ヘアワックスの落とし方を徹底解説!
髪の毛をおしゃれに仕上げたい時に便利に使えるのがヘアワックスです。しかし、ヘアワックスを使うとシャンプーを普通に使ってもきれいに落としきれないことがあります。この記事では、ヘアワックスを髪や頭皮を傷めずに落とせるおすすめの方法などについてご紹介します。
ヘアワックスが落ちにくい理由とは?
ヘアワックスを髪や頭皮を傷めずに落とす方法についてご紹介する前に、ヘアワックス自体についてご紹介しましょう。ヘアワックスがどのような成分で構成されているのかを知っておくことで、ヘアワックスを落とす方法についても理解しやすくなります。
主成分は油
ドラッグストアなどに行くとさまざまなタイプのヘアワックスが並んでいます。どのようなスタイリングを目指すかによって整髪力の違いからライトタイプやハードタイプなどに分けられるヘアワックス。
仕上がりによってもヘアワックスのタイプが異なり、艶が出るものや乾いたような軽い仕上がりになるヘアワックスなど多様です。
しかし、ヘアワックスの成分だけに注目してみるとほぼ同じような成分が使われています。ヘアワックスによく含まれているのはミツロウ、カルナバロウ、ワセリン、固形パラフィンなどです。
これらの中でヘアワックスの特徴であるホールド力を担っているのが主に蝋です。これらは動物や植物の表面にある油分からできています。
そして、その蝋の融点を生かして作られているのがヘアワックスです。手に取ると柔らかくなり、髪に付けると固くなるというヘアワックスの働きは、この蝋、つまり油分によるものなのです。
界面活性剤
ヘアワックスと頭皮や髪の状態を語る時に外せないのは界面活性剤です。水の入ったコップに油を注いでも混じり合うことはありません。しかし、そこに界面活性剤を入れると水と油が混じり合うようになります。
この性質を利用しているのが洗剤です。油汚れを落とすのに界面活性剤を使用し、乳化させることできれいにするのです。そして、この界面活性剤がヘアワックスにも使用されています。
ヘアワックスは髪に馴染ませやすくするためにクリーム状ですが、これは水と油を混ぜるために配合されている界面活性剤の働きによるものです。
ヘアワックスを買う時には成分のところをチェックしてみてください。イソステアリン酸PEG-20グリセリル、ステアリン酸PEG-5グリセリル、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリルなどといったものが一般的な合成界面活性剤です。
そしてヘアワックスに含まれているこれらの界面活性剤は、ヘアワックスを安定させる効果があるだけでなく、水やシャンプーで洗い流しやすくするという効果もあります。
では、この界面活性剤は頭皮や髪にどのような影響があるのかというと、実ははっきりしたことはまだ分かっていないという状態です。
界面活性剤が発明されてからまだ60年ほどしかたっていないこともあり、ヘアワックスを含め、まだまだ人体への影響に関しては未知の領域が多いです。
しかし、ヘアワックスにおいて一般的に言われているのは、界面活性剤によって髪の毛の成分であるたんぱく質に影響があるという点です。ヘアワックスを使ったらシャンプーなどでしっかりと洗い流す必要があります。
また、食器用洗剤などでも手が荒れることがありますが、ヘアワックスでも同じように界面活性剤によって頭皮にダメージを受けると言われています。
頭皮にある必要な分の皮脂までヘアワックスの界面活性剤が奪ってしまうので、乾燥や痒みに繋がるのではないかという説です。
ヘアワックスを使う時にこれらを避けるためには、界面活性剤が使用されていないオーガニックのヘアワックスを選ぶ、ヘアワックスを付ける時には頭皮に付かないようにするといった方法があります。
髪を傷めずにヘアワックスを落とす方法
ここからご紹介するのは髪を傷めずにヘアワックスを落とす方法です。髪や頭皮をなるべく傷めずにヘアワックスをきれいに落とすためには、シャンプーやリンスを効果的に使うだけでなく、シャンプーの前にヘアワックスをなるべく落としておくのが大切になります。
落とし方手順①髪を濡らす
髪を傷めずにできるヘアワックスの落とし方、まずはシャンプーをする前にしっかりとやっておきたいことがあります。それはお湯で髪についたヘアワックスを落とすということです。
ヘアワックスを落とすにはシャンプーを丁寧にすることに重点を置きがちですが、実はシャンプーの前の段階でのケアもかなり大切になります。
この段階でヘアワックスを落とせるだけ落としておくことで、シャンプーの量をなるべく減らすことができます。また、ヘアワックスの量が少ないのでシャンプーがしっかりといきわたり、髪の毛を傷まずにヘアワックスを洗い流すことができるのです。
お湯を使ってのヘアワックスの落とし方の注意点は2点あります。まずはお湯の温度です。お湯は高い方がヘアワックスを効果的に落とすことができるのですが、温度が高すぎると今度は頭皮の乾燥を引き起こしてしまいます。
そこで、お湯を使ってヘアワックスを流す時には温度は38度程度にしておくのがおすすめです。これは頭皮だけでなく肌にも適切な温度と言われています。
そしてヘアワックスの落とし方の2点目は決して髪をこすり合わせないという点です。ヘアワックスを落としたいがためにごしごしと髪を洗ってしまいたくなりますが、これも髪を傷める原因になります。なるべくやさしく扱ってください。
落とし方手順②髪にリンスをなじませる
髪を傷めずにできるヘアワックスの落とし方、次にすることはシャンプーではなくリンスを髪に馴染ませるです。
一般的なシャンプーの仕方は、髪をお湯で洗ってからシャンプーという順番ですが、油が主成分となっているヘアワックスを落とす際にはリンスの力を借りるのがおすすめです。
メイクの落とし方で一般的なのはクレンジング剤でメイクを乳化して落とすという落とし方ですが、リンスにも乳化作用がありますのでこれを利用し、ヘアワックスを乳化させて落としやすくします。シャンプーよりもリンスの方が油分が多いので、この特徴を生かしているのです。
髪にリンスを馴染ませたらやさしく揉み込みましょう。この際に頭皮に付かないようにするのが大切です。そして次の段階に進む前にはしっかりと洗い流すことが大切です。
どうせ最後の段階でリンスをするのだからとすすぎをいい加減にしていると頭皮に余分な油が残ってしまい、結果としてヘアワックスの油を落としきれないということになりかねません。面倒でも丁寧にすすぎを行いましょう。
落とし方手順③シャンプーで髪・頭皮を洗う
髪を傷めずにできるヘアワックスの落とし方、次はいよいよシャンプーの出番です。一日生活をしているだけで髪や頭皮は汚れているものですが、そこに粘り気のあるヘアワックスを使用していると埃やゴミが余計にくっついています。
シャンプーを使っての汚れの落とし方は、大きく分けると3つの段階があります。まず最初の段階ではシャンプーを丁寧に泡立てるのがおすすめです。
シャンプーを直接髪に付ける人も多いですが、これは髪のダメージを引き起こすおそれがあります。シャンプーを手に取ってしっかりと泡立ててから髪と頭皮にやさしくつけましょう。
メイク用品の一つに泡立てネットというものがありますが、これを使用すると短時間でシャンプーを泡立てることができます。
シャンプーが泡だったら次は髪と頭皮を洗う段階です。この際に大切なのは決して爪を立てないということです。指の腹を使ってやさしく洗いましょう。
ヘアワックスをしっかりと落としたいからといってごしごしと洗ってしまうと髪に摩擦が起きてダメージになってしまうだけでなく頭皮にもよくありません。マッサージするようなイメージで行いましょう。
ヘアワックスを落とす時の段階はすすぎです。シャンプーにも界面活性剤が含まれていることが多いので、すすぎが不十分だと頭皮によくありません。
髪や頭皮を傷めずに洗うにはしっかりとしたすすぎが不可欠です。耳の後ろなども逃さないように丁寧にすすぎを行いましょう。
ヘアワックスが付いた髪をシャンプーで洗う時に、きれいに洗いたいからといってシャンプーを何度も行う人もいますが、これもあまりおすすめできないと言われています。
シャンプーをしすぎると頭皮に必要な分の油も奪ってしまうと言われているためです。丁寧に洗えばシャンプー1回でヘアワックスは十分に落とすことができます。
落とし方手順④リンスで仕上げ
髪を傷めずにできるヘアワックスの落とし方、最後に行うのはリンスです。髪全体にリンスをやさしく馴染ませてからしっかりと洗い流します。
この際に頭皮には付けないようにしましょう。そしてリンスを丁寧に洗い流すことで頭皮を傷めずに髪のケアをすることができます。
髪が特別傷んでいると感じる時には、リンスを馴染ませてからそのまま5分ほど待ってから洗い流すという方法もあります。これでリンスの成分がさらに髪に馴染みます。
今回は一般的なヘアワックスの落とし方をご紹介しましたが、ヘアワックスによってはこの落とし方では不十分なことがあります。その場合には専用の商品であるヘアワックスリムーバーを使用するという方法もあります。
シャンプーではなかなか落とせなかったり、落とし方が面倒だったりするヘアワックスを落としやすくするというのがヘアワックスリムーバーです。ヘアワックスのついた髪に馴染ませて使います。
手に付いたヘアワックスを落とす方法
ヘアワックスを使って髪をスタイリングする時には、手にヘアワックスを取って髪に付けることになりますが、この手に付いたヘアワックスを落とすのも実は簡単ではありません。
お湯でいくら洗ってもぬるぬるが取れなくて困ったという経験がある人も多いのではないでしょうか。ヘアワックスを使ってスタイリングするのは時間のない朝が多いですから、手に付いたヘアワックスを素早く落とす方法を知っておきたいものです。
落とし方手順①汚れを拭き取る
手に付いたヘアワックスの落とし方、まずはヘアワックスをなるべく拭き取ることが大切です。ティッシュやタオルなどを使って手に付いたヘアワックスをできるだけ拭き取ってしまいましょう。
ヘアワックスを全部拭き取ろうとごしごしとしてしまうと手荒れの原因になってしまいますので、あくまでもやさしく拭き取るように心がけてください。ここで少しでもヘアワックスを拭き取っておくことで、次からの段階でヘアワックスを取り除きやすくなります。
落とし方手順②クレンジングオイルを手に取る
手に付いたヘアワックスの落とし方、次に使うのはクレンジング剤です。髪を洗う時にはシャンプーの前にリンスを使いました。
これはリンスの乳化作用を生かしてヘアワックスを落とすという落とし方でしたが、リンスと同じように働くものとしてクレンジング剤があります。
メイク落としのクレンジング剤にも多くの種類がありますが、その中でもヘアワックスを効果的に落とすことができるのはクレンジングオイルです。
名前にオイルと入っているようにクレンジングオイルの油分がヘアワックスの油分と効果的に結びついてヘアワックスを落としやすくしてくれます。
ヘアワックスの付いた手にクレンジングオイルを適量取り、やさしく馴染ませます。そして手や指をやさしくマッサージするように擦り合わせるとヘアワックスが乳化され、浮いてくるのが感じられます。
落とし方手順③水で洗い流す
手に付いたヘアワックスの落とし方、ヘアワックスが浮いてくるのが感じられたら次に行うのは洗い流すという作業です。流水で丁寧にヘアワックスとクレンジング剤を洗い流しましょう。
水でも洗い流すことが可能ですが、効果的にヘアワックスを洗い流すにはぬるま湯がおすすめです。髪を洗う時にもご紹介しましたが、肌や頭皮を傷めずに洗うには38度前後のぬるま湯が適当とされています。
ヘアワックスやクレンジング剤のぬるぬるが全く感じられなくなるまで丁寧に洗い流します。この際にも決してごしごしと洗わないようにしましょう。
落とし方手順④手の保湿
手に付いたヘアワックスの落とし方、最後に忘れてはいけないのが手の保湿です。ヘアワックスにもクレンジング剤にも界面活性剤が含まれいてることがほとんどですので、それが肌の油も奪ってしまいます。
ハンドクリームなどを使用し、肌の保湿を忘れずに行いましょう。手の乾燥が気になる際には、ハンドクリームを一度にたっぷり塗るよりもこまめに塗る方が効果的だと言われています。乾燥が気になる際にはこまめにハンドクリームを塗りましょう。
ヘアワックスが服に付いた時の落とし方
ヘアワックスを髪につけている時にうっかり服に付いてしまうこともあります。また、服を脱ぐ時に服の首回りにヘアワックスが付いてしまうこともあります。
ヘアワックスが少しだけ付いたのであれば通常の洗濯でも落とせますが、大量のヘアワックスが付いた場合やお気に入りの服の場合はヘアワックスを確実に落としておきたいものです。
その際に使用したいのはクレンジング剤と台所用の中性洗剤です。ヘアワックスが付いた部分にクレンジング剤を馴染ませます。そしてその上から台所用の中性洗剤を馴染ませます。
予めクレンジング剤と台所用の中性洗剤を1対1の割合で混ぜておいても構いません。ヘアワックスが付いた部分に馴染ませたら、使い古しの歯ブラシなどを利用してやさしく洗いましょう。その後、ぬるま湯ですすぎ、通常の仕方で洗濯機で洗います。
ヘアワックス使用後の髪のごわつきの予防方法
ヘアワックスを使用していると、どうしても髪が傷んできます。正しい方法でシャンプーやリンスをすることでなるべく傷めずに使用することができますが、さらに傷みを予防できる方法もありますので髪のごわつきが気になる場合には検討してみてください。
トリートメントで髪のケア
ヘアワックスを日常的に使用している場合には、髪の保護のためにもトリートメントを使いたいものです。ヘアワックスを使用した日にはシャンプーとリンスをしているという場合でも、それに加えてトリートメントとしておくと髪の傷みがかなり予防できます。
ここで知っておきたいのがリンスとコンディショナー、そしてトリートメントの違いです。リンスとコンディショナーは同じものを指しています。
これらは主に髪の表面に作用するものです。髪の表面をなめらかにすることでキューティクルが傷むのを防ぎます。そして髪がごわごわになってしまうのを防ぐのです。
それに対してトリートメントは髪の内部にまで浸透をします。トリートメントによって髪のコンディションを整えるもの、髪の傷んだ部分を補修するものなどがあります。
トリートメントは、リンスやコンディショナーとしての働きを併せ持つものがほとんどですので、シャンプーの後にはトリートメントだけするという方法もあります。
ただ、ヘアワックスを常時使用し、髪の傷みが気になるという場合にはシャンプー、リンス、トリートメントと3段階のケアをするのがおすすめです。
トリートメントの正しい使い方
トリートメントの使い方としてまず確認しておきたいのが、トリートメントはシャンプ―のように頭皮も洗うものではないので、頭皮には付けないようにするという点です。髪の毛だけに付けるようにしましょう。
また、シャンプーやリンスと同じように洗い残しがあると頭皮のトラブルになってしまいます。ぬるま湯で丁寧に洗い流しましょう。
トリートメントの使用量は各メーカーや製品によって異なります。トリートメントを使用する前に使用量を確認し、適切な量を使うようにしてください。
洗い流さないタイプのトリートメントの使い方
トリートメントの中には洗い流さないタイプのトリートメントもあります。これはシャンプーやリンスをしてヘアワックスなどの汚れを落とした後に使用するもので、シャンプーのように洗い流す必要がありません。
洗い流さないトリートメントの中には紫外線などからのダメージも防いでくれるタイプもありますので、髪の毛の傷みが気になる場合には検討してみましょう。
ドライヤーは低温で
ヘアワックスを使用している髪のダメージを最小限に抑えるにはドライヤーも適切に使う必要があります。なるべく早く乾かしたいからと温度を高く設定していたり、髪の近くにドライヤーを持ってきている人が多いですが、これも髪や頭皮を傷める原因になります。
髪はたんぱく質で出来ていますが、高温が当たるとこのたんぱく質がダメージを受けてしまい髪が傷んでしまいます。また、頭皮の乾燥も招く恐れがあります。
これを防ぐためには、ドライヤーはなるべく低温に設定しておくのがおすすめです。髪を完全に乾燥させるまでに時間は掛かってしまいますが、髪へのダメージは最小限にすることができます。また、ドライヤーと髪はなるべく離して使いましょう。
ヘアワックスをしっかりと落とさないとどうなる?
ヘアワックスを使った日には特別しっかりと髪や頭皮を洗わないといけないと分かっていても、疲れている時などには簡単にシャワーを済ませてしまうこともあります。そのようにして髪や頭皮にヘアワックスが残ってしまうとどうなるのでしょうか。
頭皮トラブル
ヘアワックスがしっかりと落としきれていない場合、頭皮トラブルにつながる可能性があります。ヘアワックスに含まれる界面活性剤や油分が残っていると毛穴が詰まってしまい抜け毛の原因になりかねません。また、頭皮の乾燥を招きますのでかゆくなったり、フケが出てしまうこともあります。
髪が傷む
ヘアワックスが残ってると頭皮だけでなく髪自体にもダメージが及びます。髪の表面を覆っているキューティクルが剥がれますので、パサついたりごわついたりしてしまいます。
また、髪にヘアワックスが残ったまま寝ると、枕などの寝具にヘアワックスが付いてしまいますのでその点でも不衛生な状態になります。髪は次の夜に洗ったとしても、すでに汚れてしまった枕で寝ると汚れがまた髪に付いてしまうという悪循環にもなります。
ヘアワックスの落とし方を参考に実践してみよう!
おしゃれな髪型に仕上げるには欠かすことのできないヘアワックス。髪や頭皮を傷めずに使うためには今回ご紹介したように正しい方法でヘアワックスを落とすことを心掛けることが大切です。ケアに時間は掛かりますが、髪や頭皮を傷めないためにも丁寧な落とし方をマスターしてください。