自転車の米式バルブについて徹底解説!
通常乗る自転車には、ママチャリ、シティサイクル、マウンテンバイク、ロードバイク、クロスバイクなど色々なタイプの自転車がありますが、それぞれの種類でタイヤのバルブに違いがあるのをご存じでしょうか。
今回はそんなバルブタイプの中で、自動車やバイクのタイヤにも使われている米式バルブについて徹底解説します。
米式バルブの構造とは
米式バルブは自転車や自動車、オートバイなどに採用されているバルブ形式のひとつです。米式の他に英式、仏式の型式があるバルブですが、米式バルブとは一体どんな構造をしているのでしょう。マウンテンバイクやビーチクールなどに多い米式バルブの構造の特徴についてご紹介しましょう。
タイヤ内の空気を外に逃がさない
米式バルブの構造の特徴はタイヤ内の空気を外に逃がさないようになっていることです。バルブの内部には逆支弁と呼ばれる弁がついていて、この弁によって長時間経過しても空気が漏れにくい構造になっています。
丈夫な米式バルブは比較的太いタイヤに使われていて、低い空気圧で走行する自転車には米式バルブが最も適しています。
米式バルブへの空気の入れ方
米式バルブへの空気の入れ方はどのようにすればよいのでしょうか。ママチャリの英式バルブとはちょっと違った米式バルブの空気の入れ方を説明しましょう。
しっかりと正しく米式バルブのタイヤに空気を入れるため、正しい米式バルブへの空気の入れ方をご紹介しましょう。手順をしっかり踏んで正しい入れ方で空気を入れて下さい。
①空気圧の確認
まずは自転車についているタイヤの適正空気圧を確認しましょう。自転車のタイヤには、それぞれ種類によって適正な空気圧というものが存在します。
どんな種類のタイヤであれ、通常タイヤの側面には適正空気圧の数値が記してあるので、空気を入れる前にはタイヤの適正空気圧をしっかり確認するようにします。
ちなみに空気圧の単位は、1PSI=6.9kPaとなります。単位を間違えると空気圧が足りなかったり、チューブの破損につながるので注意しましょう。
②米式用アダプターに交換してバルブに取り付け
通常自宅にある空気入れのタイプは英式バルブ用です。そのため、自宅で米式バルブに空気を入れるためには、空気入れの先端を米式用アダプターに交換する必要があります。
まずは空気入れの先端を好感し、次にタイヤの米式バルブ部分のキャップを外します。米式バルブに米式用アダプターを取り付けますが、取り付ける時の注意点としては、真っすぐに差し込むことが重要です。
一度雑に差し込んで歪んだまま差し込まれてしまうと、取り外しにくくやり直すのにとても時間がかかることになります。慎重に、しっかり真っすぐ差し込むようにしましょう。
取り付ける際に、米式バルブの内側をよく見ると、ひとつの突起があります。これは先にも説明した空気漏れを防ぐための弁ですが、この突起部分を抑えることによって、弁の機能を失わせ空気の出入りが可能になるシステムです。
米式用アダプターにも同様に突起があるので、この突起同士を上手く接触させるように取り付けることによって、米式バルブのついたタイヤに空気入れで空気を入れることが可能になります。米式バルブに空気入れの先端を取り付けたら、ねじを締めしっかり空気入れを固定しましょう。
空気が正常に入っているか音を確認しよう
取り付けが正確に行われたかどうかは、取り付けた際の音に注意を払うようにするとよくわかります。米式バルブの突起と米式用アダプターの突起が上手く接触してしっかり取り付けられた場合には「プシュッ」という一瞬空気が漏れる音がします。この音が聞こえたら取り付けが上手くいった証拠です。
取り付けが上手くいかなかった場合は、「プシュッ」という音はせずに、「シュー」という空気が漏れる音がしばらく続くことになります。この音がする場合は、取り付けが上手くいってないことになるので、もう一度アダプターを取り付けなおす必要があります。
③空気入れの頻度
米式バルブを使った空気の入れ方がわかったところで、次はその頻度です。米式バルブのタイヤへの空気入れの頻度は、3日に1度というのが通常です。米式バルブは他のバルブに比べると空気の漏れにくいバルブではありますが、それでも空気漏れを完全に防ぐことはできません。
走行距離や回数にもよりますが、3日に1度は空気圧を確認するようにすると良いでしょう。空気が抜けたまま走行すると、パンクの危険性が高まります。また、最悪の場合、タイヤとリムが外れてしまうこともあり、安全性や快適走行に支障をきたすことになります。
毎日のように乗る人は、3日に1度は空気圧を確認し、タイヤの適正空気圧を常に保つようにするのがおすすめです。
米式バルブのメリット・デメリット
マウンテンバイクなどの太くて空気圧の低いタイヤに使われることの多い米式バルブ。この米式バルブのメリット、デメリットはどこにあるのでしょうか。英式バルブや仏式バルブと比べながら、米式バルブのメリットとデメリットについて、それぞれ詳しくご紹介していきましょう。
メリット
米式バルブのメリットは、英式と違って空気圧が測れることで自分にあった適正空気圧で走行できる点です。米式バルブは、英式バルブのように、虫ゴムがダメになって空気漏れを起こす心配がありませんし、仏式バルブ比べて空気漏れが少ないので毎回空気入れを行う必要がありません。
また、米式バルブは構造が簡単なこともあり、丈夫で安心感があります。一度適正空気圧の空気を入れると後は気にせずガンガン自転車を乗り回すことができるのがポイントです。
万が一出先で空気圧が下がってしまったという場合でもガソリンスタンドに立ちよれば、米式バルブは自動車やバイクにも使われているバルブなので、すぐに空気を入れてもらえるのもメリットです。仏式バルブの場合は出先で簡単に空気を入れるわけにはいきません。
米式バルブのメリットを生かして
この米式バルブのメリットを通常のママチャリにも採用することができます。通常ママチャリには英式バルブが採用されていますが、空気が抜けやすく、空気圧を測ることができない英式バルブのママチャリは、何かと不便な点も多いのが実情です。
そんなママチャリの英式バルブを米式バルブに交換してしまうのです。やり方としては、まずママチャリの英式バルブのヘッドについている黒いバルブキャップとその下の袋ナットを取り外し、むき出しになったバルブコアをスポッと引き抜きます。
次に米式バルブのインナーアダプターを取り付けます。まずはバルブステムという円柱状のパーツをはめ、次にアウターアダプターをはめ込みます。素手で時計回りにがっちりは締め込むだけでOKです。後は、米式用アダプタ-を取り付けた空気入れでママチャリについているタイヤの適正空気圧に従って空気を入れるだけ。
ママチャリを英式バルブから米式バルブに交換することで、メンテナンス要らずで乗り回せる快適な自転車になります。しっかり空気圧が測って入れられるようになるのも嬉しいポイントです。英式バルブから米式バルブに交換するキットが販売されているので、そちらを購入すると簡単でおすすめです。
デメリット
一方米式バルブのデメリットは、コスト面です。米式バルブはメンテナンスフリーですが、その代わりに壊れた場合には修理することはできず、チューブごと交換することになります。チューブは英式に比べ高額で、コストがかかります。
100均などでは英式用の空気入れ缶やパンク修理剤などが販売されていて、出先で突然のパンクなどが起こった場合でも即座に対応することができますが、米式バルブは流通自体が少ないため英式用のようなアイテムはほとんど販売されていないか、もしくはとても高額になります。
米式バルブの自転車で遠出することには、ホルツのバイク用パンク修理剤のようなものをひとつ携帯しておくと良いでしょう。
米式バルブは空気が漏れにくい!
いかがでしたでしょか。米式バルブは、英式や仏式に比べ空気が漏れにくく構造もシンプルで丈夫なバルブであることが分かりました。
万が一の出先での空気漏れにもガソリンスタンドがあれば安心ですが、一度パンクしてしまうと大事になるので、いざという時のための道具は持って遠出するようにしましょう。
空気の漏れにくい米式バルブは、空気漏れの起こりやすく空気圧の測れない英式バルブとも交換可能!ぜひ米式バルブのタイヤで快適な自転車ライフを送ってください。