足の臭いの原因
足の臭いの原因はさまざまですが、人間の皮膚にもともといる雑菌によるものが大部分です。雑菌が皮脂、垢、剥がれ落ちた角質などの人体由来の汚れを分解し、イソ吉草酸といった臭いの原因となる物質を作り出し、それが足の臭いの原因となります。
汗により菌が繁殖する
足の臭いの正体は人の皮膚にもともといる雑菌が作り出したイソ吉草酸などの臭いの原因となる悪臭物質です。細菌は高温多湿の環境を好みます。特に靴下や靴の中は汗により高温多湿になりやすく、雑菌が繁殖しやすい環境です。
靴の中で汗により蒸れた環境は細菌の増加を促し、皮脂や角質、垢などを栄養として雑菌は増殖し、臭いの元となる悪臭物質を作り出します。それが足の臭いの原因です。
汗と一緒に古い角質が流れる
足の裏の部分は他の身体部分に比べたら角質層が他の身体の部分に比べて10~20倍程度厚いです。体の全体重を支えるともに、歩いたり走ったりするために、断続的に圧力や衝撃が加わります。外部からの刺激からの防御反応で皮膚が硬く厚くなってきます。
健康な皮膚は毎日少しずつ新陳代謝され新しく生まれ変わっていきます。古い皮膚は剥がれ落ちますが、それが垢となります。それが足の裏の部分だと角質層が厚いことから、その分古い角質もたくさん剥がれ落ちてでてきます。
剥がれ落ちた古い角質が汗と一緒に流れ落ちることで、靴下や靴底に付着・蓄積していきます。古い角質そのものは臭いは発しませんが、餌となって雑菌の繁殖を促すとともに、雑菌が古い角質を代謝し悪臭物質に変えることによって足の臭いの原因となります。
足の臭いに重曹が効果がある理由
重曹とは重炭酸ナトリウムを略した名称です。その正体は炭酸水素ナトリウムという物質であり、白い粉末で、水に溶ければ弱アルカリ性の溶液になります。塩化ナトリウムの溶液を電気分解して水酸化ナトリウムを生成させ、それに二酸化炭素を反応させてつくられます。
重曹は足の臭いを中和できる
重曹は水に溶かせば弱アルカリ性の溶液となります。重曹が足の臭いに効果的なのは常在菌がつくりだすイソ吉草酸といった悪臭物質は酸性だからです。重曹の弱アルカリ性で中和することで足の臭いを消臭することができます。
重曹の吸水効果で臭いが吸い取られる
重曹は水に溶けにくい反面、水を吸収しやすいという吸水効果をもっています。悪臭物質は水にも溶けますので、重曹は同時に臭いを含んだ水分を吸水してくれます。
雑菌が出すイソ吉草酸などを水とともに吸水するので中和する効果と合わせて、重曹の消臭効果は絶大だといえるでしょう。
重曹足湯のやり方
重曹は市販されており幅広い用途に使われ、簡単に入手可能です。医療用、食用、工業用の3つのグレードに分かれています。医療用、食用、工業用の順番に純度が低くなっています。工業用は掃除や洗濯などの用途に使われ、不純物が多く粒子が粗いのが特徴です。
重曹で一番安いのは工業用ですが、製造に厳格な基準がなく不純物が多いほか、界面活性剤や発泡剤など人間の皮膚にとって負荷のかかる成分が添加されている場合があります。足湯で使用する重曹は、工業用よりもグレードの高い食用のほうが無難です。
食用の重曹は食品衛生法の厳格な基準でつくられ、食品添加物や調味料として使用されます。製造過程において、人が食べてもいいように衛生面や安全面が守られ、不純物があまり配合されていません。足湯に使う重曹として食用のグレードが安全でおすすめです。
重曹足湯のレシピ
重曹足湯のやり方ですが、まずは足をつける重曹の水溶液をつくならないといけません。やり方としては簡単で、洗面器を用意して湯を張って、重曹を大さじ2~3杯程度入れて水に溶かすだけです。
重曹はスキンケア目的で使われていないので人によっては合わない可能性があります。また、肌が弱い方は重曹の容量を少なく調整する必要があります。
重曹足湯の温度と時間
重曹足湯の温度ですが、38~40℃程度のぬるま湯が適温でおすすめです。これ以上に熱すぎる温度は皮膚を乾燥させやすくなり、また重曹のアルカリ性を強めることで、皮膚への悪影響を及ぼしかねないので注意が必要です。
重曹足湯に足をつける時間ですが、15分程度が足の臭いを中和するのにいい時間でしょう。重曹の役割は弱アルカリ性で、イソ吉草酸といった常在菌由来の酸性の臭いを中和することです。
また、重曹そのものが弱アルカリ性なのでタンパク質を加水分解しますので、重曹足湯は足の角質をやわらかくし落としやすくする効果もあります。しかし、殺菌効果はなく肌への刺激もあるので、必要以上に長く足湯を続けることに意味はありません。
重曹足湯の回数、頻度も重要です。健康な皮膚は弱酸性であり重曹足湯のやりすぎでアルカリ性に偏るのもよくはありません。肌荒れしたり、アルカリ性を好む雑菌が増殖することがあります。重曹足湯の頻度としては2日に1回程度で、週に3回を超えないようにすべきでしょう。
重曹足湯の後のケア
重曹足湯を終えた後のケアですが、保湿を兼ねて尿素入りの保湿クリームを足湯後5分以内に塗るといいでしょう。
保湿クリームに尿素が入っていることが重要です。尿素にも重曹と同様に角質を柔らかくする効果があり、足がよりツルツルになり、重曹足湯の効果を高めてくれます。
重曹足湯以外におすすめの足の臭い対策
自分の足の臭いに悩まれている方は多いですが、実は重曹足湯以外にも足の臭い対策がたくさんあります。身近にあるもので対処できるおすすめの方法がたくさんあります。ここではそういった重曹足湯以外の足の臭い対策について取り上げていきます。
マメな頻度で石鹸で足を洗う
マメな頻度で石鹸で足を洗うことも足の臭い対策です。ボディーソープではなく、石鹸で洗うということも重要な点です。
ボディーソープには過剰に保湿成分が含まれていることがあり、洗った後に足が保湿されて靴の中で蒸れて雑菌が繁殖し、足の臭いの原因になります。また、ボディーソープの中には洗浄力が強く、必要な皮脂まで洗い流して肌荒れの原因になるものもあります。
殺菌作用のある石鹸を使うことがおすすめです。石鹸をよく泡立てて、タオルなどは使わずに手で足全体はもちろん、指と指の間など丁寧に洗いましょう。
足を洗うタイミングですが、出かける前と家に帰った後です。マメな頻度で足を洗うことは大切ですが、頻度は1日あたり2回までにしましょう。
除菌シートを使う
除菌シートを使うやり方もあります。足の臭いは雑菌が増殖し、イソ吉草酸などの悪臭物質を出すことが原因です。除菌シートで足を拭いて、雑菌の餌となる古い角質や垢などの汚れとともに雑菌を取り除くというのは手軽で効果的でおすすめな足の臭い対策です。
酢で足湯をする
足湯の材料として酢を使うやり方もあります。重曹と異なり酢には臭いを中和する効果はないですが、酢は酸性であり重曹にはない殺菌効果があります。酢は雑菌を殺して減らすので、結果として酢の足湯でも重曹足湯と同様に足の臭いが減少するという効果が得られます。
酢の分量は洗面器に重曹と同様にぬるま湯を張って、分量は大さじで約3杯ほど入れます。時間は10~20分ほどが望ましいでしょう。行う頻度としては1日1回、もしくは2~3日に1回が望ましいでしょう。
室内ではスリッパをはく
室内でスリッパをはくことも足の臭い対策になります。それは家の中だけではなく、例えば会社のオフィスや飛行機などでも同様です。
外履き用の自身の靴とは別に、オフィスでは室内履きのスリッパを用意したり、飛行機などの乗り物では使い捨てのスリッパを用意して、同じものを一日中履き続けないようにすることが大切です。
靴下に気を配る
足を足湯につけることや靴だけではなく、靴下にも気を配ることが大切です。足の臭いに効果がある靴下が今ではたくさん市販されています。
例えば、5本指靴下というのがありますが、一般的な靴下と違う点は5本指全てが通り、1本ずつの指が布地が覆うところにあります。足の覆う面積が大きくなるために汗の吸収力が格段にアップします。汗の吸収が良いので不快感や雑菌の繁殖による足の臭いが軽減されます。
消臭効果のある靴下も各メーカーが出しています。また、新たに靴下を買うという出費が嫌であれば、自分が今持っている靴下を酢を入れて洗濯すれば弱いながらも殺菌効果を付与することができます。菌の増殖を抑え消臭効果を持たせることが可能です。
足裏に制汗スプレーをかける
雑菌が繁殖する理由に汗によって靴の中が蒸れるからです。雑菌が汗の中の成分や皮脂、角質などを分解する過程で臭いが生じます。
制汗スプレーには雑菌が繁殖する元である汗腺に働きかけ汗を抑制する制汗剤と菌の繁殖を抑える制菌剤が含まれています。足裏に制汗スプレーをかけるやり方は他の足の臭い対策よりも手早く行えて効率的です。
ただし、制汗スプレーを使う頻度には気をつけるべきです。汗をだすというのは体内の熱を放出し体温を調節する役割があります。また、汗は排泄の作用を担っています。制汗スプレーにより汗腺を止めることで、本来汗で出されるべき老廃物を体内に留めることになります。
したがって、制汗スプレーをかけるという足の臭い対策はむやみやたらに多用すべきではなく、どうしても他の足の臭い対策を行う時間や余裕がなく手早く済ませたい時や彼女とのデートや重要な接待などここぞという場合に限り使用すべきでしょう。
重曹足湯は足の臭いを中和するのにおすすめ
常在菌が作り出すイソ吉草酸といった悪臭物質が足の臭いの正体であり、足の臭いを中和して消臭するのに重曹足湯が最適でおすすめということを分かって頂けたのではないでしょうか。
重曹足湯で中和することも大事ですが、雑菌の増殖を防ぎ、足の臭いとは無縁の快適な生活を送るためにも重曹足湯以外の足の臭い対策も併せて取り入れてみてください。