ダイナミックストレッチが効くってウワサ!
最近ダイナミックストレッチが多くのスポーツ選手たちの間で注目されています。ではダイナミックストレッチとはどんなストレッチでどのような効果があるのでしょうか。
そこで今回はダイナミックストレッチの種類ややり方、そしてその効果やコツについて詳しく解説しましょう。
ダイナミックストレッチって?
そもそもダイナミックストレッチとはどのようなストレッチなのでしょうか。ダイナミックストレッチとは名前の通りダイナミック(動的な)ストレッチで、動きを伴ったストレッチのことを指していますが、まずはダイナミックストレッチとは何かを詳しく解説をしましょう。
動的ストレッチの一種
ダイナミックストレッチとは、名前の通りストレッチをしながら関節を回したり曲げたりとした動きが伴うストレッチです。例えばラジオ体操もダイナミックストレッチのひとつと言えるでしょう。ちなみに動きを伴わないストレッチはスタティック(静的)ストレッチと言います。
関節可動域を広げる
ダイナミックストレッチでは関節を曲げたり伸ばしたりすることで、関節の可動域をどんどん広げていきます。これは一方の筋肉が収縮しているときその反対側の筋肉は弛緩しているという筋肉の性質を活かしたストレッチ方法です。
スポーツや筋トレの前に行う
ダイナミックストレッチは一般的にスポーツや筋トレなど身体を激しく動かす前に行われているストレッチです。また、スポーツや筋トレだけではなく出勤前など活動を始める前にダイナミックストレッチを行うのもおすすめされています。
ダイナミックストレッチの効果
では早速ダイナミックストレッチの効果について説明します。ダイナミックストレッチの主な効果として「パフォーマンスの向上」や「体温上昇」「けが予防」が挙げられます。それぞれについて詳しくみていきましょう。
パフォーマンス向上
ダイナミックストレッチは先程も述べたようにスポーツや筋トレの前に行うストレッチです。ダイナミックストレッチをすることで筋温が上がるので、身体の柔軟性を高めることができます。また、神経伝達速度が上がることも分かっており筋力のアップが見込めます。
そのため激しい運動をする前にダイナミックストレッチをすることでパフォーマンスを向上させる効果があります。実際にスタティックストレッチよりもダイナミックストレッチの方が最大筋力がアップするというデータもでています。
体温上昇
ダイナミックストレッチを行うことで筋温が上がることは既に述べましたが、もちろん体温も上昇します。大きな動きが取り入れられているので心拍数が上昇し、体温も上がりやすくなります。
体温が上がることで関節の動きを滑らかにする滑剤の分泌が促進され、滑剤が潤滑剤の役割をするので関節がスムーズな動きをするようになる効果もあります。
けが予防
ダイナミックストレッチはパフォーマンスの向上だけではなくけがの予防にもとても効果的です。ダイナミックストレッチによって関節の可動域が広くなったり筋肉の緊張が和らぐとスムーズな動きが出来るようになるため、けがをしにくくなります。
特に反復するような動きの多いスポーツをするときには、事前にダイナミックストレッチを行うことをおすすめします。
また、けがの予防だけではなく、運動後の疲労回復を促進する効果もダイナミックストレッチにはあります。
ダイナミックストレッチの種類別やり方
ダイナミックストレッチにはリバースランジレントやツイストストレッチ、ディープスクワットなど様々な種類のストレッチがあります。そこで続いてはダイナミックストレッチの種類とやり方について詳しく解説しましょう。
リバースランジレント
最初に紹介するダイナミックストレッチの種類は「リバースランジレント」です。これは主に体側と股関節を伸ばすストレッチです。
足を前後に開き、後ろに引いた足の膝を地面に近づけて片膝をつくような体勢へもっていきます。ただしこの時膝は床につけずに浮かせておくようにしましょう。前に出している足と同じ方の腕を高く上げ、腕を耳につけるようにして体側を伸ばしていきます。
このストレッチのやり方を左右で2~3回ずつは行うようにしましょう。また体側を伸ばしていくときにはあまり無理をせず、気持ちいいと感じる程度までで大丈夫です。
リバースランジローテーション
次に紹介するリバースランジローテーションは、股関節と背骨周りの筋肉をストレッチするダイナミックストレッチです。アスリートがスポーツや筋トレ前に行うのはもちろんですが、その他にも猫背や腰痛に悩んでいる人にもおすすめのやり方です。
まずはリバースランジレントと同じように膝を浮かせた状態で膝立ちのような体勢になります。前に出している足の膝の外側で両掌を合わせてから、足と同じ側の腕を斜め上に振り上げていき上半身をひねります。
上半身をひねった状態を数秒間保ったら、腕を元の位置に戻しましょう。このやり方を左右2~3回ずつ行ってください。肩甲骨周辺の筋肉の動きと身体をひねりながら伸ばすことを意識しながら行いましょう。
ラテラルランジ
次に紹介するダイナミックストレッチの種類は「ラテラルランジ」です。ラテラルランジは股関節周りの筋肉を動かし、下半身のトレーニングとしても効果的なやり方です。
まずは足を左右に大きく開いたら両腕は床と水平になるように前に出します。このとき手のひらは合わせた状態にしましょう。そのあと片膝だけ曲げていきスクワットのような状態にしていきますが、元の体勢に戻すまでは2秒ほどかけてゆっくりと動きましょう。
これを左右で2~3回ずつ行います。内ももの筋肉を伸ばしながらストレッチができ、股関節を効果的に動かすことができます。
ツイストストレッチ
ツイストストレッチはステップに合わせて身体をひねったりとツイスト運動を取り入れたダイナミックストレッチの種類です。
ツイストストレッチのやり方は「ワン・ツー・スリー」のテンポに合わせて3回足踏みをします。その時に足をなるべく高く上げて腕も大きく振りましょう。「スリー」のタイミングで上げている足の方に上半身をひねります。
この動作を繰り返し行い、逆側にも上半身をひねるようにしましょう。目安としてテンポよく左右10回ずつ行うことをおすすめします。
ツイストストレッチのコツはなるべく足を高く上げることです。また、テンポにのってリズムよく身体を動かすこともツイストストレッチのポイントのひとつです。
足の筋肉をほぐす
次に紹介するダイナミックストレッチの種類は下半身、特に股関節の可動域を広げたいときにおすすめのダイナミックストレッチになります。股関節や下半身のパフォーマンス向上やけが防止に効果的なやり方のひとつです。
まずは横方向に大きく3歩ステップを踏みます。3歩目で踏み出した足と反対側の足を大きく内側から回します。その後に逆側にも同じように3歩進んで反対側の足を内側から回します。これを左右10~20回を目安に行いましょう。
動きに慣れてきたら上半身も大きく動かすことで、上半身のストレッチも行うことができます。また全身運動ができ良いトレーニングになります。
ハムストリングスを伸ばす
下半身の他の部位をストレッチしたいときにおすすめのダイナミックストレッチについてもいくつか紹介します。まずはハムストリングス(太ももの裏にある筋肉)を伸ばしたいときに行うダイナミックストレッチです。
前に3歩歩き、3歩目のときに前に出ている足の足首を触ります。イメージとしてはこのときに4の形に見えるような体勢になります。これを左右で10~20回は続けて行うようにしましょう。
このダイナミックストレッチを行うときには「1、2、3」と言いながらテンポよく動き、足首を触るときにはハムストリングスが伸びていることを意識しながらストレッチをすることがコツです。
内転筋を伸ばす
続いては太ももの内側にある筋肉(内転筋)を伸ばしたいときのダイナミックストレッチです。このストレッチもテンポよく身体を動かすことがコツになります。
足を左右に開いたら左右順番に膝を曲げて屈伸をします。5回屈伸をしたら横に大きく1歩進みましょう。この動きを左右連続して行い、10セットを目安としてストレッチをしてください。
屈伸をするときには思い切り足を伸ばすのではなく、軽いタッチでリズミカルに動くようにしましょう。特にまだ身体が慣れていないときには軽く伸ばす程度で大丈夫です。
手拍子タッチ
手拍子タッチは全身を使ったダイナミックストレッチで、主に肩周辺の筋肉をストレッチする効果があります。肩周辺の筋肉を動かして肩甲骨の可動域を広げることができます。
まずは横に大きく足を踏み出し、踏み出すと同時に両腕を頭に上に伸ばして手拍子をします。そのあと足を閉じるときには今度はお尻の後ろで手拍子をします。この動きを左右2歩ずつ行ってください。
ディープスクワット
下半身の筋トレというイメージが強いスクワットですが、上半身の動きを取り入れることで股関節や背筋周辺の筋肉を伸ばすダイナミックストレッチにもなります。
まず肩幅より少し広めに足を広げ、そのままスクワットをするように腰を下に落としていきます。腰を落としたら両足首をつかみ、片腕の斜め上に上げながら腰も少しひねっていきます。
この動きを反対側も行い、左右2~3回ずつは繰り返し行うようにしましょう。ディープスクワットは特に筋トレをする前に行うとより効果的なダイナミックストレッチになります。
ドロップランジ
ドロップランジはスポーツ選手がウォーミングアップをするときによく行っているダイナミックストレッチです。身体の柔軟性を高めるだけではなく、ヒップの筋力アップにもとても効果があります。
まず足をクロスさせるようにし、片足を斜め後ろへ持っていきながら腰を落とします。このとき重心は前側にある足の親指の付け根にくるようにし、お尻の筋肉が伸びるのを感じる程度まで腰を落としてください。
そして前足の親指で地面を押し、さらに太ももの内側の筋肉を使いながら後ろにある足を元の位置に戻します。これを左右10回ずつ程度行いましょう。ドロップランジのコツは重心が前足の小指に来ないように体幹をしっかりと安定させることです。
ダイナミックストレッチの効果を高めるコツ
最後にダイナミックストレッチの効果を高めるコツについて紹介します。ダイナミックストレッチには体温上昇や、筋トレやスポーツ前に行うことでパフォーマンス向上やけが防止といた効果が見込めます。これらの効果をより高めるためのコツがいくつかあるので覚えておきましょう。
運動に合わせたストレッチを行う
スポーツ前にダイナミックストレッチをするときには、そのスポーツにあった種類のダイナミックストレッチを行うことで効果を高めることができます。
例えばランニングをする前にダイナミックストレッチを行うときには、股関節の可動域を広げるダイナミックストレッチをすることをおすすめします。ランニングは股関節を常に動かすので、股関節の可動域を広げることでパフォーマンスの向上やけが防止に繋がります。
肩回りを使うスポーツとするときには肩甲骨周辺の筋肉を伸ばすダイナミックストレッチを行うなど、色々と工夫をしてみましょう。
最初は軽く動かす
ダイナミックストレッチを行うときにはいきなり大きな動作をするのではなく、まずは軽く身体を動かす程度から始めることがコツです。まだ身体が慣れていない状態で大きな動きをしてしまうと、逆に関節や筋肉への負担が大きくなり痛めてしまう可能性があります。
ダイナミックストレッチはスタティックストレッチと異なり大きな動きが取り入れられているので、無理をすると逆にけがへ繋がる可能性もあります。ダイナミックストレッチをするときには、身体が慣れるまでは軽く動かす程度にしておきましょう。
筋肉を意識する
筋トレをするときには鍛えたい筋肉を意識しながら筋トレをすると効果アップに繋がると言われていますが、ダイナミックストレッチも筋トレと同じように筋肉を意識しながら行うことで効果を高めることができます。
また、その後のスポーツや筋トレで筋肉をどちらに動かしたいのかを考え、動かす方向へ筋肉を伸ばすように意識してストレッチをすることもダイナミックストレッチのコツです。
ダイナミックストレッチで運動の効果を高めよう!
今回は最近話題になっているダイナミックストレッチの種類ややり方、コツなどについて紹介しました。ダイナミックストレッチはスポーツや筋トレの前に行うことでパフォーマンスの向上やけが防止といった効果があります。
また、運動に合わせたダイナミックストレッチを行い、筋肉を意識しながら筋肉を伸ばすことでより効果を高めることができます。ぜひコツを意識しながらダイナミックストレッチを行い、スポーツや筋トレの効果を高めましょう。