正しい切手の貼り方を知っていますか?
誰かへ手紙などの郵便物を届けるという時に、封筒に切手を貼ることになっています。一般的には封筒の向かって左上に貼るものだという常識の下で、貼り方がなんとなくだという方も多いのではありませんか?
意外にも切手には、貼り方のマナーが存在します。手紙の受取人が違和感を覚えないような、貼り方のポイントがあるのです。今回は、切手の正しい貼り方として、その位置や複数枚を貼る際の注意点、横書き、縦書きの場合の貼り方などを中心にお送りする特集です。
切手を貼る位置は決められている?
はがきや封書を送る際、郵便料金分の切手を貼りつけるのが基本ですが、切手の貼り方は、どこにでも貼り付けてもいいものではありません。切手を貼る位置や貼り方については、郵便の約款上にて定められています。切手を貼る位置、貼り方が決められているのは、それなりな理由があるからです。
消印の作業を効率よく行うため
別に、はがきや封書の余白部分に貼ってもかまわないだろうと思いがちですが、切手を貼る所定の位置が、なぜ決められているのでしょうか?その理由は、郵便物の消印の作業を効率的に行えるための工夫からです。
郵便局には、常に全国の至る所から郵便物が集中します。一通ずつ消印を押す作業をマンパワーで行うことは、もう難しいわけです。すべて効率的にシステム化されて進行しています。機械が読み取りやすい位置に切手を貼ることで、作業に負担がかかりません。
切手を貼る位置と切手の向き
切手を貼る位置は、どのようなルールの下で定められていると思いますか?まずは、はがきや封書を、普段どのような書式で綴るのかによって変わってきます。
扱われているはがきや封書のフォーマットに則っています。つまり切手の貼る位置と向きは、郵便物の表面のフォーマットが縦書きなのか、横書きかなのかによって変わってきます。
縦書きの場合
もし郵送物が縦書きだという場合の切手の貼り方は、縦長の封筒やはがきの左上部へ貼ることになっています。また縦書きのはがきや封書での切手の位置は、左上部の縦7.0㎝、横3.5㎝の範囲内にて、まっすぐになるよう貼ります。
横書きの場合
郵便を横書きにする機会は、海外からのエアメールや封書のほうが確率が高いといえます。横書き及び横長の封筒などを使う場合の切手の貼り方は、右上部に貼ります。また横書きにした郵便物に切手を貼る範囲としては、表面右上部の縦3.5㎝×横7.0㎝の圏内とされています。
左上に貼るのは間違い
はがきや封書を横書きにする場合には、特に注意しておきたい点は、必ず表面の右上に切手を貼るということです。横書きの封筒も、縦書きと同様に、消印が押される際に縦向きに揃えることになります。
つまり、機械のシステムで読み取る時に、横書きの封筒やはがきには、切手を右上に貼ることで、ちょうど縦長の左上へ位置されることになるからです。言い換えれば、左上に切手を貼るのはNGだと覚えておくとよいでしょう。
複数枚の切手の貼り方
切手を貼る時に、1枚だけで済む場合もあれば、合計金額分を複数枚で貼る場合があります。その際も、通常なら何気なく並べて貼ったりすることが多いかと思われます。実は、切手を複数枚使って封書やはがきに貼る時にも、ある一定の決まりごとがあります。
切手2枚
先述したように、切手の消印は自動化で読み取るため貼る位置の範囲は、縦7cm、横3.5cmの内側ということになります。切手を2枚貼る場合は、縦横どちらに重ねてもこの範囲に収まるちょうどいサイズです。そのため、あまり細かく考えず、2枚揃えて、離さずに近づけて貼れば特に問題はありません。
NGな貼り方
切手2枚の貼り方でNGとされているのは、貼る位置を極端な状態にしてしまうことです。例えば決められた位置に貼られることで消印を自動読み取りするので、真下に貼ったり中心近くに貼ること、あるいは2枚の切手をわざわざ離して貼るといった行為はよくありません。
このような貼り方をしたとしても、返送されず受取人の元には配達されます。しかし機械での消印読み込みができず、局員に押してもらう手間をかけてしまいます。それに見栄えがよくありません。受取人はきっと不思議な気持ちになるはずです。
切手3枚
切手3枚を貼り付けることになった場合も、2枚と同様で左上(横書き封筒の場合は右上)から縦7cm、横3.5cmの範囲内に貼るルールを極力守るようにしましょう。
しかし、切手が3枚になると現実的に縦7cm、横3.5cmの範囲から1cm程度は出てしまいます。結論を言えば、それは問題ありません。重要なのは、それぞれの切手を離さないよう接近させて貼る工夫をするということです。
NGな貼り方
切手3枚のNGな貼り方は、切手2枚のNGな貼り方とも同様です。左上に貼るべきなのに右上や左下、中心あたりに貼るといったことや、それぞれの切手の間隔を離すような貼り方をしないよう心がけましょう。
他にも、3枚の切手を表裏別々の場所に貼り付けることもNGになってしまいます。ただし、前述のように、正しい貼り方を無視しても相手方へ届くことになります。局員が手押し作業をしてくれるからです。
切手4枚
切手4枚での正しい貼り方も、2枚や3枚の時と同様です。左上(横書き封筒の場合は右上)から縦7cm、横3.5cmの範囲内になるべく収める貼り方を意識しておきましょう。
それに切手4枚の貼り方も、規定範囲からはみ出てしまうことに変わりはありませんが、それは想定されていることなので認められています。4枚それぞれの切手を離さないよう近づけて貼る工夫をすることが大切です。
NGな貼り方
切手4枚のNGな貼り方としては、これも2枚や3枚の時と同様で、貼る位置を極端な位置にする場合です。とくに4枚となると封書の四角にちょうど貼れることになるので、そのような貼り方もNGとされています。
やはり4枚を貼るとなれば、縦7cm、横3.5cmの範囲から大きくはみ出てしまいます。それはそれで公認となっていますので問題はありません。また4枚は偶数枚でキリがいいこともあるので、なるべく4枚を縦横に並べて規則正しく貼るといいでしょう。
切手5枚
切手を5枚使う貼り方でも、基本は2枚、3枚、4枚の時と同様です。左上(横書き封筒の場合は右上)から縦7cm、横3.5cmの範囲内になるべく規則正しく貼っていく意識を持っておきましょう。
正しい貼り方で従順に貼っていくと、やはり縦7cm・横3.5cmの範囲からはみ出てしまうのが当然です。それでも1枚ごとの切手を離さないよう接近させる貼り方を守っておくようにしましょう。
NGな貼り方
切手5枚でのNGな貼り方としては、5枚すべてを縦や横へ1列に並べた貼り方です。あるいは各々の切手を四角や裏表ランダムな位置などに貼ってしまうことも避けなくてはなりません。
なるべく縦7cm、横3.5cmの範囲内を意識した貼り方をしつつ、逆に重ねて貼ることがないよう気をつけてください。とにかく見た目にも規則正しく、所定の位置に収まっている貼り方なら、受取人へも良い印象を与えます。
切手6枚以上の場合
切手を6枚や7枚などのように複数枚多めにする貼り方の場合でも、今までと同様に郵便物の左上(横書きの場合は右上)の縦7cm、横3.5cmの範囲内に規則正しい貼り方をするよう心がけてください。
切手が6枚以上ともなると、もちろん範囲を大幅に超えている状態です。それでも縦横に組み合わせるような貼り方をします。できればそれ以前に、切手を6枚以上使う必要性があるかどうか、料金を計算するようにしましょう。
一般的には切手5枚分までが普通です。複数の細かい金額の切手を使った貼り方は、寄せ集めた感じが否めません。受取人次第ですが気にされる方もいないとは限りません。なるべく少ない枚数の切手で済む貼り方をするほうがよいでしょう。
NGな貼り方
切手を6枚以上貼る際のNG的な貼り方として、切手をすべて1列に貼り付けたり、右上や左下など、ランダムな位置に貼るような方法です。縦7cm、横3.5cmの範囲の基準はあくまでも目安であり、必ずこの中に収めるというわけではありません。
ただしこの位置に規則正しく貼ることで。機械での読み取りがしやすくなるなるので効率がよいという理由です。
また複数枚の切手を使い過ぎるのは、あまり見栄えがよくありません。10円切手10枚貼るよりは、100円切手1枚にする貼り方のほうが、封筒やはがきもすっきりします。
切手をキレイに貼るには?
きれいな切手な貼り方をする際におすすめするアイテムは、海綿やスポンジです。専用の文具としても市販されているのでぜひ利用するといいでしょう。
適度に水を吸い込ませた海綿やスポンジに、切手の裏面を適度に乗せるだけです。切手は水分によって粘着力がでるので、乾かないうちに素早くというのが最適な貼り方です。
ピンセットを使って貼る
上手な切手の貼り方でワンポイントになるのが、ピンセットを使うことです。切手へ過度に水を浸けてみたり、あるいは逆に量が少なすぎると、剥がれ易くなってしまいます。
その際に、ピンセットを使って切手の角を押さえながら、海面やスポンジで水量を調整することで、適量な水分できれいに貼れます。
糊をつけるのはNG
意外とやってしまいがちな切手の貼り方のNGとして糊を使用することです。裏面に糊をつけると、切手と封筒(はがき)の間に厚みができて、後から剥がれやすくなるからです。
また、切手を舐める貼り方はやってしまいがちです。相手への配慮の気持ちを込めているのなら、不快な行為はしないことが大切です。
切手を正しい位置に貼ろう!
縦書きであろうと横書きであろうと、切手の貼り方がなんとなくだという方も多かったのではありませんか?実際には、ある一定のルールが存在し、しかもその理由も明確なことがご理解できたはずです。
通常の封書やはがきが縦書きをなのを想定して、消印が自動読み込みされるので、なるべく決められた所定の場所に、順序正しくきれいな貼り方を心がけるようにしましょう。