失業保険とは
失業保険とは手続きすることにより失業して働いていない期間に受給される制度で、勤務年数や月収によっても受給される金額が変わってきます。それでは失業保険の手続きをするためにはどのような方法で受給されるのでしょうか。また、手続き後すぐに受給されるのでしょうか。今回は失業保険の手続きについて紹介します。
失業保険制度のあらまし
失業保険は手続きをして受給されるのですが、いままでもらっていた給与分を受給される訳ではなく、勤務年数や毎月もらっていた給与を参考にしていくら受給出来るのかを審査して初めて受給の金額が分かります。
また、1年未満で退職した場合は審査に落ちやすく、需給されない場合がありますので注意してください。
失業保険の掛け金
失業保険はハローワークで手続きをしますが、失業保険の掛け金は「給与額×雇用保険料率」で計算されます。
失業保険の掛け金は3種類あり「一般事業」「農林水産・清酒製造事業」「建設事業」でも受給される金額が変わっていきます。
給料から天引
失業保険は雇用保険に加入していなければ受給されません。雇用保険は毎月の給与から天引きされており、週20時間以上働いている方や雇用契約が31日以上の方は雇用保険に加入しています。
また、パートやアルバイトの方でも上記の条件に当てはまっていれば雇用保険を支払って退職後に失業保険を使い受給されることが出来ます。
失業保険の受給要件
失業保険を使って受給されますが、失業保険に加入していない場合は受給資格がありません。それではなぜ失業保険に加入できる方と加入できない方がいるのでしょうか。失業保険に加入するためにはどうすればいいのでしょうか。ここでは失業保険に加入出来る条件を紹介していきますので参考にしてください。
失業保険に加入しているか?
失業保険は様々な企業がありますが、すべての企業で失業保険に加入することが出来ます。しかし、失業保険に加入できないケースもありますので注意してください。
失業保険に加入できない方は短期アルバイトなどで1カ月働いていない方や所定労働時間に達していない方は失業保険に加入することが出来ません。
失業保険の受給資格
失業保険の受給資格はハローワークで行うことが出来ますが、一定の基準をクリアしていなければ受給資格がありません。
一定の基準は「就職する意思と能力があること」「求職活動をおこなっていること」「過去2年間のうち、雇用保険の被保険者期間が12カ月以上あること」が条件になります。ハローワーク側に求職する意思を見せないと受給資格がなくなります。
失業保険の受給手続きはハローワーク
失業保険の受給手続きはハローワークで行うことが出来ますが、受給されるまでには何をすれば良いのでしょうか。また、ハローワークで手続きをする場合、ハローワークに手続きに行く期限などはあるのでしょうか。こちらではハローワークにいくタイミングを紹介しますので参考にしてください。
失業保険の手続き期限
ハローワークで失業保険の給付を受けるためには手続きをすることが必須になります。それでは、いつまでに申請を行えば良いのでしょうか。また、期限などはあるのでしょうか。
ハローワークで申請を行う場合、基本的には申請する期限はありません。しかし、失業保険の受給期間は離職した日の翌日から一年間が期限となっていますので、すぐに働ける状態でない方は早めにハローワークへ行って申請しましょう。
失業保険手続きの必要書類
失業保険の申請を行っていく場合、手続きの方法はどのように行っていくのでしょうか。また、手続きを行っていく上で必要書類や自分で用意しなくてはいけないものは何かあるのでしょうか。こちらでは手続きの方法やハローワークへ行く際に必ず必要になる自分で持っていくものを紹介していきます。
会社で貰う手続き必要書類
退職をしたときに会社から受け取るものは「雇用保険被保険者証」「離職票」「年金手帳」「健康保険資格喪失証明書」「源泉徴収票」「厚生年金基金加入員証」これらを受け取ります。
ハローワークで使う必要書類は雇用保険被保険者証と離職票のみを提出します。会社から受け取りますが、基本的に郵送されてきますので、すぐに申請は出来ません。
逆に会社へ返すものは「健康保険証」「社員証」「支給されていた備品」「通勤定期券」などがありますので、忘れずに返しましょう。
必要書類①雇用保険被保険者離職票「1」と「2」
ハローワークで手続きする場合、離職票が必要書類となってきますが記入欄がありますので、必要になってくる記入欄を説明します。
離職票「1」には口座番号が記入済になっていないか確認してください。口座番号が記入されていないと振り込むことが出来ませんので注意してください。
続いて離職票「2」ですが、離職理由欄に離職した理由を書き、離職者名欄に名前を必ず記入しましょう。離職票の注意する記入欄は以上になります。
自分で用意する手続き必要書類
続いてハローワークへ行くときに自分で用意しなくてはいけない持ち物を紹介していきます。数種類ありますので参考にしてください。
今から紹介する持ち物を一度にもっていかないと再度ハローワークに戻ってからの手続きになってしまうので注意しましょう。
必要書類①個人番号確認書類(マイナンバーカード等)
最近では離職票「1」にマイナンバーの番号を記入する欄が出来ましたので必ず記入してください。ただし、マイナンバーカードは作る必要はありません。
ハローワークではマイナンバーを提出することで、受給の不正を発見しやすくするために導入されました。
マイナンバーカードがない場合、離職票に記入した番号とそのマイナンバーを確認できる書類があれば確認が出来ますのでしっかりと用意しておきましょう。
必要書類②身分証明書
マイナンバー以外にも本人確認のため免許証などの身分証明できる持ち物が必要です。仮に免許証がなくても保険証や年金手帳からでも確認できますのでいずれかを持っていきましょう。
こちらの身分証明できる持ち物を忘れてしまうと手続きが出来ませんので気をつけましょう。自己都合で退職した場合、待期期間が3カ月ありますので早めに必要な書類を提示することをおすすめします。
必要書類③写真
書類を作っていく中で本人の写真も必要になります。写真のサイズは、たて3㎝、よこ2.5㎝で本人確認できるものを用意し、2カ月以内の写真を使ってください。
この写真で失敗する方が多くいますが、この時ハローワークへ提出する写真は2枚です。1枚は雇用保険被保険者証に貼り、もう1枚は離職票-2に貼られますので間違えずに持っていきましょう。
必要書類④印鑑
ハローワークで必要になってくる持ち物の中に印鑑が必要になります。印鑑は実印ではなく認印でかまいません。
しかし、注意する点はシャチハタは使えませんので必要書類を持っていく際は認印を持っていくようにしましょう。
必要書類⑤預金通帳又はキャッシュカード
ハローワークへ行くときに持っていく持ち物の中に通帳かキャッシュカードが必要になります。これは受給されたときに指定の口座に振り込むためです。
通帳やキャッシュカードは意外と忘れやすいため、これらがないと振り込み先が分かりませんので事前に準備しておきましょう。
ハローワークでの手続き方法
それでは肝心なハローワークで手続きしていく方法です。求職を目的としたシステムになっていますが、どのような方法を使うと受給されることが出来るのでしょうか。また、受給が始まる期間はいつから始まりどのような周期で受給することが出来るのかをまとめてみましたので、手続きの方法を参考にしてください。
①手続き必要書類の確認
手続きをしていく方法はまず必要書類がすべてそろっているか確認する必要があります。必要書類が不足していると手続きが長引いてしまいますので注意しましょう。
すべて揃っているかを確認したらハローワークへ行き手続きしましょう。まずは忘れずに必要書類を持っていく方法が必要になります。
②求職申込
必要書類がすべて揃ったら求職申込書を記入しましょう。求職申込書の書き方は住所や名前といった基本情報を入力します。
次に求職したい雇用形態や月にいくらぐらい給与が欲しいなどの月収を考え希望条件を記入していく方法で決めていきます。
最後に最終学歴や何か資格があれば記入していきます。持っている免許や今まで働いてきた業務経歴を細かく書いていく方法で希望の求職をハローワークの職員と相談していくことが出来ます。
求職申込書は「公開」「非公開」のどちらかを選択することができますので、公開を選択した場合は求人企業に情報が公開されます。公開することで効果的な求職ができ就職や転職活動を行うことができます。
③必要書類の提出・受給資格の判定
次の方法は必要書類をすべて提出することです。これでハローワークに自分の情報が渡せるので、この情報から受給資格の判定がされます。
受給資格の判定は自己都合で退職した場合、そこの会社に何年働いていたか、妊娠や引っ越しといった理由もありますので、それらのことを踏まえて判定されます。
④雇用保険説明会
次の方法は雇用保険説明会があります。ここまで来た方は受給資格がある方のみ雇用保険説明会が実施されます。
雇用保険説明会は2時間ほど説明を受けます。持ち物は「失業認定申告書」「筆記用具」「しおり」が必要になります。
雇用保険説明会で受け取ったものは「雇用保険受給資格者証」「職業訓練の案内」「年金切り替え手続きの案内」などがあり、雇用保険受給資格者証は受給を受けるときに必要になってきますので大切にしてください。
⑤第1回認定日
受給を受け取る方法は雇用保険説明会が終わって1カ月後に第1回認定日があります。受給される金額はハローワークのほうで決められ振り込まれます。
次回の受給日は4週間ごとに認定日があります。ここで注意しておかなければいけないことは、認定日までに一度はハローワークへ行き、求職活動をしましょう。
求職活動をすることでハローワークの職員に前向きに求職活動をしていることが伝わりますし、求職活動をしないと受給の受け取りが出来なくなりますので注意してください。
⑥振込
休息活動をすることで最高で1年間受給を受けることが出来ます。受給日は「受給資格のしおり」の裏面に記載されていますのでカレンダーを見ると確認できます。
また、受給日は土日祝日には振り込まれませんので、前後にずれ込む可能性がありますので銀行などで確認してください。
失業保険はいくら貰える
失業保険で受給された場合金額はどのぐらいなのでしょうか。勤務年数で変わってくるのか、または年齢によっても金額は変わってくるのでしょうか。給付の中にも「求職者給付」「就職促進給付」「教育訓練給付」「雇用継続給付」などがあり金額が変ってくるのか、それぞれ調べていきますので参考にしてください。
貰っていた給与で給付金額が違うの?
給付金は5~8割が支給されます。給付金は貰っていた給与によっても変わり、貰っていた給与が多い方は5割の給付金を受け取ることが多く、給与が少ない方は8割の給付金を受け取るケースが一般的です。
給付金の金額は年齢や退職理由でも変わってきます。勤務年数が6年の場合、自己都合で退社した場合は90日分が受給されますが、退職理由が倒産や解雇の場合は180日分受給されます。
辞める6ヶ月前はとにかく稼ぐ
前働いていた会社で直近6カ月の給料で給付金の金額を計算するので、180日で割って日額を計算することで5~8割が決まってきます。
しかし、先ほども書きましたがあまりにも給与額が多いと5割しか貰えない可能性がありますので注意しましょう。
それでも少しでも給付金を上げたいのであれば、仕事を退職する6カ月前はたくさん働いて給与を上げておくのも良いでしょう。
退職時の年齢で給付金額が違うの?
基本的には給付金は日給によって金額が変わってきますが、年齢別に給付される金額の上限があります。
30歳未満の場合の上限金額は12881円以上日給がある場合は6440円が上限になり、給付率は5割以下となります。
30~44歳の場合の上限金額は14311円以上日給がある場合は7155円が上限になり、給付率は5割以下となります。
45~59歳の場合の上限金額は15740円以上日給がある場合は7870円が上限になり、給付率は5割以下となります。
60~64歳の場合の上限金額は15021円以上日給がある場合は6759円が上限になり、給付率は5割以下となります。
求職者給付とは?
求職者給付とは、雇用保険の被保険者を対象とした給付制度で、求職活動をしている失業者の生活の安定と再就職をするために必要な援助を目的としています。
求職者給付を簡単に説明すると今書いている記事の流れが求職者給付と言います。定年退職や自己都合での退職、会社都合によっても給付金が変わってきます。求職者給付には期限がありますので注意しましょう。
就職促進給付とは?
就職促進給付とは失業者に対して早く再就職してもらうことを目的とした給付制度となっています。こちらの給付制度も期限があります。
就職促進給付の特徴は給付日数が残っている状態で再就職した場合にお祝い金代わりに再就職手当が支給される制度です。
教育訓練給付とは?
教育訓練給付とは条件を満たした方が厚生労働大臣の指定した講座を受講し、受講に合格した場合にかかった講座の費用の一部を給付するという制度です。
教育訓練給付はキャリアアップして再就職を希望している方が使う制度ですので、働きたい職種に合わせて受講することが出来ます。
独学で勉強したり通信講座や専門学校などで勉強する場合はすべて自己負担ですが、教育訓練給付を利用することでお金が戻ってきますのでおすすめします。
雇用継続給付とは?
雇用継続給付とは高齢者や育児休業者、介護休業者のために作られた給付制度です。また、雇用継続給付にはさらに「高年齢雇用継続給付」「育児休業給付」「介護休業給付」の3つの給付制度が存在します。こちらも給付期限がありますので注意しましょう。
こちらの制度も手続きすることで最長3カ月分の受給を受けることが出来ますので知っておくと便利ですので該当する方は手続きしましょう。
ハローワークカードの有効期限と紛失した時の作り方
ハローワークカードとは求職活動をしていく中でなくてはならない持ち物です。しかし、求職活動が終わり、再就職が決まった場合、ハローワークカードは必要なくなり捨ててしまうかなくしてしまうことが多いです。また、ハローワークカードには期限があります。それではハローワークカードの期限や再発行が出来るのかという疑問を紹介していきます。
ハローワークカードの有効期限
ハローワークカードの有効期限は短く、受理された日の翌々月の末日までが有効期限になっています。これまでに就職が決まらなかった場合は再発行する必要があります。
また、ハローワークカードは仕事の相談や紹介であったりセミナーの受講に使うことが出来るので有効活用しましょう。
ハローワークカードの再発行について
それでは何らかの理由でハローワークカードがなくなってしまった場合どの機関まで再発行できる期間があるのでしょうか。
ハローワークカードの有効期限でも書きましたが、受理された日の翌々月の末日までが有効期限がハローワークカードの再発行できる期間だけでなく、求職者登録をした翌日から2年以内であれば再発行が出来ます。
再発行してもらうには「カードがなくなりました。」「カードが破れました。」などと伝えればハローワークの職員が再発行してくれます。
ハローワークカードの作り方【求職者情報登録】
ハローワークカードを初めて作る場合【求職者情報登録】は記入する項目がたくさんあります。まずはハローワークの窓口で求職者情報登録をします。
記入する項目は「氏名」「性別」「生年月日」「年齢」「電話番号」「住所等」「最寄駅」「転居の可否」「家族構成」「子供や介護が必要な人など」「希望就業形態」「業種」「就職」「希望地」「希望収入」
「希望休日」「その他希望」「最終学歴」「資格」「免許」「自動車免許」「過去の職業(退職理由なども書きます)」「経験した主な仕事」「企業への情報」「公開の可否」など、記入する欄はかなり多いです。
しかし、求職者情報登録をしないと何も行うことが出来ませんので、しっかりとすべて記入しましょう。
ハローワークカードのメリットとデメリットは?
それでは求職者情報登録を終えてハローワークカードを作成することが出来ましたが、ハローワークカードにはメリットやデメリットはあるのでしょうか。また、ハローワークカードはどのようなことが出来るのでしょうか。こちらではハローワークカードの便利な使い方について紹介していきますので参考にしてください。
ハローワークカードのメリット
ハローワークカードのメリットはこのハローワークカードが1枚あるだけで、企業の詳細情報を知ることができます。
ハローワークカードはそれぞれ希望の企業を検索することが出来るので再就職するまでは必須なカードがハローワークカードです。
ハローワークカードのデメリット
しかし、そんな便利なハローワークカードですが、デメリットもあります。ハローワークカードはプラスチック製でもなく、ラミネートしてあるわではありません。
ハローワークカードはただの薄い紙で作られていますので、くしゃくしゃになったり破れたりします。財布に入れておくと破れる原因になってしまいます。
財布に入れておくと破れてしまうのでなくす原因にもなります。それだけではなく水に弱いのでこちらも破れる原因となります。
ハローワークカードを使って就職・転職活動をしよう!
ハローワークカードを使うことにより就職や転職活動が出来ます。求職者情報登録は若干時間がかかってしまいますがやってみたい職業を選ぶことが出来ます。
本気で就職先を決めるなら必ずハローワークカードを使いましょう。ハローワークは何度足を運んでも無料ですし、職員と相談も出来ますのでハローワークカードを有効活用しましょう。
失業保険は辞める前の給与や勤務状況で変わる
失業保険は勤務していた年数や年齢によっても変わってきます。しかし失業保険で受給を受け取るにはハローワークで手続きや雇用保険説明会を行い、毎月求職活動を行うことが大前提となります。また失業保険には期限がありますので期限が切れる前に手続きをしましょう。今回の記事を参考にしていただければ幸いです。