要領が悪い人ってどんな人?
あなたの職場には要領が悪い人はいませんか。当人は真面目に頑張っているのですが、それに見合う結果が出ずに周りから特異な目で見られたり、職場での評価が下がったりしてしまいます。
しかし、せっかく頑張っているのに結果が伴わないと、時にはかわいそうになったりもします。そこで要領が悪い人について、その特徴や長所・短所などについて分析し、そこから要領が悪い人が上手くいくように改善するにはどうすれば良いかについてご紹介します。
要領が悪い人を何とかしてあげたい人、あるいは自分で要領が悪いと感じている人もこれを読んで、容量が悪いのを改善・克服してましょう。
要領が悪い人の性格の特徴
要領が悪い人の性格的には、特徴はあるのでしょうか。要領が悪いことには性格的なものが関係しているのでしょうか。
要領が悪い人にありがちな性格のパターンと、それが要領が悪いこととどのように影響を与えているのかについて解説します。
優先順位を付けるのが苦手
仕事を効率よくこなしていくためには、それぞれの仕事に優先順位をつけることが大切です。ところが要領が悪い人は何が重要で何がそうでないのかの優先順位を上手くつけることが苦手です。
その結果、目の前にある仕事に先に手をつけてしまい、重要な仕事をあとにしまうので、結局、納期が守れなかったりという結果になります。
面倒なことを後回しにする
重要な仕事から順番に片付けることが苦手な原因のもうひとつに「面倒なことを後回しにする」傾向があります。面倒なことはそれなりに時間もかかります。そのため優先順位が高い、重要な仕事は概して面倒なものが多いため、それよりも簡単な仕事から手をつけてしまいます。
複数の仕事があるときに、簡単な仕事を先にやると、数の上ではたくさんこなせたように勘違いしてしまいますが、先にやらなければならない仕事が残っていると、結局は仕事ができていないことになります。
全体像を把握できない
優先順位をつけられなかったり、面倒な仕事を後回しにしたりするのは全体像を把握できていないことが根本的な原因です。要領が良い人はまず全体像を把握し、優先順位をつけて、優先順位が高い仕事は面倒なものでも確実に片付けます。
もちろん、面倒な仕事に対しては効率的に作業を進めるために、手順を考えてから作業に移ります。要領が悪い人はこれらのことが苦手です。
細かな部分が気になる
細かいところに気を配るということ自体は悪いことではありませんが、要領が悪い人はそれが今必要なことかを考えずに気にかかったことをクリアにしようとして時間をかけてしまいます。
仕事に関していえば、必要なところがちゃんとできていれば、それ以外のところは省いても問題ありません。例えばあるものを切断する作業において、2~3ミリ単位の誤差は問題ない場合でも、きっちりとしないと気が済まず、そのために時間がかかってしまいます。
場合によっては細かなところを気にするあまり、そこばかり気にするうちに誤った方向に向いてしまい、本来の作業から外れてしまうということも要領が悪い人にありがちです。
人に頼ることができない
要領が悪い人が人に頼ることができない大きな理由は、人に頼む事への不安感からです。自分がいっぱいいっぱいの状態なのに、「こんなことを頼んだらそんなことも自分でできないのか」と思われるのではないかという不安感から頼むことができないのです。
これは裏返せば自分のプライドが高い人ということです。プライドを守ろうとするあまり、人に頼ると自分が人から低く見られるのではないかという、自尊心を傷つけられないための防御です。
要領が悪い人の行動の特徴
ここまでは要領が悪い人の内面的な特徴を分析しましたが、行動についてはどのような特徴があるのでしょうか。
行動の特徴については内面的な特徴と違って外から見ても分かるため、客観的に自分を見てみると、自分が要領が良い人間なのか、あるいはそうでないかを判別できます。
いくつかの行動の特徴を紹介しますので、自分に当てはまる項目がないかチェックし、ひとつでも当てはまるものがあったら、普段の仕事ぶりなどを思い返してみてください。
締め切りや期限を守れない
要領が悪い人の行動の特徴の一つに「締め切りや期限を守れない」というのが挙げられます。締め切りや期限が近づくと、残業や休日出勤が多くなったりするにも関わらず、間に合わないという結果になりがちです。
その原因は今まで挙げてきた内面的な特徴によるところが大きく、優先順位をつけられない、面倒なことの後回し、細かいことを気にするなどのため他の人よりも時間がかかり、結果として間に合わなくなってしまいます。
仕事においては納期を守れないというのは致命的といえるので、これはかなり評価が下がる要因といえます。
無駄な作業に時間をかける
要領が悪い人は何故か無駄な作業に時間をかけてしまう傾向があります。通常この順序で作業すれば短時間で済むのに、無駄な作業をして、しかもそこに時間をかけてしまうために作業を依頼した人が見積った時間を大幅に超えてしまいます。
作業を依頼した人が一通り手順を説明しているはずなのに、途中でチェックしてみると説明した以外のことをやっていたりして、肝心な結果がまだ出ていないこともたびたびです。このようなことが続いた結果、上司などからの評価が下がってしまいます。
いつもバタバタ動いている
要領が悪い人はまた、いつもばたばたしているように見えます。他の人から見ればそれほどでもない作業ボリュームなのに、何故か忙しそうにしています。
原因は優先順位をつけていないために、全部まとめていつまでに完了するといった、大まかな考えで仕事を進めていくので、今日はここまでという感覚がなく、毎日ばたばたしてしまいます。そういう意味では時間管理も下手といえます。
身の回りの物が整理できていない
要領が悪い人は頭の中が上手く整理できていないことが原因で、仕事も順序を立てて効率的にこなせないという傾向にあります。このことは身の回りの整理が苦手ということにもつながります。
一つのことに集中するのは良いことですが、途中で細かいことが気になると都度立ち止まってそのことを調べたりし、その度に資料を引っ張り出しての来り返しも多くなります。その都度片付ければ問題ないのですが、片付けずに次の資料を出すので机の上が資料だらけになってしまいます。
仕事を頼まれると何でも引き受ける
要領が悪い人は仕事を頼まれると自分が今持っている仕事があるにもかかわらず、何でも引き受けてしまう傾向があります。
これは優先順位をつけるのが苦手なために、依頼されようとする仕事と今やっている仕事のどちらが重要かが判断できないのと、自分自身の作業ボリュームが把握できていないためです。
自分が持っている作業のボリュームを把握せずに引き受けてしまった結果、どちらも納期に間に合わないという結果になってしまいます。
要領が悪い人の長所
これまで要領が悪い人について、短所的な面のみを紹介しましたが、実はこのように要領が悪い人にも、要領が悪い人ならではの長所があります。
ここでは要領が悪い人の長所について紹介します。短所ばかりではないのでここで紹介したことを加味して、自分に合ったお仕事のやり方や人とのコミュニケーションに役立ててください。
一つのことに集中できる
要領が悪い人は細かな部分が気になるという特徴がありますが、逆に言えば細かいところまで気にして真面目に対応するということです。従って出来上がってきた仕事は丁寧で手を抜かない、きちんとしたものが出来てきます。
気になればそこに集中して最後までやり遂げようとする集中できる姿勢は場合によっては評価の対象にもなるくらいです。
何でも全力で取り組む
一つのことに集中できるということは、一旦集中すると全力でやり上げようと頑張るということです。このことを把握している上司であれば、納期をあまり気にしない仕事であれば、むしろこういう人へ頼んでしっかりとした結果を出して欲しいでしょう。
失敗が多い分精神的に強くなれる
要領が悪い人は挫折や失敗を数多く経験してしまいます。それを乗り越えることで、精神的には強くなっていきます。
挫折や失敗は必ずしも要領が悪い人だけにあるものではありません。要領がよい人にも挫折や失敗はあり得ますが、いざそうなったときには要領が悪い人の方が何度も経験して、精神的に強くなっている分、乗り越える力を持っています。
要領が悪い人の短所
要領が悪い人の悪いなりの長所について解説しましたが、ここでは要領が悪い人の短所について解説していきます。要領が悪い人がマイナスイメージを持たれるのは、これらの短所が表面に表れてくるからです。
容量が悪いと思われる人は思い当たる節がないかどうかを振り返ってみて、当てはまる点があったら、改善するように努力しましょう。
成長が遅い
要領が悪い人の短所として顕著に表れるのが「成長の遅さ」です。どういうことかというと、これまで解説してきたようなことが原因で納期を守れなかったり、ミスをおかしたりしたときに、そこを上司に注意、あるいは叱られたりしますが、それを繰り返すことです。
上司からすれば、前にも同じことを注意したにも関わらず、また同じことを繰り返しているということで、成長していないと見られてしまいます。
一方本人は注意や叱られたことの意味が今一つ理解できていなかったり、あるいはその時点でパニックになったりして、その内容そのものを覚えておらず、そのため同じことを繰り返してしまいます。これでは成長は望めません。
周りから信頼を得られない
このように何か仕事を頼んでも、満足のいく仕事ができないことがあると、当然、周りからの信頼は得られなくなってしまいます。
本人はそれでも「一生懸命やっているのに」と、そのことが理解できずに同じことを繰り返すので、いつまでたっても信頼を得られないばかりか、最後には不信感を持たれたりすることもあります。
自分から動くことができない
要領が悪い人は全体を見て計画的に動くことが苦手なため、ハプニングなどが発生した場合にうまく対処することができず、自分から解決の方向に動くことができません。
仕事においては予期していないことが起こることは度々あるので、その都度臨機応変に対応しながら進めていかなければなりません。
要領が悪い人はこの「臨機応変に動く」ということが苦手なので、自分から動いて解決することができずに、周りから「何でそんなことができないのか」と思われてしまいます。
要領が悪い人に向いている仕事
要領が悪い人の特徴や長所・短所について解説してきましたが、そんな要領が悪い人に合った職業にはどのようなものがあるでしょうか。
要領が悪い人の特徴としては、優先順位がつけられないことや全体が見えないなどを上げましたが、逆に物事に対して一生懸命に取り組む真面目さや集中力があることなどの特徴もあります。
ここではそんな要領が悪い人の長所や短所を上手くいかせるような職業にはどのようなものがあるかを具体的にいくつか挙げてみます。
職人
職人といってもいろいろな分野のものがあります。伝統工芸に関わるもの、ものづくりに関わって、世間から「職人技」と評価されるようなものなどさまざまです。
これらの職業の共通の特徴は、そのことに向かうとそれに集中して徹底的に、しかも丁寧にすすめるということです。要領が悪い人にはこれまで解説した中のあちこちにその要素が見られます。
いずれも技術を伴うと同時に覚えることも多くありますが、そこを克服すれば、要領が悪い人には合っている仕事といえます。
タクシーの運転手
要領が悪い人の特徴の一つに人に頼ることができないというのがありましたが、タクシーの運転手は基本的に一人で、しかも外でする仕事なので、合っている職業の一つといえます。
運転が嫌でなく、道を覚えたりお客さんをたくさん乗せるにはどうすれば良いかなど、考えることはありますが、社内でチームで動くのが苦手な要領が悪い人としてはおすすめな職業ではないでしょうか。
警備員
警備員の中でも、工事中の道路で交通整理をしたりする仕事であれば、それほど複雑な仕事ではありません。単純な作業の継続的な仕事といえるでしょう。
一日中外にいたり、結構体力を消費する愛ごとではありますが、例外的な要素が少なかったり、他人との関りが少ない仕事としては要領が悪い人向けの仕事ではないでしょうか。
データ入力
データ入力の仕事で大事なことは、入力の速さもありますが、第一に入力ミスがないことです。その点、要領が悪い人には集中して一生懸命にやるという特徴があるので、長時間のデータ入力にも適しています。
また、細かい部分にも気を配るので、他の人のミスなどにも気づきやすいという長所があります。逆に要領が良い人にはこの忍耐力があまりない人が多いので、ミスが多くなったりして向いていない傾向があります。
要領が悪いことを改善する方法
要領が悪い人について、その特徴や長所・短所を挙げ、適切な職業にはどのようなものがあるかについて解説してきましたが、すでに現在仕事についている人は今さら転職も難しいという人が大半でしょう。
それならば、要領が悪い人は要領が悪いところ、すなわち短所を改善して長所に変えていくことが必要です。改善すると言っても一朝一夕には難しいかもしれませんが、日々それを意識しながら少しずつでも改善していけば、きっと「要領が悪い人」から脱却できるでしょう。
自分の能力・できる仕事を把握する
要領が悪い人がうまくいかないのは、自分の能力やどのくらいのレベルの仕事ができるかなどを知らないことが原因といえます。そのため与えられた仕事に対して自分ならどのくらいの時間が必要なのかが分からず、従って仕事のペースを誤って間に合わない結果になります。
また、自分を知らないために、すでに自分の仕事があっても別の仕事を頼まれると引き受けてしまっていずれも間に合わなくなるという結果になります。
これを避けるためには、まず自分の能力・できる仕事を知ることが必要です。今までやった仕事を振り返って、どこに問題点の原因があったのを分析しましょう。できれば自分以外の誰かと一緒に分析すると、より問題点が明確になります。
スケジュールをきちんと決める
自分の能力やできる仕事について分かったならば、それに合わせてスケジュールを立ててみます。気をつけたいのは要領が悪い人の特徴である優先順位をきちんと盛り込むことです。
スケジュールをきちんと決めることによって、仕事の全体像が見えるようになるはずです。また、スケジュールが明確になると、あとから依頼がある仕事があってもそれがスケジュール的に対応可能かどうかも見えてきます。
注意したいのはただ単にスケジュールを立てると言っても、慣れないうちはその精度も曖昧です。その仕事で発生した問題点を振り返り、次の仕事のスケジュールに反映させ、精度を上げていきます。今まで上手くいかなかったのはこの工程がなかったのではないでしょうか。
苦手分野を分析する
要領が悪い人はスケジュールの精度を上げるとともにもう一つ大切なことがあります。それは自分が自分の苦手な分野を知ることです。
スケジュールを立てることと同様に、過去にミスした仕事についてその傾向を分析し、自分の苦手分野を分析する、そうすれば同じ苦手な分野の仕事が来た場合に、スケジュールにも余裕を持たせるなどの対策があらかじめできるようになります。
この場合の分析も継続して行うことで、苦手分野も苦手ではなくなるという期待が持てるようになります。
要領の悪さは前向きに少しずつ改善していこう!
以上解説したように要領が悪い人は自分を知ることで、要領が悪い人から脱却することができて、それが長所に結びつくようになります。ただし、本来の特徴や行動などはすぐには変えられないので、根気強く分析と反省を続けていくことが大切です。
最後に、要領が悪い人は、短所を改善し、長所はこれを上手く活かすようにすれば、仕事の上でもきっと効果が上がるでしょう。