ビジネスでの手紙の書き方やマナーを紹介!
日本では、手紙の書き方にもマナーがあります。特にビジネスの場面では、手紙の書き方が間違えてしまうと相手に対して失礼に当たる可能性があります。そのため、正しい手紙の書き方を知っておく必要があります。
今回は、そんなビジネスにおける手紙の書き方や文例を紹介していきます。また、ポイントやマナーについても一緒に紹介していきます。
ビジネスにおける手紙の書き方・構成【便箋】
ビジネスで一般的に使われる手紙には「便箋」と「一筆箋」があります。便箋というのは、封筒などに入れて送る手紙になるため、分類は「封書」になります。
そして、一筆箋というのは、基本的には封書を使用せずに渡す手紙になります。このようなタイプの手紙は「はがき」の1つとして分類されます。
まずは、便箋という手紙の書き方や構成をみていきましょう。ビジネスにおいて正しい手紙の書き方や構成を覚えておくことは非常に重要です。これから手紙を書く事が増える方は、ぜひここで覚えておきましょう。
前文
便箋のような手紙の書き方には、4つの構成に分類される事を覚えておきましょう。これは、ビジネスにおいて正しいマナーになるため、この4つの構成で書く事を頭に入れておきましょう。
まずは「前文」です。前文には大きく分けて2つの構成があります。それは「頭語」と「時候の挨拶」です。頭語は、はじめの挨拶になります。時候の挨拶は、その時にあなたの感じた季節の挨拶になります。
季節の挨拶には、1つだけ注意しなくてはいけないポイントがあります。それは、謝罪やお見舞いの手紙を書く際には、季節の挨拶を省く必要があるという事です。これは、相手の気持ちを優先するという意味があるため、必ず覚えておくポイントです。
前文の文例
画像を見ながら前文の文例を見ていきます。この場合は、先ほど説明させていただいた頭語は「拝啓」になります。拝啓は、ビジネスマナーとして基本の頭語の1つになります。さらに丁寧にする場合には「謹啓」という頭語もあります。
次に時候の挨拶は「爽やかな秋晴れの日が続いております」になります。この文例の季節は、秋の時期に書いているというのがすぐにわかるはずです。このようにあなたの感じる季節を頭語の次に書いていきます。
主文
前文の次の構成は「主文」です。主文は、手紙の構成の中であなたが一番伝えたい事をここに書きます。ビジネスにおいては、用件が主文にあたります。この主文の中にも2つの構成があります。
それは「起語」と「用件」になります。起語というのは、ここから用件の始まりになりますという合図にあたる部分です。そして、用件は相手への伝えたい内容になります。
主文の文例
主文のポイントを押さえたところで、文例を交えながら説明をしていきます。まず、起語というのは「さて」になります。起語の前後を見ていただくと文章の内容の違いがわかるはずです。
このように主文の始まりには起語を使用します。「さて」以外には「ところで」や「このたび」がビジネスではよく使われています。そして、用件の構成になります。
ここでは「花見に出掛けませんか」までが要件になります。なぜなら、手紙を使って相手に一番伝えたい内容が「一緒に花見に出掛けたい」だからです。このように簡潔に伝えられるような文章を作りましょう。
末文
3つ目の手紙の構成は「末文」です。末文は相手の健康や成功を祈る言葉を書きます。ビジネスマナーとしては、相手とのビジネスの関係やビジネスの発展や繁栄を末文に入れるようにします。
そして、最後に要件に結ぶような文章を入れて「結語」と呼ばれる締めの言葉を入れて末文が完成します。結語というのは、最初に出てきたとうごとセットになる言葉です。
初めのうちは、慣れるまで少し難しく感じるかもしれませんが、末文にはいくつかのパターンがあり、覚えればそこまで難しくないはずです。文例を参考にしながら覚えていきましょう。
末分の文例
末文の文例を見ていきましょう。まず、この文の要点となる部分は「転勤の知らせ」になります。そこから、ビジネスの相手に対しての今までの感謝が書かれています。
次にビジネスの発展についての文に繋がります。そして、要点を結ぶ言葉としてこれからの関係について文が書かれた後に結語で文を締めます。結語は、頭語とセットの組み合わせになるため、決まった形が存在します。
例えば「拝啓」であれば「敬具」、「謹啓」であれば「謹言」という形になります。このようにうまく文の流れを考えながら末文を作るようにしましょう。
後付け
最後の構成は「後付け」になります。後付けには「日付」と「差出人名」、そして「宛名」の3つの構成になります。まず、日付は手紙を書いた日付になります。
次に手紙の差出人名は、会社の名前と自分の名前を両方書いていきます。最後に手紙の宛名は、相手の会社と役職名、名前を書いていきます。もし、相手の役職や名前がわからない場合には「ご担当者様」というように書きましょう。
ビジネスにおける便箋の手紙のポイント・マナー
ビジネスにおける便箋の手紙の書き方や構成と一緒にビジネスのポイントやマナーを押さえていきましょう。ビジネスには、たくさんのルールや抑えるべきポイントがあります。便箋も例外ではないです。
このルールやポイントができていない場合、ビジネスにおけるマナーができていないと思われてる可能性があります。そうならないようにするためにもしっかりとビジネスにおける便箋の手紙のポイントとマナーを覚えていきましょう。
文字は楷書
ビジネスにおけるマナーとして、文章は「楷書」で書くのがポイントです。楷書というのは、漢字の書体の1つと言われていて、便箋の手紙で使われる楷書は「手書き書体」とも呼ばれています。
この楷書は、昔の筆のように続けて書くような書体ではなくて一文字をはっきりと書く書体になります。現在では、漢字の基本の形になっているためにビジネスでも相手に読みやすくわかりやすい字として好まれています。
相手の名前・会社名の書き方
相手の名前や会社名の書き方にもポイントがあります。まず、相手の名前や会社名というのは、行の上にくるように書くのがビジネスマナーになります。
また、自分の名前や会社名よりも相手の名前と会社名を大きく書くのもビジネスマナーになります。これは、相手に対しての敬意が込められています。そのため、このポイントも必ず便箋の手紙を書く場合には抑えるポイントです。
後付けの書き方
後付けの書き方にもポイントがあります。それは、最後に後付けを描こうとした場合に便箋の手紙が足らなくなった場合に後付だけ2枚目に書くのはいけないという事です。
そのため、便箋の手紙を書く場合には、必ず文の構成というのを意識する必要があります。どれぐらいの文章でまとめる事ができるかわかれば、後付けだけ2枚目に行く事はないはずです。
ビジネスにおける手紙の書き方・構成【一筆箋】
ビジネスで使える手紙には、便箋以外に「一筆箋」というものもあります。一筆箋は、便箋に比べて手軽に使える手紙になります。お土産や贈り物の返事や請求書の添え状として便利です。
書き方や構成さえ覚えてしまえば、一筆箋は様々なビジネスシーンで使用する事ができます。便箋と一緒に一筆箋の書き方や構成もここで一緒に覚えていきましょう。
宛名
一筆箋の手紙は、便箋とは違って一番最初に宛名が文の先頭にきます。そのため、相手の会社名や名前は文の最初に書くという事を覚えておきましょう。
また、便箋のビジネスマナーでも触れましたが、宛名の名前の大きさには気をつけましょう。一筆箋の手紙の場合でも宛名の方が、自分の会社や名前の方が大きくなります。
簡単な挨拶
宛名の次の構成は、簡単な挨拶になります。一筆箋の手紙の場合は、便箋のように時候の挨拶を入れなくてはいけないというポイントはないようです。
そのため、時候の挨拶がなくても相手を気遣う言葉や繁栄を祈るような言葉でも大丈夫です。その時に感じた相手に対する思いを簡単にまとめて書くようにしましょう。
挨拶の文例
画像の文例を見ながら、挨拶の参考にしていきましょう。この文章の場合には、最初の2行までが文の挨拶になっています。
「春を感じさせる季節」という季節の言葉と「いかがお過ごしでしょうか」という相手の体調を気遣う言葉が簡潔に挨拶になっています。
本文
3つ目の構成には、本文が入ります。この本文は、便箋の手紙の時の構成と同じようにここに手紙で一番伝えたい用件が入る場所になります。
しかし、一筆箋のような手紙は短い文章を送る手紙のため、便箋よりも短く要件をまとめるようにしなくてはいけないです。文例を参考にしながら本文の書き方を見ていきましょう。
本文の文例
この画像の文例は、お客様がソファご注文をしていただいたことに対してお礼文という形で一筆箋の手紙を改訂ます。この文例では、2行目から3行目までが本文となります。
用件は、ソファを注文してくれたことに対しての感謝の言葉が要件にあたります。このように相手に伝えたい要件をきれいにまとめるように文を考えましょう。
結び・署名
最後の構成は、結びと署名になります。これは、末文の部分と自分の名前がセットになっていると考えればわかりやすいはずです。
結びには、一言で相手の繁栄や活躍を祈る言葉を添えましょう。そして、次の行で自分の名前を署名していきます。あまり長くならないように注意しましょう。
ビジネスにおける一筆箋のポイント・マナー
一筆箋の手紙においてもポイントやビジネスマナーというのが存在しています。ただ、便箋に比べればそこまで堅苦しい印象がないのが一筆箋のポイントです。
ビジネスで一筆箋がかけるようになるとちょっとしたお礼に対して手紙で相手に感謝を伝える事ができます。そのためにも、しっかりとビジネスマナーを守って一筆箋をかけるようにしましょう。
基本は縦書き
一筆箋は、便箋のような手紙と一緒で基本的には縦書きがビジネスマナーになります。しかし、そんな一筆箋ですが、ある条件の場合のみ横書きでも大丈夫な場合があります。
それは、数字やアルファベットの表記が文章の中で多くなってしまう場合です。そういった時には、縦書きよりも横書きの方が見やすいため、横書きで書くようにしましょう。
最初に相手の名前
一筆箋のような手紙は、便箋と違って必ず最初に相手の名前を書きます。そして、自分の名前が最後にくるように書くのがビジネスマナーになります。
また、もう一つポイントがあります。それは、便箋の時にも触れましたが、相手の名前を自分より大きく書くというポイントです。一筆箋でも使えるので、覚えておきましょう。
用件や気持ちを簡潔に書く
一筆箋は、便箋のような手紙とは違って文章を書くスペースがたくさんあるわけではないため、要件や気持ちを簡潔にする必要があります。
そのため、あまり文章が長くなり過ぎてしまうと一筆箋の良さが消えてしまう可能性があります。ビジネスマナーとしては、簡潔に短く文章にしましょう。
堅苦しい言葉は使わない
一筆箋は、便箋とは違ってそこまで堅苦しい言葉を使う必要はないと言われています。例えば、画像の文章を見てみましょう。
「いつもお世話になりありがとうございます」という簡単な挨拶から入っています。このようにあまり堅苦しくならずにわかりやすく伝えるようにしましょう。
目上の人には封筒に入れたほうが良い印象に
基本的に一筆箋というのは、手紙の中では、はがきのタイプに分けられます。そのため、封筒に入れる必要がないため、そのまま請求書と一緒に添えるように使います。
しかし、目上の人に対して一筆箋を使用する場合は、封筒に入れた方が良いケースもあります。それは、改まって一筆箋を添える場合や便箋が2枚以上になるようなケースです。
手紙の書き方・マナーを覚えてビジネスに役立てよう!
ビジネスにおいて手紙というのは、相手に感謝を伝える重要なコミュニケーションの1つです。そのため、便箋や一筆箋のような手紙の書き方やマナーを覚えておけば、役立つ事が多いはずです。
最近では、手紙でのやりとりが減ってメールなどでのコミュニケーションが増えています。そこをあえて手紙で感謝を伝える事であなたのビジネスに役立ててみましょう。