猫背で悩んでいる人必見!
PCに向かってのデスクワークやスマホの普及によって、猫背の人は格段に増加しています。そして猫背の人は前かがみになった姿勢のために、お世辞にもカッコいいとは言えず、他人からも姿勢が悪いと言われることもあります。
特に他人から指摘されると、それまで自分では気がつかなかった猫背が気になりだして、何とか猫背を改善したいと考えるようになります。
いろいろと試してみたけど効果がない、という声も多く聞きます。ここでは猫背が体に与える影響を解説し、自宅でもできる筋トレ・ストレッチによる猫背解消の方法を紹介します。猫背でお悩みの方は必見です。
猫背になる原因
猫背になる原因はいくつもありますが、特に多いのが次に挙げる長時間のデスクワークとスマホです。これらはいずれも集中してくると、気がつかないうちに猫背の姿勢になっていることが多いのです。自宅でも簡単にチェックできるのでやってみてはいかがですか。
その他にも注意したいのが「隠れ猫背」です。自分では猫背という認識がないのに実際は猫背という人も少なくありません。以下の各項目をチェックしてみて、当てはまるものがあれば、あなたも「隠れ猫背」と言えるでしょう。
チェック方法は、①壁に背中をつけたときに肩が壁につかない、②まっすぐに立った時に首が体の線よりも前に出ている、などの他に、③肩こりが激しい、④深呼吸が苦手、などがあります。
これにひとつでも当てはまる方は「隠れ猫背」の可能性があるので、これから紹介する症状を確認してください。思い当たる点があれば、後半の筋トレやストレッチを実践してください。
長時間のデスクワーク
現代ではデスクワークといえばほとんどの場合、パソコンに向かってキーボードでの入力作業です。作業に集中していると、いつの間にか画面をのぞき込むような、前のめりの姿勢になりがちです。この姿勢がいわゆる猫背なのです。
難しい仕事をしている間などは、ついつい夢中になってしまい、猫背の状態を長時間続けることになりがちです。これを繰り返していると背骨が丸く固まってしまって、普段でもそのような姿勢になってしまいます。
パソコンのモニタの位置を目の高さまで高くすることで、この問題は軽減されますが、集中してしまうとどうしてもじっとのぞき込んでしまうので、自分なりにそうならないような工夫が必要です。
長時間のスマホ
今や歩きスマホは危ないとされていながらも、かなりの人が街中を歩きながらスマホを下を向いたままのぞき込んでいます。また、レストランのランチタイムの待ち時間などは、ほとんどの人がやはり下を向いてスマホを見ています。
それらの人の姿勢を観察すると、ほとんどが猫背の姿勢で画面を長時間のぞき込んでいます。さらに自宅に帰っても、時間さえあれば(なくても)こちらも長時間スマホをさわっています。
スマホを目の高さに持って行って操作すれば、猫背の姿勢になりにくいのですが、たいていの人は下を向いて画面を注視しています。この姿勢はボーリングの球ほどもある重い頭を首だけで支えていることになるので、当然、支えている背骨が変形してしまう原因になります。
猫背が与える体への影響
では実際に猫背は体にとってどのように悪い影響を与えるのでしょうか。みなさんは肩こりなどがあっても、その原因が猫背にあるとはなかなか結びつけようとはしないようですが、猫背がいろいろな体の不調の原因となっていることが多いのです。
ここではそんな猫背によって体に現れる不調の代表的な症状について、その原因も含めて解説します。思い当たるところがあれば、以降の「自宅でできる筋トレ・ストレッチ」も読んでみてください。
①首コリ・肩こり・頭痛・神経痛
見出しにある首コリ・肩こり・頭痛・神経痛はいずれも体の不調として明確に感じることができる症状です。さらに肩こりや頭痛は普段よく耳にする、多くの人が悩んでいる症状です。
多くの人が悩んでいてもなかなか改善できず、あきらめている人も少なくありません。しかし、もしかすると原因は猫背かもしれません。
以下に筋肉系の不調である首コリや肩こりと内面的な頭痛・神経痛に分けて、その症状が現れる原因について解説していきます。
首コリ・肩こり
猫背の人は一般的に首や肩のこりの症状がみられることが多い傾向にあります。これは先ほど説明した背骨の変形によって重い頭を首や肩だけで支えなければならないことが原因の一つです。
つまり猫背になるということは本来背骨を中心に支えている頭を首や肩の筋肉で長時間支えていなければならず、そこの筋肉が疲労し、凝り固まった結果血流が悪くなることで首コリや肩こりが発生するのです。
頭痛・神経痛
血流が悪くなることで、まず首コリや肩こりという外的症状が現れ、さらに進むと脳へも血液が十分いかないことが原因で頭痛の症状が出てきます。さらに姿勢の悪さからくる背骨の変形は脊椎にある神経を圧迫し、圧迫された神経の先に神経痛が起こります。
②呼吸が浅くなる
猫背になると、体の中の内臓を圧迫するようになります。まず前かがみになることで肺を圧迫、これによって呼吸が浅くなります。
呼吸が浅くなるということは、体内に酸素が十分に取り入れられないので、自律神経の働きが衰える結果になります。自律神経の働きが衰えると、イライラしたり息苦しい、疲れやすいなどの症状が現れます。
③内臓の働きの低下
さらに自律神経の働きの低下により、肺だけでなく他の内臓の働きにも影響します。特に胃腸などの消化器系の働きが衰えると、食欲不振に陥ったり血流が悪くなることで冷え性になったり便秘がちになったりもします。
このように猫背はただ見た目がカッコ悪いだけでなく、いろいろな体の不調の原因にもなる危険性があることを理解していただけたでしょうか。この先はこの意外と恐ろしい猫背を改善するための方法について解説します。
猫背の姿勢を改善する自宅でできる筋トレ・ストレッチ
猫背が原因でさまざまな体の不調が現れることは分かっていただけたでしょうが、そんな猫背を改善するにはどのような方法があるのでしょうか。
改善方法と言っても、ハードなことはやりたくないし、わざわざ整体やスポーツジムなどに通うのは負担が大き過ぎるとお考えの方、ここで紹介するのは自宅でもできる、お手軽な筋トレ・ストレッチの方法なので、ぜひご自宅で試してみてください。
筋トレ・ストレッチ①基本トレーニング
猫背の効果的な改善方法は肩甲骨を動かすことです。肩甲骨を動かす筋トレ・ストレッチの方法はいくつか紹介されていますが、ここでもその方法を紹介します。
まず基本的なトレーニング方法です。うつ伏せの状態で両手を耳の外側あたりに持ってきます。そのとき腕は床につけたままの状態です。
次に息を吐きながら両手だけを床から上に持ち上げる感じで上げます。このとき、肩甲骨が体の中心に寄っていることを意識してください。持ち上げたらその腕を息を吸いながらゆっくり床に下ろします。これを約10回ほど行ってください。
筋トレ・ストレッチ②本を使ったトレーニング
本を使うと言っても、体を反らすときの負荷を上げたりバランスをとるために使います。うつぶせになり、床に伏せた状態で後頭部から首筋のあたりに本を乗せます。本はある程度重さのある方が負荷を上げるという意味では効果が上がるでしょう。
その状態から息を吐きながら乗せた本を持ちあげる感じで後頭部から背骨を持ち上げるように体を反らせます。反らせた状態を今度は息を吸いながらもとに戻します。これを10回程度行います。
頭に本を乗せるのは顔を上向きに反らそうとするのを防ぐためです。本を乗せることでそれを意識して上げるので、背骨がまっすぐな状態で上体を反らすことができます。
筋トレ・ストレッチ③基本+本の組み合わせトレーニング
基本トレーニング、本を使ったトレーニングと二つの方法を紹介しましたが、この二つのトレーニングを組合わせた、より効果的なトレーニングを紹介します。組み合わせると言っても、ハードになるという訳ではないので、こちらもぜひ試してみてください。
それは基本トレーニングのところで行った、腕を床から上に上げる動作と、本を使った頭を持ち上げる動作を合わせた動きです。この方法だと肩甲骨が内側に寄る動きと背骨を伸ばす動きとが同時にできて、効果的に猫背の改善になります。
注意して欲しいのは、いずれの動きも胸を反らす動作になり、体に力が入るために、呼吸を止めて行ってしまいがちです。反らすときは息を吐き、戻す動作の時は息を吸いながら行うことを心掛けてください。
筋トレ・ストレッチ④柔軟性・筋力アップトレーニング
これまでのトレーニングは肩甲骨と背骨の矯正についてのものでした。ここではさらにその付近の柔軟性をたかめるだけでなく、そのあたりの筋肉を鍛える自宅でできる方法を一つ紹介します。筋肉を鍛えることによって頭を支える力が増して、再び猫背になりにくい体になります。
まずうつ伏せになるのはこれまでと同じですが、手を耳の外側に持ってくるのは片方だけです。もう片方の手は手のひらを後頭部につけておきます。仮に今、右手を頭に置いて説明します。
その状態から息を吐きながら、後頭部につけた右手をの肘を持ち上げるようにし、同時に頭や背骨も右方向に起こします。その状態で5秒間ほど静止し、今度は息を吸いながらもとに戻していきます。これを10回ほど繰り返します。
もうひとつ!肩甲骨を意識したストレッチ
参考までに肩甲骨を動かす効果的なストレッチ方法をもう一つ紹介します。このストレッチは椅子に腰かけた状態で行います。
まずはじめは肩甲骨を伸ばします。両手を前に組んでその両手をぐっと前に押し出すようにします。この時頭は前にかがむと同時に下を見ながら首筋を伸ばすようにします。これを数秒間キープしたあと、体を元に起こします。
次に両腕を大きく横に広げ、背筋を伸ばし、胸を反らすイメージで両腕をさらにうしろに持って行きます。そうすると肩甲骨が内側に縮む動きをします。これも数秒間キープしたあと元に戻します。
この二つの動作を交互に繰りかえす動作を5回ほど行ってください。猫背の改善だけでなく、仕事の合間などに行うと気分もリフレッシュされます。椅子に腰かけたままなので、自宅でも気軽にできます。
猫背を治すメリット
以上、自宅でも手軽にできる筋トレ・ストレッチを紹介しました。これならそれほど負荷も高くないので、自宅にいて毎日続けることもできるのではないでしょうか。
こうして行った筋トレ・ストレッチの効果でさまざまな体調不良の原因となる猫背の改善ができると、体の不調の改善が見られるというメリットがあります。
先ほど猫背が与える体への影響のところで紹介したいくつかの体の不調が猫背を改善することでなぜ効果があるのかも含めて紹介します。
頭がすっきりする
猫背が原因となる首コリや肩こり、頭痛や神経痛、さらには内臓の働きの低下などは、いずれも頭がボーっとした状態になります。この原因は猫背による血流の低下でしたが、猫背を改善することで血行が良くなり、その結果、頭がすっきりとした状態になります。
呼吸が深くなる
呼吸が浅くなる原因は猫背になることによって内臓、特に肺を圧迫するため大きな呼吸がしづらくなるからでした。猫背を改善することで、肺を圧迫することがなくなり、呼吸も楽になるので、深い呼吸ができるようになるのです。
呼吸が深くなるということは、それだけ体内に酸素がたくさん取り入れられるので、内臓、筋肉などあらゆる箇所に改善が期待できます。
内臓の働きの回復
猫背を改善することで、肺をはじめとする内臓の圧迫を原因とする機能の低下も元に戻ってきます。肺の他に胃腸の調子が戻ってくると、食欲が増し、便秘の改善にもつながってきます。
よく、「快眠・快食・快便」と言われますが、これらはいずれも健康な内臓機能が原因しています。呼吸が深くなることで、睡眠時もたびたび目が覚めることがなくなり、快い睡眠を手に入れることができます。快食・快便については上で解説した通りです。
猫背は筋トレ・ストレッチで簡単に改善できる!
いかがでしたか。猫背は単に見た目がカッコ悪いというだけでなく、さまざまな体の不調の原因になっているということがお分かりいただけたと思います。
また、そんな体の不調を引き起こす猫背の改善方法についても紹介しましたが、自宅でもできる簡単な筋トレ・ストレッチなので、無理せず続けることができるのはないでしょうか。
特に猫背の改善によって内臓の働きが良くなることで、肌のツヤやハリも期待できて、何より背筋がスッと伸びることで女性はスタイルがよくなり、また男性にとっても姿勢が良くなることで若返って見られるようになり、嬉しいことずくめです。
いろいろなメリットがある猫背の改善、これを読んだことをきっかけにあなたも今日から本格的に取り組んでみてはいかがでしょうか。