むためなので頑張ることができます。ただ次へのステップと考える獣医が多いので勤続年数は長くないのが実情です。動物病院の平均年収が低いのは、若い獣医が多いことと勤続年数が短いことに起因しています。

もちろんこのデータは平均なので、動物病院の規模や民間病院、大学の付属病院など種類によってまちまちです。各種手当のあるなしによっても違ってきます。あくまで目安として読み取ってください。

JRA勤務の場合の年収

競馬
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JRAの正式名称は「日本中央競馬会」で、100%政府が出資していて農林水産大臣の監督下にある特殊法人です。募集職種は事務職、技術職、獣医職の3種類です。競走馬を扱う特殊法人なので当然獣医が必要になります。

獣医職の初任給は約25万円で、その他諸手当(家族・住宅・通勤)があり、一般企業より5万円ほど高めです。また全国各事業所に独身寮や社宅が完備されていて、福利厚生や待遇はトップクラスです。

JRA職員の年収は最低で650万円、最高では1,200万円とかなり高い年収です。獣医職の平均年収は42.2歳で約1,050万円となっています。ただし獣医職は毎年5名ずつしか採用せず、人気も倍率も非常に高いのでかなり狭き門になります。

民間企業勤務の場合の年収

動物試験
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獣医が勤務する民間企業には、製薬会社などがあります。新薬を研究開発するためには人に使う前に、動物実験をして薬の効果や副作用がないかを確認する必要があります。そのために獣医は非常に重宝され求人も多くなります。

勤務先の製薬会社の規模や携わる仕事の内容によって違いはありますが、スキルや実績が認められれば年収は600万円〜800万円になります。獣医の平均年収より高い年収を得ることができます。

各種施設勤務の場合の年収

動物園
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獣医が勤務する施設は、大きく分けて民間の水族館や動物園などの施設、厚生労働省や農林水産省などの国家施設、保健所などの地方自治体の施設の3つに分けられ、それぞれで年収や勤務状態が違います。

民間の水族館や動物園などの施設の獣医の平均月収は約29万円なので年収で約400万円〜450万円と割合低い金額です。しかも色々な動物を一人で診なければならないので労働時間も長くなります。

イルカ
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また休日も動物たちの状態に合わせて臨機応変に対応しなければならないので、一般サラリーマンのように毎週決まって土日に休むというわけにはいきません。動物好きでやりがい重視の人でなければ務まらない職場です。

国家施設で検疫などに携わる獣医は国家公務員になるので、年収は国家公務員の給与規定に準じます。また地方自治体の施設に勤務する場合は、地方公務員になるので都道府県の規定に基づく年収になります。

給与額で比べると、民間の製薬会社などの方が高いのですが、ボーナスは公務員の方が多いのでトータルの年収では公務員の方が上回ります。毎月の給与が高い方が良いのか、ボーナスが多い方が良いのかは個人の考え方次第です。

獣医の仕事内容

仕事内容
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獣医師の仕事といえば、犬や猫などのペットの治療をする動物病院の医師というイメージが強いのですが、実際には動物病院以外でも多種多様な現場で様々な仕事に従事しています。

獣医の仕事を大きく分けると「臨床獣医師」「国家公務員獣医師」「地方公務員獣医師」の3つに分類できます。また「臨床獣医師」は、犬や猫などペットのような小さな動物を診る「小動物臨床獣医師」と馬や牛豚などの大型の動物を扱う「産業動物臨床獣医師」に分かれます。

キリン
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また動物園や水族館での仕事では、象やキリン、イルカやクジラなどさらに大きな動物も扱います。仕事の内容も様々で、動物の病気や怪我を治療するだけでなく、健康管理や予防、細菌による感染を防ぐ仕事や、製薬会社で新薬の開発のため臨床動物試験など多岐にわたります。

また動物は人間のように自分で症状を訴えることができません。観察力を磨かなければなりません。これも獣医の重要な仕事です。さらに動物の種類は人間の比ではありません。獣医大学の6年間ですべての動物を学ぶことは不可能です。

獣医には人間を診る医師のようにインターン制度が確立されていません。そのために現場で仕事をしながら経験を積んで学んでいかなければなりません。

研究
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職種によって違いはありますが生物学、細菌学、生態学、環境衛生学、薬学、化学など様々な知識が必要になります。つまり勤務時間外でも自宅やセミナーに通うなど勉強し続けるのも獣医の仕事になります。

勤務時間が長い上に帰宅後も勉強と、過酷な環境に耐えきれず1〜2年で退職する人も少なくありません。獣医は年収は高いけれど仕事内容はハードな職業といえます。

それでは前述の「臨床獣医師」「国家公務員獣医師」「地方公務員獣医師」3つのグループに分けて仕事内容を詳しく説明していきます。

臨床獣医師の仕事内容

動物病院
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小動物臨床獣医師とは、いわゆる動物病院でペットなどの診療をする獣医のことです。獣医を目指す人の多くがこの小動物臨床獣医師の仕事を希望します。年収は低いけれどそこで経験を積んで開業するためのスキルを磨き、または年収の高い職種に転職するステップにする人が多いからです。

就職したばかりの新人の頃は先輩たちに、病院内の掃除や器具の片付け、タオルの洗濯など雑用を頼まれることが多く、雑用がこなせるようになって初めて先輩獣医の補佐につけるようになります。

ビジョン
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また同じペットと言っても犬や猫にも多彩な種類があり、ペットブームの影響で最近ではウサギやハムスター、爬虫類や鳥類と診察にくる動物の種類が増えています。つまり幅広い動物の知識を勉強する必要があります。逆を言えば様々な動物に接する機会が増え知識や経験が豊富になるとも言えます。

このように仕事と勉強を両立させなければいけない過酷な労働環境ですが、将来にビジョンを持っている人には若い間の修行と頑張ることができます。獣医師として成功している人の多くが、この時代の苦労があったからこそ今があるとよく言います。

馬
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産業動物臨床獣医師とは、動物園や水族館などたくさんの種類の動物がいる施設や、JRA(日本中央競馬会)の施設で競争馬など大型の動物を対象とする獣医のことです。

仕事の内容は、動物の体調管理から出産のケア、応急処置、病気の予防や治療と多岐にわたります。動物が大型なので特に出産のケアや治療をする際には、大きな体を押さえ込んだりするので、かなりの体力が必要になります。

しかしこのように、その動物の全般的なケアをするので愛着がわき無事出産や病気やケガが治った時には、達成感と喜びがあり、やりがいがある仕事と言えます。

国家公務員の仕事内容

空港
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国家公務員として働く獣医とはどのような仕事なのでしょう。グローバル化した現在では、海外から人だけでなく動物や食品がやってきます。動物が媒体となる病原菌や感染症を、国内に持ち込ませないために水際の空港や港湾の施設で食い止める仕事が検疫(けんえき)です。

検疫の仕事に当たる人を検疫官や防疫官と呼びます。検疫官は厚生労働省に属する国家公務員で、エボラ出血熱やSARSや新型コロナなどの検疫感染症に関する情報の収集・提供、感染患者の隔離収容、消毒、港湾区域の衛生管理、海外渡航者の健康相談などの業務を行います。

牛
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防疫官(ぼうえきかん)は、農林水産省に属する国家公務員で、植物や動物の検疫を行う仕事をする人のことで、獣医は欠かせない人材です。空港や港湾などの海外との出入り口の水際で感染症が国内に広がらないように防ぐ重要な仕事です。

そのためには検疫感染症や病原体、媒体となる動物やその生態などあらゆる知識が必要となる、いわば獣医のエキスパートが行う仕事です。動物が媒介となる感染症には、ニュースで話題になったBSEや口蹄疫、鳥インフルエンザ、豚コレラなどが有名です。

コンテナ
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また感染症以外でも、有毒な針を持った外来種のアリが港湾のコンテナで見つかり大騒ぎになったことがあります。その毒アリの生態や、何処に巣を作りどうやって増えるのか、天敵や何の薬品が効果があるのかを知らなければ駆除ができません。そのために様々な知識が必要になるのが検疫の仕事です。

このように検疫で感染症や有毒外来種の動物が、国内に広がるのを未然に防いでいるお陰で私たちは安全に生活ができるのです。この業務に従事する獣医は、安全な社会生活に密接に関わっている重要な仕事と言えます。

爬虫類
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ここで私たちが気をつけなければならないことがあります。それは外来種のペットの輸入です。外来種のペットの種類は千差万別で、日本の気候や風土に馴染むものが少なくありません。検疫を通過していれば感染症などの危険はありません。

しかし一部の飼い主が飼いきれなくなって、そのペットや動物を逃したり野生に戻してしまうことがあります。その外来種が強い性質を持っていると日本に元々いる在来種を上回り生態系を壊してしまうことがあります。

ブラックバス
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その顕著な例が「ブラックバス」です。ブラックバスは北アメリカ原産の外来種の魚ですが、非常に強い性質で天敵が日本にいないので、今や日本中の池や沼で釣りをすると、ほとんどブラックバスがかかります。

裏を返せば日本古来の野生のニジマスやコイが激減してしまったのです。外来種には日本に天敵がいないのでいっぺんに在来種を駆逐してしまいます。このように自然の生態系を変えてしまうのでペットは責任を持って飼うように注意しましょう。

地方公務員の仕事内容

狂犬病
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地方公務員の獣医は、保健所、屠畜場(とちくじょう)、家畜保健衛生所、畜産試験場、地方自治体管理の動物施設などに配属されて仕事をします。

保健所では狂犬病の予防注射や、犬猫や鳥などの死骸が見つかった場合に、死因が感染症によるものなのかを調べたり処分をするのが仕事になります。

屠畜場や家畜保健衛生所では、家畜が健康に育つように病気の予防や治療を行い、畜産農家の経営を支えるとともに消費者が安心して食肉を食べることができるようにサポートするのが仕事です。

豚舎
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よくニュースで見られるように、豚コレラが発生した時に白い防護服を着用して消毒をしたり、殺傷処分をするのも地方公務員の仕事です。地域の住民の安全と消費者の食の安全を守り、畜産農家をサポートするのが地方公務員獣医の役割です。

このように獣医の仕事とは、民間企業や公務員などの職種に限らず、動物やペットの治療をするだけでなく、広く人々の安全を守ると同時に畜産農家の経営を助け、経済を支えるための重要な責任のある仕事です。

それだけに苦労も多く、自分の都合に関係なく動物に合わせなければならないので労働条件も過酷になる仕事です。年収は高いけれども労働条件に見合うかというと疑問が残ります。つまり獣医という仕事に生きがいや達成感に喜びを感じる人向きの職業といえるのではないでしょうか。

開業する獣医について

動機
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開業を考える獣医には次の3つのパターンがあります。1つ目が今のまま勤務医を勤めていても仕事は辛いし給料が上がるスピードは限られているから思い切って開業したほうが良いのではと考える「逃避型」パターン。

2つ目は勤務医はその会社の規定に基づいて給与が決められているから発展性が少ない、もっと自分のスキルを活かして開業すればもっと大きな年収が得られるのではないかと考える「短絡的・過信型」のパターン。

3つ目は、今勤めている動物病院より地域の顧客に寄り添った治療がしたいから開業したいと思う「地域密着型」など開業の動機に3つの違いがあります。

成功
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おそらく1つ目と2つ目の動機で開業しても成功することは難しいでしょう。なぜならばすでに存在している動物病院に対抗するだけの特異性や優位性がないからです。思いつきや逃避のための開業は避けるべきです。

3つ目の意志を持って開業するならば、成功の可能性は多分にありあります。しかし開業するためには設備投資など多額な資金が必要になります。

それでは獣医師として開業する年齢や条件、開業費用やその捻出の方法、開業医と勤務医との年収の差なども紹介します。

開業する平均年齢は30~40代

独立
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獣医が独立して開業しようとする年齢が30〜40代が多いと言われています。ストレートで獣医大学に入学し卒業すると26歳、それから臨床の現場で修行や経験を5年〜10年積むとちょうどこの年齢になります。

20代の頃は、がむしゃらに仕事をしてきたけれど、30〜40代になると自分の経験やスキルがどの程度なのかが見えてくる年齢です。

また将来に対して、このまま勤務医を勤めて良いのだろうかという不安と疑問、思い切るなら今しかないないという年齢が30〜40代です。そのようなことから30〜40代に開業や転職する獣医が多いのではないでしょうか。

開業にかかる費用は約3,000万円

資金
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獣医が開業する場合には、約2,000万円から3,000万円かかると言われています。自宅を改装して開業する場合や、賃貸物件を借りて開業する場合などケースによって費用にばらつきはありますが、一般的に開業に要する初期費用を紹介します。

診察するための医療機器代が1,000万円〜1,500万円、動物病院の形態にするためのリフォーム代が500万円〜1,000万円、賃貸物件を借りるなら敷金・礼金・保証金などの不動産費用が100万円〜200万円(立地条件によって上下)、その他雑費が100万円〜300万円と最大で3,000万円かかります。

リスク
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開業するまでに貯めた自己資金が300万円〜600万円というケースがほとんどです。不足分は金融機関などから融資を受けます。融資を受けるということは毎月返済していかなければなりません。

また薬品代や消耗品、家賃などの維持費も毎月かかります。人を雇えば人件費がかかります。これらの返済金と維持費は診療収入の中から支出することになるので、融資の返済が終了するまでは厳しい状況になります。このように開業にはリスクが伴うので覚悟を持って望むことが必要です。

資金調達の金融機関

金利
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開業資金の融資を受ける金融機関でオススメなのが日本政策金融公庫です。日本政策金融公庫は、資本金の全額を国が出資している政府系金融機関で、一般の銀行に比べ金利がおどろくほど低いのが特徴です。

ただし事業計画書や資金繰り表などの提出する書類が非常に多いのですが、きちんと書類が揃っていて、使用使途が明確で将来性やビジョン、返済能力の根拠がしっかりしていれば自己資金が少なくても割合スムーズに融資が受けられます。

日本政策金融公庫の金利が低く、書類さえ揃っていれば借りやすい理由は、営利を目的とせずに新たに起業する人や、国民の生活を支援するのが目的の政府系金融機関だからです。これから開業しようとする獣医にはピッタリの金融機関です。

年収が増えるかどうかは人次第

成功
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開業獣医の年収を表向きでみると、勤務医と比べると平均年収では確かに高い数値を示していますが、それはピンキリで勤務医より年収が増えるかどうかは人次第です。

開業医は獣医としてのスキルだけでなく、経営能力やリサーチ能力、大きな動物病院にはない特異性、診療にくる人とのコミュニケーション能力、顧客になってもらうための信頼関係などが必要になります。それともう一つが獣医としての覚悟と理念です。

これらの能力や覚悟と理念を持っている人が、地域での信頼を得て顧客が増え結果として年収が増えていきます。前述の開業する動機が「逃避型」や「短絡的・過信型」の人が失敗するのは、この覚悟と理念がないからです。つまり年収が増えて成功するかどうかは人次第ということです。

獣医になる方法

How
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獣医になる方法をこれから紹介しますが、その前に獣医になるための心構えを解説します。年収が高いからという動機で獣医になりたいと思うならまず失敗します。獣医ははたで見るほど楽な職業ではありません。

獣医になってからも常に勉強し続けるという根性がなければなりません。また一般の会社員より労働時間は非常に長く、休日もきちんと決まっては取れない過酷な職業です。この覚悟が獣医になるためには必要です。

また動物に対して愛情を持てる人でなければなりません。動物は喋ることができません。その動作や症状からいち早く病状を判断する観察眼が必要です。そのような心構えを持って初めて獣医を目指せるのです。

獣医系の大学で6年間学び国家試験を受ける

試験
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獣医系の6年制の大学を卒業して国家試験にパスすれば獣医の資格が得られます。国家試験の合格率は約85%と割合ハードルは低めです。それは獣医系の大学に入学すること自体が難しいからです。

獣医学部は非常に人気が高く、偏差値が一番低い大学でも67です。一番高い東京大学では偏差値は80が必要になります。つまり獣医学部に入学するためには偏差値が67以上になる勉強をしなければなりません。

つまり大学入試の段階で振るい落とされるので、獣医学部で6年間学んだ獣医の卵は、国家試験を受けるに値するスキルを身につけているので合格率が85%と高くなります。国家試験が簡単なのではありません。受験生のレベルが高いからです。

獣医学部がある代表的な大学

大学
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獣医学部がある大学や獣医大学は、全国で11の国公立大学と5つの私立大学があります。それでは偏差値の高い順に紹介します。

東京大学(国立/偏差値80)、北海道大学(国立/偏差値76)、日本大学(私立/偏差値73)、日本獣医生命科学大学(私立/偏差値70)、麻布大学(私立/偏差値70)、北里大学(私立/偏差値69)、東京農工大学(国立/偏差値69)、帯広畜産大学(国立/偏差値68)

酪農学園大学(私立/偏差値68)、岐阜大学(国立/偏差値68)、大阪府立大学(公立/偏差値68)、山口大学(国立/偏差値68)、鹿児島大学(国立/偏差値68)、岩手大学(国立/偏差値67)、鳥取大学(国立/偏差値67)、宮崎大学(国立/偏差値67)

このように国立だから偏差値が高いわけではありません。1〜2位は国立ですが3〜6位は私立です。また大学により特化している内容が違います。目指す獣医の方向性により大学を選ぶと良いでしょう。

獣医は長時間だがやり甲斐のある仕事

成功
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獣医は、年収は高いけれど長時間勤務でハードな仕事です。それだけに達成感とやり甲斐を感じられる職業でもあります。また動物の病気やケガを直すだけでなく、社会の安全を守る仕事をする重要な職業です。

また同じ獣医でも活躍する職場が様々あることや、人気の高い職業ですが、獣医になるためには覚悟と苦労が必要なことを紹介してきました。また開業する場合のリスクなども紹介しました。これらの記事を参考にして、獣医として成功していただければ幸いです。

Eiji0601
ライター

Eiji0601

元ミュージッシャン&調理師。現在はフリーのコンサート企画やチラシ等のデザイナーをやっています。音楽のジャンルはクラシックからジャズ&ポップス、特に’60年代〜’80年代ポップスが大好きです。料理は和食が得意な年齢不詳の独身男性です。

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