ロケットストーブを自分で作ってみよう!
少量の燃料で効率よく燃焼することができるロケットストーブをご存知ですか。初心者でも簡単に作れるので自作しやすく、しかもコンパクトで軽く持ち運びも便利なので1人キャンプや家族でアウトドアする時などにおすすめです。
最近ではアウトドアする際に使うだけに止まらず、日常の様々なシーンでも使えると話題になっているので、これを機にロケットストーブの自作方法を知っておくと色んな事に便利に活用できます。
今回はそんなアウトドアや日常に万能に使えるロケットストーブの使い道や、ロケットストーブの自作方法や材料、使う際の注意点などをまとめてみました。よくキャンプに行く人やキャンプに興味がある人必見です。
ロケットストーブとは
まずはロケットストーブについて説明していきましょう。ロケットストーブは、ロケット発射の時のように「ゴー!」と音をたてて勢いよく燃えることが名前の由来で、一斗缶などの筒の中に薪を入れて火を燃やす一風変わったストーブの事を言います。
ストーブと言えば、スノーボードやスキーなどで雪山に行った際に、ロッジやペンションなどにある薪ストーブを思い浮かべる人も多いかもしれません。
薪ストーブは、燃焼室がありその中で火を燃やして暖を取る構造になっていますが、ロケットストーブはロケットストーブ自体が燃焼室となり、独特な機構で燃焼効果を高めて、少ない燃料で周囲を温めてくれるエコロジカルなストーブなんです。
ロケットストーブのしくみを理解すれば、ペール缶やレンガ・一斗缶などの材料でDIY初心者でも簡単に自作でき、キャンプなどのアウトドアや自宅で使う防災グッズ・調理グッズなどにも活用できます。
ロケットストーブのしくみ
ロケットストーブのしくみは至ってシンプルです。L字型になっている管の底辺で薪を燃やすと、その上部にある垂直の煙突内で断熱され、燃焼ガスが急速に膨張して上昇気流となっていきます。
そのため、内部に燃焼ガスが残ることがなく、完全燃焼して煙突から排出されるヒートライザー効果を高めたエコな仕組みとなっています。
少ない薪で強力な火力が作り出せる上に、コンパクトなので場所を取らず、排気ガスもクリーンなところからキャンプだけでなく自宅などでも重宝されています。
ロケットストーブの使い道
次は、少ない燃料で効率よく燃焼することができるロケットストーブの使い道について、ご紹介していきましょう。
ロケットストーブは、軽量で小型なのでキャンプなどのアウトドアで使い道がたくさんあり、また日常生活でも自作しておくと色んなシーンで便利に活用できるのでおすすめです。
アウトドアでの使い道
まずはロケットストーブをアウトドアで使う方法です。周囲に落ちている落ち葉や、小枝を燃料にすることができるロケットストーブは、アウトドアでは経済的に活用できる便利なアイテムです。
ストーブと言えば冬に使うイメージも強いですが、ロケットストーブは春夏秋冬どんな季節でも役に立つので、自作しておくと重宝します。
簡易暖房
ロケットストーブは少量の燃料で効率よく燃焼することができるので、秋や冬の寒い日のキャンプ時や、雪山でのキャンプなどで手や体を温めてくれる暖房器具としても使えます。
煙が少ないので暖房器具として使いやすいロケットストーブですが、無煙という訳ではなく一酸化炭素も発生しています。取り扱う際は、十分に注意しましょう。
キャンプファイヤー
キャンプの醍醐味ともいえるキャンプファイヤーは、暗闇の中での火の勢いに圧倒されて非日常を忘れてテンションが上がり大人も子供も楽しめます。ただし火の粉があちこちに飛ぶので、小さい子供がいる家庭は危険な場合もあるでしょう。
そんな時は火の周囲がきちんと囲まれているロケットストーブを使って、キャンプファイヤーするのがおすすめです。使用した後に出る灰も少なく後片付けも楽に済みます。安心といっても、火の始末には十分気をつけて行うようにしましょう。
調理
ロケットストーブは簡易暖房やキャンプファイヤーに使える上に、加熱コンロと同じような方法で調理することが可能です。また七輪として活用することもできるので、近場の川で釣った釣りたての魚を焼いて食べるのもおすすめです。
直火で焼いてもあまり煙が出ないし、薪だけでなく、その辺に落ちている枝や落ち葉を燃料にすることができるのも大きなメリットです。ただし火加減の調整は難しくなっているので、バーベキューなど強火調理は向いていますが、弱火で作りたい料理などは不向きかもしれません。
自宅での使い道
小型で軽量なので持ち運びも便利なロケットストーブは、自宅に庭や空き地などのスペースがある家庭であれば、色んなシーンで活用することができます。では、実際に自宅でのロケットストーブの使い道方法を確認していきましょう。
焼却炉
資源ごみとして回収してくれたり、有料扱いになってしまう市町村もある「落ち葉や枝」などは、少量であればロケットストーブを焼却炉代わりに燃やしてしまうのもおすすめです。
自作で簡単に作れて、軽量なので使い終わった後の後片付けにも便利です。ただし落ち葉の焼却は自治体によっては禁止しているので、確認してから行うようにしましょう。
融雪
冬に多くの雪が積もる地域には、ロケットストーブを活用した融雪がおすすめです。ロケットストーブの煙突は高音の排気管になるので、雪が積もった場所に横引きに設置し融雪に活用したり、屋根裏に配管を巡らせて屋根の雪を溶かすのに使用した例があります。
冬の重労働である雪かきの手間を、少しでも楽にできるようにロケットストーブを活用してみるのもおすすめです。
ピザ窯
レンガを使ってロケットストーブを自作すると、温度がかなり上昇するのにも対応するので本格的なピザが自宅で焼くことができます。よく自宅でホームパーティやバーベキューなどを行う人は、自宅で振る舞うピザを楽しみにたくさんの友達を呼ぶこともできるのでおすすめです。
簡単な小型ロケットストーブを自作しよう!
次は軽量で小型のロケットストーブの自作方法をご紹介していきましょう。アウトドアなどのキャンプに行く際は、どうしても荷物が多くなってしまいがちです。
少しでも軽くするために、簡単に自作できるロケットストーブを作って、持ち運びも便利に身軽に行動できるようにしましょう。
DIY初心者でも作れる?
DIY初心者の人でもアウトドア好きや工作に興味がある人であれば、材料と工具さえあれば、初心者ながらも簡単に小型のロケットストーブを自作することはできます。手の込んだ作業はあまりないので、DIY初心者でもコツを掴めば簡単に自作できます。
週末に家族でキャンプに行く前に、子供たちと一緒に小型のロケットストーブを作ったりすると、一体感が生まれたりキャンプが楽しくなるのでおすすめです。
自作ロケットストーブに必要な工具
自作ロケットストーブに必要な工具としては、金ノコ・ニッパー・金切りバサミ・ベンチ・缶切り・ヤスリ・ハンマー・ホールソウ(がなければドリルでも可)などです。
ロケットストーブの土台となる素材によっては使う工具も様々なので、上記の工具をある程度用意しておくと、DIY初心者でも自作しやすいでしょう。
自作方法①ペール缶のロケットストーブ
まずはペール缶のロケットストーブの自作方法の材料や、作り方とコツなどご紹介していきましょう。ロケットストーブを自作する際は、ペール缶や一斗缶が一般的にはなっていますが、最近は可愛いデザインが入ったペール缶を使う人も多いです。2缶は用意しましょう。
材料
ペール缶でロケットストーブを自作する際の材料は、ペール缶2つと半直筒・T曲り・エビ曲がりの煙突が必要になります。煙突は直径10.6cm・長さ45cmが目安です。
次に断熱材のパーライトは熱効率を高めてくれるだけでなく、軽量でもあるのでロケットストーブの持ち運びに便利です。18L×2袋が必要量になります。他にはナットとボルトを各4個、ワッシャー・平ワッシャーもナットとボルトをしっかり固定したい場合は用意しておきましょう。
煙突やパーライトなどの材料は、ホームセンターで購入できてナットやボルト類は、ネット通販でも購入ができます。
作り方・コツ
ペール缶でロケットストーブを自作する際の作り方とコツをご紹介していきましょう。まずはペール缶の側面に煙突を取り付けるため、マジックでペール缶に煙突サイズの丸を書くのがコツです。
書いた丸部分をディスクグラインダーを使って切り抜くか、初心者の場合は、電工ナイフで円の端から端を十字で切れ目を入れ、金切りバサミで切り抜きましょう。
ペール缶の穴にエビ曲がりの煙突を軍手をしながらはめ込み、隙間ができたらアルミホイルで埋めておきましょう。ペール缶の外にあるエビ曲がりの煙突に、T曲がりの煙突を差し込みます。ペール缶の内側にあるエビ曲がりと半直筒を接続します。
もう一つのペール缶の底を金切りバサミで切り取り、ペール缶2つを接続するため、両方ともドリルで4箇所穴を開けてボルトとナットで固定するのがコツです。しっかり固定できます。ペール缶にパーライトを入れれば、ペール缶で自作したロケットストーブの完成です。
自作方法②ペンキ缶のロケットストーブ
次はペンキ缶のロケットストーブの自作方法の材料や、作り方やコツなどをご紹介していきましょう。軽量・小型で、キャンプなどのアウトドアなどに持ち運びが便利なロケットストーブを作りたいのであれば、ペンキ缶を使うのがおすすめです。
材料
ロケットストーブ本体となる大きめのペンキ缶、小さめのペンキ缶3つを用意しましょう。小さめのペンキ缶は、焚き口やヒートライザー部の煙突を作る材料として使うため細長い缶を選び、缶の上下の蓋は取り除いて置きましょう。
あとはペール缶と、同様に断熱材として本体に充填できるぐらいのパーライトが必要になります。パーライトがない場合は砂利で代用もできます。
作り方・コツ
ペンキ缶でロケットストーブを自作する際の作り方とコツは、ロケットストーブ本体となるペンキ缶に焚き口となる穴を開けていきます。穴のサイズは、小さいペンキ缶の蓋をマジックでなぞっていきます。
書いた丸部分はディスクグラインダーを使うか、初心者は電工ナイフで円の端から端を十字で切れ目を入れ、金切りバサミで切り抜くとコツが掴みやすいでしょう。開けた穴部分には半分程度小さいペンキ缶を差し込みます。
続いて煙突部分になる小さいペンキ缶の側面下部分に切り込みを入れ、上に折り曲げ、加工した煙突部分を本体上から差し込み、焚き口の上にかぶせるように固定していきます。
最後にパーライトを本体ペン缶と差し込んだ部分に隙間なく入れていき、張り出した部分に5cmほど切り込みを入れ1つ置きに折り曲げたら完成です。
自作方法③一斗缶のロケットストーブ
次は一斗缶のロケットストーブの自作方法の材料や、作り方やコツなどをご紹介していきます。用意する一斗缶は上に蓋がついているものにしましょう。一斗缶を使ってロケットストーブを作ると、ペンキ缶よりは小型ではなくなりますが軽いので、持ち運びには便利です。
材料
一斗缶のロケットストーブを自作する際の材料は、蓋がついている一斗缶・エビ曲がり缶・半直筒・18Lのパーライトを用意しましょう。
材料と一緒にマスク・ゴーグル・電動ドリルや、電動ドリルにとりつける穴開け用のステップドリルなどの工具があると初心者でも簡単に自作できます。
作り方・コツ
一斗缶でロケットストーブを自作する際の作り方とコツは、最初に一斗缶の底面に煙突を合わせてマジックでカットする円をなぞります。真ん中部分にステップドリルで2cmぐらいの穴を開けたら、金切りバサミで切り内側に折って円を作っていきます。
同様に一斗缶の側面も煙突を合わせてマジックでなぞり、ステップドリルで穴を開け、金切りバサミで内側に折ります。底面に半直筒、側面にエビ曲がり缶を差し込み一斗缶の蓋部分からパーライトを流し込みましょう。
全てのパーライトが入りきったら、一斗缶の蓋をビス止めします。最後に空気の逃げ場を作るため、煙突にステップドリルで穴を開け、金属用の棒ヤスリでバリ取りを行なったら、一斗缶のロケットストーブの完成です。
自作したロケットストーブの使い方と注意点
次は、自作したロケットストーブの使い方と注意点をご紹介していきましょう。ロケットストーブは火を取り扱うので、アウトドアやキャンプの初心者がロケットストーブを使う場合は、大きな怪我に繋がらないためにも十分注意しましょう。
火のつけ方
まずは、簡単に自作できる小型のロケットストーブの火のつけ方です。焚き口に細くしてある薪や、なければ周辺に落ちている小枝・落ち葉・松ぼっくり・新聞紙などを投入し、火をつけていきます。
火種が大きくなってきたら、L字のカーブの煙突部分に焚き付けで使った小枝などを押し込んでいきましょう。そうすることで、ヒートライザーから煙突部へ熱が伝わり空気が上昇していきます。
ヒートライザー付近で炎が勢いよく燃え始めたら、空気の流れを遮らない程度に薪を投入していきましょう。すえでにヒートライザーの加熱が始まっているので、投入した薪に火がついていき、ロケットストーブの本燃焼が始まります。
注意点
次は、簡単に自作できる小型のロケットストーブを使う際の注意点をまとめてみました。軽量で持ち運び便利なロケットストーブは、キャンプなどのアウトドアで調理に使ったり、簡易暖房として使えるので万能なアイテムですが、火を取り扱うこともあり危険も伴います。
幼い子供と一緒にキャンプに行ってロケットストーブを取り扱う際は、子供が触らないよう十分注意して取り扱うようにしましょう。
火災
ロケットストーブを長時間使うと本体自体が高温になり、煙突が真っ赤になっていきます。構造上断熱された内部の煙突部分は、二次燃焼が起こるため500〜600℃にも達します。
少ない燃料で強い火力を生み出すことが魅力のロケットストーブですが、真っ赤になった煙突に小枝の先端を当てると、火の粉が出てくることもあり、可燃性の木などに接触してしまうと、火災の原因になる可能性があります。
自作のロケットストーブは、屋内で取り扱える耐久性や性能は持ち合わせていないので、屋外で使うようにしましょう。
火傷
見落としがちなのが、ロケットストーブの煙突最上部です。煙突最上部はかなり高温となり危険なのに、薪などが燃える箇所や炎が発生する位置に注意が行きがちです。
煙突最上部は小さい子供のちょうど顔近くになってしまう場合があり、髪の毛が燃えてしまったり、火傷を負ってしまう可能性もあるので取り扱いには十分注意しましょう。
煙と臭い
ロケットストーブは高温で安定して燃えている際は煙が出る量は少ないですが、ロケットストーブを使い始める時や、湿った枝などを投入してしまった際は煙が出ます。同時に薪を燃やす匂いも発生します。
野外でロケットストーブを使う際は、煙や匂いなどは問題ないかもしれません。ただし自宅でロケットストーブを使う際は、煙や匂いには十分注意するようにしましょう。住宅が密集している地域では、迷惑行為に値してしまうかもしれません。
ロケットストーブを自作して楽しみを広げよう!
落ちている落ち葉や枝などの少量の燃料で、効率よく燃焼することができて小型で軽量が魅力のロケットストーブは、キャンプなどのアウトドアでは便利に活用できるアイテムの1つです。
DIY初心者でも簡単に自作できるので、取り扱いには十分注意してロケットストーブを上手に活用してみましょう。