気付の意味とは?
「気付」とは「きづけ」と読みますが、「きつけ」と読むこともあります。「気付」には「気がつくこと」という意味もありますが、郵便物などの宛先に使う時の意味は郵便物を相手方の住所ではなく、相手の立ち寄り先や関係のある場所に送ること、またはその時に宛先にの下につける語となります。
例えばAという人物に郵便物を送る時に、Aの住所ではなくAの滞在しているホテルや勤め先に送る場合に使われます。使い方はホテルやAの勤め先の住所の宛先に「気付」を書き添える形で使われます。
気付の由来
「気付」の由来は、英語の「care of」からきています。「care of」は「様方」「気付」に相当する言葉で「c/o」と略されます。「care of」には「〜に気をつける」という意味があります。「気付」はこの英語の「care of」の直訳だといわれています。
日本語での「気付」の書き方は「〇〇気付××様」という書き方をしますが、英語では「××c/o〇〇」と相手方の名前を先に書きます。日本に郵便ができた頃には「気付」に当たる言葉がなく、英語を直訳して採用したようです。
気付の特徴
「気付」は前述したように、郵便物をその人の住所地に送る時には使いません。相手方の勤め先や立ち寄り先に書類などの郵便物を送る時に使うものです。例えば、相手がホテルに宿泊している場合にそのホテルの住所地へ送ります。
宛先はホテルですが、相手はホテルの従業員ではありません。普通ならそこで郵便物は迷子になってしまいます。そんな場合に「〇〇ホテル気付××様」というように「気付」を使って相手の名前を書いておけばホテル側は宿泊客宛の郵便物だとわかります。
このように「気付」とは、送付先の団体に所属していない人に送る場合の郵便物に記載する言葉なのです。ここが「様」や「御中」とは大きく違う「気付」の特徴といえるでしょう。
気付と様方の違い
「気付」の使い方は、会社やホテルなどに滞在している個人に宛てる郵便物などです。宛先はあくまでも立ち寄り先の会社や団体で、個人の家に宛てる使い方はできないというのが「気付」です。
個人の家に送る場合は「様方」を使います。宛先の個人の家に苗字が違う人が同居している場合、その同居人に対して郵便物を送る場合に「様方」という使い方をします。書き方は相手先の住所を書き、家の主の名前の後に「様方」をつけます。
例を挙げれば、「佐藤様方鈴木様」と書けば佐藤さんの家に同居している鈴木さんに郵便物を届けたいのだということになります。
「気付」と「様方」の違いは「気付」が会社や団体にいる所属していない個人であるのに対し、「様方」は個人の家に宛てた同居人へ郵便物を送る時に使います。「気付」と「様方」に共通していることは、どちらも敬語ではないということです。
気付と御中の違い
郵便物などの送付先が個人宅でも個人宛でもなく、会社や団体、部署やグループに宛てたものである場合は「御中」を使います。使い方としては、「〇〇株式会社御中」という使い方をします。宛先に部署名や課を書く場合は「〇〇株式会社△事業部 ××課御中」となります。
「気付」はその会社や団体に所属はしていないが、立ち寄った人に宛てた郵便物という意味となります。言い換えればその団体に立ち寄った個人に宛てた郵便物です。しかし、「御中」は宛先となる会社、または団体に対する郵便物となります。
〇〇会社の××課宛に送ったもので、個人に宛てたものではありません。そのため、××課ならば誰が受け取っても構いません。「気付」と「御中」の違いは特定の個人に宛てたものか、その会社に宛てたものかの違いといって良いでしょう。
気付の書き方
「気付」は出張している上司や同僚に資料を送る場合や、滞在先のホテルに書簡を送る場合などに使います。また、滞在する予定の自分宛に荷物を送る場合にも「気付」を使うことがあります。今度は各シチュエーションに合わせた「気付」の書き方をご紹介します。
出張先の会社に書簡を送る場合
出張中の上司や同僚に資料を送ることになった場合は、出張先の宛名の社名の下には「御中」を使わずに「気付」を使います。「御中」では出張先の会社には届きますが、我が社の同僚には届きません。
Aという出張先の会社に同僚や上司に宛てた郵便物を届ける場合には「A株式会社気付〇〇様」と出張先の会社名を書いた後、「気付」とし、我が社の〇〇さん宛に宛名を書きます。
これで、Aという会社に出張している我が社の〇〇さんに届くことになります。はっきりとした宛先を書いておかないと、郵便物が迷子になるばかりか、出張先の会社にも迷惑となります。
滞在先のホテルに自分宛の荷物を送る場合
「気付」はこれから滞在する予定のホテルに自分の荷物を送る時にも使います。出張などで前もってホテルを予約することもあります。そんな時にこの使い方をすると荷物が少なくて便利です。
「気付」の使い方は、宿泊先の住所を宛名に書いて「〇〇ホテルフロント気付 〇〇×夫(自分の名前)行」という書き方をします。
自分の名前を書き、「様」ではなく、「行」とします。これで間違いなく着くはずですが、念のためにホテルのフロントに自分の荷物を送ったことを電話すると良いでしょう。
気付の使い方
「気付」の使い方は郵便物ばかりではありません。荷物を送る場合もあるでしょうし、宅配便にも使います。祝電や弔電など、電報にも使うことがあります。少し難しいのが間借りしている別会社に書類を送る場合です。そんな場合の「気付」の使い方を例文を使ってご紹介します。
例文①
祝電や弔電など電報を打つ時も「気付」を使う時があります。電報の送り先は結婚式場や斎場となりますが、送る場合は宛名に施設名を書き、その下に「気付」と書きます。
そして、送る相手の名前を書くことになります。「〇〇式場気付△様」と書けばOKです。斎場の場合も「〇〇斎場気付△様」」となります。
例文②
同僚や上司が入院した時に書類を入院先の病院に送ることもあるでしょう。そんな時でも宛名書きに「気付」を使います。使い方は「〇〇病院気付△様」と病院名の後に 「気付」と書き、同僚の名前と続けます。
例文③
取引先の中には親会社に間借りしている子会社というのもあるのではないでしょうか。書類をその子会社の方に送りたいという時も「気付」を使います。
まず宛名に親会社の名前を書き、その下に「気付」として子会社の名前を書けば良いのです。親会社をA社、子会社をB社とした場合「A社気付B社御中」と書くことで書類は無事にB社に届くことになります。
例文④
英語で海外に「気付」を使ったレターを書きたい場合はどうしたら良いのでしょう。海外に文書を送る時も多いのではないでしょうか。そんな時の「気付」の使い方を最後にご紹介します。
〇〇ホテルに滞在している山田さんに書簡を送りたい時は日本語では「〇〇ホテル気付山田様」となります。これを英語にすると「Miss yamada c/o 〇〇hotel」となります。
日本と反対に名前を先に書くことになります。「気付」を英語で示すと「care of」ですが略して「c/o」と書き表します。
気付の使い方の注意点
「気付」の使い方の注意点とはどんなものがあるのでしょうか。特にビジネスシーンでは使い方を間違えると、相手ばかりか経由した会社にも恥をかくことになります。
「気付」を使う時にはしっかりとマナーを守って使うようにしたいものです。そこで「気付」を使う時の注意点をご紹介します。
気付は経由する団体の後につける
「気付」の使い方として具体例を挙げておきましたが、もう一度「気付」の使い方を見てみましょう。「〇〇株式会社気付△様」となっています。この例でもわかるように「気付」は経由する団体の後に書きます。
受取人の「△様」の後に書くものではありませんので注意しましょう。もう一つ、「気付」の使い方で注意するべきところは、経由する団体には会社であっても「御中」は使いません。
例えば、「〇〇株式会社御中気付△様」は間違いとなります。この場合、経由する〇〇株式会社には御中を入れず、「気付」だけで良いのです。
気付は立ち寄り先に宛てて送るという意味
「気付」とは郵便物などを送る時に、直接相手の住所地に送らずに相手の立ち寄り先などに送るという時に宛先の下に書き記す語となります。
または、相手がその会社や団体に所属していない場合に宛先の会社を経由して相手に送る場合に使われる語なのです。