クロスバイクのブレーキをチェックしよう!
クロスバイクには楽しい乗り方がいろいろあります、街中を走り抜ける、サイクリングロードを疾走するなど、爽快な気分を味わえます。しかし、クロスバイクを乗るうえで重要なのがブレーキの状態です。ブレーキの状態を常にチェックして、長い間快適に乗れるようにしましょう。
そもそもクロスバイクとは
まずは、クロスバイクとはどんな自転車なのかから解説しましょう。レース用に開発された自転車にロードバイクがありますが、クロスバイクはロードバイクよりも日常の乗車用に適した作りになっています。
クロスバイクに乗る姿勢はロードバイクほど前傾姿勢にはならず、タイヤがやや太くいろいろな道路に対応できます。軽さやスピードはロードバイクよりは劣りますが、シティサイクルよりは上です。また、クロスバイクの価格はロードバイクよりも安くなっています。
クロスバイクは日常用に向いた自転車ということもあり、自転車通勤、買い物、軽いエクササイズなどをする時に利用しやすいです。軽めに作られていることもあり、通勤では10~20kmもの距離を走行できます。買い物では、バスケットやキャリアを装着できます。
クロスバイクのブレーキ調整の必要性
クロスバイクを購入当初は、非常にブレーキが利きます。スピードを出しても、切れ味鋭くブレーキが掛かるので、気分が良いほどです。ところが、長い間使っているうちの、クロスバイクのブレーキの利きはだんだん悪くなります。
そこで、ブレーキのチェックが必要になってきますが、それと同時に調整も非常に重要です。調整の仕方がうまく行くと、クロスバイクのブレーキの切れ味が戻り、またよく利くようになります。具体的なクロスバイクのブレーキの調整方法については、後程紹介します。
クロスバイクのブレーキの種類
クロスバイクのブレーキの種類を見てみましょう。クロスバイクのブレーキの種類には、Vブレーキ、カンティレバーブレーキ、ディスクブレーキ、キャリパーブレーキなどがあります。聞きなれないブレーキ名かもしれませんが、それぞれの種類ごとの特徴を確認してみましょう。
Vブレーキ
Vブレーキでは、ブレーキシューがホイールのリムを挟んで、自転車を制動します。ブレーキシューとはブレーキを掛ける部分のことですが、全体の形を見るとV字型と言えなくもないので、Vブレーキと呼ばれています。また、「Victory」の頭文字が由来だとも言われています。
Vブレーキにはいくつか優れたところがあります。まずクロスバイクの制動力が良く、ブレーキが効率的に掛かります。次に軽量です。せっかくスピーディに走るクロスバイクを買っても、ブレーキが重いと使いにくくなりますが、Vブレーキならその心配はありません。
そして、Vブレーキは低コストで、安くて効き目が強いです。メンテナンスもしやすいです。さらに、Vブレーキのフレームとタイヤの間隔が広いため、泥詰まりを防ぎやすく、太いタイヤにも合っています。これらの特徴からVブレーキはよくクロスバイクで採用されています。
カンティレバーブレーキ
Vブレーキが登場するまで、多く使われていたのがカンティレバーブレーキという種類です。メリットとしては、太いタイヤにぴったり、泥詰まりが起きにくいというものですが、そのメリットからシクロクロス競技の選手が良く使っています。
シクロクロスと聞いても分からないかもしれませんが、自転車競技の一種で、一周3~4キロのコースを一定回数、障害物を含めて踏破していきます。シクロクロス用の自転車は太いタイヤになっているので、カンティレバーブレーキがちょうどいいというわけです。
カンティレバーブレーキのデメリットですが、制動性が低い、しばらく使うと制動性が落ちるの、さびに弱い、調整がしにくい、ブレーキシューが摩耗しやすいなどです。これらの理由により、最近はVブレーキの使用率が高くなっています。
ディスクブレーキ
クロスバイクのブレーキの種類にディスクブレーキがありますが、車輪とともに回るローターをブレーキパッドで挟んで押し付けてクロスバイクを制動するタイプです。この仕組みにより、制動力が非常にいいと言われています。
ディスクブレーキは、クロスバイクのローターに作動するので、リムからは離れています。そのため、泥水の影響を受けにくく、天候が悪い日や道路状況が悪い時でもかなりの制動力を維持できます。また、リムの摩耗がないので、ブレーキシューの交換が必要ありません。
優れたブレーキであるディスクブレーキにも欠点があります。まず全体的に重くクロスバイク自体の重量が増えがちな点です。軽快な走行をしたい人には、少し気になる点でしょう。それから、スポークの本数が一定以上必要で、そのために空気抵抗が悪くなります。
キャリパーブレーキ
キャリパーブレーキはリムをパッドで挟んで自転車を制動するタイプのブレーキですが、これはリムブレーキの種類の一つです。Vブレーキと似ていますが、特徴が違います。まずスピードのコントロールがしやすいので、自分の思い通りの速さで自転車に乗れます。
次にコンパクトで軽量で、シティサイクルや軽快車の前輪に採用されています、クロスバイクにもキャリパーブレーキを使っているものがあります。ただ、制動力はそれほど強くないです。
クロスバイクのVブレーキの調整方法
クロスバイクのブレーキの種類のうち、Vブレーキの調整方法を解説しましょう。クロスバイクを乗るうえでブレーキチェックは欠かせませんが、チェックした結果、不具合があれば調整をしなければいけません。したがって、調整方法を覚えておく必要があります。
ブレーキワイヤーを調整
クロスバイクのVブレーキの調整では、まずボルトを緩めて、ブレーキワイヤーを開放します。次に手作業で、ブレーキシューをホイールのリムにくっつけます。その状態のまま、ブレーキワイヤーをボルトで仮留めします。
この時点では、手を離しても、ブレーキシューはリムに固定され続けます。次にブレーキを強く締めたり、外したりを繰り返します。すると、やや緩んでいたワイヤーが伸び、ブレーキシューがリムから離れます。
ブレーキシューとリムの間は左右それぞれ1mm程度が適切だと言われていますから、そうなった時点で、ボルトをしっかり留めます。これでクロスバイクのVブレーキの調整の完了です。
ブレーキワイヤーの微調整はアジャスターで行える
ブレーキシューとリムの間隔を1mmにと言われても、ただワイヤーを動かすだけではうまく行かない場合も多いです。そこで、利用したいのがクロスバイクのブレーキレバーの手元にあるアジャスターです。これを回転させれば、微調整ができます。
ブレーキシューチューナーの調整
クロスバイクのVブレーキのブレーキシューとリムの関係では、距離とともに角度も重要です。正しい角度は平行ではなく、ハの字型です。ただ、手でハの字型に微調整しようと思えばできなくはないのですが、少し難しいかもしれません。
そういう場合は、ブレーキシューチューナーというグッズを使ってみましょう。これをクロスバイクのVブレーキのブレーキシューとリムの間に入れれば、適切な角度になります。
片効きを調整
クロスバイクのVブレーキのブレーキシューとリムの間隔は左右均等でないといけません。どちらかの間隔の方が大きすぎたり、どちらかのほうだけがくっついていたりするようでは、調整の必要があります。
その方法ですが、クロスバイクのVブレーキの横にあるねじで行います。ねじを右回転すると、バネの力が強くなり、ブレーキシューはリムから遠ざかります。逆に左回転すると、バネの力が弱まり、ブレーキシューはリムに近づきます。
ブレーキシューが戻らない状態になったら?
クロスバイクのVブレーキの調整がうまくできれば、ブレーキも使いやすくなって、快適走行ができるようになります。ところが、調整がうまく行かないと、ブレーキシューがリムにくっついたまま戻りにくくなることがあります。
そのような時にどうすればいいかですが、まずグリースを補給したり、注油をしたりしてみましょう。これでブレーキワイヤーやブレーキ部分の稼働がスムーズになることがあります。
そのほかの方法としては、アーム部分のスプリング調整のために、ブレーキ取付位置の3つの穴を入れ替えてみるのもいいです。これでスプリングの状態が変わり、ブレーキシューの位置が正常になる場合があります。
クロスバイクのブレーキ調整がうまくできない時
クロスバイクのブレーキチェックをして、不具合がありそうだから調整しようと思っても、うまくできない場合もあるでしょう。また、調整自体のやり方が難しいと思う人もいるかもしれません。そのような時はどうすればいいでしょうか。
サイクルショップに相談してみる
クロスバイクのブレーキのチェック後の調整ができそうもないと感じたら、サイクルショップの整備士に相談してみましょう。専門の整備士なら、上手に調整してくれます。また、調整のやり方も詳しく教えてくれる場合があります。
そして、整備士が実際にクロスバイクのブレーキ調整をする時になったら、その様子を目で良く確かめておきましょう。自分のやり方と専門家ではどう違うのか、どのような道具を使うのか、コツはどこにあるのかなどが手に取るように分かるでしょう。
クロスバイク自体のお手入れも忘れないように
クロスバイクのブレーキ調整も大事ですが、クロスバイク自体のお手入れも忘れないようにしましょう。快適なクロスバイクの乗り心地を維持するためには、定期的なお手入れが欠かせません。
クロスバイクのお手入れ方法とは、溜まった泥やほこりをきれいに掃除することです。チェーンやギヤの集まっているスプロケット、スポークなどのパーツは汚れやすいので、丁寧に掃除しましょう。
クロスバイクの掃除手順ですが、洗剤で水洗いするといいです。きれいに汚れが落ちます。ただ、濡れた状態のままではいけませんから、洗った後は30分ほど逆さまにして乾かします。その後各パーツに油を差すのですが、ブレーキシューやリムに付けないようにします。
クロスバイクのブレーキシューの取り換え時期
クロスバイクのブレーキ調整をしても、いつかは使えなくなる時が来ます。どのようなブレーキの種類でも状況は似ています。その場合は、ブレーキシュー交換の必要が出てきますが、いつどのように交換すればいいのかチェックしてみましょう。
取り換え時期の目安
まずクロスバイクのブレーキのブレーキシューの交換時期ですが、ゴムの溝がなくなった頃合いがちょうどいいです。半年に1回くらいのタイミングです。ただ、溝がなくなっても台座のゴムは残っています。
そうなると、ブレーキ自体は稼働しますが、制動能力が少しずつ落ちてきます。制動能力が落ちたブレーキだと、天候が悪い日などにうまくクロスバイクを停止できなくなるケースもありますから、早めに交換しましょう。
クロスバイクのブレーキの種類については解説してありますが、その種類の中でもVブレーキやカンティレバーブレーキは比較的交換がしやすいです。チェックしてみて交換が必要だと思ったら、まずは自分でやってみてください。
取り換え費用
クロスバイクのブレーキシュー交換に必要な費用ですが、部品代だけだと100~500円くらいです。これが前輪と後輪となると、その2倍ですから1000~2000円です。なお、グレードの高いブレーキシューの交換ということなら、費用は当然上がります。
それから、自分で交換できない、交換するのが面倒くさいという場合は、サイクルショップでやってくれますが、工費として片方3000円くらい掛かります。ついでにほかの料金も載せておくと、調整は1000円、ワイヤーの交換は1000円、ブレーキそのものの交換は3500円程度です。
ブレーキシューの交換・調整方法
クロスバイクのブレーキシューの交換にあたっては、新しいものを用意しておくのですが、同じメーカーの同じ種類のものにする方が望ましいです。種類の違うブレーキシューでは普通取り付けできません。
いよいよクロスバイクのブレーキシューの交換方法に移りますが、まずブレーキ上部のバナナという部分を取り外します。これでブレーキシューが解放されるのですが、ナットを緩める必要があるタイプもあります。
次に、ワッシャーとブレーキシューを取り外します。新しブレーキシューを見ると、方向が記載されているのが分かるでしょうから、向きを間違わないように取り付けます。取り付ける時は、ワッシャーの順番に注意してはめていきます。
ここで仮留めの状態にして、反対側のブレーキシューも同じように取り付けます。両側の仮留めが済んだら、バナナをもとに戻します。続いて、ブレーキシューが正しく動作するかチェックするために、ブレーキを絞めてみます。シューはリムと平行になっていないといけません。
うまく調整ができたら、本締めをして完了ですが、また偏りがないかなどをチェックします。偏りがあれば、微調整してください。
クロスバイクのブレーキを調整してトラブルを防ごう!
ここまで、クロスバイクのブレーキの種類、調整方法、交換時期などについて解説しました。クロスバイクを快適に使うためには、ブレーキのチェックが欠かせませんが、必要に応じて調整していけば、トラブルを未然に防げます。