新卒の貯金の平均は?貯金方法も紹介!
一昔前までの新卒といえば、社会人となり給料をもらえば食事や洋服につぎ込んでいました。しかし、最近の新卒は堅実に貯金に回す人が大半です。その背景には不安定な雇用状況が関係しています。好不況の波が激しい現代では、いつ収入状況が悪化するかわかりません。
そのため、社会人1年目の時分から貯金をしておくのが常識となっているといえるでしょう。しかし、同じ新卒でも上手く貯金する者とそうでない者に分かれます。そこで、新卒の貯金の平均や貯金方法について紹介します。
新卒の初任給はどのくらい?
一時期と比較すると新卒の雇用環境は改善されており、就職できないといった事態はありません。しかし、多くの新卒は社会人になった喜びよりも、先行きに不安を覚えているのが実態です。
そのため、多くの新卒は初任給を貰っても無駄遣いすることなく貯金に回しています。しかし、新卒の初任給の平均額はそこまで切羽詰まったものなのでしょうか。そこで、新卒の初任給の平均額がどのくらいなのかまとめてみました。
大学院修士課程修了
新卒の中で最も高学歴となるのが、大学院修士課程修了生です。最近では少子化の影響もあり、1人の子供に使える教育費が多くなっていることから大学院に進む学生も少なくありません。大学院に進めば新卒となる年齢が高くなるだけでなく、高度な知識やスキルをもった人が多くなります。
必然的に初任給は高額になり男性239,000円、女性238,300円、男女平均は238,900円です。ただし、ここから税金や社会保険料などが差し引かれます。その結果、手取りの平均額は238,900円の約8割程度、191,200円前後となるでしょう。
大学卒
新卒の中で最も多いのが大学卒だといえるでしょう。企業側も多くの求人を出しており、職種や取得している資格などによっても初任給の平均額は大きく異なります。便宜上、これらの条件を一まとめにして初任給を算出すると男性212,800円、女性206,900円、男女平均は210,200円です。
ここから、税金や社会保険料を差し引くと、手取りの平均額は210,200円の約8割程度、168,200円前後となるでしょう。したがって、大学院修士課程修了と比較すると2万円以上の差になることがわかります。
高専・短大卒
高専・短大に進む人の多くは、特別なスキルや資格を取得しています。そのため保育士や看護師など専門分野への就職が多いのが現状です。
もちろん、取得している資格の難易度や希少性、職種によって初任給は大きく異なるといえるでしょう。これらを踏まえた高専・短大卒の初任給の平均は男性184,700円、女性183,400円、男女平均は183,900円です。
ここから税金や社会保険料を差し引くと、手取りの平均額は183,900円の約8割程度、147,100円前後となるでしょう。資格や専門的なスキルを有しているといえども、大学卒と比較すると2万円程度の差があるのが特徴です。
高校卒
大学に入学するよりも、「手に職をつけたい」といった理由などから、高校卒で社会人になる人が増えています。企業側もよりよい人材を確保する観点から、高卒を採用して自社で育成するスタイルも増加傾向にあるといえるでしょう。
しかしその数は大学卒などと比較すると遠く及ばないのが実態です。高卒の初任給の平均は男性168,900円、女性164,600円、男女平均は167,400円となります。
ここから、税金や社会保険料を差し引くと、手取りは167,400円の約8割程度、147,100円前後となるでしょう。高専・短大卒の社会人1年目とは1.5万円程度、大学院修士課程修了生とは7万円以上の差があります。
社会人1年目の平均貯金額は?
自らの将来における金銭的な安定を求めて、新卒といえども社会人1年目から貯金に励んでいるのが実情です。バブル崩壊後、日本経済は長期間にわたる不況を経験しました。
その間に起きた就職氷河期では、新卒であっても就職できない状況を生み出します。そのため、社会人1年目から「貯金が必須」といった概念を定着させました。それでは、社会人1年目の平均貯金額はどのくらいなのでしょうか。
10~30万円の人が約25%
社会人1年目の貯金額は、非常に幅が大きいのが特徴です。年間の貯金額でいえば一番多い金額は10~30万円であり、全体の25%程度となっています。その一方で約8%の社会人1年目の新卒が100万円以上の貯金額を生み出しているのが実態です。
この差は実家暮らしと一人暮らしの違いといった生活環境によりものだけでなく、貯金術によるところも大きいと考えられます。いずれにしても、生活環境を踏まえ上手に貯金していかないと、思ったように貯金額は伸びないことは確かだといえるでしょう。
新卒で貯金が難しい理由
雇用環境や将来における不安が大きいといった理由で、社会人1年目から貯金を始める新卒は増加傾向です。しかし一人暮らしによる出費など生活費の負担が大きく、思うように貯金ができない新卒も少なくありません。
社会人1年目でも上手に貯金をするには、それを阻む要因を明確にしておくことが大切です。そこで新卒社会人の貯金が難しい理由を具体的に紹介します。
一人暮らしの場合生活費が大きい
新卒社会人の貯金額を左右する最大の要因は一人暮らしであるか否かです。実家暮らしであれば、基本的に食費や家賃は必要ありません。ところが一人暮らしの場合、家賃や食費、光熱費といった生活費が必要です。
さらに一人暮らしだと、お金の管理は全て自分の責任で行わなくてはなりません。無駄遣いは控えているつもりでも、ついつい出費が嵩むのも一人暮らしの特徴です。
また、奨学金の返済を行っている人はさらに厳しくなるでしょう。もちろん、一人暮らしだからといって貯金ができないわけではありません。何より一人暮らしならではの方法で貯金を行うことが大切です。
ボーナスの支給額が少ない
一人暮らしであるか否かに関わらず、新卒社会人の貯金額が伸びない要因の一つにボーナスの支給額が少ないことがあげられます。新卒社会人1年目でなくとも、多くの社会人はボーナスで大きな金額を貯金額に回しているのが実態です。
とりわけ初任給の少ない新卒から間もない社会人はボーナスに頼らざるを得ないといえるでしょう。ボーナスの支給額の基になるのは初任給ですが、会社の業績によって大きく金額は変わります。
つまり、会社の業績が悪化すれば、ただでさえ少ないボーナスがさらに少なくなり、貯金額を伸ばすことは極めて困難になることは言うまでもありません。
新社会人は買い揃える物も多い
新卒から間もない社会人は買い揃える物が多いことも、貯金を阻む理由の一つです。サラリーマンであれば、スーツやワイシャツも季節に合わせて2~3着は揃えなければなりません。
一人暮らしであれば、テレビや冷蔵庫、エアコンなどの生活家電は必須です。さらにキッチン用品などの生活雑貨など社会人となった時点で買い揃える物は予想以上に多いといえるでしょう。
特に社会人1年目であれば、1年を通じてどういった物に出費が必要なのか要領を得ない部分も多く、思わぬ出費が嵩むことも少なくありません。
新卒で上手に貯金する方法は?
新卒で貯金額を増やすのは、一人暮らしであるか否かなど生活環境の違いによって大きな差が出ます。しかし、一人暮らしであっても方法次第で上手に貯金をすることは十分に可能です。
大切なのは貯金し続けるモチベーションを維持すること、また、上手な方法を理解することだといえるでしょう。言い換えれば、漫然と貯金をしようとしても、思ったように貯金額を増やすことはできません。そこで、新卒で上手に貯金する方法を具体的に紹介します。
貯金をする目的を作る
新卒が上手く貯金する方法の一つに、貯金をする目的を作ることがあげられます。何事を成し遂げるにしても、モチベーションを維持することは非常に大切だといえるでしょう。
貯金であれば目標額を決めるだけでもモチベーションは大きく異なります。新卒であれば「○○万円貯まったら自動車を購入しよう」といった具体的な目的を決めるとよいでしょう。
大切なのは達成感を得る方法を模索することです。目的と達成感を得ることで、節約することも苦でなくなり、貯金することが楽しく思えるようになるでしょう。
給料が入ったら先に貯金分を取る
給料が入ったら先に貯金分を取るのも、上手に貯金するための一つの方法だといえます。兎角、社会人1年目の時分は給料の管理方法がわからないため「お金が余ったら貯金しよう」と思いがちです。
しかし、手元にお金があれば「使ってしまう」のは致し方ないといえるでしょう。言い換えれば、目の前にお金がなければ何とか工夫するものです。毎月の貯金額を決めたら、給料が入るのと同時に貯金してしまいましょう。
収入と支出をしっかり管理
貯金を増やすには収入と支出をしっかり管理することが不可欠です。学生時代であれば、親からのバックアップもあることから、左程収支の管理を意識しなくとも問題はありません。
しかし、社会人ともなれば収入がどの程度なのか把握して、支出額は収入の範囲内であるかを管理することが重要です。収支を管理するアプリを利用するのも一つの方法です。少なくとも、支出が収入の範囲内でなければ貯金を増やすことなどできません。
生活費と貯金の口座を分ける
貯金上手な社会人は1年目から生活費と貯金の口座を分けて管理する方法を取り入れています。生活費と貯金の口座を同じにしてしまうと、正確な貯金額が把握できません。
また、生活費が足りなくなれば、必要以上のお金を支出してしまい、せっかくの貯金を切り崩すことにもなりかねないといったリスクがあります。生活と貯金の口座を分けることで、貯金額を正確に把握できるだけでなく、貯金に対するモチベーションも維持できるといえるでしょう。
無理のない副業をする
これまで副業といえば、「許可しない」企業が大半でした。ところが最近では政府の主導もあり、副業を奨励する企業も増えています。給料の大幅アップが見込めない状況であれば、副業で貯金を増やすのも一つの方法です。
今後、副業をする社会人は増加することが予想されますが、本業を疎かにするのは本末転倒だといえるでしょう。特に社会人1年目であれば、本業を覚えることが何より重要です。したがって副業をするなら無理のない範囲とするのが鉄則だといえます。
新卒で貯金を増やすための習慣
新卒で貯金を増やすには、闇雲に貯金や節約するだけでは限界があります。大切なのは日々の生活の中で貯金を増やすための習慣を見つけることです。
例えば、現金払いをクレジットカード払いにするだけでも、ポイントが貯まるなどのメリットがあり、お金に還元することも可能となるでしょう。そこで、新卒で貯金を増やすためのいくつかの習慣について紹介します。
クレジットカード払いにする
クレジットカード払いといえば、支払いを先延ばしにするだけでありメリットを感じられないと考える人も少なくありません。しかしクレジットカード払いにすることで、1か月の支出状況を明確にすることができます。
さらにポイント制度をはじめ、クレジットカード独自の特典があるのも魅力です。ただし、使いすぎとなる可能性もありますから、常に支出状況を確認し1括払いを徹底することが大切だといえるでしょう。
家計簿アプリを活用
スマホの家計簿アプリを賢く利用することも、貯金を増やすための習慣に適しています。家計簿アプリであれば、単に収支の状況が確認できるだけでなく、どの項目に費用がかかっているのかが明確です。
つまり支出における無駄遣いを洗い出し、改善点を明らかにできることが大きなメリットだといえるでしょう。改善点が明らかになれば、どの項目の費用を削るべきかが明確になり、効率的にコストを抑えることが可能となります。
クレジットカードと銀行は同系列にする
クレジットカードと生活費にかかる銀行は同系列にするのがおすすめです。支出にかかる口座を同系列とすることで、支出構造を明確にすることが可能となります。
支出構造が明確になれば、無駄な費用をカットすることも容易です。また、クレジットカードと銀行は同系列にするだけで、貯金を切り崩すデメリットを回避できます。さらに、ポイントや特典を共有できるのも大きなメリットだといえるでしょう。
新卒から貯金する習慣を身に付けよう!
新卒から貯金することは、将来の生活を安定・充実させるためにも大切なことです。日本企業における雇用環境は、一時期の不況を抜け出したとはいえ安定しているとは言い難いと言えます。とりわけコロナウィルス感染症の拡大は、さまざまな業種に大きなダメージを与えているのが実態です。
そのため多くの新卒が社会人1年目から貯金を始めていますが、貯金額には大きな差があります。その最大の理由は、一人暮らしであるか否かです。学歴によって初任給に差があるものの、一人暮らしだと生活費の負担が大きくなります。
しかし、一人暮らしであっても上手に貯金をすれば金額を増やすことは可能です。大切なのは貯金の目的を明確にすること、給料をもらったら即座に貯金することだといえます。自らの将来のためにもお金の管理を徹底し、貯金をする習慣を身につけましょう。