高卒の平均年収はいくら?業種別の給与や大卒との差も詳しく解説!

高卒の平均年収はいくら?業種別の給与や大卒との差も詳しく解説!

高卒で就職する人にとって年収は非常に気になる要素です。かつては高卒が大卒を上回ることは極めて困難でした。しかし少子高齢化の影響で、高卒の年収UPも十分に期待できます。そこで高卒の平均年収や業種別、給与や大卒との差を詳しく解説します。

記事の目次

  1. 1.高卒の平均年収を調査
  2. 2.高卒の平均年収
  3. 3.高卒男女の年代別平均年収
  4. 4.高卒の業種別の平均年収
  5. 5.高卒と大卒の初任給・年収・生涯賃金の違い
  6. 6.高卒で大卒より収入を多くするには?
  7. 7.高卒でも技術と経験で収入UPは可能

高卒の平均年収を調査

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四年制大学への進学率が50%を超えました。一方で高校生の就職率は18%程度です。このデータから四年制大学への進学率が増加しているとともに、高校から就職する学生も一定の割合を保っていることがわかります。

高校から就職する人の多くは、少しでも早く社会に出て自立したいといった意欲的な若者です。少子高齢化が進む中、企業側も優秀な高卒新規採用を積極的に増やす傾向は強まっています。

ただし処遇面で大卒新採と同じにはなりません。そこで年代・業種別の平均年収や大卒新規採用よりも年収を増やす方法などについて紹介します。

高卒の平均年収

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労働者の処遇を計るには平均年収や月給・賞与を確認すると良いでしょう。一般的に高卒新規採用の平均年収は低いといわれていますが本当に事実でしょうか。

実は高卒の平均年収を問われても「予想がつかない」といった人が大半です。そこで高卒の平均年収を紹介します。併せて月給や賞与はどのくらいになるのか調べてみました。

平均年収は460~470万円

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高卒の平均年収は460~470万円になります。この平均年収は12か月分の月給と賞与の合計額です。男性の平均年収は12か月の月収416万8,800円に賞与89万2,000円を加えた506万800円となります。

女性の平均年収は12か月の月収293万7,600円に賞与58万3,500円を加えた352万1,100円です。女性の場合、出産や子育てによる産休や育休期間などが影響し男性よりも低くなる傾向にあります。

平均の月給・賞与は?

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高卒の平均の月給は31万9,500円、80万8,300円です。男女別では男性は月給34万7,400円、賞与89万2,000円となります。これに対して女性は月給24万4,800円、賞与58万3,500円です。

平均月給は業種や企業によって金額の幅はあるものの、極端に「低い」といったイメージはありません。なお、平均の月給・賞与は40代前半、勤続年数15年程度で計算していますが、資格を取得するなど個人の努力次第で平均を大きく上回ることも可能です。

高卒男女の年代別平均年収

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高卒で就職した男女の平均年収は、決して低いものではありません。それでは、年代別ではどういった推移を示すのでしょうか。一般的に30代~40代は結婚や出産、子育てなどお金が必要な時期となります。

この年代は高卒だと勤続10年を超え社会人として職場でも中心的な位置を占める年代であり、年収が気になるところです。そこで、高卒男女の年代別平均年収を紹介します。

高卒男性の平均年収

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高卒で就職した男性は20代~30代では順調に年収が増えていきます。しかし、そのままでは大卒との差を埋めることはできません。大卒との差を埋めるには、資格を取得するなどスキルアップを図るかが大切です。

さもなければ年代が上がるにつれ同じ高卒でも収入差が広がるといえるでしょう。そこで、高卒男性の平均年収を年代別に紹介します。

20代の平均年収

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高卒男性20代の平均年収は20~24歳が335万円、25~29歳が387万円です。19歳までの平均が261万円ですから、約10年間で126万円の年収アップが期待できます。

初任給は安価であっても最初の10年を辛抱することが大切です。この間にスキルを磨いて資格などを取得すればさらに上積みが期待できるでしょう。

30代の平均年収

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高卒男性30代の平均年収は30~34歳が425万円、35~39歳が471万円です。25~29歳までの平均が387万円ですから、約10年間で84万円の年収アップが期待できます。

20代ほどの収入アップは望めませんが安定的に伸びていることがわかるでしょう。この間に希少性の高い資格の取得に加え役職者や管理者に昇進すればさらに上積みが期待できます。

40代の平均年収

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高卒男性40代の平均年収は40~44歳が521万円、45~49歳が545万円です。35~39歳までの平均が471万円ですから、約10年間で74万円の年収アップが期待できます。

20代、30代ほどの収入アップは望めませんが、安定的に収入は伸びていくでしょう。さらに資格の取得に加え上位役職や管理者に昇進すれば収入は大きく伸びます。

50代の平均年収

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高卒男性50代の平均年収は50~54歳が579万円、55~59歳が564万円になります。45~49歳までの平均が545万円ですから54歳までは年収が伸びますが、その後は徐々に下がるのが特徴です。

これは多くの企業では一定の年齢になると、昇給を見送る傾向にあることが影響しています。したがって年収のピークは54歳前後といえるでしょう。

60代の平均年収

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高卒男性60代の平均年収は60~64歳が383万円、65~69歳が312万円になります。55~59歳までの平均が564万円ですから年収は大きく減少するのが特徴です。

多くの企業では60歳で一旦定年扱いとし、高齢再雇用とするため昇給を見送る傾向にあることが影響しています。高齢化が進むにあたりこの傾向は強くなるでしょう。

高卒女性の平均年収

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高卒で就職した女性は20代~30代では順調に年収が増えていきます。その後は結婚や出産により昇進を諦める人も多く大きな伸びが期待できません。しかし多くの企業では女性管理者の登用を推奨しており、今後は状況も変わっていくでしょう。

もちろん、本人の努力が必要であることはいうまでもありません。そこで、高卒女性の平均年収を年代別に紹介します。

20代の平均年収

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高卒女性20代の平均年収は20~24歳が275万円、25~29歳が288万円です。19歳までの平均が227万円ですから約10年間で61万円の年収アップが期待できます。

高卒男性と比較するとずいぶん低い印象です。女性の場合、結婚や出産などを経験する年代であり育休や短時間になることが影響しています。

30代の平均年収

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高卒女性30代の平均年収は30~34歳が297万円、35~39歳が312万円です。25~29歳までの平均が288万円ですから約10年間で24万円の年収アップが期待できます。

20代ほどの収入アップは望めませんが、安定的に伸びていることがわかるでしょう。30代は子育てが忙しい年代であり、仕事よりも家庭を大切にする女性が多いことが影響しています。

40代の平均年収

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高卒女性40代の平均年収は40~44歳が327万円、45~49歳が336万円です。35~39歳までの平均が312万円ですから約10年間で24万円の年収アップが期待できます。

40代になると高卒で就職した男性とは200万円程度の差です。女性は役職者や管理者に昇進する人が極端に少ないことが影響しているといえるでしょう。

50代の平均年収

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高卒女性50代の平均年収は50~54歳が344万円、55~59歳が339万円になります。45~49歳までの平均が336万円ですから年収はほとんど据え置きとなるのが特徴です。

これは高卒で就職した男性と同じく、多くの企業では一定の年齢になると昇給を見送る傾向にあることが影響しています。したがって高卒女性の年収のピークも54歳前後といえるでしょう。

60代の平均年収

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高卒女性60代の平均年収は60~64歳が279万円、65~69歳が270万円になります。55~59歳までの平均が339万円ですから年収は大きく減少するのが特徴です。

男性同様60歳で一旦定年扱いとなり、その後は高齢再雇用とになるのが影響しています。高齢化が進むにあたり、経験豊富な女性の労働力は企業にとって貴重な戦力であることに変わりありません。

高卒の業種別の平均年収

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前項では年代別の平均年収を解説しましたが、業種によっても大きく異なります。給与面だけで処遇を計ることはリスクでもあります。しかし、学歴を問わず給与面での好待遇を提供できる業種はその他の処遇においても好待遇が期待できます。

したがって、高卒の人が大卒を上回る給与を得たいと考えるなら、業種別の平均年収を確認しておくことはとても大切だといえるでしょう。

製造業

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製造業は大手企業を含め高卒の新採が多いことで知られています。製造業の高卒の平均年収は454万円と平均的な金額です。

ただし、工場勤務では24時間体制で稼働している職場も多く、夜勤手当や残業手当が期待できます。さらに仕事内容によっては特殊技能手当や危険手当などを設定している企業も少なくありません。

また、スキルや経験を積むことで役職者や管理者への昇進も可能です。実力次第で大卒の給与を上回ることが十分期待できるのが製造業の魅力だといえるでしょう。

金融・保険業

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金融・保険業の新採といえば、大卒に限られるといったイメージが根強くあります。銀行については大卒が中心ですが、保険会社であれば高卒で就職する人も少なくありません。なお金融・保険業の高卒の平均年収は446万円です。

金融・保険業の高卒の平均年収は決して高くはありませんが、40代後半から上昇曲線を描くのが特徴です。また、実績によって収入アップも目指せますから「やりがい」を感じられるのが魅力です。

IT企業

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IT企業は実務経験を最重要視する業種として知られており、大卒と高卒の差はないといっても過言ではありません。その証拠に高卒の平均年収は532万円と高額です。

新採において大卒と高卒は同等に扱われており、中途採用枠が多いのも特徴だといえるでしょう。そのため、実務経験が豊富な人は高卒、大卒問わずより処遇の良い大手IT企業に転職する人も多くいます。
 
スキルが高く実務経験が豊富な人の中には、高卒でも30代で年収1,000万円を超える人も少なくありません。実力で高い年収を実現したい人におすすめの業種だといえるでしょう。

建設業

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建設業もIT業界同様に学力よりも実務経験が重要視される業種です。また、慢性的な労働力不足に悩まされており、高卒の新採募集が多いのが特徴だといえます。なお、建設業の平均年収は465万円です。

建設業では様々な仕事の内容がありますが、キャリアパスを考える人には「施工管理」に人気が集まっています。「施工管理」は建設業の現場を監督する仕事ですが国家資格を取得すると、年収1,000万円も実現可能です。

運送業

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運送業も建設業と同様に労働力不足に悩まされている業種です。大卒と高卒の垣根はなく、平均年収は441万円になります。運送業には様々な仕事がありますが、代表的なものはトラック・ドライバーやタクシー・ドライバーです。

体力勝負の業種ですが、女性のドライバーも増えています。基本給は比較的低く抑えられていますが、働いた分だけ収入に跳ね返ってくるのが魅力だといえるでしょう。

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高卒と大卒の初任給・年収・生涯賃金の違い

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高卒と大卒では初任給・年収・生涯賃金に差にどの程度あるのでしょうか。高卒で就職した人にとって、大卒とに処遇差は永遠のテーマだといえます。4年早く就職したにも関わらず1年目の大卒の初任給の方が高いとなれば、高卒で就職した人のモチベーションにも影響しかねない問題です。

もちろん、業種や会社の規模のよっても異なりますが、高卒と大卒の処遇差について明確に説明できる人は多くありません。そこで高卒と大卒の程度初任給・年収・生涯賃金の違いについて紹介します。

高卒と大卒の初任給を比較

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高卒と大卒の初任給を比較するには、厚生労働省の賃金構造基本統計調査が便利です。平成29年のデータでは大卒の平均初任給額20.6万円に対して、高卒の平均初任給額17.9万円となります。

男女別で比較すると男性大卒の平均初任給額20.7万円に対して、男性高卒の平均初任給額18.0万円です。女性大卒の平均初任給額20.4万円に対して、男性高卒の平均初任給額17.8万円になります。

男女で差が出るのは男性がフルタイムや専門職が多いのに対し、女性は短時間や一般職が多いことが原因です。男女とも大卒と高卒では約2.5万円の差となります。

高卒と大卒の年収を比較

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高卒と大卒の年収を比較すると男性大卒の平均年収39.8万円に対して、男性高卒の平均年収29万円となります。女性大卒の平均年収29.1万円に対して、女性高卒の平均年収21.0万円です。男女で差が出るのは、男性はフルタイムや専門職であることに加えて、管理者や役職者などに昇進していきます。

これに対し女性は短時間や一般職であることに加え、出産や育児のため管理者や役職者への昇進を見送ることが原因です。男女とも初任給では約2.5万円の差ですが、年収では8〜10万円に広がります。

高卒と大卒の生涯賃金を比較

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高卒と大卒の生涯賃金を比較するには大卒が23歳〜60歳までの39年間、高卒が19歳〜60歳までの43年間を実働年数とします。すると大卒男性は1億8,626万円、高卒男性で1億4,964万円となり約3,600万円の差です。

大卒女性では1億3,618万円、高卒女性で1億836万円となり約2,800万円の差です。高卒は大卒に比較して実働年数で4年長くなりますが、生涯賃金では男女でそれぞれ3,600万円、2,800万円もの差となります。

高卒で大卒より収入を多くするには?

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前項では高卒と大卒の収入差について初任給や年収、生涯賃金で比較しました。初任給では大きな差がないものの、年数とともに叙々に差が広がります。それでは高卒は大卒より収入を多くすることはできないのでしょうか。

実は高卒であっても資格を取得するなど本人の努力次第でも大卒よりも収入を増やすことは十分に可能です。そこで高卒で大卒より収入を多くする方法を紹介します。

大きな企業に就職する

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かつて大企業の新卒といえば大卒が中心でした。ところが、少子高齢化による労働力不足は極めて深刻であり、高卒の採用も増えています。

給与などの処遇面でいえば、同じ会社の大卒と比較すると差はあるものの、中小企業の大卒よりも好待遇です。ただし、高卒の新採は依然として狭き門であることは否めません。

そこで検討したいのが正社員登用枠です。多くの企業では非正規社員を雇用していますが、優秀な人材を正社員に登用する制度が増えています。日頃の仕事ぶりがダイレクトに評価されますから、高卒であっても十分にチャンスはあるでしょう。

知識・技術・資格を取得し経験を積む

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知識や技術、資格を取得して経験を積むことで、高卒であっても大卒を上回る処遇を勝ち取ることは可能だといえます。企業が欲しいのは優秀な人材です。

かつて、企業はでは「大卒=優秀」と考えられており、大卒を優先して採用してきました。ところが、近年は「大卒=優秀」といった古い考え方が崩れさり、学歴に関係なく優秀な人材が評価される企業が増えています。

もちろん高い知識や技術を身に付けることは必須です。また、難易度の高い資格を取得することも、好待遇につながるといえます。

希少性の高い技術を身につける

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希少性の高い技術を身に付けている人材も学歴に関係なく評価される傾向にあります。とくにIT業界やエンジニアなどは実力主義を前面に押し出している企業が大半です。

ただし、高い技術を身に付けるには、自己投資を含め相当な努力が必要であることは言うまでもありません。このことを「やりがい」と感じるか「無理だ」と感じるかで、10年後の処遇は大きく異なることでしょう。

高卒でも技術と経験で収入UPは可能

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高卒でも技術と経験を磨くこと、希少性の高い資格を取得することで収入UPは可能です。少子高齢化の影響で各企業では優秀な人材を集めるのが命題となっています。

かつては「大卒=優秀」といった概念があり、高卒で就職しても大卒との差は広がるばかりでした。しかし、最近では本人の努力次第で大学生を上回ることは簡単です。ただし、技術や経験、資格を取得するなど、努力が必要であることはいうまでもありません。

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ライター

nuutarow

「人にやさしく」「前向きに生きる」を信条に笑顔で日々を過ごしているフリーライター、ビジネスブロガーのnuutarowです。得意分野はビジネス、ライフスタイル、恋愛、エンタメなど、これまで多くの人々と接してきた経験を活かして執筆しています。趣味は音楽制作、ランニング、読書です。みなさんの心に残る記事をお届けします。

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