「熾烈」の意味・使い方まとめ!読み方・例文・類語や漢字の由来も紹介!

「熾烈」の意味・使い方まとめ!読み方・例文・類語や漢字の由来も紹介!

この記事では「熾烈」という言葉を取り上げて、その意味、熾烈の類語とその意味、熾烈の使い方の例文、「熾烈」と「苛烈」の違い、「熾烈」という言葉を使う際の注意点、「熾烈」という言葉の由来と歴史、「熾烈」の英語表現などをご紹介いたします。

記事の目次

  1. 1.熾烈の意味とは?
  2. 2.熾烈の類語
  3. 3.熾烈の使い方・例文
  4. 4.熾烈と苛烈の違い
  5. 5.熾烈を使う際の注意点
  6. 6.熾烈の由来・歴史
  7. 7.熾烈の英語表記
  8. 8.熾烈は「勢いが盛んで激しい」という意味

熾烈の意味とは?

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この記事では「熾烈」(読み方は「しれつ」)という2字熟語を取り上げます。熾烈の意味、熾烈の類語とその意味、熾烈の使い方の例文、熾烈と苛烈の違い、熾烈を使う際の注意点、熾烈の由来と歴史、熾烈の英語表記とその意味、などをご紹介いたします。

先ず、熾烈という熟語の意味を解説いたします。熾烈とは「勢いが盛んで激しい」という意味です。熾烈の使い方として、よく用いられるのは「熾烈な戦い」、「熾烈な争い」という形です。文字通りの戦争の場面に限らず、競技やチェス、囲碁、将棋の対局の場面でも使われます。

熾烈の類語

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熾烈とは「勢いが盛んで激しい」様子を表す言葉でした。この熾烈と似た意味を持つ類語はかなり多くあります。漢語は表現力が豊富で、似た意味の漢字がたくさんあります。また、それらを組み合わせて似た意味の熟語がたくさんできるのです。

この章では熾烈の類語を3つご紹介いたします。どれも熾烈と似た意味の言葉ですが、微妙なニュアンスの違いがあります。それぞれの類語の読み方、意味、使い方の例文などをご紹介いたします。

類語「過激」の意味

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熾烈の類語として第1にご紹介するのは「過激」という言葉です。「過激」の読み方は「かげき」です。この類語の意味は「度を越えて激しい」という意味です。特に思想や行動が過度に激しい場合に使われます。

使い方の例文を挙げると、「現在、中東では過激な宗教思想に染まったテロ集団が一般の市民の生活を破壊して、難民が続出している」というものです。

類語「猛烈」の意味

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熾烈の類語として第2にご紹介するのは「猛烈」という言葉です。「猛烈」の読み方は「もうれつ」です。この類語の意味は「たいへん激しい」という意味です。この「猛烈」という言葉には、激し過ぎて迷惑というニュアンスはありません。

使い方の例文を挙げると、「バブル経済の最盛期には、企業でたいへん勤勉に働くビジネスマンに対して「企業戦士」とか「猛烈社員」などという言葉が使われた」というものです。

類語「激烈」の意味

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熾烈の類語として第3にご紹介するのは「激烈」という言葉です。「激烈」の読み方は「げきれつ」です。この類語の意味は「極めて激しい」という意味です。「激烈」という言葉には「やや度を越えて激しい」というニュアンスはありますが、「迷惑」というニュアンスはありません。

使い方の例文を挙げると、「衆議院の予算委員会の場で、与党議員と野党議員がコロナウィルスへの対策をめぐって激烈な議論を取り交わした」というものです。

熾烈の使い方・例文

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初めの章では「熾烈」という言葉の意味をご説明いたしました。そして次の章では「熾烈」という言葉の類語を3つご紹介いたしました。

この章では「熾烈」という言葉の使い方の例文を4つご紹介いたします。熾烈という言葉はよく、「熾烈な戦い」、「熾烈な争い」など、「戦い」や「争い」という言葉と結び付けた使い方をされます。以下に4つの戦いの場面での使い方の例文をご紹介いたします。

例文①

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熾烈の使い方の例文として第1にご紹介するのは、戦国時代の「川中島の戦い」という戦争の場面で使われる「熾烈」という言葉を使った次のような例文です。

「戦国時代の1553年~1564年の間に数次に渉って行われた川中島の戦いにおいて、甲斐の国の武田信玄の軍勢と越後の国の上杉謙信の軍勢は熾烈な攻防戦を繰り広げた」というものです。

例文②

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「熾烈」という言葉は「戦い」や「争い」と結び付けて使われることが多いと申しましたが、その「戦い」や「争い」は、戦争の様に多くの人に苦しみを与える、避けるべき争いとは限りません。むしろ、多くの人を楽しませるような戦いや争いもあります。

熾烈の使い方の例文として第2にご紹介するのは、そういう、多くの人を楽しませる戦いの一つ、将棋の対局について熾烈という言葉を使った、次のような例文です。

「最近行われた将棋の名人戦はA名人とB九段の対局であったが、終盤に至って熾烈な駒取り合戦を繰り広げた末に、遂にA名人が勝利してタイトルを守った」というものです。

例文③

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熾烈という言葉が結びつく戦いや争いは、必ずしも悪い争いではなく、むしろ多くの人を楽しませる争いもある、と申しました。熾烈の使い方の例文として第3にご紹介するのも、そういう多くの人を楽しませる争いの一つ、ラグビーの試合をめぐる次ような例文です。

「全国大学ラグビー大会の決勝戦において、昨年優勝したA大学と一昨年の優勝校、B大学は延長3回に及ぶ熾烈なトライの獲得戦を展開した末に、遂にB大学が勝利を収めた」というものです。

例文④

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熾烈に結びつく戦いや争いは、必ずしも戦争のように悪い争いとは限らないと申しました。多くの人を楽しませる争いとは言えないにしても、悪い争いとは言えない争いの中に学問や宗教の世界での論争があります。

熾烈の使い方の例文として第4に挙げるのは、宗教の世界における論争をめぐる次のような例文です。「中世に、仏教のある宗派内で熾烈な教義をめぐる論争が起こり、遂にこの宗派に一つの分派が生じることになった」というものです。

熾烈と苛烈の違い

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これまでに「熾烈」という言葉をめぐって、熾烈の意味、類語、使い方の例文などをご紹介して来ました。熾烈と一見似た言葉に「苛烈」という言葉があります。「苛烈」の読み方は「かれつ」です。この章では「熾烈」と「苛烈」の違いについてご説明いたします。

苛烈は「厳しく激しい」という意味

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「苛烈」という言葉の意味は「厳しく激しい」という意味です。一方「熾烈」の意味は「勢いが盛んで激しい」という意味でした。

熾烈と苛烈の違いは、この「厳しい」というニュアンスが含まれているかどうかの違いです。例えば「あの王は苛烈な性格の持ち主であった」と言うと、その王はただ激しいだけでなく、苛酷に人を罰するような厳しさを持っていた、ということになるのです。

「苛烈」の意味とは?使い方の例文や英語表現などを詳しく紹介!のイメージ
「苛烈」の意味とは?使い方の例文や英語表現などを詳しく紹介!
「苛烈」という言葉はあまり耳にすることはありませんが、「苛烈」という言葉はどういう意味なのでしょうか。「苛烈」の意味や類語や「苛烈」の使い方や例文、「苛烈」の英語表現や「苛烈」と「熾烈」との違いなどを詳しくご紹介しましょう。

熾烈を使う際の注意点

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これまでに「熾烈」という言葉をめぐって、その意味、類語、使い方の例文、熾烈と苛烈の違いなどをご説明しました。この熾烈という言葉の由来や歴史については次章で取り上げることにして、この章では「熾烈」という言葉を使う際の注意点を取り上げます。

中程度以下では使えない

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「熾烈」という言葉の意味は「勢いが盛んで激しい」という意味でした。つまり激しさの程度がたいへん大きい場合に「熾烈」という言葉が使われます。「熾烈な戦い」とは、非常に激しい戦いを意味します。激しさが中程度以下の場合には「熾烈」という言葉は使えないので、注意が必要です。

熾烈の由来・歴史

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以上に「熾烈」という言葉をめぐって、その意味、類語、使い方の例文、「苛烈」という言葉との違い、熾烈を使う際の注意点などをご説明しました。この章では、この「熾烈」という言葉の由来と歴史を辿ります。

由来

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熾烈という言葉の由来を辿ります。熾烈という言葉は「熾」という漢字と「烈」という漢字が結びついた2字熟語です。「熾」は「勢いが盛んである」ことを意味する漢字です。

また「烈」は「激しい」ことを意味する漢字です。この二つが結びついて「勢いが盛んで激しい」ことを意味する「熾烈」という熟語が出来ました。これが「熾烈」という言葉の由来です。

歴史

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「熾烈」という2字熟語の歴史を辿ります。「熾」という漢字も、「烈」という漢字も、それ自体は漢文明の産物ですから紀元前に遡る歴史がある筈です。

しかし、この二つの漢字を組み合わせた「熾烈」という熟語は、日本人が作り出したもので、それも明治時代以後の近代に作り出されたものです。何故なら江戸時代以前の言葉を集めた古語辞典には「熾烈」という熟語は載っていないからです。

明治時代以後になると、例えば文学者、思想家の倉田百三、小説家の太宰治、作家、歌人の長塚孝節らが「熾烈」という言葉を使った作品を残しています。特にプロレタリア作家の宮本百合子は多くの作品の中でこの「熾烈」という言葉を使っています。

熾烈の英語表記

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熾烈という言葉は漢字から生まれた言葉なので、ずばり、これ一つという英語表現はありません。同じ意味の英語表現はいくつかありますが、その中から、特に意味が近いものとして「keen」という英語を取り上げます。この読み方は「キーン」です。

「keen」には「熾烈」という意味で、例えば「keen struggle(熾烈な闘い)」などという使い方があります。また、「keen」にはその他に「鋭利な」や「洞察力のある」などという意味もあります。

熾烈は「勢いが盛んで激しい」という意味

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この記事では「熾烈」という2字熟語を取り上げて、その意味、類語、使い方の例文、「苛烈」との違い、「熾烈」という言葉を使う際の注意点、「熾烈」の由来と歴史、「熾烈」の英語表記などをご紹介しました。

「熾烈」という言葉の意味は「勢いが盛んで激しい」という意味です。この言葉は「戦い」や「争い」という言葉と結び付けて「熾烈な戦闘」、「熾烈な論争」などという風に使われることが多いです。

八岳
ライター

八岳

定年退職して以後、八ヶ岳山麓の信州松原湖高原に山住まいをしながら、ライター稼業をしております。kuraneoの記事のテーマは大変多岐に亘っており、言葉の意味、ファッション、髪型、食材のレシピ、アウトドア商品の紹介、機械の使い方などに関する記事を書いて来ました。雑学の知識に触れて大いに勉強になります。

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