株の口座開設・選び方
株式投資初心者の方が株の取引を始めるためには証券会社に申し込みをして口座を開設しておかなければなりません。開設する口座は各証券会社によって特徴があり、それぞれに出来る事と出来ない事があります。また、口座を開設する際には確定申告が必要な一般口座か源泉徴収を行う特定口座か選ぶ必要があります。
証券会社で申し込みをして口座を開設するのは簡単ですが、口座の開設の前に証券会社の特徴や手数料の違いを比較して、自分の投資スタイルに合った証券会社を選ぶようにしましょう。このページでは証券会社や口座の選び方や特徴、おすすめの証券会社をご紹介します。
株の口座開設前には手数料を確認
投資初心者の方がまず口座を開く前に調べておく必要がある項目は株取引の際の取引手数料です。手数料体系は証券会社毎によって違うので、下調べせずに口座開設をして株取引をすると思った以上の手数料がかかる可能性があります。取引手数料の額は株の売買をする金額と、その回数によって変わってきます。
証券会社の選び方で、取引手数料を比較検討する時は、自分がどれくらいの頻度、金額で株取引を行うつもりなのかを想定しながら検討するのがおすすめです。
1日の取引き金額が10万円以下の少額取引であれば手数料が無料になる証券会社もあります。「松井証券」「楽天証券」「SBI証券」の3社が代表的です。それ以上の金額での取引でれば同会社でもプランの変更をすることで取引手数料を低く抑えることが可能です。
証券会社の商品ラインナップで口座開設
証券会社で取り扱っている金融商品は会社によって変わってきます。株式であれば国内株式、海外株式、単元未満株、他にも多数ありますが、証券会社によっては海外株式を取り扱っていない会社や、国内株式でも購入のできない銘柄がある会社もあります。
口座開設する前から既に購入する銘柄が決まっている場合や海外銘柄の株取引を考えている方は、口座開設する証券会社がその銘柄を取り扱っているのか調べておきましょう。
投資情報の量で口座開設をする
専属アナリストによるレポートや投資情報等の取引ツールの充実さで口座開設の証券会社を選ぶのもポイントです。初心者ベテランにかかわらず投資において情報分析は大切な要素です。取引ツールの多い証券会社を選んでおけば投資の勉強もしやすくなるのでそれだけ有利に取引をすることができます。投資家にはこの取引ツールを重要視する方も多いです。
「SBI証券」「楽天証券」は他の証券会社よりも取引ツールが多く、「会社四季報」の情報を無料で閲覧することが出来るので初めて口座開設する初心者にはおすすめです。
証券会社の種類は?
上記にて口座開設する証券会社の選び方のポイントを紹介しましたが、投資初心者の方にはどこの証券会社で口座開設するのか決めるのは簡単なことではありません。まずは証券会社にはどんな種類があり、どう違うのか知っておきましょう。ここでは「総合証券」と「ネット証券」の2つの違いをご説明します。
種類①店舗を活用して口座を開設する総合証券
総合証券とは、店舗に問い合わせて口座開設、直接取引を行う証券会社のことです。顧客1人に担当者がついており電話や窓口にて注文を行います。担当者からアドバイスをもらえる等サポート面が充実しているのがメリットですが、その分手数料が高くなってしまいます。会社によっては口座管理料がかかるものもあります。
株式投資初心者の方は総合証券で口座開設をして担当者の方からアドバイスを受けながら取引を行う、という証券会社の選び方もあります。
種類②ネットを活用して口座開設をするネット証券
コストを抑えるという点ではネット証券を利用するのがおすすめです。ネット証券とは、オンラインで株式取引を行うインターネット専業証券のことです。ネット証券は店舗を持たず、PCやスマートフォンから口座開設をして注文を出すことができるので総合証券よりも手軽に株式売買ができます。
株式投資を行う上で、株の売買にかかる手数料は重要な要素です。1日の内にで何度も取引を行うデイトレードやスイングトレードの場合、取引手数料が多くかかりやすい傾向があります。なのでより手数料が安い証券会社の選び方をすることをおすすめします。
口座の開設は複数でも出来るので、投資初心者の方はネット証券の口座をいくつか開設しておいていつでも取引が始められるようにしておくという選択肢もあります。
総合証券とネット証券の手数料を比較
総合証券である「野村証券」「大和証券」での1回の取引手数料は取引額が20万円までで約2700円となります。一方でネット証券である「SBI証券」「楽天証券」での同条件の取引手数料は54円~113円です。総合証券の手数料の方が高いのは担当者によるコンサルティング料金も含まれているからです。
取引手数料の料金体系は同じ証券会社でも複数のプランがあります。ベテランの投資家程、余計なコストには敏感です。自分の投資スタイルに合わせた、一番安い手数料の証券会社の選び方を心掛けましょう。
株取引の手数料にも種類がある
株式取引の手数料には証券会社による違い以外にも、プランによる手数料の違いがあります。1日の内に取引する回数や金額に合わせたプランが証券会社にはあり、各証券会社毎に金額に違いがあります。このプランは利用者が自由に選択することができるので、しっかりと下調べをして自分に合ったプランの選び方をしましょう。
口座開設をした後でもいつでも口座プランの変更は出来ますので、投資スタイルが変わった時や今後の取引の投資金額が多くなりそうな時はすぐに口座のプランを変更してしまいましょう。
都度プランと1日定額プラン
証券会社の手数料のプランには二種類あります。「都度プラン」と「1日定額プラン」です。都度プランは1回の取引毎に手数料がかかるプランです。1日定額プランは1日に取引をした合計金額に対して手数料がかかるプランです。証券会社によって都度プランの方が安い会社や1日定額プランの方が安い会社があります。
自分に合った口座プランの選び方をするにはまず自分の投資スタイルをどうするのかということと、その投資スタイルならばどこの証券会社のプランが一番手数料が安いのか調べておくことが大切です。
ネット証券の都度プランを比較
都度プランの手数料を各証券会社毎で比較すると、1回の取引の金額が10万円までの場合、「楽天証券」「SBI証券」の56円が一番手数料が安いプランとなっており、次いで「ライブスター証券」の86円が二番目に安いプランとなっています。
1回の取引金額が30万以上50万円までの場合、「ライブスター証券」の194円が一番安く、二番目に安いのが「GMOクリック証券」の260円となっています。
ネット証券の1日定額プランを比較
1日定額プランの手数料を各証券会社で比較すると、合計投資金額10万円までのプランで手数料が安いのが「楽天証券」「SBI証券」「岡三オンライン証券」の0円、つまり無料のプランです。合計金額が40万円以上50万円以下のプランで一番安い証券会社は、「GMOクリック証券」の430円です。
株の取引き種類【上級者】
上記にて株式取引には種類があり、証券会社によって取り扱っているものとそうでないものがあると説明しまました。では株式取引にはどのような種類があるのでしょうか。ここでは証券会社が取り扱っている株式の中で、日本での上場企業株式以外の代表的な株取引の形態をご紹介します。
新規公開株(IPO)投資
「新規公開株(IPO)投資」とは、まだ株式市場にて公開されていない新規上場する予定の会社の株を上場する前に購入して、上場後に売却する投資方法です。新規公開株を上場前に購入するのは誰でも出来るという訳ではなく、抽選によって当選した方のみが上場前に購入することが出来ます。
新規公開株投資は、公募金額(投資家が上場前に購入する株式の金額)よりも上場当日につけた初値が高確率で高くなることから、有効な投資方法としてとても人気があります。最近の身近な新規公開株だと、「ソフトバンク」の上場が世間で話題になりました。
債券投資
「債券」とは、資金を必要とする地方公共団体や会社、国等が発行する証書のことです。投資する人は対象の国や会社にお金を貸して、その国や会社が貸し手に対して債券を発行します。一定の期間が経つと貸した金額に利子を付けて貸し手に返されます。その利子によって利益を出す投資方法が「債券投資」です。
債券投資は他の金融商品よりも安全性が高いのが魅力です。一定の期間保有し続けていれば安定的に収益を得られますが、リスクも当然存在します。対象の企業や国が倒産や財政難になった場合、額面通りの金額や利子の支払いが行われなくなります。
これを「債務不履行リスク」と言います。他には外貨建て債券で起こる、為替レートの変動による損失「為替変動リスク」等もあります。
外国株投資
名前の通り日本以外の国の企業の株式の取引によって利益を出す投資方法です。外国株では1株から購入できる株式が多く存在するので少額で始められるのが魅力です。海外株は日本株よりも成長力が高い企業が多く、高い経済成長と遂げている国の株式であれば利益を出しやすくなります。
しかし外国株は日本株よりも企業情報の入手が難しく、また為替変動リスクも伴うため、日本株式投資よりも不確実要素が多くなってしまうことには注意が必要です。また、開設した口座の証券会社が外国株を取り扱っていないということもあります。
株初心者におすすめのネット証券
投資初心者の方がこれから証券口座を開設して株式取引を始めるのであればネット証券での口座開設をおすすめします。パソコンやスマートフォンで気軽に取引ができ、取引のコストも安く抑えられる等たくさんのメリットがあります。ここではネット証券の中でもおすすめの証券会社をいくつかご紹介します。
日本最大級の顧客満足度:SBI証券
「SBI証券」は日本国内の証券会社の中でも最大手の会社です。SBI証券の最大の特徴は、新規公開株や外国株の取り扱い数が国内で一番多いことです。取引ツールも充実しており、デイトレードやスイングトレード等、リアルタイムの売買が重要となる取引にスピーディーに対応出来ます。
また国内の証券会社の中で唯一、夜間でも株式の売買が出来るようになっています。一部の時間帯を除いて、朝の8:20~夜の23:59まで取引を行うことが出来るので、より幅広く取引を行えます。
日経テレコン21が無料で見れる:楽天証券
「楽天証券」は手数料の安さと取引ツールが高性能なことで人気の証券会社です。最大の特徴は高機能トレードツール「マーケットスピード」を使えることです。四季報や日系テレコン21等、通常であれば月額基本料金がかかる情報サイトの情報をマーケットスピード内で無料で閲覧することが出来ます。
プロのようにパソコンディスプレイを何台も置いてするような取引も、マーケットスピードがれば全て賄うことが出来ます。画面の配置や表示するチャートの種類も自分で好きにカスタマイズでき、自分の投資スタイルに合ったツールを作れるのでおすすめです。
少額取引に特化:松井証券
「松井証券」は日本で最初のネット証券です。最大の特徴は証券会社の中でも無料サービスの種類が一番多いことです。10万円までとの取引手数料が無料なのは他の証券会社にもありますが、松井証券は信用取引で新規建を行った当日中に反対売買を済ませた場合でも手数料が無料となります。
通常信用取引は現物取引よりも手数料が高く設定されている証券会社がほとんどなので信用取引の手数料が無料になるのはコストを抑える点でとても有利となります。初心者の方で少額投資を考えている方はコストの抑えやすい松井証券がおすすめです。
NISA口座を活用しよう
「NISA口座」とは、2014年1月にスタートした少額投資非課税制度です。20歳以上の方であれば誰でも利用することができます。
株式取引には証券会社の手数料とは別に、出た利益分に対して20%の税金がかかります。しかしNISA口座を使えば株式取引にかかる税金が無料となります。しかし無制限に非課税になる訳ではなく、毎年120万円までで、最長5年間の600万円までとなっています。
購入した株式と投資信託が対象となっており、出た利益分が非課税枠となります。NISA口座の開設は1人1口座となっているので複数の証券口座を持っていても利用できるのは1口座分のみとなります。投資初心者で少額の投資から始めたいという方はNISA口座を開設して投資を始めるという選び方がおすすめです。
取引にかかる税金が非課税になる
NISA口座で非課税に出来るのは、株式や投資信託等の投資による分配金と配当金です。NISA口座内で出た利益分が非課税になるので他の口座で出た分と損益通算することは出来ません。例えば株式を50万円で購入して、その後値上がりして売却した時の金額が70万円であったの場合、出た利益20万円分が非課税枠となります。
つみたてNISAとジュニアNISA
NISA口座には通常のNISA口座の他に「つみたてNISA」と「ジュニアNISA」があります。つみたてNISAはより少額での長期の保有、積み立て、分散投資を対象とした非課税制度です。年間40万円までで最大20年間継続出来ます。非課税に出来るのは長期を目的とした一定の投資信託のみとなっており、株式での利益は対象外です。
ジュニアNISAは未成年者を対象とした少額非課税制度です。年間80万円までが非課税となり、最大5年間継続出来ます。3月31日時点で18歳である年の前年12月31日までの払い出しは、災害等やむを得ない場合を除いて原則することが出来ないので注意が必要です。
こつこつと投資をしたい方はつみたてNISA、子供の将来のための資金を貯めておきたい方はジュニアNISAの口座を開設することをおすすめします。
ポイントを抑えて株の取引口座を開設しよう
以上が口座開設して株式取引のを始める時の証券会社の選び方です。初心者の方でどこの証券口座を開設するのか迷っているのであれば一度証券会社に資料請求してから口座開設するのもおすすめです。どの証券会社も口座開設費や維持費はかからないので複数の口座を開設して使い分けるという方法もあります。
株式投資はお金を増やすことが出来ますが、逆にお金が減ってしまうこともあります。自分の投資スタイルと証券会社毎の特徴を把握して、間違いのない口座の開設をしましょう。