ユーカリの特徴
コアラが食べている葉として知られ、昨今ではアロマオイルとしても有名な「ユーカリ」は少しグレーがかった緑色の葉が落ち着いた雰囲気を醸し出している植物です。
お部屋に置く観葉植物やフラワーアレンジメントにも使われるユーカリの特徴についてご紹介していきましょう。ユーカリの葉や実、香りは好きだけど、ユーカリのことを詳しく知らない人は少しユーカリについて掘り下げてみましょう。
ユーカリはフトモモ科・ユーカリ属に分類される常緑性高木
ユーカリとはフトモモ科・ユーカリ属に分類される世界で最も高い常緑高木です。オーストラリアやタスマニア島、ニュージンランドなどに多く自生し、樹高が100mほどに及ぶものもあるのが特徴の1つです。
ユーカリの種類は600種類もあり、コアラが食べているのは12種類ほどになります。根が深く水を吸い上げる力が強いことから砂漠化した地域によく利用されています。
名前の由来はギリシア語
ユーカリの名前の由来は、ギリシャ語で「良い(eu)」と「覆った(calyptos)」を組み合わせたのが語源となっています。
ユーカリの蕾のガクと花びらがくっついていて蓋をしているような形であったり、乾燥した地域でも水を吸い上げてよく育つことから名付けられたと言われています。
ユーカリは4~5月に花を咲かせる
ユーカリは2月頃から花が咲き始め、4〜5月頃が見頃となっています。花が咲く蕾の段階ではアクト花びらの蓋に覆われていて、開花期を迎えると蓋が取れ細長い雄しべが飛び出してきて、ユーカリの花とは思えないような面白い形をしています。
花の色は白やピンクなどが多いですが、ユーカリの種類によっても色が異なります。群生して咲いている姿はエキゾチックな雰囲気があり葉の落ち着いた印象とはだいぶ違っています。
ユーカリの風水効果
風水学的にはユーカリは水をよく吸収する「木」の気が強い植物であると考えられています。またユーカリの葉の香りは疲れや不安を癒してくれるので、水気の強い北向きの玄関先に置くのがおすすめです。
ユーカリの木を配置することによって、水気が緩和されて暗い雰囲気から明るく印象の玄関に変えてくれるでしょう。
ユーカリの効能・使い道
次は、最も高い常緑高木であり砂漠地帯の緑化にも貢献するなどの特徴を持つユーカリの効能や使い道についてご紹介していきましょう。ユーカリの葉や実は人の体に役に立つ効能や匂い、使い道がたくさんあるのでとても便利に活用できます。
ユーカリの葉は消毒・かゆみ止めに使われる
ユーカリはユーカリが多く生息していたオーストラリアの先住民に薬として利用されていたほど、抗菌や殺菌効果があります。すり傷などの消毒やかゆみ止め、喉の腫れ、咳、発熱などの症状が出た時に治療に使われています。
昔はユーカリの葉っぱをすり潰して熱湯をかけて液を作っていましたが、現在はユーカリの葉から精油を抽出してアロマオイルとして流通しているので使いやすくなっています。
ただしユーカリの葉にはたくさんの種類があり特徴が異なるので、しっかり確認してから使うようにしましょう。
ユーカリの葉は虫よけに使われる
ユーカリの葉は虫除けや空気の消毒作用にも効果があると注目されています。ユーカリの葉を揉んで香りを吸い込むことによって風邪予防になったり、蚊の予防になると言われています。
またユーカリの葉の精油を使って、自作の虫除けスプレーを作ることもできるので夏に外出する機会が多い人にはおすすめです。
たくさん体にいい効能があるユーカリですが、毒性の強い「青酸配糖体」という成分を含んでいます。誤飲すると食あたりや喘息の悪化などを引き起こす可能性があるので、使用方法には十分注意が必要です。
ユーカリの匂いはリラックス効果がある
ユーカリの匂いには、不安や緊張をほぐしてくれるリラックス効果があると言われています。仕事で疲れている時や、落ち込んでいる時などはユーカリの精油の匂いを嗅ぐと気持ちが落ち着いたりゆったりした気分になれます。
薬が使えない赤ちゃんの鼻づまりや風邪予防にもユーカリの匂いは効果があるとされていますが、ユーカリの種類によって異なるので特徴を確認してから使用するようにしましょう。
また妊娠中の場合は体が敏感になっていることもあり匂いを嗅いで悪阻が悪化するケースもあるので、控える方がいいでしょう。
ユーカリの実はリースによく使われる
乾いたドングリのようなサイズ感で空洞部分が特徴的な実は、「ガンベルズ」と呼ばれるユーカリの実です。このユーカリの実の可愛い出で立ちから、リース用の素材やクラフト用素材としても人気があります。
お店のディスプレイとしてもユーカリの実「ガンベルズ」は重宝されているので、自宅のインテリア雑貨として飾っている人もいます。
このユーカリの実「ガンベルズ」はナチュラルテイストなお部屋のインテリアと合わせるといい仕事をしてくれるのでおすすめです。
ユーカリの種類一覧
次はユーカリの種類一覧をご紹介していきましょう。色んな効能や使い道がたくさんあるユーカリは、600種類も種類があり少しずつ特徴が異なります。こちらでは日本でも流通しているメジャーなユーカリを8種類ご紹介していきます。
種類①ユーカリ・シトリオドラ
まずは葉からレモンの香りがすることからレモンユーカリとも言われているのが「ユーカリ・シトリオドラ」です。日本で一番多く流通しているユーカリです。
10〜20cmぐらいのユーカリの葉は先が尖っており光沢のある緑色をしています。精油やポプリ、入浴剤などによく使われている一番メジャーなユーカリです。
種類②ユーカリ・ポポラス
ハートのような形の葉が特徴的な「ユーカリ・ポポラス」です。別名「マルバユーカリ」と呼ばれ、葉の色は落ち着いたブルーグレーです。
成長過程がユーカリの中では比較的緩やかなので、室内で育てやすいためお部屋を彩る観葉植物としても人気があります。
種類③ユーカリ・グニー
ユーカリの中では葉が小さく、シルバーがかった色が綺麗なのが「ユーカリ・グニー」です。別名「コマルバユーカリ」と呼ばれ、花瓶に入れて飾ったり観葉植物としても人気の高いユーカリの種類です。
種類④ユーカリ・ラディアータ
アロマオイルとして広く流通している「ユーカリ・ラディアータ」です。他のユーカリの種類の精油と比べると最も皮膚刺激が弱いとされているため、小さな子供や高齢者でも使用可能とされています。
種類⑤ユーカリ・グロブルス
ユーカリの精油の中でも一番有名なのが「ユーカリ・グロブルス」です。すっきりとした匂いが特徴で、呼吸器系の炎症や抗菌作用があるのでイギリスでは医薬品として使われています。
ユーカリ・グロブルスはその分刺激が強いため、長時間の使用は避けて皮膚や目などには付かないよう使用する際は注意が必要です。
種類⑥ユーカリ・マクロカルパ
シルバーがかった葉の色が綺麗で特徴的なのが「ユーカリ・マクロカルパ」です。とても珍しい種類のため、園芸ショップなどではなかなか手に入りません。インターネットでのネット注文であればスムーズに手に入るのでおすすめです。
種類⑦ユーカリ・ウェブステリアナ
小さな葉の形がハートになっていて可愛いのが「ユーカリ・ウェブステリアナ」です。観葉植物として飾ると、部屋を彩るインテリア雑貨の役目も果たしてくれるので女性人気が高いユーカリです。
ユーカリ・ウェブステリアナの育て方は水控えめにあげるだけなので、手入れがしやすく友達へのギフトなどにもおすすめです。
種類⑧ツキヌキユーカリ
葉が茎に突き抜けた様子が可愛く、珍しい出で立ちが印象的なのは「ツキヌキユーカリ」です。ドライフラワーなどのフラワーアレンジメントや花束などに使うと、他の花との相性もよく使いやすいユーカリの種類です。
ユーカリの育て方
次はユーカリの育て方についてご紹介していきましょう。葉の形がハートで可愛かったりレモンのいい香りがしたりと色んな種類のある人気のユーカリを自宅で育てたい場合は、育て方のポイントを押さえて長生きさせてあげましょう。
ユーカリの育ちやすい環境
半日陰でも育てやすく観葉植物としても人気のあるユーカリですが、できるだけ日当たりのよい風通しがいい場所で管理してあげましょう。週に1回は直接日光に当たる場所に移動してあげるのがおすすめです。
冬場はユーカリの種類の中でも耐寒性が弱い種類もあるので、できるだけ日当たりのいい場所に移動したり、地植えの場合はバークチップやウッドチップなどでマルチングするのがいいでしょう。
ユーカリ・シトリオドラ(レモンユーカリ)は耐寒性が強いので、初めてユーカリを育てる場合はおすすめです。
ユーカリの水やりのコツ
ユーカリの育て方で気をつけたい「水やりのコツ」です。鉢植えの場合は土の表面が乾いたら水やりをしましょう。鉢の底から水が流れ出て潅水するぐらい水やりをするようにしてください。
地植えの場合、1年目のユーカリは水切れを起こして枯れてしまう危険もあるので様子を見て適度に水やりをしてあげましょう。2年目以降のユーカリは根が地中に貼っているので降雨だけでも問題ありません。
特に夏場は乾燥が激しいので雨が降らない日が続くようであれば、ホースで全体に水を散水してみましょう。
ユーカリにおすすめの肥料
肥料をあげることもユーカリの育て方で気をつけたいポイントの一つです。葉の艶や色味をよくしたり、根張りがよくなるようにしたい場合は生育期に「緩効性化成肥料」をあげるのがおすすめです。
他の肥料と比べると匂いもあまりないので、お部屋にある観葉植物用のユーカリにあげるのにも適しています。
ユーカリにつきやすい病害虫
ユーカリにはつきやすい害虫「コガネムシ」は、ユーカリの根を食べて甚大な被害を及ぼす場合があります。予防として「オルトラン」をあらかじめ土に散布しておくのがいいでしょう。
他にもカイガラムシやハダニなどの害虫がユーカリを好みます。カイガラムシを見つけたらこそぎ落とすのが一番効果的で、ハダニは散水すると落とすことができます。
ユーカリの増やし方・手入れの仕方
ユーカリの育て方を学んだあとは、ユーカリの増やし方・手入れの仕方をご紹介していきましょう。増やし方や手入れの仕方にもちょっとしたコツがあるので、しっかりユーカリを育てたい人は必見です。
ユーカリは挿し木で増やす
ユーカリを増やしたい場合は「挿し木」をして増やします。「挿し木」はユーカリだけでなく、他の植物にも有効的な増やし方となっています。枝を剪定し気軽に増やすことができるので、苗を購入する手間も省けてコストも削減できます。
挿し木を成功させるためには、必ず切り口を斜めにカットして切り口や水に希釈して使う発根促進剤を使用しましょう。挿し穂の下葉を手で摘み取り、土に差し込んでいきます。
発根するまでは風通しのいい日陰で管理しましょう。挿し木に使う用土は水やりのタイミングがわかりやすい赤玉土がおすすめです。
ユーカリは2~3年ごとに植え替えが必要
ユーカリの植え替えは根詰まりや生育不良を起こさないようにするためにも、2~3年ごとに植え替えを行うことが必要です。4月〜8月の温かい時期に植え替えを行うと、傷ついた根が回復しやすいでしょう。
ユーカリの剪定時期は春と秋
ユーカリの剪定に適している時期は、暖かくなる4〜5月の春と涼しくなってくる9〜10月の秋の時期がおすすめです。
ユーカリは成長が早いのであまり大きく育てたくない場合にも剪定は必要です。こまめに摘心をすることで自分が好む高さを保つことができます。
また日光がまんべんなく全体的に当たるよう「すかし剪定」をしておくと、風通しがよくなり害虫予防にもなります。
ユーカリは種類によって見た目が違う木
ユーカリは私たちの暮らしに密着した効能や使い道がたくさんあり、ユーカリとは知らずに活用している人も多いでしょう。種類も豊富にあるので気になったユーカリの種類を調べて自宅でぜひ育ててみましょう。