革靴のサイズの選び方を徹底解説!
革靴選びではデザインも重視するでしょうが、特に注意したいのがサイズ選びです。いくらいいデザインの革靴が見つかっても、サイズが合わなければ履けません。そこで、革靴のサイズの選び方を徹底解説します。
足の形別の会いやすい革靴のサイズ
足に合うサイズの革靴と言っても、足の形には個人差があります。したがって、1人1人の足の形をよく確認してサイズを選ぶ必要があります。そこで知っておきたいのが自分の足の形ですが、どのようなタイプか分かっているでしょうか。
足の形は大まかに3つのタイプにわかれる
足の形は大きく分けて3種類あります。ギリシャ型、エジプト型、スクエア型です。初めて聞く種類かもしれませんが、この足の形によって革靴のサイズ選びも変わります。そこで、それぞれの特徴を見ながら、どんな革靴を探せばいいのか考えてみましょう。
ギリシャ型
まずギリシャ型という足の形から解説すると、親指よりも人差し指の方が長くなっているタイプを言います。日本人のうち4分の1くらいは、ギリシャ型の足の形をしていると言われています。
ギリシャ型の人には、やや大きい長めのサイズの革靴が合っています。もし小さい窮屈な革靴を選んでしまうと、人差し指に圧力が掛かり、折れ曲がってしまいます。そうなると、ハンマートゥーという状態になります。
ハンマートゥーとは、指が曲がって靴にあたって痛い状態のことを言います。この状態が続くと、指の関節部分に魚の目やタコができたり、関節が固まったりする場合があります。ひどい場合は、手術の必要性も出てきます。したがって、大きいサイズの革靴を選ぶのが正解です。
ギリシャ型の人の場合は、やや大きい革靴を選ぶのがいいのですが、もう一つチェックポイントが合って、トゥの形にも注意しましょう。人差し指が長めのギリシャ型の人に合うトゥの形があります。
どのようなものかというと、ポインテッドトゥやアーモンドトゥ、セミスクエアトゥなどです。まずポインテッドトゥとは。名称からも分かるでしょうが、先の尖ったタイプを言います。このタイプは足が長くエレガントに見えますが、それだけでなくギリシャ型の人が履きやすいです。
次にアーモンドトゥはポインテッドトゥほどではありませんが、アーモンドのように尖っています。このタイプはそれほど尖りが目立たないので、カジュアルシーンからフォーマルシーンまで応用がしやすいです。ただ、尖っていることは同じなので、ギリシャ型の人に合います。
最後にセミスクエアトゥですが、かなり多く見られるタイプで、先がやや丸みを帯びています。誰にも似合いやすいタイプですが、丸み部分に長い人差し指が収まるので、ギリシャ型の人にもちょうどいいでしょう。
エジプト型
最も日本人に多い足の形がエジプト型です。およそ7割はエジプト型だと言われています。エジプト型とは、足の親指が最も長く、人差し指から小指にかけてなだらかな曲線を描いている形のことを言います。
エジプト型の人の足には、どのようなタイプの革靴もフィットしやすいです。サイズも合わせやすく、間違いが生じにくくなっています。トゥの形でいうと、オブリークトゥやラウンドトゥ、ロングノーズ・ラウンドトゥとの相性がいいです。
オブリークトゥとは斜めのトゥという意味で、ちょうどエジプト型の人の足のような形をしています。そのため履き心地が良く、足や指を痛めにくいです。締め付けも少なく、歩きやすいでしょう。
ラウンドトゥはその名の通り先が丸くなっているもので、かなり出回っているタイプです。丸みと言っても、その角度はいろいろなものがありますが、エジプト型の人にもマッチしそうな革靴を見つけやすいでしょう。
ロングノーズ・ラウンドトゥは丸みを帯びながらもノーズ部分が長くなったタイプです。スタイリッシュな革靴を探しているという人にはおすすめのタイプですが、エジプト型の人も履きやすいです。
スクエア型
日本人の中には少ないタイプになりますが、スクエア型という足の形をした人がいます。スクエア型とは、足の親指から小指までそれほど長さの違いがない形を言います。スクエア型の人は、体の重みが平均的に掛かるので、指への負担が少ないと言われています。
スクエア型の人は、ポインテッドトゥやオブリークトゥの革靴では履きにくいでしょう。外反母趾やハンマートゥにもなりやすくなります。では、どのようなタイプがいいかというと、スクエアトゥやラウンドトゥです。
ともに先端が平らかなだらかになっているので、足指の長さが均一な人にはぴったりです。つま先も痛くならず、気持ち良く革靴を履けるでしょう。
革靴のサイズの選び方
革靴のサイズの選び方のポイントを見てみましょう。革靴を購入したことがある人は必ずサイズチェックはするでしょうが、どのような点に注意しているでしょうか。人によって違うかもしれませんが、重要ポイントを挙げてみましょう。
サイズの選び方①:ソックス・ストッキングを履く
革靴を素足に履くという人はいないでしょう。普通はソックスやストッキングの上から履きます。ということは、革靴のサイズ選びでも、ソックスやストッキングの厚みを加味しておく必要があるということです。
革靴の試着の時にはだしでサイズチェックをすることはあまりないでしょうが、普段履いているソックスやストッキングでないと、ちょうどいいサイズが選びにくくなります。逆に言えば、そのようなソックスやストッキングを履いていれば、自分にぴったりのサイズが購入できます。
もう一つソックスやストッキングを履いて革靴のサイズ選びするのがいいのは、滑りやすさのチェックができることです。ソックスやストッキングを履いていると革靴も滑りやすくなりますが、それを計算に入れて、脱げにくいサイズの選び方をするのがおすすめです。
サイズの選び方②足がむくんでいる時に
人間の足のサイズは、午前中と午後では変わります。むくみという問題があるので、午後の方がややサイズが大きくなっています。そのため、どちらの時間帯で革靴のサイズ選びをするかで結果が異なります。
では、どちらの時間帯を選んで革靴のサイズを見てもらうのがいいかというと、午後の足がむくんでいる時です。そのような選び方をすると、やや大きい革靴を選ぶことになり、後で窮屈さに悩むことがなくなります。
もし午前中に革靴のサイズ選びをすると、小さいものを選んでしまうことになり、後悔する場合も多いです。少しでも小さいサイズの革靴だと、指が痛くなるし、足も疲れるし、いいことはありません。
サイズの選び方③スニーカーより1cm小さいもの
革靴とスニーカーではサイズの選び方が違います。したがって、注意しないと、間違ったサイズの革靴を購入してしまうことにもなりかねません。では、どのような目安で革靴のサイズを決めればいいかですが、スニーカーより1cm小さいものを選ぶのがおすすめです。
その理由はいくつかあります。まずスニーカーのサイズ表記は実際の足の大きさと同じになっていますが、普通はそれよりも1cmほど大きいものを購入するように勧められます。しかし、革靴ではそれでは少し大きいサイズとなります。
それから、スニーカーにはクッション材などが含まれているので、その分やや大きいサイズのものを履いていることが多いです。一方、革靴にはクッション材はありませんから、同じサイズのものを購入してしまうと、やはり大きいという感じになります。
サイズの選び方④かかとのフィット感
革靴を履いている時に、かかととのフィット感はかなり気になるでしょう。かかとにうまく合わないサイズの革靴だと、靴擦れが起きることもあれば、脱げやすくなることもあります。革靴のかかと部分にはヒールカップがありますが、こことの相性は非常に重要です。
ヒールカップのデザインは革靴のメーカーごとに異なっていますが、足が大きい、小さいなどにより選び方も変わってきます。足の大きい人はヒールカップの高いものなら脱げにくいです。また、足が小さい人はカッティングが狭くなっているものが合います。
サイズの選び方⑤つま先のフィット感
かかととのフィット感だけではなく、つま先とのフィット感も革靴のサイズ選びでは重要なポイントです。つま先がうまく合わない革靴では、指が痛くなったり、折れ曲がったり、逆にスカスカになったりして、履き心地が非常に悪くなります。
靴の実際のサイズと足の指の空間の長さのことを捨て寸と言います。革靴を履いて歩く時は、指が止まったままということはなく、常に動いています。そのため捨て寸がどのくらいかで、大きく感覚が変わってきます。
つまり、つま先のサイズに多少余裕がある革靴を購入した方が気分良く履けます。理想的な捨て寸の長さは1~2cmと言われているので、このサイズの革靴を購入するのがおすすめです。
サイズの選び方⑥甲回り・横幅
かかとやつま先とのフィット感に続いて、足の甲周りのサイズや横幅についても注意をしましょう。足の甲周りはEとかEEのような形で表示され、Eの数が多くなるとサイズが大きくなります。意外に甲周りのサイズには気が行かないものですが、履き心地に大きく影響します。
また、革靴の横幅も重要チェックポイントです。横幅が合わない革靴では、非常に不快でしょう。革靴の横幅選びも足の形に関係がありますが、自分の足に合うかどうかを知るためには試着が一番です。ただ、通販で買う場合は、サイズ表記をしっかり確認しましょう。
サイズの選び方⑦くるぶし
くるぶしは革靴のサイズ選びで見逃しやすいポイントです。ほかの部分がフィットすればそれでいいと購入する人も多いですが、購入後になんかしっくりしないという場合があります。革靴とくるぶしの関係が良くない場合です。
革靴のトップラインが高めだと、歩くたびにくるぶしにあたってしまいます。短い間なら我慢もできるでしょうが、長時間となれば痛くなります。したがって、くるぶしにトップラインが当たりすぎない種類を選ぶ方がいいです。
革靴のサイズが大きい時の調整方法とは?
自分の足の大きさにぴったり合う革靴を購入できればいいですが、大きい、小さいなどのものを選んでしまう場合があります。そのような時はどのように調整すればいいでしょうか。まずは大きい場合の調整方法から解説します。
インソールを入れる
最初に紹介する大きい革靴の調整方法はインソールを入れるです。革靴が大きくてぶかぶかの場合、インソールでうまく調整すれば、ぴったり合うようになる場合があります。インソールにはいろいろな種類があり、厚さ、色、調整の仕方などが分かれています。
厚さについていうと、どのくらい革靴が大きいのかで選び方も変わるでしょう。大きすぎるという場合は厚いインソールを、少し大きいという程度なら薄いインソールで大丈夫です。また、革靴はフォーマルシーンで履くことも多いので、色選びも慎重にしましょう。
調整方法に関しては面白いタイプがあります。つま先、土踏まず、かかとで別々の調整ができるようになっているものがあります。アマゾンで売られている「極厚インソール」という商品ですが、使いやすいと評判になっています。
クッションパッドで調整
かかとに取り付けられるクッションパッドがあります。これを使えば、サイズが大きい革靴の調整ができます。革靴のサイズが大きいと、脱げたりずれたりしますが、クッションパッドである程度防止ができるでしょう。
厚い靴下を履く
厚い靴下を持っているのなら、多少はそれで大きい革靴のサイズ調整ができます。厚い靴下というと冬用と思う人もいるでしょうが、意外に夏でも快適です。クッション性もあり、足が疲れにくいです。インソールと合わせれば、さらに調整効果が上がります。
修理屋に依頼する
自分では大きい革靴のサイズ調整がうまくできそうにないという場合は、靴の修理屋に頼んでみるという手があります。インソールやスポンジを上手に使って、調整してくれます。なお、革靴その物に手を加えるわけではありませんから、外観は変わりません。
どうしても調整できない時は
革靴が大きい時のための調整方法をいくつか紹介しましたが、どうしてもうまく行かないという場合もあるでしょう。そのような時は捨てるしかないのかというと、処分方法が何通りかあります。
まず購入したてで傷んでいなければ、返品という手があります。お店が返品を受け付けてくれるのなら、返してしまい、購入代金を返金してもらいましょう。これなら損をすることもなく、新しい革靴を購入できます。
返品ができない場合は、売却という方法もあります。ただ、売却にはいくつか注意点があります。まずお店買取の場合は、売却代金が安くなりがちです。ネットオークションでは自由に値段を付けられますが、いつ売れるか分からないので、イラつくこともあるかもしれません。
革靴のサイズが小さい時の調整方法とは?
革靴が大きい時に対して、小さい時にはどのような調整方法があるでしょうか。大きい時に比べて、小さい時の方が調整方法が難しそうですが、いい方法があるでしょうか。ないことはないので、いくつか紹介しましょう。
ドライヤーを使用する
革靴が小さいと感じる理由はいろいろあります。むくみを計算に入れないで購入した、長い間使わないうちに縮んでしまった、購入時のサイズチェックが甘かったなどの場合です。いずれの場合も何とかしたいでしょう。
小さい革靴のサイズ調整の仕方の一つにドライヤーを使った方法があります。ドライヤーの熱で革靴の革を引き伸ばすのです。革靴の革は熱で伸びやすいという性質を持っています。この性質を利用すれば、小さい革靴を多少調整はできます。
ドライヤーで小さい革靴を調整するやり方は、やや厚みのある靴下、革靴の順で履いていきます。次に大きくしたい部分に少しずつドライヤーの熱を当てます。特に難しい調整方法ではありませんが、終わったあとはシューキーパーで形が崩れないようにしておいてください。
シューズストレッチャーを使う
シューズストレッチャーという小さい靴を引き伸ばすグッズがあります。これを使えば革靴の幅をある程度広げられます。本革や合成皮革の靴には結構効果があります。使い方は簡単で、靴ひもを外し、一定時間中に入れておくだけです。
シューズストレチャーで小さい革靴の幅を大きくできる範囲ですが、0.5cmくらいです。それ以上大きくすると、革靴に無理な力が加わることになり、傷みやすくなります。したがって、小さいとはいえあまり窮屈すぎる革靴には使わない方がいいでしょう。
シューズストレッチャーは靴の修理屋さんでも使うことがあります。1週間くらい時間を掛けて、小さい靴の調整をしてくれます。自分では調整がうまくできない場合もあるでしょうから、依頼するのも悪くありません。なお、料金は1足に付き1000~2000円くらいのところが多いです。
スプレーを使う
革靴の革を柔軟にして引き伸ばすスプレーも販売されています。このスプレーを使っても、小さい革靴の調整ができます。使い方はスプレーを革靴に吹きかけ、その革靴を履き続けます。これで少しは小さい革靴が大きくなります。内側と外側に塗って、もむと効果が上がります。
ただ、注意点として、あまり使いすぎないようにしましょう。シミになることがあります。また、色落ちの恐れがあるので、目立たないところで試してから大事な部分に使うといいでしょう。それから、すべての小さい革靴への効果が保証されているわけではありません。
ポイントストレッチャーで調整
ポイントストレッチャーという便利な道具があります。革靴の小さいポイントに絞って引き伸ばす道具です。革靴全体は大きくできませんが、部分的に窮屈で痛いという場合は役に立ちます。
使い方は、まず革靴が傷まないように布を当てます。そして、ボール状の先端は内側に当て、リング状の先端は外側に当てます。その状態で挟んで、革を伸ばします。注意点としては、最初は弱い力でやること、周囲も引き伸ばすこと、バランスが悪ければ反対側もやることです。
革靴のサイズ選びの注意点
革靴のサイズ選びにはいくつか注意点があります。その注意点を覚えておかないと、いい選び方ができない場合もあります。と言っても難しい注意点ではありませんから、しっかりとチェックして、自分にぴったり合う商品を購入するようにしてください。
実際に使用するソックスで試着
革靴はソックスの上から履きますが、ソックスの厚みは種類によって違います。もし普段履かないソックスで革靴の試着をすると、サイズ選びを間違うこともあります。したがって、日ごろ身に付けるソックスを履いて、革靴のサイズ選びをするように注意してください。
なお、普段履くソックスと言っても、夏と冬で厚みが違う場合があります。革靴はオールシーズン履けるものと季節ごとに履くものの2種類ありますが、オールシーズン用のものはソックスの厚みが違うので、少し選び方が難しいかもしれません。
試着は大きいサイズからが良い
革靴の試着で一つ注意したいことがあります。それは大きい革靴の試着を優先した方がいいことです。靴屋さんではふつう小さい革靴の試着から始めるように勧めますが、意外にうまくフィットするものが見つけにくいです。
小さい革靴の試着から始めると、適当なところでいいだろうという風に満足してしまう場合があります。あまりいつまでも選択に時間を掛けては悪いという気持ちにもなり、早く手を打つ場合もあります。しかし、それではちょうどいいサイズの革靴選びができないケースも生じます。
したがって、革靴のサイズ選びでは、大きいものから試着した方がうまく行く場合が多いです。その方が後でむくんだ場合にも合うサイズが選べるし、革靴が縮んだ時のことも考えておけるでしょう。
革靴は自分の足に適したサイズ選びをしよう!
ここまで、革靴のサイズの選び方や調整方法などについて解説しました。革靴を購入する時は、デザイン選びと同じくらいサイズ選びが大切です。自分の足に適したサイズが選べれば長い間快適に使えますから、慎重に選んでください。