揚げ油の保存ってどうしたらいいの?
から揚げや天ぷらなど、揚げ物にはたっぷりの量の油が必要です。その為、残った油をすぐ廃棄するのはなんだかもったいない気持ちになってしまいます。「揚げ油を再利用できたらいいのに」と思いながらも、どうしたらいいのかわからないとお悩みの人は多いです。
そこで今回は、揚げ油の保存方法を、必要な道具とあわせてご紹介します。また、再利用できる回数、油を捨てるタイミングの見極め方法も解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
揚げ油の保存方法
揚げ油の保存は、「必要な道具が多くて大変そう」「保存の仕方が難しそう」というような印象をもっている人が多いです。しかし、慣れてしまえばやり方は簡単。必要な道具がそろっていなくても、代用できるものもあります。
ここからは、揚げ油を保存するときに用意するものと、具体的な保存方法を解説していきます。正しいやり方を学んで、揚げ油を安全に再利用しましょう。
用意するもの
揚げ油を保存するときに用意するものは4つあります。1つ目は「油漉し紙」。2つ目は「漉し器」。3つ目は「油の保存容器」。4つ目は「網じゃくし」です。網じゃくしは、網目が細かいものがおすすめです。これらを使って揚げ油を保存します。
漉し器はの代わりには、すくい網が使えます。油漉し紙がない場合は、キッチンペーパーやコーヒーフィルターで代用することが可能です。保存容器の代用については、次の章で解説していきます。
保存のやり方・手順
揚げ油の保存の仕方を具体的に見ていきましょう。まず、油が熱いうちに細かい揚げカスをすくっておきます。揚げカスが残っていると油の傷みが早まりますので注意しましょう。
次に、漉し器の上に油漉し紙をセットして、ろ過器をつくります。それを保存容器にセットして揚げ油をゆっくり注いでいきます。熱いので注意してください。おたまなどを使うと安全に注げます。
そして、揚げ油が冷めるまで時間を置いてからフタをします。水蒸気によって油に水が入ってしまう可能性があるので、熱いままでフタをするのは避けてください。保存した揚げ油は冷暗所で保管をしましょう。
揚げ油の保存にはどんな容器がいいの?
揚げ油を保存するのに適した容器は、一体どんなものでしょうか。保存に最適な素材はあるのか、身近にある容器を使っていいのか、特別な容器がいいのか、たくさんの疑問がでてきます。
結論、揚げ油を長く安全に保存したい場合は、やはり専用容器がおすすめです。しかし、短い時間の保存であれば、身近にある容器でも対応できます。下記で詳しく見ていきましょう。
ホーローなどの専用容器がおすすめ
揚げ油の保存には、専用容器を使うことをおすすめします。専用容器であれば、酸化防止に特化したつくりになっていますので安心です。
専用の保存容器には、あらかじめろ過器が付いていることが多いので、自分で準備する手間がなくなります。料理のときに使いやすい形状であったり、大きさも様々で使い勝手がいいです。
特におすすめしたいのは、ホーロー製の保存容器です。ホーローは、サビに強くニオイもつきにくい優秀な素材です。汚れも落ちやすいので、油ものを洗う時の苦労も軽減されます。ベトベト油が何度洗っても落ちないと悩んでいた人の強い味方です。
耐熱性のある瓶
熱に強い瓶であれば、揚げ物の保存容器として使えます。少量の油であれば、ジャムの空き瓶なども活用できそうです。その際は、透明の瓶ではなく遮光タイプの瓶を使いましょう。光があたると揚げ油の酸化が進んでしまします。
とはいえ、遮光瓶を持っていない人も多いです。その場合は、透明な瓶のまわりをアルミホイルで巻いてしまいましょう。これで、どんな耐熱瓶でも揚げ油の保存に適した容器になります。
ペットボトル
ペットボトルでも揚げ油を保存することはできますが、いくつか注意が必要です。まず、ペットボトルは熱に弱いので、必ず揚げ油の温度を冷ましてから注いでください。
そして、ペットボトルは透明で遮光性もありません。アルミホイルをまわりに巻いて、遮光性を高めることが必要です。さらに、ペットボトルの入り口は小さいです。揚げ油を注ぐ時には漏斗を使用してください。
このように、ペットボトルでの揚げ油の保存は様々な注意が必要ですが、逆にメリットもあります。キャップがしっかりと閉まるので密閉性は抜群ですし、口が狭いため油を注ぎやすいです。使い捨てできるので、お手入れの手間も省けるのも嬉しいポイントです。
揚げ油の保存場所と保存期間
揚げ油をコンロの近くに保管している人は多いですが、実は、あまり良くありません。正しい方法で保存できたとしても、保管方法が間違っていると油の傷みも進んでしまいます。ここからは、正しい揚げ油の保存場所と保存期間について、詳しく見ていきましょう。
保存場所
揚げ油の保存に適した場所は、冷暗所です。光が当たらない涼しい所に置きましょう。また、湿度が高いと揚げ油を痛めてしまいますので気をつけましょう。具体的には、冷蔵庫の中やコンロ下、シンク下などがおすすめです。
保存期間
揚げ油の保存期間は、約2週間になります。状態の良いもので約3週間程度です。この期間は、あくまで目安になります。というのも、揚げ油の汚れや酸化の具合は、どんな揚げ物をつくったのかで変わってくるからです。
さらに、夏の暑い時期なのか、冬の涼しい時期なのかによっても傷みの差がでます。もともとの油の品質によっても変わってきます。いずれにせよ、期間にこだわらず早めに廃棄の判断をすることをおすすめします。
揚げ油の使用回数と捨てる目安
揚げ油は何度も使用していると、状態が悪くなってきます。うまく揚げ物ができなくなってしまうだけでなく、体にも影響を及ぼす可能性があるんです。
揚げ油を安全に再利用していく為には、利用できる回数を把握することや、油を交換する時期を見極めることも大切です。しっかり学んでいきましょう。
揚げ物に利用できる回数
揚げ物に利用できる回数は、2~4回を目安にしてください。この回数も、どんな揚げ物をつくったのかで変わってきます。
例えば、野菜の揚げ物であれば油はあまり汚れません。しかし、から揚げやエビフライなどの揚げ物は、下味の調味料や食材の成分がたくさん油に入ります。その為、野菜の揚げ物よりもかなり油の汚れは進みます。
揚げ物での再利用を多くしたい時は、あまり油が汚れない野菜から始めて、肉や魚の揚げ物に使うといいでしょう。もちろん、回数にこだわらず、油が汚れていたら廃棄してください。下記の項目で廃棄のタイミングについて解説します。
捨てたほうが良い油の状態
揚げ油を捨てたほうが良い状態を見極めましょう。簡単な見極め方法は、見た目です。「油の色が使用前に比べて濃くなっている」「加熱後、油の泡が消えない」このような見た目の場合は油が傷んでいますので交換が必要です。
また、「揚げ物のとき嫌なニオイがする」「180度前後で煙がでてくる」「揚げ物が焦げやすい」など、このような状態も揚げ油の交換のタイミングです。何度も再利用すれば油は酸化していき体にも影響がでてきますので、無理に使わず交換しましょう。
酸化した油の体への影響
酸化した油が体に入ると、一体どんな影響があるのでしょうか。酸化した油は、吐き気や胸やけ、腹痛などを起こす場合があります。食中毒のような症状です。やはり、古いもの、傷んだものをを体に取り入れるのは危険ですので、注意が必要です。
しかしながら、正しい方法で揚げ油を保存すれば酸化速度は落ちます。適切な場所で保存し、適切な回数の使用であれば油の傷みは少ないです。油の状態をよく確認するクセをつけておけば、体への影響も少ないでしょう。
揚げ油の捨て方
揚げ油は、市販の凝固剤で固めてビニール袋などに入れて捨てます。くれぐれも、直接流しに捨てないようにしてください。
凝固剤が手元にない場合は、ビニール袋に新聞紙やキッチンペーパーを入れ、冷ました油を注ぎ入れて捨てます。その際、水を染み込ませておくと、自然発火を防げます。
正しい保存方法で揚げ油を再利用しよう!
今回は、揚げ油の正しい保存方法をご紹介しました。揚げ油を再利用することができれば、節約にもつながりますし、揚げ油を捨てる時に感じていた「もったない」という気持ちもなくなることでしょう。
正しい保存方法をマスターして、揚げ油を安全に長く、おいしく再利用してみてください。まずは身近な道具で試してみて、便利さを実感してから専用道具を購入するのもおすすめです。