換気扇の取り付け方法を徹底解説!
家の中の汚れた空気を、外の新鮮な空気と入れ替え室内環境を整える方法として、換気は必要な設備です。空気は人の呼吸や、生活行為、内装材や家具類などから発生する、さまざまな汚染物質で空気が汚されます。
調理をするキッチン、臭いの気になるトイレ、湿気が気になる浴室は、窓を通風を考慮した設計には限りがあるので、機械による方法で換気をします。
その換気扇は、長期の使用で異音が発生したり、故障により取替えをするときがきます。また通風の悪い部屋へは新規に換気扇を取り付けたいこともあります。
そこで換気扇の取り付け方法を徹底解説していきます。ただし換気扇の取り付けには、DIYで行える範囲は限られています。換気扇の取り付け工事では電気工事士の有資格者でなければ行えない、電気配線やコンセントの増設、つなぎ込み、アースの施工などの電気設備に関する工事内容です。
また新規の取付工事の場合には、外壁から室内の換気扇までの排気用パイプやダクトを取り付ける際の穴開けは、専用の何万円もする道具を使用しないと上手に穴を開けることができません。代用の道具で行う方法もありますが難易度の高い作業になります。
したがってDIYで可能な換気扇取り付け工事内容と道具を装備し、電気工事の資格を持っている専門業者でなければ行えない作業内容は区別して換気扇の取り付け方法を考えてください。
換気扇を自分でDIYして取り付ける際の必要な道具
既存の換気扇を交換する工事でコンセントが設置されている場合は、DIYでも換気扇を取り付けることができます。また新規で取り付けたい場合も、コンセントの増設を専門業者に依頼しコンセントタイプの換気扇が用意できればDIYでも取り付けができます。
ご自分で電気工事士の資格を持っていらっしゃる方は、配線から直結の換気扇でも取り付ける事ができます。まず、換気扇取り付け工事には、どんな道具が必要になるかを見てみましょう。
①換気扇本体
まず換気扇本体を用意しましょう。プロペラタイプの換気扇交換の場合は、既存換気扇の排気パイプの径が同じで、室内側のカバーが同サイズ以上であると問題なく交換することができます。室内カバーが既存換気扇よりも小さいと、壁紙の変色部分がみえてしまいます。
ですから事前に、室内カバーのサイズを計測しておくとよいでしょう。また排気パイプの径は既存換気扇と同様のタイプに交換する場合は、同じ径のタイプが揃っています。
そして電源部がコンセントに差し込むタイプであれば、DIYで交換ができます。しかしキッチンの換気扇でプロペラタイプをシロッコファンタイプに交換する場合や、既存品とはタイプが違う、そして形状や大きさが違うタイプとなると、壁や壁内の下地工事が必要となる場合があります。
②屋外フード
換気扇は室内側と屋外をパイプを通してつなぎます。そして屋外側の外壁は、屋外フードを取り付けて雨水の侵入を防がぎます。既存換気扇と同じ場所で取り付ける場合では屋外フードは設置されています。新規で換気扇を取り付ける場合には、排気パイプの径に見合った屋外フードを用意します。
③パイプダクト
プロペラタイプの換気扇交換で、換気扇が屋外に面した場所の場合は、パイプダクトは室内壁と屋外壁を貫通して設置されています。しかし天井付けの換気扇取り付けの場合は、ジャバラ状のパイプダクトで換気扇を外壁の排気口までをつないでいます。
既存換気扇を取り外してみると、どんな長さでつないでいるかがわかります。ですから点検口や取り外した換気扇の穴から換気扇の排気口と屋外への排気口をつなぐ必要があります。
またキッチンのシロッコファンタイプも、換気扇の排気口からパイプダクトで外壁側につなぐ必要があります。そして換気扇の排気口をダクトとつなぐときには、換気扇に梱包されている隙間塞ぎテープを貼って、ダクトをつなぎアルミ製のテープで固定します。
④ノコギリ
ここからは必要な道具をご紹介します。ノコギリは木下地を取り付けるための木材用ノコギリと、パイプをカットするパイプソーを使います。また換気扇設置部の開口を開けるときに使います。これらの工事がなければ必要にはならない道具です。
⑤電動ドリル
電動ドライバーは、ビスを外したり取り付けたりするときに、あると便利な道具です。DIYをされる方では、穴あけやビス打ちなどが楽にできるので是非持っておきたい道具ですが、既存換気扇を同タイプに交換するだけであればドライバーでも用はたります。
⑥ドライバー
換気扇はビス止めされているので、既存品を外す道具としてドライバーが必要になります。換気扇本体を壁にビス止めしてカバーを取り付けます。浴室の暖房乾燥換気扇はカバーもビス止めとなっていることもあります。
⑦マスキングテープ
屋外の外壁に取り付ける屋外フードには、接着と取り付けた後の隙間を埋めるコーキング剤を打ちます。その時に外壁部や屋外フードに、コーキング剤がはみ出るのを防ぐために使用する道具がマスキングテープです。マスキングテープで養生をしておくとキレイに仕上がります。
また新規で換気扇を取り付ける際にの位置決めの道具としてもマスキングテープを使います。取り付けたい位置の印付けに使います。
⑧コーキング剤
コーキング剤は、外壁の屋外フードの取り付けと、雨水侵入を防ぐ隙間を防ぐ道具です。そしてコーキングを打つ場合は、コーキング用のガンという道具が必要となります。このガンにコーキングをセットしてコーキング剤を打ちます。
またコーキング剤は接着の道具としても使えます。隙間を埋めるときには、マスキングテープで養生をしヘラやビニール手袋をはめた指で、隙間を埋めるように打ってください。
そしてコーキング剤はベタベタして拭き取れず洗ってもなかなか落ちません。そして洋服などについたときは落とすことができないので気をつけましょう。それでもついてしまった場合は洋服以外であれば、アルコール配合のウエットシートで大まかに落とすことはできます。
⑨はしご
換気扇の取り付けは高所での作業になるので、その場所まで届く高さの道具が必要になります。その道具として脚立が一番安全に行えます。脚立の高さは屋外での作業の方が高所となるので、その高さに見合う物を用意します。
換気扇の取り付けを業者に依頼する際の工事費用
換気扇の取り付けは、一般的には専門業者へ依頼をします。気になる工事費用ですが、取り付ける位置や換気扇本体の機能により工事費用は変動します。位置とは、外壁に面した壁側への取り付けの場合が工事費用は安くなります。
しかし外壁に面していない部屋や、壁に設置場所がない場合は天井に取り付け排気ダクトで外壁に穴を開け屋外フードを取り付けた場所までつなぎます。また外に面した壁でも筋交いがあるなど高さや、取付場所に制約がある場合もあります。
壁内の状態は、建築確認取得時の設計図面や下地センサーなどで確認することができます。そして換気扇の交換と新規に取り付ける場合とでは工事費用に違いがあります。ではそれぞれの部屋での工事費用の目安をご紹介します。
トイレ
トイレの換気扇取り付け費用は、壁に取り付ける場合で5,000円~です。そして天井に取り付ける場合では、天井裏で排気用パイプと換気扇をダクトでつなぐ工事となるため、工事費用は8,000円~が目安となります。
また換気扇取り付け工事で、以前とは大きさやタイプの違うものに交換する場合は、壁や天井の開口を広げるなどの工事が必要になると、その工事費用分が追加されます。
キッチン
キッチンの換気扇を取り付ける工事費用は、プロペラタイプでは5,000円~。シロッコファンタイプで10,000円~が目安です。プロペラタイプは換気扇本体の交換だけですが、シロッコファンでは、ダクトのつなぎこむやフードの組付け等の作業があるため、工事費用は高くなります。
浴室
浴室の換気扇取り付け工事費用は、換気扇だけのタイプであれば8,000円~。暖房乾燥換気扇であればダクトのつなぎ込みや、配線のつなぎ込むとサイズの大きさで、1,2000円~が工事費用の目安となります。また暖房乾燥換気扇では、既存品の処分費用が加算されることもあります。
トイレの換気扇のDIY取り付け方法
換気扇取り付け工事の中で、DIYでもチャレンジしやすいのがトイレの換気扇です。トイレの換気扇では壁取り付けと、天井取り付けのタイプがありますが壁取り付けの方がより簡単です。ここではトイレの換気扇を新規に取り付ける作業を手順を追って、ご紹介します。
トイレの換気扇の取り付け手順
本来換気扇の取り付け工事は、壁内や天井裏の木下地の工事を済ませ、排気用パイプを柱や間柱に固定してパイプを避けて断熱材を入れ屋外側の排気口と透湿シートに防水キャップや防水テープを施し、外壁を貼る作業で換気扇の固定や、雨水の侵入を防ぐ工事をするのが基本です。
ですから新築時に壁内の準備を済ませておくのが、換気扇を固定する。雨水の侵入を防ぐことになります。しかし室内外の壁を塞いでしまった場合でも穴を貫通させて配管をし、換気扇の下地を作り、電気配線を行い換気扇を取り付けることはできます。この作業を手順ごとに追って見てみましょう。
手順①
まず換気扇が取り付けられる位置を確認します。換気扇の種類の中では人感センサー付きタイプもあります。こちらは換気扇に付いているセンサーに、物体を感じると換気扇が自動で回り、物体を感知しなくなると一定時間で自動に停止する機能です。
換気扇のON・OFFが不要で消し忘れがなくなることから、とても便利な機能ですが、壁の高すぎる位置では人がいることが感知できないので作動しませんので設置位置には注意してください。位置が決まったらマスキングテープで中心に印を付けておきましょう。
手順②
換気扇の本体には施工説明書が付いています。そちらを確かめて排気用パイプを通す穴を開けていきます。一般的なトイレでは100φのパイプを通すため+15㎜の穴を開けることが多いようです。室内側は電動ドリルを使い中心に穴を開けたら、廻し引きと呼ばれる刃の細いノコギリで穴を広げていきます。
外壁は室内から中心に穴を開け印を付けます。そして外壁側に回り外壁に穴を開けていきます。室内側が石膏ボードの場合は、比較的切りやすい作業ですが外壁材は固く厚みがある場合や、モルタルではヒビが他の部分に入ってしまったり、トタン張りでは板金はさみでなければ切ることができません。
工事業者はホルソーという排気パイプの大きさの電気ドリルで室内外共一気にきれいに穴を開けてくれます。この電気工具と刃があればきれいに簡単に穴を開けることができますが、何万円もする工具ですから負担が大変です。
また電気ドリルよりは安価なジグソーでの穴あけもできますが、外壁材に対応する刃を用意してください。この穴あけも屋外フードのツバ部分で隠れる範囲では多少傷がついても隠れますが、大きくはみ出した傷つけは壁の補修が必要となるので気を付けましょう。
手順③
排気用パイプと換気扇はビス止めで固定しなければなりません。排気パイプは柱や間柱のすぐ脇であれば、そこへ固定できます。室内側の換気扇の固定下地は柱か間柱からビスを固定する位置へ木材をビス止めしていきます。
これはパイプを通す為の穴から壁の中で行う作業で、大変な作業です。この作業が無理な場合は、室内側の石膏ボードのネジ止め位置にビスの大きさに見合う、石膏ボード用アンカーを埋め込む方法で石膏ボードでもビス止めができます。
また外壁の屋外フードはサイディングであればビス止めは可能です。そして屋外フードと外壁の設置面にはコーキング剤で接着をするので固定ができます。またトタン貼りでは木下地は必要です。そしてタイル貼りやモルタルの外壁では、専用のアンカーを埋め込みビス止めができるようにします。
このように木下地があれば、室内外のどちらもビス止めはできますが、小さな穴から木下地を設置することは難しいので、仕上がった家に換気扇を取り付けるには、壁内のビス止め位置の下地をどうするかということが問題となります。
木下地が工事できない場合のアンカーを使える壁の素材であれば、そちらを使うことを考えた方がよいと言えます。
手順④
パイプを通す穴とビス止めの木下地や、アンカーで固定できる方法を確かめたら、パイプを固定していきましょう。換気扇の施工書には室内側から外壁側には1~2%の下り勾配をつけるとあります。屋外側に下がる勾配をつけることで、雨水の侵入を防ぐためです。
手順⑤
次にパイプをカットします。勾配を確認してパイプを通してみます。そして施工書には外壁から何ミリの位置の長さにするという記載があるので、その長さの位置にサインペンで印を付けます。パイプは固定してからではカットしずらいので、外して印の箇所をノコギリでカットします。
サンダーをお持ちでしたらサンダーの方が楽にカットすることができます。そしてカットしたパイプをセットしてビスで固定します。
手順⑥
室内側の換気扇を取り付けます。このとき直結タイプの換気扇は電気配線をつないぎ、アースのつなぎがある場合はこちらもつなぎます。そしてビスで固定をします。この直結でつなぐ作業には、電気工事士の有資格者でなければ行えない作業です。
手順⑦
屋外の外壁に屋外フードを取り付けます。外壁と屋外フードの接着面にはコーキングを付けてビス止めをします。そして外壁と屋外フードの隙間にコーキングを打ちます。たっぷりめにコーキングをのせヘラやビニール手袋をした指で、隙間のないようにならしてください。
浴室の換気扇のDIY取り付け方法
浴室の換気扇は、トイレよりも広い空間なのでサイズが大きい分、高所への取り付けが大変な作業になります。そしてトイレではコンセントタイプであればDIYでも行えますが、浴室換気扇の場合は水がかかる可能性もあるので直結での電源となります。
取り付け前準備
取り付け前の準備としては換気扇を用意します。浴室内の壁や天井は、トイレのように石膏ボードではありません。ですから室内側を新たに開口する、もしくは小さくする工事のないようにします。既存換気扇と同じサイズを用意します。
既存換気扇と同サイズにするには、既存換気扇のメーカー製品番号を確認して、交換したいと相談すると教えてくれます。また既存換気扇のサイズを計測しておけばメーカーが違っても同等のサイズの換気扇を探すことができます。
換気扇の取り付け
浴室の換気扇で、サイズを変えたい時や、暖房乾燥換気扇タイプへ取り換えたい場合は、開口を大きくする工事や下地を造るという工事も必要になってきます。また暖房乾燥換気扇には、100Vと200Vの違い等、現在の配線からの変更は専門業者へ依頼することになります。
換気扇の交換方法
ここでは既存換気扇を交換する手順をご紹介します。浴室の換気扇は在来工法のタイル壁やモルタル壁仕上げでは、壁に取り付けることもあります。また現在主流となっているユニットバスでは、天井に取り付ける方法になっています。
そしてユニットバスの換気扇は換気扇横に点検口が作ってることが多いのでダクトや配線のつなぎ込みは、その穴から行いやすいように設計されています。
手順①ブレーカーを落とす
まず既存換気扇を外すときに感電しないように、ブレーカーを落とします。そしてカバー→本体とビス止め部分を外します。そして本体のダクト接着テープを外します。直結されている電線を片方外したら、念の為もう一本と接触しないように絶縁テープ(ビニールテープ)を巻いておきます。
手順②古い換気扇の取り外し
天井裏でつながれていたダクトと配線を外すと、換気扇本体が取り外せるようになります。脚立の上での作業となりますので、ご自分が落ちないことと、換気扇を落として浴室内を傷つけないように慎重に行ってください。
またビスの取り外しでも、ビスを落とす可能性もあるので、布などで脚立の下を養生しておくと安心です。また家族にサポートしてもらうと危険も軽減します。
手順③新しい換気扇にケーブルを接続
既存換気扇に接続されていた、電源をそのまま接続すれば通電されますが天井裏での作業が困難な場合は、アース線や電源を換気扇に接続してから、天井裏内の電源とつなぐ方法もあります。しかしこの作業には電気工事士の有資格者でなければ行えない工事です。
手順④新しい換気扇を固定
では換気扇をセットして固定していきましょう。換気扇によっては、本体とアダプターを分離しなければ開口部に入らないタイプもあります。施工書に説明があるので、そちらで確認しましょう。そして換気扇の羽根が回るとシャッターが開くタイプでは、シャッターの開く向きに気を付けます。
手順⑤ダクト・電線を接続して完了
換気扇の固定ができたら、ダクトと電源のつなぎ込みです。絶縁テープをはがして電線をつなぎます、次に排気部分にダクトをしっかりはめ込みアルミ製(耐熱性)の両面テープを巻いて固定します。取り付け後には動作確認を必ず行ってください。
換気扇の取り付けは初心者には難しい?
ここまで新規の換気扇の取り付けと、換気扇の交換方法をご紹介してきましたが、新規の取付では電源工事は電気工事士の有資格者でなければできない。また室内から外壁を貫通させる工事は難易度が高いことがあります。
DIY初心者でも行える工事としては、既存換気扇の交換で電源がコンセントタイプの物になります。この工事内容以外の換気扇の取り付けは、電気工事士の資格がなければ行えない工事内容です。
コンセントの増設は資格が必要
電気設備の工事で配線や電線のつなぎこみは、正しい知識を持った電気工事士の有資格者でなければできません。電線の工事は、間違えると感電やショートをおこしたり、正しい工事を行わないと後に漏電や火災の惨事を招くことがあります。
大掛かりな作業で失敗の可能性が高い
換気扇の取り付け位置は、高所であることが多く脚立の上での作業になります。また壁内や天井裏の暗い場所での作業になります。それだけでも危険な作業です。さらに新規に換気扇を取り換える作業では室内から外壁へ貫通させる穴を開けるのは、専用道具以外では綺麗に開けられません。
換気扇の取り付けは業者に依頼しよう!
換気扇の取り付けでは、電気工事士の有資格者というキーワードが何度もでてきました。換気扇の取り付け工事では、取替でも電源のつなぎ込み部分は無資格者では、行えません。さらに新規の換気扇取り付けとなると尚の事専門業者でなければ行えまん。
DIYでも行える内容の工事もありますが、専門業者は換気扇取り付けに関する道具も、もちろん一式装備していますので、換気扇本体価格+施工材+施工費という請求金額になりますが、工事内容の難易度と専門業者に依頼する工事です。