重曹とクエン酸を使ったお風呂掃除の仕方を紹介!
普段、風呂掃除でガンコなカビや石鹸カスなどの汚れを落とすのに苦労していませんか。そんなときは重曹やクエン酸を使うと風呂の手入れが簡単にできるといわれています。
重曹やクエン酸の効果や特徴、カビや水垢、石鹸カス汚れの落とし方やおすすめの風呂掃除の仕方について紹介します。今日から実践して、キレイなお風呂を取り戻してみましょう。
お風呂掃除におすすめの重曹とクエン酸の効果&注意点
そもそも「重曹やクエン酸って何」っていう人もいるでしょう。まずは重曹とクエン酸がどういった物質なのかについて説明しましょう。
その前に、お風呂の汚れにも酸性の汚れとアルカリ性の汚れがあること理解しておきましょう。汚れを落とす基本は、汚れの性質とは反対の成分の物質を使うことです。
酸性の汚れにはアルカリ性の洗剤を、アルカリ性の汚れには酸性の洗剤を使うことが効果的です。それでは、重曹やクエン酸の成分とその効果、注意点について解説しましょう。
重曹
重曹は炭酸水素ナトリウムのことで、NaHCO3という化学式で表現される物質のことです。高校の化学の授業で習ったことがあるのではないでしょうか。
炭酸水素ナトリウムは弱アルカリ性の物質です。弱アルカリ性は中性に近く、酸を中和させる特徴があります。中性に近く、人体には無害で、手荒れ等の心配はありません。
ちなみに洗濯洗剤や酸素系漂白剤も弱アルカリ性の性質を示しますが、シャンプーや台所洗剤は弱酸性です。人の肌に触れやすいものは安全面も考慮され、中性に近い弱アルカリ性・弱酸性のものが使用されています。
重曹の製品
重曹の風呂掃除の製品にはいろいろあります。「ウエキ 重曹オレンジペースト」「カネヨ 重曹ちゃん ボトルタイプ」「薬用重曹ステインプロ」「シャボン玉販売 シャボン玉重曹」「重曹アルカリ電解水クリーナー」「天外天シリンゴル重曹」などです。
このほかにも重曹のアイテムはたくさんあります。どれも300円~400円程度で、値段的にどれもそれほど高くありませんので、風呂掃除では重用したいアイテムです。
クエン酸
クエン酸の製品
一方、クエン酸は酸性に属する物質で、化学式はHOOCやCH2などで表現されます。レモン汁や梅干しを口にすると酸っぱい味がしますが、あれがあの酸っぱい成分がクエン酸です。
クエン酸は酸性なので、アルカリ性の汚れを落とすのに効果を発揮するという特徴を有します。具体的にアルカリ性の汚れにはどんなものがあるのかというと、お風呂の水垢や石鹸カスなどです。
このように、重曹とクエン酸では成分が異なっており、得意としている汚れも両者で違うということになります。同じ風呂掃除でも、汚れの成分が酸性なのかアルカリ性なのかで、使う洗剤が変わってくるということに注意しましょう。
クエン酸の風呂掃除の製品には「ニワキュウ 除菌もできるクエン酸」「クエン酸くん」「激落ちくんクエン酸レック」「シャボン玉クエン酸」などがあります。こちらもさまざまなアイテムがありますので、いろいろと風呂掃除で試してみることをおすすめします。
お風呂の汚れの種類と落とし方
一口にお風呂の汚れといっても様々です。水垢、石鹸カス、カビなどが代表ですが、いずれもガンコな汚れで風呂掃除でとても手を焼いているという人も多いでしょう。
上述したとおり、掃除では汚れの性質を理解し、それに対応した洗剤を使うことに注意する必要があります。ここではお風呂の汚れの種類と、各種の風呂掃除に対して重曹とクエン酸のどちらがおすすめなのかについて解説します。
水垢
一般的なお風呂の床などにつく水垢は、お風呂を使用した後に残った水滴が原因でできる汚れです。水垢の汚れは、水道水に含まれるカルシウムやミネラルが固まったものであり、水滴の中の水分が蒸発したものが塊となり水垢となっています。
一度出来てしまった水垢は、塊となって風呂床に付着しますので、スポンジなどで少々力を入れてこすった程度では落ちないほど、ガンコな汚れとなっています。
このように、水垢は普通の洗剤ではなかなか落ちないので、風呂掃除では専用の洗剤を使う必要があります。
重曹とクエン酸どっちが有効?
上述したとおり、水垢はカルシウムやミネラルが固まったものです。カルシウムやミネラルはアルカリ性の成分ですので、酸性の洗剤を使うのが効果的です。すなわち、重曹とクエン酸では後者が酸性の成分ですので、水垢にはクエン酸の方が効果的ということになります。
風呂掃除でクエン酸を使用して水垢を落とす場合は、スプレーボトルなどに水を入れてクエン酸水を作って、スプレーを振りかける方法がおすすめです。またスプレーをしてすぐに落とすのではなく、10分から20分ほど放置し、塊にクエン酸水をしみこませてから水垢を落とすとよいでしょう。
ガンコな水垢には、塊にクエン酸水をしみこませた後に直接クエン酸の粉を振りかけると効果テキメンです。スポンジや歯ブラシなどを使ってよく磨いてみましょう。
石鹸カス
次は石鹸カスです。風呂場で石鹸を使っていると、そのカスが風呂場のシャワー蛇口やタイルなどにくっついて汚れが残っているところをよく見かけます。
石鹸カスの中にもガンコなものがあり、風呂掃除でスポンジなどを使ってこすってもきれいに落とせないものもあるでしょう。このような石鹸カスを風呂掃除できれいに落とす方法について紹介しましょう。
重曹とクエン酸どっちが有効?
重曹とクエン酸どっちが有効でしょうか。その前に、一口に石鹸カスといっても2種類の汚れに分類されることに注意しましょう。一つにはアルカリ性の金属石鹸、もう一つは酸性の酸性石鹸と呼ばれるものです。石鹸と呼ばれていますが、いわゆる石鹸としての洗浄効果はなく、普通の汚れです。
金属石鹸は、石鹸に含まれる成分が水道水のミネラル分と反応してできるものです。浴槽の縁や扉周りの凹凸にできる「白い粉末状」の汚れがそれです。
一方、酸性石鹸は汚れに対して石鹸の量が足りない場合にできる汚れであり、いわゆるヌルヌルの状態です。これまで説明してきたように、金属石鹸の場合は酸性のクエン酸が有効であり、酸性石鹸の場合はアルカリ性の重曹が有効になります。
カビ
カビは真菌類に属するばい菌の一種です。酵母やキノコも同じ仲間ですが、糸状菌と呼ばれ、菌糸の先端部で伸長し、胞子を形成して繁殖します。カビは酸素、温度、水分、栄養分の4つの要素が発育条件であり、水分や温度を満たす風呂場はカビが生育しやすい条件が整っています。
風呂場のあの黒っぽい汚れがカビであり、ちょっと手を抜くと汚れが落ちなくなってしまったという経験をしたことがある人もたくさんいるでしょう。カビは風呂掃除では本当に厄介な汚れなのです。
重曹とクエン酸どっちが有効?
それでは、カビには重曹とクエン酸のどちらがおすすめなのでしょうか。実は、重曹には「静菌作用」と呼ばれる雑菌の増殖を抑える効果があるためカビ予防に効果を発揮します。
しかしあくまで予防であるので、一度ついたカビを除去するほどの洗浄力は重曹にはありません。一方で重曹とクエン酸を混ぜると、一転してカビ取りに効果を発揮するほど強力な洗浄力を発揮します。
それはアルカリ性の重曹と酸性のクエン酸を混ぜることにより、二酸化炭素が発生し発泡するからです。重曹とクエン酸の合わせた力ですが、この発泡の力によって、汚れやカビを浮かせることになります。根を張っていたカビが除去しやすくなり、風呂掃除ではおすすめの方法になります。
ピンク汚れ
ピンク汚れは注意深く見てもカビだと勘違いする人もいるくらい、風呂掃除では頻出の汚れになります。実際にはピンク汚れは酵母菌の一種であり、カビとは異なります。
ピンク汚れは排水口のまわり、床、シャンプーやリンスのボトルの底、石けん受けの下などによく発生します。風呂掃除が嫌いだという人の中にはこのピンク汚れが嫌いだという人も結構います。
ただし、ピンク汚れの繁殖力はカビと同等かそれ以上であり、石鹸カスを栄養源として増殖していくので、風呂掃除では注意すべき汚れです。
重曹とクエン酸どっちが有効?
風呂掃除でピンク汚れを取り除くには、消毒と殺菌が大切です。一度落としても、数日後にすぐにまたお風呂に発生している姿を見て愕然とした人はいないでしょうか。これは、風呂場に水垢や石鹸カスが残っているからです。
このように注意深く風呂を掃除しないとピンク汚れから逃れることはできません。ピンク汚れは重曹でもクエン酸でもある程度落とすことが可能ですが、最も効果的なのは消毒用エタノールです。
エタノールは殺菌作用があり薬局などでも簡単に手に入れることができます。キッチンペーパーにエタノールを含ませてピンク汚れに付けるだけでOKです。
重曹を使ったお風呂の掃除の仕方
風呂掃除は面倒だという人も多いでしょう。特に汚れが目立ってきて、掃除してもきれいにならないと達成感もなくなりどんどんと風呂掃除から遠ざかっていくという悪循環をもたらします。
そんなときにやはり頼りになるのが重曹です。重曹を使えば、面倒な手間も省けて簡単に掃除することができます。重曹を使ったおすすめの掃除の仕方を紹介しましょう。
浴槽の掃除
重曹を使った風呂掃除の一つ目は浴槽です。浴槽の掃除は、風呂に入った後にさっと行うのが手も掛からずおすすめです。浴槽の残り湯を活用して掃除するのがよいでしょう。
お湯が冷めないうちに、カップ1杯程度の重曹を入れ、かき混ぜて重曹を溶かします。重曹が完全に溶けたら、お風呂のふた、洗面器、風呂用の椅子や子どもがお風呂で使った玩具などの小物も一緒に入れると便利です。
この状態で一晩放置してつけおきします。そうすることで、重曹が浴槽や小物についた汚れを溶かしてくれます。翌日になったら水を捨てて、軽くシャワーで重曹を流してすすぐだけでOKです。きれいに汚れが落ちることで掃除の達成感も得られるおすすめのやり方です。
床・壁の掃除
重曹を使った風呂掃除の2つ目は床や壁です。風呂掃除では壁や床も範囲が広くて、面倒で一苦労と感じる人が多いでしょう。しかし、重曹を使えば、塗って放置してこするだけで汚れが落ちるのでそれほど手間ではありません。
まずは重曹ペーストを作って壁に塗ってもぽたぽたと垂れない程度の固さにしましょう。その後、重曹ペーストを壁や床に塗って30分程度放置します。そうするとスポンジなどで軽く磨くと汚れが落ちます。あまり強くこすりすぎると壁や床を傷つけてしまうことがあるので注意が必要です。
軽くこすった後は、重曹ペーストはシャワーで洗い流しましょう。洗剤と違って泡立たないため。重曹ペーストが落ちたかどうかわかりにくいときがありますが、注意深く手で触ってざらざらした感じがなくなっていれば掃除は完了です。
排水口の掃除
重曹を使った風呂掃除の3つ目は排水口です。排水口は浴室のあらゆる汚れが集まるところです。風呂掃除をするときに最も嫌うポイントであるといえます。排水口の汚れには酸性のものもアルカリ性のものも含まれるので、重曹とクエン酸を混ぜ合わせたもので掃除することをおすすめします。
まずは、ゴミや髪の毛を取り除き、排水口のふたやヘアキャッチャー、排水トラップなどを取り外します。その後重曹を振りかけて、汚れにしみ込むように20分程度放置します。
そのあとに重曹の半分程度の量のクエン酸を振りかけます。ぬるま湯をコップ1杯程度全体にかけると、発泡して汚れを浮き上がらせてくれます。発泡後5分程度放置してからシャワーで洗い流せば、キレイに汚れが落ちてくれます。
クエン酸を使ったお風呂の掃除の仕方
次はクエン酸を使った風呂の掃除の仕方です。汚れにしっかりとクエン酸を付着させ、ラップ等をつかって密接させるよう注意しましょう。長時間つけておくことで汚れが落ちやすくなります。時間を有効に活用できるので、風呂掃除が嫌いな人でも無理なく掃除できるやり方です。
蛇口・バーの掃除
蛇口は必ずといって触る場所なので風呂掃除でもしっかりと洗って、常にキレイにしておきたいところです。蛇口・バーの掃除ではクエン酸を水垢に浸透させるかがポイントになります。
まずはクエン酸小さじ1杯と水200mlを混ぜてクエン酸水をつくり、キッチンペーパーに浸し、輪ゴムなどなどを使ってキッチンペーパーを蛇口に固定しましょう。
そのまま2時間ほど放置すれば水垢が柔らかくなるので、その後簡単にこすり落とすことができるようになります。クエン酸をきれいなな水で洗い流し、雑巾で乾拭きしたら掃除完了です。
鏡の掃除
お風呂の鏡には水垢や石鹸カスが付着し、ウロコの跡に見える汚れが残ります。中にはかなりガンコな汚れもあるのでクエン酸水を使ってしっかりと掃除をしましょう。
蛇口・バーと同じようにクエン酸水をつくり、鏡にキッチンペーパーで隙間なく貼って上からラップをして3時間ほど放置します。
時間の経過とともに水垢がふやけてこすれば落ちやすくなります。シャワーでよくすすぎ、乾いたキッチンペーパーやタオルで乾拭きすればきれいになります。
重曹やクエン酸を使ってお風呂を掃除しよう!
重曹やクエン酸を使ったお風呂掃除について紹介しました。風呂掃除が面倒という人もこの記事を読めばよし頑張って掃除してみようとなったのではないでしょうか。
快適なお風呂環境を保つにはまずは汚れの性質を理解することが大切です。そして、汚れに効くのが重曹なのかクエン酸なのか、はたまた混合させた方がよいのかなどを理解して、キレイなお風呂になるようにしっかりと掃除してみましょう。