「都合がつく」の意味とは?
「都合がつく」という言葉は日常会話の中でもビジネスシーンでも時々使われることがありますが、「都合がつく」の正しい意味をきちんと説明できる人はそう多くありません。
「都合がつく」という言葉はニュアンスやイメージで意味を理解したつもりになって使っている人が多いので、その正しい意味をちゃんと知っている人は少ないと言えます。
「都合がつく」という言葉にはいったいどのような意味があるのか、まずは「都合がつく」の意味についてご紹介しましょう。
予定を調整して割り当てられるという意味
「都合がつく」の意味の一つ目は、「予定を調整して割り当てられる」という意味です。「都合がつく」という言葉は日程が調整できる場合に使われることが多く、そちらの場合には「予定を調整して割り当てられる」という意味で使われます。
「予定を調整して割り当てられる」という意味で「都合がつく」を使うのは、一般的な日常生活でもビジネスシーンでもごく普通なことで、何かの用事に対して日程を調整できる場合に「都合がつく」と言います。
友人から何かに誘われて返事をする時や、取引先から面会を求められて返事をする時など、「都合がつく」という言葉は簡単に使うことができます。
予算を工面できるという意味
「都合がつく」の意味の二つ目は、「予算を工面できる」という意味です。「予算を工面できる」という意味での「都合がつく」は、何かのためにお金が必要な時、お金を準備できる場合に使われます。
出資を求められた時や家を建てる資金が必要な時など、大きなお金が必要な時に「予算を工面できる」という意味で「都合がつく」という言葉が使われます。
「都合がつく」には「予定を調整して割り当てられる」という意味と「予算を工面できる」という意味があり、日程の調整やお金など対象によって「都合がつく」の意味は違いますので覚えておきましょう。
「都合がつく」の類語
「都合がつく」の意味についてご紹介しましたので、次は「都合がつく」の類語についてご紹介します。「都合がつく」の意味は「予定を調整して割り当てられる」「予算を工面できる」という意味なので、似た意味を持つ言葉が類語になります。
「都合がつく」の意味はどちらもちょっと複雑なので、完全に意味が一致する類語を探すのは難しいと言えます。そのため「都合がつく」の意味に少しでも似た意味を持つ言葉なら「都合がつく」の類語になると言えます。
「都合がつく」と似た意味を持つ類語にはいったいどのような言葉があるのか、「都合がつく」の類語についてご紹介しましょう。
都合が良い
「都合がつく」の類語の一つ目は、「都合が良い」です。「都合が良い」の意味は「物事を行う状況や条件などが好ましいさま」という意味で、一見すると「都合がつく」とは全く違う意味のようですが、「都合がつく」の類語です。
「都合がつく」の意味「予定を調整して割り当てられる」「予算を工面できる」という意味は、物事を行う状況や条件を好ましくするというニュアンスがあります。
そのため「都合が良い」は「都合がつく」の類語になりますが、ニュアンスが似ているだけで意味的には違いますので、「都合が良い」は「都合がつく」の言い換えに使うことはできません。
好都合
「都合がつく」の類語の二つ目は、「好都合」です。「好都合」の意味は「条件などがかなっていて都合が良いこと」という意味で、先にご紹介した「都合が良い」と同じ意味なので「都合がつく」の類語になります。
「好都合」は「都合が良い」と同じ意味なので「物事を行う状況や条件などが好ましい」という意味があり、ニュアンス的に「都合がつく」と似ていると言えます。
ですがやはり「好都合」も「都合がつく」とは基本的に意味は異なりますので、「好都合」も「都合がつく」の言い換えには使えません。
不都合がない
「都合がつく」の類語の三つ目は、「不都合がない」です。「不都合がない」の意味は「悪い条件や状況などがない」という意味なので、「都合がつく」とは意味的にはあまり似ていませんが「不都合がない」も「都合がつく」の類語です。
「都合がつく」の意味は「予定を調整して割り当てられる」「予算を工面できる」という意味で、良い条件や状況を表すニュアンスがありますので、そういった点で「不都合がない」は「都合がつく」の類語だと言うことができます。
ですが「不都合がない」は悪い条件や状況がないというだけで、決して良い条件や状況ばかりを示すわけではありませんので、「都合がつく」の言い換えには使えません。
ちょうどいい
「都合がつく」の類語の四つ目は、「ちょうどいい」です。「ちょうどいい」の意味は「過不足なくぴったりしていること」という意味で、「都合がつく」とは意味的には異なるようですが「ちょうどいい」も「都合がつく」の類語です。
「都合がつく」には予定や予算などを合わせるというニュアンスがありますので、「ちょうどいい」の「過不足なくぴったりしていること」という意味に似たイメージがあります。
ですが「都合がつく」の言い換えとして「ちょうどいい」を使いたい場合には「ちょうどよくする」というように言い換えをする必要があります。
問題ない
「都合がつく」の類語の五つ目は、「問題ない」です。「問題ない」の意味は「悪い条件や状況がない」という意味で、先にご紹介した「不都合がない」と似た意味を持っていますので、「問題ない」も「都合がつく」の類語になります。
「問題ない」も「不都合がない」と同じように、悪い条件や状況がないことを表しますが、だからといって良い条件や状況であるとは限りません。
あまり良くない条件や状況であっても悪い条件や状況でなければ「問題ない」と言うことができますので、「問題ない」も「都合がつく」の言い換えには使えないと言えます。
支障がない
「都合がつく」の類語の六つ目は、「支障がない」です。「支障がない」の意味は「物事を進めるにあたって妨げなどがない」という意味で、一見すると「都合がつく」とは全く違う意味ですが、「支障がない」も「都合がつく」の類語です。
「都合がつく」には予定や予算などを合わせるというニュアンスがありますので、何かを行う際に妨げなどはないと言えます。
そういった点で「支障がない」は「都合がつく」の類語だと言うことができますが、「支障がない」も「都合がつく」の言い換えには使うことができません。
格好の
「都合がつく」の類語の七つ目は、「格好の」です。「格好の」の意味は「ちょうどいい程度」「頃合いの」という意味で、意味的には「都合がつく」とは少し違いますが「格好の」も「都合がつく」の類語の一つです。
「都合がつく」には日程やお金などを合わせるという意味がありますが、日程やお金などを合わせるということは「ちょうどいい」ということにつながります。
そのため「格好の」も「都合がつく」の類語の一つとして挙げられますが、「格好の」は「都合がつく」の言い換えには使えませんのでその点では少し違います。
ぴったりの
「都合がつく」の類語の八つ目は、「ぴったりの」です。「ぴったりの」の意味は「少しの狂いもなく適合する」「うまく当たる」という意味で、「ぴったりの」も「都合がつく」の類語の一つとして挙げられます。
「都合がつく」という言葉には日程やお金などを合わせるという意味がありますので、「少しの狂いもなく適合する」という意味の「ぴったりの」も「都合がつく」の類語になります。
ですが「ぴったりの」という言葉も「都合がつく」の言い換えには使えませんので、使い方という点では「都合がつく」とは少し違うと言えます。
もってこいの
「都合がつく」の類語の九つ目は、「もってこいの」です。「もってこいの」の意味は「そのことに最も適当であるさま」という意味で、「都合がつく」とは少し意味的に異なりますが「もってこいの」も「都合がつく」の類語です。
「都合がつく」には日程やお金などを合わせるという意味がありますが、「もってこいの」には合わせるといったニュアンスはなく、たまたま適当なものが見つかった場合などに使われます。
そのため「もってこいの」も「都合がつく」の言い換えに使うことはできませんので、その点では「もってこいの」は「都合がつく」とは使い方が違うと言えます。
望ましい
「都合がつく」の類語の十個目は、「望ましい」です。「望ましい」の意味は「そうなるのが良いことだと望む状態」という意味で、一見すると全く違う意味のようですが「望ましい」も「都合がつく」の類語です。
「望ましい」という言葉には何かに合わせるといったニュアンスはありませんので「都合がつく」とは少し違いますが、「望ましい状態にする」と言えば「都合がつく」と極めて近い意味になりますので、「望ましい」も類語になります。
このように「都合がつく」にはたくさんの類語がありますが、「都合がつく」の言い換えに使うことができる類語はほぼないと言えます。
「都合がつく」の使い方・例文
「都合がつく」の類語についてご紹介しましたので、次は「都合がつく」の使い方の例文についてご紹介します。「都合がつく」の意味は「予定を調整して割り当てられる」「予算を工面できる」なので、そういったことを表したい時に使えます。
「都合がつく」は日常会話などの中でも結構使われていますので、「都合がつく」の使い方がわからないという人はそう多くありませんが、「都合がつく」の敬語表現がわからないという人は少なくありません。
「都合がつく」という言葉はいったいどのような使い方をすれば良いのか、「都合がつく」の使い方の例文についてご紹介しましょう。
例文①
「都合がつく」の使い方の例文の一つ目は、「ご都合がつくようでしたらご連絡頂けますか」という例文です。「都合がつく」はビジネスメールなどで予定を尋ねて返事を求める際に使われますが、そのような時にはこのような例文が使えます。
「都合がつく」に「ご」をつけて言い換えるだけで敬語表現になりますので、後に続く言葉に敬語表現を使えばビジネスメールなどで充分使うことができます。
取引先の相手に日程などの予定を尋ねて返事が欲しい時には「ご都合がつくようでしたら」といった敬語表現を使って相手の予定はどうなのかを尋ねて返事を求めますので、実際にビジネスメールで使ってみましょう。
例文②
「都合がつく」の使い方の例文の二つ目は、「お金の都合がつくと思っていたのに、予定外の予算が発生してしまって赤字になってしまった」という例文です。この例文では「予算を工面できる」という意味で「都合がつく」を使っています。
「都合がつく」という言葉はビジネスメールなどで「予定を調整して割り当てられる」という意味での使い方の方が多いですが、こちらの「予算を工面できる」という意味での使い方もあり、自分に対して使う際には敬語表現はしません。
「予算を工面できる」という意味で「都合がつく」という言葉を使うことは昨今ではあまりありませんが、昔は生活費を工面することができた際などに結構使われていました。
例文③
「都合がつく」の使い方の例文の三つ目は、「来月に同窓会を行うが都合がつくかどうか返事をくれという手紙をもらった」という例文です。この例文は日程を合わせられるかどうか返事を求める「都合がつく」の使い方の例文です。
「都合がつく」は日程を合わせるといった意味で使われることが多く、同窓会や結婚式など色々な催しごとの招待状などで使われることもあり、返事をする必要があります。
招待状などで「都合がつく」という言葉を使う際には、「ご」をつけて「ご都合がつく」という敬語表現での使い方になり、「ご都合がつくようでしたら」というような敬語表現の言い方をします。
例文④
「都合がつく」の使い方の例文の四つ目は、「打ち合わせの日程の都合がつくかどうか返事をくれと取引先からメールが来た」という例文です。この例文も日程を合わせられるか返事を求める「都合がつく」の使い方の例文です。
この例文では取引先からのビジネスメールで「都合がつくかどうか」を尋ねられていますが、実際にビジネスメールで「都合がつく」を使う際にはやはり「ご都合がつく」という敬語表現の使い方をします。
「都合がつく」を自分自身に対して使う場合にはそのまま「都合がつく」という使い方で良いですが、人に対して使う場合には「ご都合がつく」という敬語表現にしなければなりませんので覚えておきましょう。
「都合がつく」と「都合が合う」の違い
「都合がつく」の使い方の例文についてご紹介しましたので、次は「都合がつく」と「都合が合う」の違いについてご紹介します。「都合がつく」と間違えやすい言葉に「都合が合う」という言葉がありますが、実はこの二つは違います。
「都合がつく」と言うべきところで「都合が合う」と言ってしまうと意味がまるで違ってしまうのに、「都合がつく」と「都合が合う」をお互い言い換えに使えると勘違いしている人もいます。
「都合がつく」と「都合が合う」にはいったいどのような違いがあるのか、「都合がつく」と「都合が合う」の違いについてご紹介しましょう。
「都合が合う」は相手と予定が一致するという意味
「都合がつく」と「都合が合う」の違いは、「都合が合う」の意味は「相手と予定が一致する」という意味だということです。「都合がつく」の意味は「予定を調整して割り当てられる」という意味で、相手に合わせる意味があります。
「都合が合う」は偶然相手と予定が一致するといった場合に使われますので、わざわざ合わせるというニュアンスはありません。
「都合がつく」と「都合が合う」は意味的にもニュアンス的にも違いますが、「都合がつく」と「都合が合う」を混同している人は結構多く、「都合がつく」と「都合が合う」を言い換えに使う人もいますので注意が必要です。
「都合がつく」を使う際の注意点
「都合がつく」と「都合が合う」の違いについてご紹介しましたので、次は「都合がつく」を使う際の注意点についてご紹介します。「都合がつく」という言葉を使う際には、ちょっとした注意点があります。
先に「都合がつく」の使い方の例文のところでも少し触れてありますが、ビジネスメールや招待状などで「都合がつく」を使う場合には気をつけなければならない点があります。
「都合がつく」を使う際にはいったいどのような点に注意をしなければならないのか、「都合がつく」を使う際の注意点についてご紹介しましょう。
敬語表現するなら「都合がつく」では使えない
「都合がつく」を使う際の注意点は、敬語表現するなら「都合がつく」のままでは使えないということです。誰かに日程などを尋ねて返事を求めたりする際には「都合がつく」ではなく「ご都合がつく」という敬語表現にしなければなりません。
「都合がつきますか?」などという言い方は失礼なので、必ず「ご都合はつきますか?」のように敬語表現する必要があります。
相手の都合を尋ねる際には返事も必要なので、「ご都合がつくようでしたらご返事頂けるでしょうか」などと返事を求める文章も付け足します。
「都合がつく」という言葉は誰かに都合を尋ねて返事を求める際に良く使われますが、取引先の相手などに都合を尋ねて返事を求める時には必ず「ご都合」「ご返事」といった敬語表現を使いましょう。
「都合がつく」の由来
「都合がつく」を使う際の注意点についてご紹介しましたので、次は「都合がつく」の由来についてご紹介します。日本語には由来や語源がある言葉が沢山ありますが、「都合がつく」にも由来があります。
故事成語などの場合は昔の物語などの中に語源や由来があるものが多いですが、「都合がつく」にはそのような大層な語源や由来はありません。
「都合がつく」という言葉にはいったいどのような由来があるのか、「都合がつく」の由来についてご紹介しましょう。
「すべて」という意味の漢字が由来
「都合がつく」の由来は、「すべて」という意味の漢字「都」にあります。「都合」という言葉は「すべてを合わせる」という意味で、シンプルに言えば「都合がつく」は「すべてを合わせるようにする」という意味になります。
「都合がつく」の意味は元々は「全てを合わせる」という意味から「合計する」という意味でしたが、現代でも「都合10人」などという言い方は「合計すると」という意味で使われています。
「都合がつく」の意味は「すべてを合わせる」「合計する」という意味から、段々と変化してきて現代の意味になったということです。
「都合がつく」の英語表記
「都合がつく」の由来についてご紹介しましたので、次は「都合がつく」の英語表記についてご紹介します。日本語には英語に翻訳する際に意訳が必要な言葉が多いですが、「都合がつく」は直訳も意訳もできる英語があります。
「都合がつく」を英語表記するにはいったいどのような英語を使えば良いのか、「都合がつく」の英語表記についてもご紹介しましょう。
convenient for
「都合がつく」の英語表記の一つ目は、「convenient for」という英語です。「convenient for」という英語の意味はずばり「都合がつく」という意味で、「都合がつく」を直訳する英語として使われます。
manage
「都合がつく」の英語表記の二つ目は、「manage」という英語です。「manage」の意味は「都合をつける」という意味ですのでほぼ直訳と言えますが、実際に「都合がつく」の英語訳に使う際には意訳っぽくなります。
possible
「都合がつく」の英語表記の三つ目は、「possible」という英語です。「possible」の意味は「可能な」という意味で、「possible」を使って「都合がつく」を英語訳する際には「~を可能にする」といった意訳になります。
「都合がつく」は予定を調整して割り当てられるという意味
「都合がつく」という言葉の意味や使い方などについて色々とご紹介してきましたが、如何だったでしょうか。「都合がつく」は「予定を調整して割り当てられる」という意味なので、正しい意味を理解して正しく使いましょう。