心境の意味
日常生活の中で使うことの多い、「心境」という言葉をご存じでしょうか?一般的に「心境を察する」や、「心境を語る」といった使い方をする「心境」は、「心情」と混同されることが多いので、それぞれの漢字の意味を把握しておくことをおすすめします。
そこでこの記事では、「心境」の意味や使い方を、例文を使ってご紹介します。合わせて、「心境」と「心情」の違いを詳しく解説していくので、気になる人はぜひ参考にしてみてください。
心境とは「精神の状態」という意味
「心境」とは、「精神の状態」という意味を持つ言葉となっていて、分かりにくい人のために「心」と「境」に分けて解説していきます。「心」の定義はあいまいではあるものの、精神的な働きのことを指しているとされています。
一方で「境」は、置かれている様子を意味しています。これらの漢字を組み合わせることによって、「自分の置かれている状態に対する思い」といった意味が転じ、次第に「精神の状態」という意味を持つようになりました。
心境の使い方・例文
この項目からは、「心境」の使い方を例文を使って解説していきます。「精神の状態」といった意味を持つ「心境」は、使う頻度の高い言葉として知られているので、しっかりとした使い方を覚えておくことが大切です。
心境の使い方
「心境」の使い方の中では、「心境を吐露する」や、「心境を語る」、「心境を察する」が良く知られているかもしれません。なんとなく「心境」を使っていると、間違った使い方をしている可能性もあるので、それぞれの使い方を正しく把握しておきましょう。
使い方①心境を吐露する
まず紹介していきたい「心境を吐露する」といった使い方は、日常生活の中より、小説の中で見かけることの多い表現となります。一般的に言葉に出すような使い方ではないので、「心境」を使った他の使い方を使っていきましょう。
「心境を吐露する」は、心の内を吐き出すといった意味が転じて、隠していた気持ちを言葉にするという意味を持つ表現です。似たような表現として「胸中を吐露する」という表現もありますが、類義語の一種として知られています。
使い方②心境を語る
次に紹介していきたい「心境を語る」は、比較的テレビなどで使われることが多いものの、日常会話の中でも使うことができます。「心境を語る」は、思っていることをありのままに語るといった意味を持っています。
上記で紹介した「心境を吐露」すると同じように、「心境を語る」には、「胸の内を語る」といった類義語があります。基本的に「心境」と「胸の内」は同じように使われることが多いので、合わせて覚えておくといいかもしれません。
使い方③心境を察する
最後に紹介していきたい「心境」の使い方は、「心境を察する」となります。こちらの「心境を察する」は、多くの方が知っている使い方の一つで、普段から日常生活の中で使っている人も多いかもしれません。
文字通り、人の気持ちを察して、同情するといった意味を持っています。相手が何か気の毒なことに巻き込まれた時など、「心境を察する」を使うことができるので、いざ使うときのために意味を把握しておきましょう。
心境の例文集
この項目では、いくつかの「心境」の例文をご紹介します。「心境」の意味を知っているだけの人の中で、うまく使える自信がないと感じている人は、こういった例文を参考にしてみるといいかもしれません。
「どういった心境か、運動嫌いだった彼女がランニングをしている。」や、「道端にアイスクリームを落としてしまった彼女は、いったいどのような心境なのだろうか。」といった使い方をすることができます。
一般的に日常生活の中で使うことの多い、「心境」といった言葉ではあるものの、実際口に出して発言する人は少ないのです。小説などを書く人にとって、「心境」の使い方を把握しておくことは大切なので、ぜひ例文などを参考にしてみてください。
「心境」と「心情」の違い
「心境」に似ている漢字の「心情」と「心境」には、どういった違いがあるかご存じでしょうか?もしかしたら同じような意味を持っているのではないかと思ってしまう人は多いものの、明確な違いがあることを覚えておきましょう。
そこで次の項目からは、「心情」の意味や、「心境」と「心情」の違いをご紹介します。上記でも軽く触れましたが、「境」は置かれている様子を意味している言葉なので、しっかりと「情」との違いを確認してみてください。
「心情」の意味
「心情」の意味は、まだ言葉に発せられていない感情とされていて、心の中に想いがとどまっている状態です。一般的に「情」は、「人間の心の働き」のことを指しているので、「置かれている様子」を意味する「境」と明確な違いがあります。
合わせて、あえて口に出す必要はないけれど、心の中に秘めている想いのことを意味していることがあります。一般的に嬉しいといった感情よりも、しみじみとした思いや、感傷のことを指していることがほとんどです。
「心境」と「心情」の意味の違い
ここまで説明してきたように、「心境」には、「精神の状態」といった意味があります。一方で「心情」は、「心の中の思いや感情」を意味しているので、並べてみると違いが分かりやすいかもしれません。
さらに「情」は、環境ではなく、物事に対しての気持ちが対象なので、「心境」と「心情」は同じ意味を持っているわけではありません。同じ読み方をする漢字だとしても、しっかりと組み合わさっている漢字を念頭に置きましょう。
「心境」と「心情」の使い方の違い
「心情」の使い方は、ほぼ「心境」と同じではあるものの、いくつか違った使い方をすることができます。簡潔に言えば、「心情を察する」や、「心情を問う」、「心情を抱く」などの表現を、日常生活の中で使うことが多いかもしれません。
例文を挙げるならば、街頭インタビューなどで「ご心情をお聞かせください」と使う人もいます。一般的に「心境を抱く」といった使い方はできないので、しっかりと「心情を抱く」と区別することが大切です。
「心境」の英語表現
この項目からは、「心境」の英語表現をご紹介します。「心境」の英語表現としては、「mind」や、「mental state」がよく使われるので、しっかりとそれぞれの意味について解説していきます。
もしかしたら「複雑な心境」といったフレーズを、英語で伝えたい人もいるかもしれませんが、もちろん英語表現で表すことができます。せっかく「心境」について深く学ぶのであれば、英会話で使えるような表現を覚えていきましょう。
英語表現①「mind」
まず紹介していきたい「心境」の英語表現は、「mind」となります。一般的に心や、精神、知性といった幅広い意味を持っているものの、シンプルに「心境」といった使い方をすることができます。
「mind」の例文として、「a change occured in my state of mind.」をご紹介します。こちらは「心境の変化が起こった」を意味する英語となっていて、まさしく「mind」が「心境」という意味を持っていることがわかるかもしれません。
英語表現②「mental state」
次に紹介していきたい「mental state」は、比較的難しい表現ではあるものの、もちろん「心境」の英語表現の一つです。直訳すると「心理状態」や、「精神状態」を表す言葉として知られています。
こちらの例文を挙げると、「the condition of his mental state」といった使い方が可能で、「彼の心境」と訳すことができます。より難しい英会話に挑戦しようとしている人は、ぜひ「mental state」を使ってみてください。
「複雑な心境」も英語で表せる
「複雑な心境」も英語で表すことができ、「mixed feeling」といった表現を使うことによって表すことができます。「心境」を意味する「mind」や、「mental state」は使われていないものの、英語圏の人がよく使う表現として親しまれています。
「mixed feeling」を使うときは、「I had mixed feeling looking at his face」といった使い方が可能です。こちらは「彼の顔を見て、複雑な心境を持った。」と訳すことができ、まさしく「複雑な心境」も英語で表せる例となります。
心境の意味を理解して会話で使ってみよう!
この記事では、「心境」の意味や使い方を、例文を使って紹介してきました。「心境」とは「精神の状態」という意味を持っています。
合わせて、「心境」と「心情」の違いについて解説してきました。それぞれ違った意味を持っているので、区別して使うことが大切です。しっかりと「心境」の意味を把握して、日常会話の中で使ってみてください。