自己評価が低い人ってどんな人?
「自己評価」とは自分で自分についての評価をする機能、システムのことをいいます。自己評価が低いという意味には自分のことを低い評価にしてしまっていることを意味しています。これは自分が自分自身に評価していることでもあるので、周囲からの評価とは全く関係ない評価になります。
一見すると誰もが素晴らしいと思っている人が自己評価が低いこともあるのです。今回は、この自己評価の低い人の特徴や心理、自己評価を低くしてしまっている原因について探っていきましょう。そこから、自己評価を高めて自信をもつこ改善方法を探っていくことにします。
もしも自分の自己評価が低いと自信がないと思っている方であれば最後までしっかりと読んでみてください。自己評価を高めるヒントを見つけることができるでしょう。それでは、自己評価が低い人というのはどんな性格の特徴があるのか、ご紹介していきます。
自己評価が低い人の性格の特徴
自己評価が低い人の性格の特徴にはどんな特徴があるのでしょうか。自己評価の低い人に共通する性格の特徴についてまとめていきます。
これからご紹介する性格の特徴をもった人はたいていが自己評価が低いという特徴や自信がないという特長があるのです。自分がこの性格の特徴に当てはまってしまっていないかチェックしながら読み進めてみてください。
諦めるのが早い
自己評価の低い人の性格の特徴に、すぐにあきらめてしまうという特徴があります。何か始める場合であっても明るい未来を想像することが難しいと感じてしまい、「やるだけ無駄」「自分にはできない」という思い込みに囚われてしまっている特徴があります。
そのため、自分から努力をして続けていくことをしようとしません。ただ、必要に迫られないと行動を起こすことはできます。自分が難しいと思うことが続けてできなくてすぐにあきらめた方がいいと思ってしまっているのです。
例えば、何か挑戦したいと思ったとしても「自信がない、できない自分」をすぐに思い起こしてしまいます。自信なく失敗することを考えるとあきらめた方が楽だと考えてしまうのです。あきらめることで自分が傷ついてしまわないように自分を守ろうとしてしまうのです。
マイナス思考
自己評価の低い人の性格の特徴として「自分は駄目な人間だ」という思いが強くあります。ですので、駄目な自分ができるはずがないという思い込みの囚われてしまっているのです。
これは仕事や勉強でも同じで何をやっても自分は上手くできるはずがないと決め付けてしまっています。ネガティブ思考が常にあって、人間関係でも自己評価が低い状態で人と付き合ってしまいます。
依存心が強く騙されやすい
自己評価が低い人の性格の特徴として依存心が強くなってしまう特徴があります。「依存心」とは「人に頼る気持ち」という意味があります。
依存心が強い人の特徴として自発性がなく常に受け身であったり、自信や自尊心がない、被害者意識が強くなる自分が分からない、感謝ができないという特徴があります。そのため誰かにすがって生きていくしかできなくなってしまっているのです。
依存心が強いということは騙されてしまい利用されることもあります。頭では相手が自分をいいように利用していることは分かっていたとしても「それでも私のことを必要としてくれるのはこの人のほかにいない」という気持ちで依存し続けてしまうという特徴があります。
人の言葉を疑ってしまう
小さい頃から「自分は駄目な人間だ」という思い込みが強くなっています。これは幼少期の育てられ方が大きく関係していて、この考えは長年無意識の部分にまで刷り込まれてしまっているのです。この自分のイメージは大変強くこびりついてしまっています。
実際には、どんなに高い能力がある場合でも、いくら周囲が認めてくれる評価をきいたとしても「こんなに駄目な自分にこういうことをいうのは何か裏があるんだ」「絶対嘘だ」という思いが強くなってしまいます。
自己評価が低いままその事実をみることができないのです。ほかに人の評価を疑ってしまうという特徴があります。
攻撃的になることもある
自己評価の低い人は一見するとおどおどとしていて消極的な部分が目立っているような印象があります。しかし、場合によっては攻撃的になるという一面ももっています。
自己評価の低い自分を隠すために、自分よりもできない人をみつけるとまるで自分をみているようになってしまいその人に攻撃的になってしまうことがあるのです。
この攻撃は精神的な攻撃もありますし、肉体的な攻撃もあり得ます。この原因には、自己評価の低い人の心の弱さが影響しているのです。
真に心が強い人というのは、人に対しても優しい心をもつことができます。自分よりもできない人に対しても優しく助けの手を差し伸べることができるのです。
自己評価の低い人は、こういったことが難しく、怒りっぽくて気が強い人は自己評価が低いという特徴はよくあることでもあるのです。もしも自分に対してよく分からない理由で攻撃してくる人がいるとしたら、もしかすると自己評価の低い心の弱い人の可能性もあります。
自己評価が低い人の行動・態度の特徴
自己評価の性格の特徴についてご説明してきました。性格の特徴からも分かるように自己評価の低い人は自分に自信のない人でもあるのです。
では、自己評価の低い人に共通する行動や態度の特徴にはどんな特徴があるのでしょうか。あなた自身はこういう行動を無意識にしてしまっていないかチェックしてみてください。
虚勢を張ってしまう
自己評価の低い人は、必死で虚勢を張って自分の自信のなさを隠そうとする特徴があります。具体的には、誰かが「大丈夫?」と心配してくれたことであっても「全然大丈夫!」と強がってしまうという特徴があるのです。
簡単に自分の弱みを相手に見せてしまうと自信がない自分のことがばれてしまうことを必要以上に恐れているという特徴があるからです。
自分の本音を相手に伝えて「相手に嫌われたらどうしよう」という心理をもってしまっているのです。虚勢を張ることで自分を守るのに必死になっているという特徴があります。
自分の気持ちを言わない
自己評価の低い人は自分のことに自信を全くもっていません。そのため自分の気持ちを言うことは大変恥ずかしいことであるという心理を強くもっています。
例えば、自分の気持ちを言わなければいけない場面であっても、「この場面でどんなことをいうのが適しているのか?」「この空気の場面ではどういう答えをいうのが正しいのか?」
「ここでは自分はこう思うけれど、こういう場面では周りと同じ意見をいうのが正しいことだ」という心理が無意識に働いてしまうのです。
そのため、自己主張することを押し殺して、自分の気持ちではないことを言ってしまうのです。これは、知らず知らずに小さい頃から身についてしまっている自己評価の低い人も少なくありません。ですので、自分の意見をいうことをわがままで悪いことと捉えてしまっている場合が多くなります。
いつも受け身
受け身であるということは、自分が傷つくことはありません。例えば、友達と遊ぶ場合でも誘ってくれた相手と遊ぶという人間関係を自己評価の低い人はとりがちです。そのため、常に人間関係は受け身の人間関係になってしまいます。
この原因には「自分は人から好かれないから、こんな自分が話しかけたらいけないんだ」「話かけられたら迷惑がられるかも」
「うざいと思われたらいやだから」といって自分という心理が強く働いていることが原因として考えられます。これは、こういう人間関係でいる方が、自己評価の低い人にとっては、自分を守る行為でもあるのです。
周囲への不平不満が多い
自己評価の低い人は、自分への評価が低いのですが、他人への評価も大変厳しいという特徴があります。自己評価の低い人は、理想が高いという特徴もあって自分が考える理想に周囲も合わせてもらわないと気が済まないという特徴もあわせもっています。
そのため周囲の人への不平不満も多くなっていて「あいつは使えない」「もっと部下がしっかりとしていたら」「もう少しましな人と一緒に働けたら」と愚痴が多いという特徴があります。
これは自己評価が低い自分への自信のなさが、自分と同じようにできていない人のミスや不器用さに目がいってしまうことが多くなることが原因としてあげられます。
否定的な発言が多い
自己評価の低い人の特徴に自分を卑下する発言が非常に多いということが挙げられます。自分に自信がないので「どうせ自分なんて」「駄目に決まってる」「どうせできない」という否定的な発言をよくしています。
本当に自分に自信がもっていないので、何かにつけて会話の端々に発言していることが多くなります。常に「どうせ無理」「できっこない」「自分なんて」という考えに囚われてしまっていることが原因として挙げられます。
自己評価が低い原因
それでは、どうして自己評価の低い人はこうした自分に自信のない行動や心理になってしまったのでしょうか。自己評価が低い原因について迫っていきましょう。自己評価を低くしてしまっている原因にはどんな原因が考えられるのかチェックしていくことにしましょう。
周りから否定されることが多かった
自己評価の低い人は、周りから否定されることが多かったという特徴があります。これは自己評価の低い人の幼少期からの育ちが大きく関わっています。
自己評価の低い人を育てた親、兄弟や姉妹、学校の先生や友達といった人達から否定されることが多いとどんどん自己評価を低くしてしまう原因になってしまうのです。例えば、優秀な兄や姉をもった弟や妹は、常に比較されて育ちます。
「お兄ちゃんはできたのにどうしてあなたはできないの?」「お姉ちゃんはもっとできたのに本当にあなたは駄目ね」という風に言われて育っていることが原因です。
周りの意見というのは、怖いもので、周囲から駄目だといわれ続けていると駄目だといわれる前に自分が駄目だと思うようにしてしまう原因になってしまうのです。
自分で先に「駄目だ」と思うことで周囲の人から言われてもダメージを少なくしようとしているのですが、それが積み重なって、自己評価まで低くしてしまっていることが原因として考えられます。
相談できる人が少ない
自己評価が低い人は、相談できる人が少ないという特徴があります。これは、自分の評価に固執してしまうという原因になってしまいます。相談できる人が周囲にいれば自分のことを客観的に評価してくれることになるでしょう。
「そんなことないよ」と常に励ましてくれる相談相手がいれば自己評価を低い状態にすることにはなりません。相談できる人が少ないかいなかったことから自己評価を自分だけで行ってしまっていることが原因でもあるのです。
また、自己評価の低い人の人に甘えることが苦手という特徴からも、人からの励ましを素直に受け取ることができなくなってしまっていることも原因として考えられます。そのためどんどん自分の考えに固執してしまって他人の発言に耳を貸すことができなくなってしまうこともあるのです。
褒められることが少なかった
自己評価の低い人は、幼い頃から褒められる経験が圧倒的に少ないという特徴があります。人は褒められることで自分の評価を高めていくことができます。自己評価の低い人は褒められる変わりに否定的な言葉を浴びせられてきました。
そのため、自分を否定することが自然になってしまい、自己評価を低くしてしまっているのです。自分のことを褒めてもらう経験が極端に少ないということから、どんどん自己評価を下げていってしまっています。
上手く行かないことに反省ばかりしていた
反省することは大変重要なことでもあります。反省を次に生かすことで成功をつかみとることができる可能性もあるのです。ただ、自己評価の低い人の反省は自分を責めるばかりの反省になってしまうのです。
上手くいかなかったのは自分の能力不足であったり、自分が駄目な人間だからできないということにつなげて考えてしまっています。そのため、できないことや上手くいかないことは自己評価をどんどんと低くしてしまう原因になってしまっているのです。
周りに合わせ目立たないようにしてきた
日本では周囲との和を大切にする文化があります。周囲よりも目立ったり、周囲と一緒でなかったり人というのは集団を乱すものと考えられてしまう傾向が強くあります。空気を読んで行動することが重要とされて空気を読めない行動をする人ははじかれてしまうこともあるのです。
これは日本の根強い風潮でもあります。これを小さい頃から家庭や学校で無意識のうちにいろいろな経験をすることによって、周りに合わせて目立たないようにしておくことが最も重要であるということが刷り込まれていきます。
こうすることで日本の社会で平和に生きていくことができることを体得していっているのです。もちろんこれは、謙虚さであったり、自分よりも相手を思いやるという心を育てることにもつながっているのです。
ですが、こういった心理がずっと続いてしまうとどんどん自己評価を低くしてしまっていく原因になってしまっています。これは自分がどういう気持ちであるのかさえ分からなくさせてしまう原因にもなります。
自己評価の低い人は、自分の気持ちにさえも気が付かずに「ここではどういう行動をするのが正解か」で行動してしまうことになってしまうのです。
自己評価が低いことの心理的なデメリットとは?
自己評価が低いことによって起こりうる心理的なデメリットにはどんな心理的デメリットがあるのでしょうか。
自己評価の低い人の特徴をみても分かるように自己評価の低い人というのは心理的にもいい効果を得ることができません。あまりにも自己評価が低い状態が続いてしまうと心理的なデメリットが強くなってしまうこともあるのです。
肉体的にも精神的にも病んでしまうリスクが高い
自己評価が低いことから考えられる心理的デメリットを挙げていきます。「恵まれない環境にいる自分を悲観して周囲を強く嫉妬する心理が強くなる」「アドバイスや小さな注意であっても、敵意と感じて距離をとってしまう」「実際に行動に移すことができない」「人間関係が下手」
「言いなりになってしまう」「自分のことが嫌いになる」という心理が働いてしまいます。もちろん自己評価が低いということはメリットもあります。例えば「謙虚な態度で周囲からの好感を得やすい」
「適度な注意深さがあってミスが少ない」「常に満足することなく向上心をもって行動できる」というメリットもあります。しかし、このメリットはデメリットの方が優位に立ちやすいということがあるのです。
自己評価が低い人の改善方法
それでは、自己評価の低い人はどうやって改善していけばいいのでしょうか。自己評価の低い人ができる改善方法について探っていきましょう。
自己評価が低いと感じている方はこの改善方法を試してみてください。先ほどもご説明しましたが、自己評価が低いことは心理的デメリットがメリットよりも優先になりがちです。改善できる努力も必要でしょう。
自分の成長記録をつける
自分の能力を客観的に把握することで自己評価の低さを改善する方法でもあります。毎日自分できたこと、成長したことを具体的に日記やメモで残す改善方法になります。
例えば「今日は、○○さんに自分から挨拶ができた」「今日は冷蔵庫の掃除ができた」「できないことをできないといえた」という風に簡単に書いてみましょう。
SNSを活用することでもいいでしょう。こうやって毎日記録してつづっていくことで、自分の能力を可視化することができて自信につなげて改善していくことができます。
楽観的に行動をする
自己評価の高い人というのは、物事を楽観的にとらえている特徴があります。「まあ、なんとかなるだろう」「やってみたらなんとかできた」ということが積みあがって自己評価を改善してくれているのです。
自己評価の低い人は何事もネガティブに捉えてしまうため、最悪の事態を常に想定して行動しがちです。しかし、最悪な事態になるかならないか実際にやってみないと分からないものです。物事を楽観的に考えるようにしてみましょう。
プラスの言葉を使う人と接する
「類は友をよぶ」と言いますが、ネガティブな発言はネガティブな人間関係も呼び込むものです。愚痴や悪口というのはその場では盛り上がったとしても、後々本音を言い合える仲になれなかったり、「陰でなんていわれているのか気になる」という心理になりがちです。
それよりも、常にポジティブな人と接してしてみましょう。ポジティブな発言をする人というのは、常に周りには明るい雰囲気に包まれていて、人間関係も明るい特徴があります。
そういう人と接することで影響を大きく受けることがあるのです。発言する言葉もポジティブに変わってくれば前向きな気持ちになっていくことでしょう。こうすることで自己評価も高く改善されていきます。
否定的な考えを前向きな考えに上書きする
否定的な考えというのは今まで自己評価が低い人にとって自然とでてくる気持ちや考えでしょう。この気持ちや考えは全く悪いわけではありません。こういった気持ちや考えになってしまったのであれば、「どうしたらできるかな?」「成功するにはどうしたらいいかな?」と考えを上書きしてみましょう。
自己評価の低い人というのは、細かい部分に気がつくという特徴もあります。そのためミスが少ないというメリットもあるのです。周囲の人が気が付かないような危険なポイントもその洞察力で回避できることも特徴でもあります。
これを生かすことで自分に自己評価を高めて改善することにもなるでしょう。常にネガティブな考えが浮かんだら、ポジティブに脳内変換するクセをつけてみると自己評価も高めていくことができます。
楽しいことをたくさん考える
楽しいことを考えると自然と表情も緩んでしまいます。悲しい出来事や心配事がどうしても考えてしまうことが多くなる場合もあるでしょう。自己評価が低いのを改善したいのであれば、意識して楽しいことを考えるようにしてみてください。こうすることで自己評価が高めることができます。
自己評価が低い人は少しずつ自分に自信をつけていこう!
自己評価が低い人の特徴についてご説明してきました。自己評価が低いことの原因には幼少期の育てられ方が大きく影響していることが多く、改善することは簡単なことではありません。
しかし、できたことをメモしたり、楽しいことを考えることで人は変わります。自己評価を少しすつでも高めていきましょう。