正しい筋トレ方法で腰痛を克服!
腰痛と聞くと老人病だというイメージがありますが、実は若い人でも腰痛持ちは意外と多いのです。腰痛は日本人の体の悩みの中で最も多いといわれています。仕事帰りにマッサージを受ける人も多く、街のリラクゼーションサロンは大流行です。
腰痛を少しでも和らげようと筋トレなどのトレーニングに励む人もいますが、正しいトレーニングができているのでしょうか。
一口に腰痛といっても、痛み方がそれぞれ違います。痛みの原因を見極めて正しい筋トレをしないと返って腰痛がひどくなることがあります。ここでは腰痛にならない筋トレの方法や痛みの対処法をご紹介します。
腰痛の痛みの原因は?
オフイスで一日中座り仕事をいていると、体を鍛えなければとジムでトレーニングをしたりします。確かに体力を養うためにはトレーニングも必要です。
しかし、間違ったトレーニングをしてしまうと、体に負荷がかかるばかりか腰を痛めてしまうことがあるのです。あなたの筋トレは間違っていませんか?腰痛の原因となる危険なトレーニングを見てみましょう。
筋トレの腹筋トレーニングが原因
腹筋トレーニングというと、学生の頃の体育の時間を思い出すのではないでしょうか。今でも体力保持やダイエットのために一生懸命やっている人もいます。
仰向けになって上半身を何度も起こすあの運動です。上半身が持ち上がらない時には誰かに足首を持ってもらったり、タンスの取手に足を入れたりしながらやる人もいます。
しかし、このトレーニングが腰痛を起こす原因になることもあるのです。上半身を起こす筋力のない人が無理に上半身を起こそうとすることが腰痛の原因と考えられます。しかもこのトレーニングはお腹の筋肉である腹直筋を鍛えるためにはあまり効果的なトレーニングとは言えないのです。
トレーニングの方法を変える
腹筋を鍛えるためには必ずしも上半身を起こす必要はないのです。腰痛を予防する腹筋トレーニングとして「上半身を起こさない」トレーニングをすることをおすすめします。仰向けになるのは同じですが、膝を曲げて足の裏を床につけます。
次に骨盤を後傾させます。イメージとしてはお尻の穴を天井に向ける感じです。頭に手をやって頭だけを起こし、顎をしっかりと引きます。
この上半身を起こさないトレーニングが腰痛予防の腹筋トレーニングとなります。腹筋トレーニングで腰痛になってしまったという方はトレーニングの方法を変えてみてはいかがでしょう。
腰痛の種類
腰痛といってもいろいな種類があるのです。前屈みになると痛むのか、体を反り気味にした時に痛むのか、腰痛の種類によって痛みの原因も異なり、対処法も異なります。
腰痛を予防するためにはまず自分の腰痛がどういうものかを知る必要があります。代表的な腰痛の種類を解説しますので、自分の腰痛がどのタイプに当てはまるのかを把握しましょう。
①お尻腰痛
お尻腰痛はお尻近くにある仙骨の付け根の歪みや炎症が原因で痛みが起こります。産後の女性に多い腰痛で、妊娠中に分泌されるホルモンの作用で仙腸関節の靭帯が緩み、出産後にも正常に戻らないことで痛みが起きる場合が多いといいます。
②のけぞり腰痛
のけぞり腰痛とは、電車のつり革を持ったり、洗濯物を干す、あるいは赤ちゃんを抱っこするなど体を反り気味にした時に痛みを感じるものです。
痛みの原因は背骨の後ろ側にある椎間関節がぶつかって痛むのです。腹筋が弱いために反り腰になっている人が起きやすい腰痛です。
③筋性腰痛
筋性腰痛とはいわゆる筋肉痛で、酷使したところが炎症を起こしたことによる痛みです。運送業や工事関係者など肉体労働に従事している人に起きやすい腰痛です。
また、同じ姿勢を長時間続けているデスクワークの人にも起こります。痛い場所が特定でき、そこをほぐしてあげれば良くなります。
④前屈腰痛
前屈み腰痛は物を拾うなど、前屈みの姿勢になった時に椎間坂が圧迫されて痛みが出る腰痛です。猫背や前屈みになりがちなでデスクワークの人に多くみられる腰痛です。この腰痛は揉みほぐしても良くなりません。
腰痛予防の正しい筋トレ方法①
さまざまな原因で起こる腰痛ですが、正しい筋トレで予防できるといいます。その筋トレの一つに体幹トレーニングがあります。有名アスリートたちもやっているという体幹トレーニングは体の外側ではなく内側の筋肉、いわゆるインナーマッスルを鍛えるトレーニング法です。
腰に無理がかからず、家でもできる筋トレとして今、注目を集めているのです。体幹トレーニングを使った正しい筋トレで腰痛を予防しましょう。体幹トレーニングを詳しくご紹介します。
体幹トレーニング
体幹とは首から上と腕と足を除いた部分をいいます。胸や背中などの大きな筋肉も肩関節・股関節周りの小さな筋肉も全て体幹です。それらの筋肉を鍛えていくのが体幹トレーニングといいます。
まずは基本の体幹トレーニング、ドローインから始めましょう。仰向けになり膝を立てて左右の下腹部に手を当てます。背中を床に押し付けるようにおへそを引き込んでいきます。その状態で足を上げていきます。この時腰がずれないように気をつけましょう。
これができたら、四つん這いになって足と手をあげるハンドニーと、負荷を上げていきます。大切なことはあくまでも無理をせずゆっくりとやることです。
まずは体幹強化が対処法に繋がる
私たちの姿勢を保っているのが背骨から腰にかけての脊柱です。この太い骨の周りの筋肉をしっかりと強化することで脊柱が安定し、理想の形の姿勢が保たれるようになります。
その結果、体の歪みも解消されるので、肩こりや腰痛が改善されるというこになります。つまり体幹強化が腰痛の対処法に繋がるということになります。
腰痛予防の正しい筋トレ方法②
腰痛予防の対処法としてその他の方法も見ていきましょう。正しい筋トレ方法には胸と股関節のストレッチもあります。
腰が痛むのに、その対処法としてなぜ胸と股関節が関係あるのでしょうか。そこには腰痛と密接な関係があったのです。以下で詳しく解説します。
胸と股関節のストレッチ
腰の骨は構造的にひねるようには作られていないのです。体をひねることができるのは胸と股関節が腰を助けているからなのです。肩甲骨は肋骨につながっているのでそれを動かすと胸が開き、背骨も連動して動きます。
連携プレーで股関節が動き、腰をひねることができるのです。胸と股関節の柔軟性が悪いと腰に負担がかかってしまいます。そのために胸と股関節のストレッチが大切になってくるのです。
腰が痛む時には肩甲骨を動かして胸を開きやすくしたり、股関節のストレッチをした方が効果的だといえるでしょう。
筋トレ前に体をほぐす
股関節のストレッチの方法は、椅子に座って足を上げ、床と水平に伸ばします。または横になって片足の上に反対の足を乗せ、乗せた方の足を自分の体に引きつけるというストレッチも効果的です。こうしたストレッチは筋トレ前にやって体をほぐすと良いでしょう。
腰痛の痛みが治らない場合
腰痛には筋トレをしても治らない腰痛があります。腰痛の15%は病気による腰痛があります。「そのうち治るだろう」と放っておくと病気が悪化する場合があります。
背骨の骨折や足の痺れなどを伴う椎間板ヘルニアや腫瘍や感染症が原因で痛みがある場合もあります。病気が原因での腰痛の見分け方をご紹介しましょう。
病院に行くのがベスト!
痛みの症状として、常に痛みがある、痛みがどんどんひどくなる、または1ヶ月以上腰痛が治らないといった症状がある場合は病気が隠れている場合があります。
腰痛を放置してしまうと病気が悪化することがありますので念のため病院に行くことをおすすめします。
成長期は筋トレのしすぎに注意!
成長期に筋トレをしすぎると、背骨の一部が離れてしまう脊椎分離症になることがあります。脊椎分離症の主な症状は腰痛ですが、長期間繰り返し背骨に負担をかけることで起きると考えられます。
強い負荷をかけた筋トレや負荷が少ない筋トレでも長時間休まずにやる筋トレは成長を阻害する恐れがあります。成長期は筋トレのやり過ぎに注意しましょう。
正しい筋トレ方法で腰痛を予防!
上半身を起こす力がないのに無理に上半身を起こして腹筋トレーニングをするなど、間違った筋トレは返って腰痛の原因となることがあります。
そんな時にはあえて「上半身を起こさない」トレーニングに変えることも必要です。また、現在注目の体幹トレーニングなどを取り入れて正しい筋トレで腰痛を予防しましょう。腰痛予防の筋トレは無理をしないでゆっくりとやるのが基本です。