浴衣の襟の合わせはどっちが前なの?男女で右前・左前は同じ!

浴衣の襟の合わせはどっちが前なの?男女で右前・左前は同じ!

皆さんは浴衣の襟合わせの際にどっちが前かわからなくなってしまったことはありませんか?実際にわからなくなってしまう人も多いでしょう。今回はそんな浴衣の襟合わせにおいて、どっちが前にするのが正しいのかについてご説明します。正しく着て夏のイベントを楽しみましょう!

記事の目次

  1. 1.浴衣の襟の合わせ方・どっちが前か知っていますか?
  2. 2.浴衣の襟の右前・左前ってどっちが前になるの?
  3. 3.浴衣の襟の合わせ方は男女で違う?
  4. 4.浴衣の襟を左前にするとダメな理由
  5. 5.浴衣姿を自撮りする時は注意
  6. 6.どっちが前かを覚えて浴衣を正しく着よう!

浴衣の襟の合わせ方・どっちが前か知っていますか?

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夏祭りや花火大会など、夏のイベントには欠かせない「浴衣」。皆さんはその「浴衣」の正しい着方についてご存じでしょうか。

今では「浴衣」と帯、下駄などがセットになって販売されていることも多く、手軽に「浴衣」を着ることが出来るようになりました。帯も既に結び目が形成されていたり、簡単に結ぶことが出来るように工夫がされている多いです。

しかし、どんなにセットが充実していても「浴衣」を着る上で悩む場合があります。それは「浴衣の襟合わせはどっちが前か」ということです。皆さんはご存じでしょうか?

「浴衣」は羽織るところから始まるため、さすがに「浴衣」の襟合わせまで作り置きすることは出来ません。今回はこの「浴衣の襟合わせ」はどっちが前かという疑問についてお話しします。「浴衣」を正しく着て、夏のイベントを楽しみましょう!

浴衣の襟の右前・左前ってどっちが前になるの?

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「浴衣の襟合わせ」についてご説明する前に、基本的な言葉の意味についておさらいします。まず襟合わせには「右前」と「左前」という言い方があります。この「右前」と「左前」はどのような状態なのかについて簡単にご説明します。

この表現の違いについて、意外と勘違いされている方が多いです。この機会に「右前」と「左前」の区別をはっきりとさせておきましょう。

右前の場合はどっちが前?

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まず「右前」についてです。言葉をそのまま解釈すると、右側の襟が上に被さるように、相手から見て「右の襟が上」というように思う方も多いです。

しかし、これが誤解を生む点になります。ここで言う「右前」とは自分側から見た場合の「右前」です。つまり、正しい「右前」とは「自分の体により近い襟が上」になる状態です。逆に言えば左側の襟が、右側の襟の上に被さる状態ということです。

左前の場合はどっちが前?

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次に「左前」です。この場合も「右前」の場合と同様に、自分から見て手前(体に近い)にある方を上と認識します。よって、「左前」とは左襟が自分の体にくっついている状態、右襟が左襟の上に被さっている状態を表します。

襟合わせを考える場合、あくまで「自分を主軸」に置くという考え方が基本であると思っていてください。この考えさえ忘れなければ、左右の合わせ表現を間違えることは無くなるでしょう。

浴衣の襟の合わせ方は男女で違う?

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前の章では浴衣の襟合わせの表現についてご紹介しました。では、実際に浴衣を着る上での正しい襟合わせはどちらなのかについてです。

また、男女で襟合わせに違いはあるのかについてもお話しします。スーツのジャケットや白衣などは、男女によって襟合わせが逆になっていますが、浴衣の場合はどっちが前でしょうか?この疑問について解決していきます。

男女とも右前

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「浴衣」の場合の正しい襟合わせの方向は「右前」になります。これは男女ともに同じで、違いはありません。「浴衣」の襟合わせには男女差がないので、どっちがどっちかと悩まなくて済む面では安心です。また、これは着物の場合も同様です。

襟合わせの覚えやすい覚え方

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それでも、なかなか「浴衣」の襟合わせは「右前」というのがピンと来ない方もいるでしょう。その場合の正しい着方のチェック方法をご紹介します。

「浴衣」が正しく着られているかを確認する際は、右手を襟もとに入れられるかで判断します。もう一度おさらいしますが、「右前」とは右襟が自分の体に触れている、すなわち左襟が右襟の上に被さっている状態です。

とすると、浴衣襟合わせの隙間は右側を向く形になるため、右手が襟合わせの隙間に入れられるはずです。もしこれが逆になってしまうと、襟合わせに右手は入れられません。

右前が正装となった由来

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「浴衣」の襟合わせは男女ともに「右前」だということはお分かりいただけたでしょう。では、なぜ「右前」なのか?というその由来についてご紹介します。

実はこの襟合わせの歴史はおよそ1300年ほど前、719年にまで遡ります。719年と言えば、日本は奈良時代であり、奈良の大仏で有名な聖武天皇の時代です。この時代以前は「左前」が日本では一般的だったのですが、中国の新しい文化を取り入れようと「右前」が一般化していきました。

それに加えて、ある2つの思想がきっかけになったとされています。それが「天子(天皇)は北に位置し、臣下と南面すべし」という思想と、「天照大神」の存在です。

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まず「天子(天皇)は北に位置し、臣下と南面すべし」という思想の意味ですが、これは天子は北を背にして座り、南側にいる臣下と対面する状態を表します。「背」という字に「北」という字が入っているのもこの思想から来ているという考えが一説に存在します。

一方の天照大神は文字通り天を照らす「太陽」の神様です。太陽は皆さんご存知の通り、東から昇り西に沈みます。つまり、太陽が沈む西よりも、昇る東の方がより上位な方角とされました。

そして先ほどの北を背にする状態と合わせると、左側に東、右側に西が位置します。そうすることで、左側は右側よりも上位であると見なすようになりました。この思想によって、天皇から見て左側の襟を隠し、右前を出せというルールが出来たとされています。

ちなみにこのルールは719年に法律として制定されており、列記とした決まり事となりました。これが「浴衣」の襟合わせを「右前」にする由来の原点です。

襟合わせ間違いを防止できる和装ブラが人気

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どうしても襟合わせの左右がわからなくなってしまう方に朗報です。現在では襟合わせの間違いを防止できる「和装ブラ」というものがあります。

これは補正下着メーカーの「タムラ」から登場した商品で、見た目は完全に下着ですが、襟もとが着物や「浴衣」のように合わせの形をしているのが特徴です。「浴衣」の襟から見えても不自然さのないレースや素材で出来ているのがとても魅力的です。

「浴衣」を着る際はその合わせに沿って衣を重ねれば、襟合わせを間違えることなく、簡単に正しく着ることが可能です。

フリー写真素材ぱくたそ

また、和装ブラにはたくさんの種類があり、現在では様々な会社からオリジナルの和装ブラが登場しています。色の展開も多彩で多機能で便利なものもあります。

例えば、「浴衣」を着るときは胸の膨らみが少ない方が良いとされています。これは帯から胸元にかけてなだらかな曲線を描くことで、シルエットが綺麗になり、より素敵に着こなすことが出来ると言われているからです。

しかし、痩せ型の方はタオルや手ぬぐいなどを帯びの間に挟むことできれいな曲線を作ることが可能ですが、胸の大きい女性が胸を平らに魅せるというのはなかなか大変です。

そう言った方のために、胸を軽くつぶし平らにすることが出来る補正和装ブラなども販売しています。また、夏であれば汗をかいてしまう事も多いので、吸湿性や通気性を良くしたものもあります。自分のニーズに合わせたものを選ぶと良いでしょう。

浴衣の襟を左前にするとダメな理由

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「浴衣」の襟合わせは男女ともに「右前」であるとお話ししました。では逆になぜ「左前」ではダメなのかという疑問が浮かんでくる方が多いでしょう。次の章では浴衣の襟合わせを「左前」にするとダメな理由についてご紹介していきます。

「しに装束」と考えられ縁起が良くない

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「左前」の着方というのは一般的に「しに装束」を意味すると考えられており、縁起が良いものではありません。亡くなられた方が着る白いしに装束を着せる場合には襟合わせを「左前」にします。間違えて「左前」にしてしまうと、知らない人から指摘されたり、恥ずかしい思いをするかもしれません。

浴衣を着るときは、先ほどご紹介したような「右前チェック方法」を使ってしっかり確認するようにしましょう。

浴衣姿を自撮りする時は注意

フリー写真素材ぱくたそ

ここまでで「襟合わせは右前」であることはお分かりいただけたでしょう。最後は「自撮り」をする際の注意点についてご紹介します。スマホで簡単に写真を撮れる上に、インスタ映えなどSNSにアップするという方もたくさんいます。

その際に、襟合わせについて少しだけ気にしてほしい注意点についてのお話しです。写真をアップする側も、その写真を見る側も覚えておきましょう。

襟の合わせが反転

Photo byKERBSTONE

スマホで自撮りする際の注意点は「鏡越しに自撮りをすると左右が反転する」ということです。当たり前と言えばそうなのですが、意外とうっかり勘違いしてしまう方が多いです。自分の全身写真を撮影しようとするときに多いのが、鏡に映った全体像を撮影するという方法です。

こうすることで、襟合わせが反転して写真に写ります。鏡で自撮りしたことが解ればいいのですが、中には鏡越しであることが判別できない自撮りもあります。

そう言った場合に見た側が合わせを勘違いしてしまい、真似して襟合わせを逆に来てしまったり、正しい襟合わせを知っている方が間違いを指摘してしまうことがあります。特に鏡を使った自撮りをするとき、写真を見るときには少し気を付けましょう。

どっちが前かを覚えて浴衣を正しく着よう!

Photo by iyoupapa

いかがでしたでしょうか?今回は「浴衣の襟合わせはどっちが前か」という疑問について、男女の違いの有無も交えて、お話ししてきました。浴衣だけでなく、着物においても応用の効きますので、この機会にぜひ「浴衣」の襟合わせをマスターしてみてください!

沖田さくら
ライター

沖田さくら

沖田さくらと申します。薬剤師免許を持ちながら、院生、ライターもやっています。皆さんの役立つ情報を記事にしていければと思います。よろしくお願いいたします!

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