ゴンズイは危険?特徴や食べ方も紹介!
波止釣りを楽しむ釣り人にとって、外道であり厄介者である魚のひとつに「ゴンズイ」がいます。ゴンズイが釣れてしまった、と焦って嘆く釣り人もたくさんいます。でもゴンズイとはどうしてそんなに厄介者なのでしょうか。今回はゴンズイの生態や特徴、調理法など色々とご紹介していきましょう。
ゴンズイとは
まずはゴンズイについて色々と詳しく知ることが何よりも大切です。詳しく知る事で危険を回避することが出来ます。ここではゴンズイとは一体どんな魚なのか、そしてどんな危険や特徴があるのかということをご説明していきましょう。
ナマズ目の海水魚
初めにゴンズイとは一体どのような魚なのか、ご紹介していきましょう。ゴンズイとはナマズ目の海水魚です。海の危険生物の一種として紹介されることが多いゴンズイは黒い体に細くて白い線が縦に数本走っているのが特徴の魚です。では他にはどのような特徴を持つ魚なのでしょうか。
胸ビレと背ビレに毒針がある
そんなゴンズイですが、なぜそんな小さな魚が海の危険生物と呼ばれているのでしょうか。実はゴンズイは胸びれと尾びれに毒針を持っているのです。刺されると大変な激痛が走り、重症になると刺された部分が壊死してしまうこともあります。
ですから小さくても海の危険生物と恐れられているのです。更に夜行性のため、夜釣りの時に釣れることが多く、釣り上げても周りが暗くて見えにくいので、ゴンズイと気が付かずに触ってしまって刺されるといった危険性もあります。
ゴンズイの特徴
それでは次にゴンズイの特徴についてご説明していきましょう。ここではゴンズイの体長や見た目、生態や生息域などをご紹介いたします。ゴンズイは夜行性で夜になるとエサを求めて活発になるため、夜釣りをする方は特にご参考にされてみてはいかがでしょうか。
ゴンズイの体長・見た目
ゴンズイは大きなものでも体長20cmほどと、それほど大きな魚ではありません。見た目は顔はナマズのような顔で短いヒゲもあります。1番の特徴は黒い体に白い線が縦に数本走っているところです。海でそんな見た目の魚を見かけたら刺される危険があるので、絶対に触らないようにしましょう。
ゴンズイの生態
次にご紹介するのはゴンズイの生態についてです。ゴンズイとはどのような生態の魚なのでしょうか。ゴンズイは夜行性の魚です。昼間は岩礁や砂泥に潜んで休んでいますが、夜になると餌を求めて回遊を始めます。
ゴンズイの餌となるのは、海底に生息している甲殻類や小さいイカなどとなっています。産卵期は5月から7月の暖かい時期で、海底に産卵する場所を作って卵を産み付けます。更にゴンズイは集団で行動する習性を持つ魚で知られていて、特に稚魚の頃は団子状の塊となって回遊しています。
ゴンズイの生息域
ゴンズイの生息域は関東から沖縄にかけての太平洋側とされています。昼間は岩礁地帯にある波止の周囲に隠れて休んでいて、夜になると回遊してエサを食べます。水温が高くなる6月ごろから水温の下がり始める11月ごろが釣れる時期となっています。
ゴンズイの釣り方と注意点
ゴンズイの生態や特徴、生息域について一通りご説明してきました。ここではゴンズイの釣り方とその注意点についてごしていきましょう。たまには外道狙いも楽しいものですので安全に配慮しながら、ゴンズイ釣りを楽しんでみませんか?
ゴンズイを釣りやすい場所
ゴンズイはどのようなところで釣れやすいのでしょうか。一般的に言われているのは防波堤のそばです。防波堤はゴンズイの寝床となっていることが多いので、とても釣りやすいようです。また磯釣りをしていても、ゴンズイがよく釣れるという話もあります。
磯にもゴンズイの寝床にぴったりの場所が多いからだとされています。ですので、ゴンズイを狙うときは防波堤または磯付近で釣りを始めましょう。もちろんゴンズイの活動時間帯の夜に釣りを始めることは基本中の基本です。
ゴンズイの釣り方
ここではゴンズイの釣り方をご説明していきましょう。夏の初めに産卵のために波止際まで泳いでくるのでカサゴなどの根魚を狙った穴釣りや落とし込み釣りがよく釣れるといわれています。特に夜釣りの時に釣れやすい魚です。
しかし、ゴンズイが釣れるのは100%夜だけではありません。昼間でも深い場所だと釣れる場合もあるそうですので「昼間にゴンズイが釣れるわけがない」などと油断せずに、十分に気をつけて釣りを楽しみましょう。
ゴンズイが釣れた時の注意点
前述の通り、ゴンズイは特に6月頃からに産卵のために波止際まで泳いできます。そのゴンズイが釣れたりするのですが、絶対に素手で掴んではいけません。釣り上げた時にゴンズイだったら驚いて焦ってしまうかもしれませんが、刺されることのないように落ち着いて行動しましょう。
まずはゴンズイが暴れないようにメゴチハサミなどの道具を使用して、しっかりとゴンズイを固定しましょう。それから毒針が付いている背びれと胸びれを落ち着いて、しっかりと根本から切り落としてしまいましょう。
ゴンズイに刺されるとどうなる?
では、ゴンズイの毒針に刺されるとどのようになってしまうのでしょうか。ゴンズイは生きている時はもちろん、死んでからも毒が残っています。ですので死んでるからといってゴンズイを無闇に触らないようにしましょう。
そんなゴンズイの毒針に刺されると、きっと皆さんの想像以上に大変なことになってしまいます。まずゴンズイはたんぱく質の種類の毒を持っています。刺されると物凄い激痛が走って、刺されたところがみるみるうちに腫れ上がります。
重症になると刺されたところが壊死してしまうこともある、とても強くて恐ろしい毒を持っているのがゴンズイという魚なのです。ですので釣り上げてしまった時には刺されることのないように、くれぐれも注意して扱うようにしましょう。
刺された時の対処法
万が一、ゴンズイに刺されてしまった時の対処法をご紹介いたします。ゴンズイに刺されてしまったら、出来るだけ早急に刺されたところをお湯につけましょう。お湯につけることで熱によって毒を弱体化させることが出来ます。
とにかく「出来るだけ早急に」ということが重要です。お湯の温度は50℃前後を目安にしてください。お湯につけたら出来ればそのままの状態で病院へ急ぎましょう。重症化してしまうと刺された部分が壊疽を起こしてしまって、切断ということもあり得ますので必ず受診しましょう。
ゴンズイの毒針は背びれと胸びれにあります。特に背びれの毒針はとても長く強度もあります。万が一にでも踏んでしまったら靴底を貫通するほどで、とても危険です。無闇に踏んでしまわないように気をつけましょう。
ゴンズイを美味しく食べるには?
ここまではゴンズイの生態や厄介さ、ゴンズイの危険性をご説明してきましたが、ゴンズイはもともとナマズの仲間ですので、上手にきちんと処理をしたうえで調理すれば、とても美味しく食べることが出来ます。
食べると結構美味しいので、ゴンズイ狙いで釣りをする人もいるくらいです。ゴンズイを釣り上げたら、すぐに毒針のある背びれと胸びれをしっかりと切り落として、エラと内臓も取り除いておきましょう。内臓を取り除いておく事で新鮮さを保てて、美味しく食べることが出来ます。
天ぷら
まず初めにご紹介するゴンズイのおすすめの食べ方は「天ぷら」です。ゴンズイは味にクセがない淡泊な白身魚ですので、天ぷらにとても向いています。ゴンズイの身はホクホクとしていて見た目よりずっと上品な味わいが魅力です。
また、皮にも旨味があって鱚やハゼより美味しいと言われるくらいです。もしかしたら刺されるかもしれない、という恐怖と戦いながらでも釣り上げて、新鮮な状態で食べたくなる美味しさをゴンズイは持っているのです。
蒲焼き
次にご紹介するゴンズイのおすすめの食べ方は「蒲焼き」です。ゴンズイのホクホクとした肉質は蒲焼きに向いています。正しく処理を施したゴンズイを開いて、素焼きにしましょう。この時、しっかりと火を通すのがコツです。
しっかりと火が通ったら、甘辛い蒲焼きのタレを付けて香ばしいかおりがたつまで炙って焼き上げましょう。ゴンズイはもともと淡泊な味の白身魚ですし、皮の食感がウナギに似ているので、とても美味しく食べることが出来ます。
味噌汁
次にご紹介するゴンズイのおすすめの食べ方は「味噌汁」です。きちんと前処理としたゴンズイを味噌汁の具に使うと、お魚特有の甘みのある出汁が出て、独特の風味の味噌汁を食べることが出来ます。その甘みをより一層引き立てる具として人参などの緑黄色野菜を加えましょう。
更に深い味わいとなって、美味しく食べることが出来ます。ゴンズイの味噌汁は作り方もシンプルなので男性でも挑戦することが出来る、一番手軽で、身近で美味しい調理法となっています。釣りたてのゴンズイで美味しい味噌汁を作って食べるのも良いでしょう。
ゴンズイが釣れたら素手で触らないように注意!
今回は海の危険生物の一種であるゴンズイという魚について、その生態や生息地、危険性や美味しい食べ方など色々とご紹介してきました。釣り、特に夜釣りを楽しむ方たちにとっては厄介者でしかないゴンズイですが、意外にも美味しく食べる事が出来る魚でもあります。
外道なゴンズイかもしれませんが、もし釣り上げてしまった時には一度ゴンズイを味わってみませんか。その美味しさに驚き、次はゴンズイ狙いで夜釣りに出かけてしまうかもしれません。ですが美味しくても、とても危険な魚である事に変わりはないので十分に注意をして釣りましょう。