要項の意味とは?
要項という言葉を見ることがあります。募集要項や応募要項などの文字でおなじみという方も多いのではないでしょうか。しかし、意味を聞かれると正確に答えるのは難しい言葉でもあります。
要項は「ようこう」と読みます。大切な事柄、必要な事項という意味があります。また、大切な事項や必要な事項を記した文章という意味があります。一番最後の意味で使われるイメージを持っている方も多いでしょう。
要項の特徴
大まかな意味は分かりました。漠然としていて掴みにくいです。要項の言葉をもう少し深く理解するために、要項という言葉の特徴について迫りましょう。まずは漢字について見ていきましょう。
また、要項と同じ読みをする要綱との意味の違いや使い分け方、要領との意味の違いと使い分け方についてもご紹介します。似た言葉を通すと要項の特徴が見えてきます。
似ている要綱、要領という言葉について知っておくとより、理解が広がり使い分けする必要があるかどうかもよくわかります。
要項の漢字の意味
要項という漢字を見ていきましょう。要項の「要」という漢字はかなめとも読み、物事の大切な部分という意味があります。
「項」という漢字にはまとまりをもつ事柄を細かく分けた一つ一つ、またはそれを記した文章という意味があります。
「要」と「項」を合わせると、大切な事項ひとつひとつもしくは大切な事柄を一つ一つまとめて記したものという意味となります。
要項と要項
要項と同じ読みで「要綱」という言葉があります。同音異義語はいくつもありますが、同音なだけでなく、意味の似ているので紛らわしく、使い分けに悩みます。
「要項」は大切な事項やそれを書き記したものです。一方「要綱」は基本となる大切な事柄やそれを記したものです。どちらも大切な事項を表しているので区別がつきにくいです。
要項は大切な事項を意味しますが、「項」の字が使われていることからも分かるように細かい事柄について記されています。一方、要綱には「綱」が使われています。「綱」には「おおもとのきまり」という意味もあります。
要項が細かい大切な事柄について意味していますが、要綱では元となる大切な事柄について書かれていることになります。同じ読みで同じような意味を表しているようですが、大きな違いがあります。
根本的で大切な事柄や方針を大枠でまとめたものが要綱、大切なことを細かくまとめたものが要項という使い分けをすると良いでしょう。
また、要項に比べて要綱は堅苦しい言葉となります。役所や事業などで使われることが多いです。民間では要項が使われやすいという使い分けでも良いでしょう。
要項と要領
要項と似た言葉に要領という言葉もあります。要領の意味は物事の最も大切な部分。または、物事の要点をつかんだ、上手い処理の仕方という意味があります。
日常会話では「彼は真面目なんだが要領が悪い」というように物事の要点をつかまず、処理の仕方が上手くないというような意味で使われたりします。
その他にも「学習指導要領」のように使われます。要項が大切な細かい事柄について記されているのと同じように「要領」でも細かい事柄について記述されているものが多いです。この使い方の場合要項と要領はとても良く似ています。
実際、要項と要領を同じように使っても差し支えない場合が多いです。特に使い分けについて気にしなくても良いでしょう。厳密には要項の方は「項」の字を使っていることから、箇条書きにしてあるもの、情報を指すことが多いです。
一方要領の方は、処理の仕方という意味もあるので具体的な方法や方針など、要項よりも幅広い意味を示すことができます。
要項と要綱と要領
要綱では綱(つな)が表わすように、おおもとのルールや方針で大切なもの、またはそれを記したものを指し、官公庁などで使われることが多い硬い言葉です。
一方、要項と要領は細かな大切な事柄やそれらをまとめたものを指します。要項と要領には大きな違いはありません。要項では情報などを箇条書きにすることが多く、要領は具体的な方法や方針なども書かれていることがあるものを指します。
例えでみてみましょう。開発の意味や大筋をまとめたものは開発要綱、開発の期間や施工者などの情報を記したものが開発要項、もしくは開発要領となります。
要項の英語表現
要項を英語で表現したい場合はどのような言葉を使えばいいのでしょうか。実は要項に当たる英語はこれ!というような分かりやすい英語表現はないようです。
要項の意味するものを汲んで、上手く英語表現を選ぶ必要があります。いくつか候補になる英語表現をご紹介します。
requirement
要項を英語で表す場合requirementを用いることがあります。requirementの意味は要求されること、必要条件となります。
例えば、「入学試験要項」の場合、要項の意味は「入学試験に関して大切な事柄」という意味です。英語ではこれを「入学試験を受ける者に要求すること」と捉えて「入学試験要項」は「admission requirements」と表現します。
guide/guideline
募集要項は英語でapplication guidelines/guideとなります。日本語にすると申し込み案内と言ったところでしょう。guidelineには指針、指標などの意味があります。
また、guideにも名詞で手引きと言った意味があるので、guideline/guideどちらも使う場合があります。そのほかにもapplicationの代わりにrecruitment guidelinesという表現もあります。
essentialpoints
essentialpointsは意味としては要項に一番近いです。重要なポイント、要点や要項を意味します。日本語に当てはめると要点がぴったりきます。
「重要なポイント」≒「大切な事項」という意味を持っているので、大切な事項を表現したいときに使うと良いでしょう。
要項の使い方
要項というと入試要項や参加要項という言葉を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。大切な事項をまとめたものという意味で使われることがほとんどです。
まとめたものを意味することが多い要項ですが、それ以外の使い方もあります。要項の使い方について例文を交えて詳しく見ていきましょう。
例文①
例文①:募集要項については後日改めて当社HPに詳しく記載をしますので、そちらをご覧ください。前述しましたが、要項は「大切な事項をまとめたもの」を指すことが多いです。
この場合は募集をするにあたって大切な事項がまとめてあるものを指します。一般的には募集側が応募者に要求する条件が書かれているものを指すという使い方が多いです。
例文②
例文②:入試要項には募集人数や出願条件、試験日程が書いてあるので、きちんと読んでおきなさい。入試要項は入学者選抜要項や入学試験要項を略したものです。
主に入学試験に申し込む方法や受けるために必要なこと、受かった後の手続きなど受験生が知っておくべきことがまとめて記されています。学生募集要項と言われることもあります。
例文③
例文③:今年度、市で開催するマラソン大会の大会の要項はもうまとめてありますか。大会要項という言い方をすることも多いですが、大会の要項や○○会の要項などのように使うこともあります。
試験要項という場合も試験の要項という場合もあります。大切なことを細かくまとめたものという同じ使い方がされています。大会要領とされている場合もありますが、ほぼ同意と考えて良いでしょう。
例文④
例文④:地域活動の衰退は我々が無関心であることの説明の一つの要項と考えられます。今までは「大切な事項をまとめたもの」を表す例文をご紹介しました。
ここでは、大切な事項という意味の使い方の例文をご紹介しました。それ以外に「要項について確認しておく」のように「大切な事柄」という意味で使われます。最近はこのような形で使われることは少ないようです。
要項は「大切な事柄」という意味
要項というと小冊子のようなものをイメージする方も多いですが、大切な事柄という意味もありました。あまり単独では使われないことが多いですが、意味を知っておくと理解が深まります。
要項には要綱や要領など似た言葉が多いです。使い分けが難しい言葉でもありますが、自分の中にイメージがつくと使いやすくなります。是非要項を見たときには大切な事柄!とイメージしてみて下さい。