香典を連名で出すときの書き方を覚えよう!
通夜もしくは葬儀に必要となるのが香典です。日本での慣習として、通夜か葬儀に持参する必要がありますが、前もって準備しておくことができないため香典の書き方をどのようにしたらよいのかわからないというケースも多いでしょう。
社会に出ると、会社関係で香典を持参する機会もあることでしょう。代表として持参する香典について、香典の連名での書き方を前もって知っておくといざという時に役に立ちます。
香典は連名で出してもいいの?
香典を持参する際に、連名で出すことはマナー違反ではないのかということが気になる方もいらっしゃるでしょう。
香典は、基本的には個人で出すことがマナーと言われています。というのも、遺族の方は香典返しを用意してありますので連名で出すと香典返しで逆に負担をかけてしまいます。そのため、葬儀に参列できる場合には個人で香典を用意するようにしましょう。
マナー違反ではない
ただし、事情があって葬儀に参列できないという場合や、夫婦や家族で参列するという場合は香典を連名で出すこともマナー違反ではありません。代表者のみが出席するという場合での香典は、連名で出しても問題はないのです。
連名の香典を持参するのに適した人は?
連名の香典を持参する場合は、故人と最も関係が深い方が持参するのが最も適しています。もちろん事情があって葬儀に参加できないという場合にはその限りではありませんが、できるだけ近い関係の方が持参するようにしましょう。
香典を連名で出すときの書き方
香典を連名で出す場合、気になるのがその書き方ではないでしょうか。連名で出すこと自体は問題はありませんが、書き方にもマナーがあります。
夫婦での連名の場合の書き方や親子や兄弟の連名の場合の書き方、職場関係での連名の場合の書き方とそれぞれ書き方が違いますので分けてご紹介します。
夫婦
まずは「夫婦」で香典を出す場合の書き方です。夫婦で香典を出す場合には、基本的に連名で出して問題はありません。ただし、夫婦二人揃って葬儀に出席する場合と、夫の代わりに妻だけが出席する場合では書き方が異なります。それぞれの書き方をしっかりと覚えておきましょう。
夫婦で葬儀に出席する場合
まずは、夫婦揃って葬儀に出席する場合の書き方についてです。夫婦での香典の書き方は、一般的には夫の氏名のみを書くことがマナーだと言われています。ただし、夫婦ともに故人と面識があるという場合や、夫婦で葬儀に出席する場合には連名で書いても問題はありません。
その場合の書き方ですが、香典の外袋下段中央に代表者である夫の姓名を書きましょう。その左横に妻の姓は書かずに名前だけを書きます。中袋の書き方も外袋の書き方と同様で、夫は姓名を書き、左横に妻の名前を書くようにします。
妻が夫の代わりに出席する場合
夫が仕事や出張などの都合で葬儀に出席することが出来ず、代理として妻が出席する場合もあるでしょう。そういった場合には、香典の書き方が違いますのでご注意ください。
代理で出席する場合の書き方ですが、香典の外袋下段中央に夫の名前を書きます。そしてその左下に小さめの文字で「内」と書き、妻の名前は書きません。このような書き方をすることによって代理で出席したということが遺族に伝わります。
親子・兄弟
続いて、「親子・兄弟」で連名で香典を出す場合の書き方です。基本的に、子どもがすでに成人しており自分で生計を立てている・別居しているという場合にはそれぞれ別で香典を包むようにしましょう。親子の場合と兄弟の場合、それぞれの連名の書き方をご紹介します。
親子の場合
親子連名で香典を出す場合、子どもはまだ成人していないというケースでしょう。そのため、香典の外袋下段中央に代表者である親の名前だけを書くようにしましょう。中央に夫の姓名を書き、その左に妻の名前を書きます。
故人が子どもの関係者である場合であれば、代表者の隣に子供の名前を書きましょう。その際、子どもの名前の下に小学校名やクラスなどを書いておくと遺族にわかりやすいです。
兄弟・姉妹の場合
兄弟・姉妹の場合、それぞれ独立しており収入があるという場合には各々で香典を出すのが望ましいといわれています。ただし、同居して同世帯となっている場合には連名で出すこともマナー違反にはなりません。
兄弟・姉妹で連名で香典を出す場合は、香典の外袋下段に全員の氏名を書きましょう。その場合、最も右側が一番年齢が高い人、そして年齢順に左側に書き連ねていきます。全て姓名をしっかりと書くようにします。
職場の同僚や友人
続いて「職場の同僚や友人」での香典の連名の書き方についてです。職場関係での葬儀の場合、代表者一人だけが出席するというケースも多いでしょう。そういった場合の連名の書き方はどのようにしたらよいのでしょう。
2名の場合の書き方
職場の同僚や友人に連名で香典を出す場合、連名にする人数によって書き方が変わります。まずは2名での場合の書き方についてです。
2名の場合での香典の連名の書き方は、それぞれの名前をフルネームで書くようにしましょう。その場合、一番右に立場が最も高い方・年長者を書くようにしましょう。同僚や友人同士の場合にはあいうえお順に書きます。
3名の場合の書き方
3名の場合での職場の同僚や友人での香典の連名の書き方ですが、3名は基本的に2名での書き方と同様です。香典の下段にそれぞれの名前をフルネームで書きましょう。書く順番に関しても2名の場合と同じです。
4名以上の場合の書き方
職場の同僚や友人での香典を連名で出す場合、3名以下の場合と4名以上の場合は書き方が異なります。4名以上の場合の書き方ですが、香典の外袋下段中央に代表者の姓名を書き、その名前の左側に「他〇名」もしくは「一同」と書いておくようにします。
通常であれば中包みに名前と住所を書きますが、人数が多いと入りません。そのため、それぞれの名前と住所は、別の紙に書いて香典袋の中に同封しておきましょう。
名前を書く順番
香典の連名での書き方として重要なのが名前を書く順番でしょう。会社関係で連名で渡す場合の名前の書き方ですが、年長者を一番右に書くようにしましょう。その後の書き方ですが、年齢順に右から左に向かって名前を書いていくようにします。
友人で連名で渡すという場合の書き方は、年長者などはなくあいうえお順に書くようにします。4名以上での連名で別紙に名前を書く場合でも順番は同様です。
香典袋の書き方・マナー
それでは、香典袋の書き方・マナーについておきましょう。いざというときに知らないと困るのが香典袋の書き方ではないでしょうか。覚えておくと急な時に慌てずにすむようになります。香典袋には外袋と中袋があり、それぞれ書き方・書く内容が異なります。
外袋に表書きと名前
香典袋の外袋には、表書きと名前を書きます。表書きとは、外袋の上段に書くもので、近年ではすでに香典袋に表書きが印刷された状態で販売されているものも多いです。表書きには御霊前や御玉串料など様々ありますが、故人の宗派によっても異なります。
仏教の場合の表書きは御霊前やご仏前と書かれる場合が多く、神式の場合の表書きは御榊料や御玉串料と書かれる場合が多いです。故人の宗教がわからないという場合には、御霊前と書いておくのが無難でしょう。
外袋の下段には名前を書くようにします。一人の場合は中央にフルネーム、連名の場合は上でご紹介した書き方を参考にしてください。
中袋に金額・住所氏名
香典袋の中袋には金額と住所・氏名を記入します。中袋の表面の中央には金額を記入しますが、この場合は旧字体の漢数字で書くようにしましょう。「一万円」ではなく「壱萬圓」とします。
中袋の裏面には住所と氏名を書きます。住所には郵便番号も記載しておきます。遺族が香典返しを用意する際に必要になるためです。
薄墨で書く
香典袋に表書きや名前を書く際には、毛筆、もしくは筆ペンの薄墨を使うようにします。薄墨は、「悲しみで涙が出てしまい、墨が薄くなってしまった」ということや「墨をしっかり摺るべきところが、あまりの悲しみによって力が入らず薄墨になった」という意味が込められています。
香典を連名で出すときの金額相場
香典を連名で出す場合、金額の相場はいくらぐらいなのでしょう。金額は故人との関係性によっても大きく変化します。友人の場合・上司・同僚・部下の場合・上司・同僚・部下の両親や親族の場合・取引先の方の場合に分けてご紹介します。
連名の場合、合計の金額に4と9が入らないようにしましょう。4は死・9は苦がイメージされてしまい縁起が悪いとされています。そのため、4と9が入ってしまいそうになる場合には金額を調整する必要があります。
友人の場合
まずは友人の場合です。友人の場合には5千円から1万円程度が相場だと考えられています。この相場は年齢によってかわります。20代や30代の場合は5千円だという方が多いです。一方、50代以降になると1万円だという方も少なくありません。
上司・同僚・部下の場合
続いて、上司・同僚・部下の場合です。職場の上司や同僚・部下への香典の金額の相場は個人では5千円が相場だといわれています。連名で出す場合には、合計で1万から10万で一人あたりは2千円から5千円が相場です。一人あたりの金額が少額の場合には香典返しを辞退するケースも多いです。
上司・同僚・部下の両親や親族の場合
続いて、職場・同僚・部下の両親や親族の場合の相場です。実際にお付き合いがある本人が相手ではないので、連名の場合は合計金額が1万円から3万円で一人あたりは千円から3千円が相場です。また、親族よりも両親の場合は多めの金額にすると良いでしょう。
取引先の方の場合
最後は、取引先の方の場合の相場です。取引先でしっかりとした付き合いがあるという方の場合の香典は合計で3万円以下が相場となっています。ただし、取引先との関係性もありますのでそういった場合には上司に判断をあおぐようにしましょう。
香典を連名で出すときは正しい書き方で名前を書こう
香典を連名で出す場合の書き方やマナー、金額の相場についてご紹介しました。弔事は急に訪れるため、前もって準備ができないということがほとんどです。急なことに慌てずにすむように、ぜひ香典袋の連名での書き方を知識として持っておくといざという時に役に立つでしょう。