内定式の自己紹介準備はできた?
最近では多くの企業で、「内定式」を行っています。内定式の方法は企業によってさまざまですが、数時間で終わる場合や1日掛けて実施する場合もあります。内定式とは、内定者に対する企業からの労いやフォロー、インフォメーションが中心の内容です。
これから入社してくる予定の新卒者へ、なぜ、わざわざ内定式を行うのかを、あらかじめ認識して準備することは無駄ではありません。今回は、内定式で行われる自己紹介について、その方法や注意点、例文なども踏まえてお送りする特集です
内定式の目的
内定式はなぜわざわざ行われるのでしょうか?内定式を行う理由は、大まかに言うと「内定者の囲いこみ」で、社会人として気持ちの切り替えをさせる目的があります。
それなら、もう少し後に行われる入社式でもいいのではないかという疑問も浮かぶはずです。実は、内定式を行うことで、企業側も安心を得たいのだと言えます。では、入社より以前に行う内定式について、まずはその詳しい内容をご紹介します。
入社への意識を向上させる
内定式を行うことで、その企業への入社意識を高揚させることが第一の目的です。通常、内定者へ内定通知書を送るのが習わしになっています。その後入社手続きを完了させるまでは、ある程度の期間があるはずです。
その間で、何らかの理由で入社辞退を申し出る内定者も否めません。できれば貴重な戦力が辞退しないよう、できる限りの策として内定式が行われています。
企業とっては、せっかく資金と時間を費やして獲得した新しい戦力です。入社する前から手放したくないと思うのは当然です。内定式にて「内定通知書」を手渡し、入社承諾書の提出を促し、意識を高めてもらうことが目的です。
内定者同士の挨拶・顔合わせ
内定式を実施する目的には、内定者同士が顔合わせできるというのも理由です。面接や採用試験時などで、数人同士が顔見知りになったというケースもありますが、ほとんどは面識がない同士です。
内定式を一度行うことで、なるべく親近感を持ってもらおうという配慮です。内定式は内定者同士の交流の場にもなり、入社後でも悩みを相談し合える関係ができるというメリットがあります。
内定式には、少しでもこれから入社する新卒者が安心して来れるための、気遣いという意味も含まれています。
自己紹介が重要
内定式の流れについては、各企業によって異なりますが、概ねでは、「社長や経営陣による挨拶」「内定通知書の授与」が行われ、各種連絡事項を経た上で、最後には内定者同士や先輩社員との「交流会・懇親会」の時間が設けられています。
内定式でのメインイベントは、懇親会での「自己紹介」です。自己紹介については、既に採用面接時でも行われていますが、ここでは、あくまでも内定者として改めて自己紹介をします。
初対面する人物たちへ、最初にどのような自己紹介でインパクトを与えるかによって、入社後の環境にも影響が出る場合があります。
やはり、できるだけ好印象を植え付ける意味で、内定式での自己紹介や挨拶については、あらかじめ精査して準備することをおすすめします。
内定式の自己紹介のコツ
内定式の懇親会にて、内定者による自己紹介の時間が設けられるのがほとんどです。自己紹介の方式や配分などは、会社の規模によって違いがあるでしょうけど、複数の人物の前で自己紹介をする際、具体的にどのようなことを話せばよいのでしょうか?
内定式での自己紹介や挨拶にて、できるだけ多くの人々へ好印象を与えるためのコツや注意点などについて、以下でご紹介します。
触れるべき内容
内定式の自己紹介では、いくつか定番とも言えるテーマがあります。もし、どのような自己紹介を内定式ですれば良いのかよく分からないという方は、自己紹介の基本として、自分について、学生時代について、企業についての3つに絞っておくと無難です。
なぜなら、誰しも初対面の人には、基本情報を認識しておきたいからです。自己紹介の出だしは名前、学校や学部名を忘れずに内容へ盛り込みましょう。その上で、話やすいテーマで1つか2つをピックアップして自己紹介をすると、それ相応に好印象を与えます。
好印象になるコツ
内定式での自己紹介や挨拶をする際に、どのようなことをポイントにしておけば好印象を与えることができるのでしょうか?
内定式では、原則として自己紹介や挨拶をするものだと想定し、好印象を与えるコツを押さえた自己紹介文を準備をしておくとよいでしょう。では、内定式での自己紹介のコツについて、いくつかポイントをご紹介します。
仕事を意識した内容にする
内定式の自己紹介にて最初に心得ておくべきことは、まだ実践的な業務は行っていないながらも、内定式そのものも仕事の場だという意識です。
内定式なので、もう査定や評価をする場ではありません。あまり自己紹介の内容を深く考え込む必要はありません。しかし、ある一定のモラルやマナーを心がけた自己紹介をしなくてはなりません。
例えば、先輩社員に向かってタメ口を使ったり、フランクな話し方の自己紹介はNGだと思って注意しておくべきです。
明るい表情を絶やさない
内定式での自己紹介や挨拶は、先輩や同僚となる内定者との、今後の関係性を深める意味合いがあります。そのため、自己紹介での明るい表情、はきはきと話す口調などは、きっと第一印象として相手の心に残るはずです。
内定式の自己紹介では、その場全体に声を届かせるつもりで、明るく話すようにしましょう。下向きで小声のまま話すと暗いイメージを与えやすくなります。もし人前で話すのが苦手という人は、自己紹介をする前に、落ち着いて深呼吸をしてみましょう。
要点を端的に伝える
内定式の自己紹介での内容は、端的に伝えるように心がけましょう。おそらく、どこの懇親会でも、限られた時間配分があります。
自己紹介をする際の長さは、その制限によって決められるはずです。頻繁なのが、1分間スピーチとして自己紹介するパターンです。そのため、与えられた時間をフルに使って効率よく話せるよう、事前にトレーニングしておくことをおすすめします。
注意点
内定式での自己紹介では、どのようなことを注意したらよいのでしょうか?内定式の自己紹介での注意点は、先述したように、学生時代のノリだけでは許されない部分もあることを、肝に銘じて臨む心がけを持つことです。
具体的な注意点は、モラルやマナーに関することです。内定式には、先輩社員や上司になる人物、もしかすると幹部や社長も同席します。自己紹介での言葉の選び方、使い方があまりフランク過ぎると、好印象を与えられず台無しになります。
内定式での態度や自己紹介の内容で、入社取り消しということはめったにあり得ません。ただし、その後配属されてから、周囲との関わり方にも影響が出てきますので、最低限の分別を付けた言動を心がけましょう。
内定式の自己紹介の例文
ここまでで、内定式での自己紹介が、いかに重要なポイントになるのかがご理解できたかと思います。とにかく最初が肝心という意味で、内定式での自己紹介にて、好印象を与えられるか否かで、入社後の自分の立ち位置や仕事への取り組み方にも関わってきます。
第一印象だけが必ずしもすべてではありません。しかしこれから共に働こうとする先輩や同僚へ、わざわざ悪印象を与えることなど、誰だってしたくないはずです。
では、内定式の自己紹介で好印象を持たれるための方法、自己紹介のテーマやポイントについて、例文に沿ってさらに理解を深めていきましょう。
趣味をアピールする例文
内定式での自己紹介では、誰もが受け入れやすいトピックにしておくと親近感がわきます。そこでおすすめなのが、自分の趣味についての話題です。例文としては以下のようになります。
「はじめまして。私は●●(名前)と申します。A大学B学部出身です。学生時代にはサッカー部に在籍をしていました。こちらは社内にサッカー愛好会があるとお聞きしています。ぜひ参加させていただければ幸いです。
また、趣味は、アナログレコード集めです。珍しい趣味だとよく人から言われます。世の中の珍しいものを見たり聞いたりすることに興味があるため、それが趣味になりました。仕事でも、その好奇心を生かせるように取り組みたいと思っています。」
真面目にまとめる例文
内定式の自己紹介にて、どうしてもばっちりと決めていたいというのであれば、ストレートに真面目な内容でまとめてしまうのも方法です。とくに上司などへ誠実さをアピールできます。例文としては、以下のような感じです。
「はじめまして。●●大学●●学部●●学科の●●(名前)です。現在の大学にて英米文学を専攻しています。そのため卒論のテーマとして、1960年代のアメリカの人種についての小説や著書について、その調査と研究をしました。
特にアメリカのカウンターカルチャーに興味があり、60年代に何がアメリカの若者を熱狂させたのかを詳しく知りたいと考え、当時の映画などをDVDで鑑賞するのが大好きです。
この会社への入社を決めた理由も、米国への進展も積極的だと、営業部門の□□さんからお話を受け、私もいつか海外でも活躍できる人材になりたいと思ったからです。よろしくお願いいたします。」
バイト経験を話す例文
新人らしさを自己紹介でアピールしたいのであれば、アルバイト経験を踏まえ、今後の抱負へとつなげるような内容がおすすめです。
「始めまして。私は○○(名前)です。○○大学○○学部を今春卒業予定です。出身地は沖縄県で18年間住んでいました。初めてお金を得たのは高校生の時で、地元沖縄の食堂で2年間アルバイトをした経験があります。
配ぜんや皿洗いから始まって、最終的には、調理補助やレジ会計を任されるようになりました。その時のサービス業としての経験が今の自分にも生かされています。そのためこの会社への入社を決意しました。皆様の期待に応えられるように努めたいと思っています。」
内定式の自己紹介で親睦を深めよう
内定式は、企業が内定者との関わりを最終確認したいという狙いがあります。内定式に参加するということは、ほぼ、その会社へ入社を決めたという意思表示でもあります。最初が肝心とは言いますので、自己紹介でも周りと差をつけたいと張り切りがちです。
ただし、内定式の自己紹介には査定や評価がありません。自己紹介タイムで、あまり奇をてらった発言をするよりも、ベーシックでも好印象な自己紹介をするほうがよいでしょう。
内定式での自己紹介は、明るくて誠実そうな人物だと伝われば成功です。ネット上にも、内定式の自己紹介例文がありますので、ぜひ参考にしてみてください。