PASMOには種類がある
一昔前と違い、多くの人が日々通勤や通学で交通機関を利用する際にICカード類を使う姿が普通になってきました。ちなみにこの交通系ICカードにも様々な種類が存在します。
利用する地域によってもシェア率が異なりますが、このICカードは「関東圏や東北・北海道で使えるSuica」「関東圏で使えるPASMO」「関西圏で使えるICOCA」など、昨今様々な種類が存在しています。その種類は10種類を超えています。
その交通系ICカードの中の一つ「PASAMO」に焦点を当てて紹介をしていきたいと思います。PASMOを利用されていてあまり気にしていないと思いますが、実はPASMOとひとくくりにしても3種類のPASMOが存在します。
3種類のPASMOカード
PASOMは「記名式PASMO」「無記名式PASMO」「PASOMO定期券」の3種類に分けられます。
記名式PASMOはPASMOも持ち主の名前が記入されていますが、無記名式PASMOには名前の記入がありません。PASMO定期券はその名前の通り、通勤・通学の定期券として利用できるPASMOです。
払い戻しできるPASMO
交通系ICカードは発行する際に「デポジット代」として500円が掛かります。デポジットとは保証の意味で、交通系ICカードのサービスを利用するにあたって「ICカードの実物」を借りる際に発生する「預かり金」に相当します。主にICカードの使い捨ての防止のために導入されたシステムです。戻ってくるお金ですので、手数料とは意味合いが違います。
PASMOは使うことがなくなった場合に、払い戻しをすることによって発行時に払ったデポジット代500円と、それまでにチャージしていた残額が払い戻しされます。
払い戻しをせずにいつの間にか財布の中に不要になったICカードがたまっていた、なんて事も。デポジット料を受け取り、財布もスッキリさせましょう。
PASMOの払い戻しの方法で必要なもの
PASMOの払い戻しが可能な話をしましたが、では払い戻しをする方法ですが、どういった手続きが必要なのでしょうか?「記名式PASMO」「無記名式PASMO」「PASOMO定期券」の3種類で異なるのか、見ていきましょう。また、払い戻し手続きに付随して、無記名式PASMOの危険性についても触れましょう。
無記名PASMOの場合
無記名式PASMOの払い戻しをする方法ですが、お手元のPASMOを駅事務室に持って行くだけで払い戻しが完了します。たったそれだけです。別段その場で申請書に記入をするといった事も必要ありませんので時間は全く掛かりません。
無記名式PASMOはそのPASMOに紐付く個人情報が無いため、無記名式PASMOを持って行けばそのまま払い戻しが完了するというわけです。
自分の無記名式PASMOを持って行って払い戻しをするだけなのであれば、「これは簡単でいい」と思うのですが、逆の側面から見れば、無記名式PASMOを無くしてしまった場合、誰かに勝手に払い戻しをされてしまう危険性も伴います。
記名PASMOと定期券PASMOの場合
無記名式PASOMOと違い、記名式PASMOとPASMO定期券は持ち主の情報が記載されていますので、払い戻しの際に持ち主と証明できるものが必要になってきます。
払い戻しに必要なものは、お手持ちのPASMOと、PASMOに記載されている情報を照合できる「公的証明書」が必要になります。「免許証・パスポート・健康保険証・学生証(写真付)・社員証(写真付)・個人番号カード」などが公的証明書にあたります。
紛失すると勝手に戻される可能性がある?
先のも書いたように、無記名式PASMOの場合、PASMO自体に持ち主の情報が無いため、払い戻しに来た人が本人かどうかを確認する術がありません。
よって紛失した場合や盗まれた場合に簡単に払い戻しをされてしまいます。無記名式PASMOは、購入時に個人情報の入力が無く、パッと購入できる点が魅力です。ですが、こういったリスクを考えて購入することが大切になります。
PASMOの払い戻しをする場所や方法
PASMOの払い戻しについて書きましたが、では払い戻しの場所や、具体的な方法、どの程度の時間を要するのかを見ていきましょう。
余談ですが、大きな駅になりますと構内も複雑になります。後記の内容だけでは各駅ごとの具体的な地図案内等は難しいので、もし迷ってしまう場合は駅係員事務室にて案内を仰ぎましょう。
PASMOはJRでの取り扱いに注意
PASMOの払い戻し場所として、JRの駅では払い戻しができません。PASMOは関東の私鉄・地下鉄が発行する交通系ICカードなので、JRの駅は取扱事業者に当たらず、払い戻し対応不可となります。地上と地下で同じ駅名をしている駅の場合、窓口を間違えやすいので点注意しましょう。
定期券販売窓口でも払い戻しできる
PASMOの払い戻しは、記名式PASMO・無記名式PASMOの場合と、PASMO定期券の場合で異なります。
まず記名式PASMOと無記名式PASMOの場合ですが、払い戻し場所は関東私鉄・地下鉄駅などPASMOを発行している駅であれば、その駅事務室で対応してもらえます。また、定期券販売窓口でも払い戻しが可能です。
PASMO定期券の場合、払い戻し場所はお手持ちのPASMO定期券を発券した駅となります。購入した駅を忘れた場合、PASMO定期券に記載されている駅に向かいましょう。
記名式PASMO・無記名式PASMOの場合と、PASMO定期券の場合、どちらの場合でも共通する注意点としましては、PASMO発券機では払い戻しができません。きちんと各々の指定の場所へ行き、払い戻しをしましょう。
PASMO定期券の手数料は事業所で異なる
PASMO払い戻しの手数料についても、記名式PASMO・無記名式PASMOの場合と、PASMO定期券の場合で扱いが異なります。
記名式PASMOと無記名式PASMOの場合は手数料がかからずに払い戻しいが可能です。ですが、PASMO定期券の場合は手数料の額が一律に決められていません。これはPASMOを発行している私鉄・地下鉄の各社によって手数料の規定が異なるためです。あらかじめ各社に手数料の確認をする方がよいでしょう。
お金の払い戻し時間は?
では実際に窓口へ行き、払い戻し完了までにどの程度の時間を要するのでしょうか。実際に要する時間は、窓口の混み具合に左右されてしまうのが実情です。ただ、手続き自体は払い戻し申請をしたその場で完了します。ですので、空いていれば時間は掛からずにほんの数分で完了します。
PASMOの払い戻し前に確認するポイント
PASMOの払い戻し自体は必要書類を持って窓口に行くだけで簡単にできますが、一度払い戻しをしてしまうと、そのPASMOの情報は破棄されてしまいます。再発行の方法は後述しますが、少々手間と時間がかかってしまいますので、払い戻しをする前に今一度確認をしておくべきポイントをまとめます。
ICカードの利用明細を発行しておく
PASMOは様々な駅商業施設で利用できるようになりました。昨今は様々な商業施設でキャッシュレスが導入される時代ですので、チャージしてお買い物に利用している人も多く見かけます。チャージ利用は時間も取られず便利です。また、時間短縮以外にもまとめて利用明細を出せるところも便利なポイントです。
PASMOを普段の買い物で使われている場合、払い戻しをしてしまいますとそれまでの明細書の発行ができなくなってしまいます。毎月決まった日に明細を出しているなど、定期的に明細発行を行っている場合は、払い戻しの前に明細発行を忘れずにしておきましょう。
メトロポイントを認識しておく
メトロポイント、通称「メトポ」をご存知でしょうか?あなたがPASMOを利用して地下鉄に乗車している場合、乗車するたびにメトロポイントが貯まるサービスです。
このメトロポイントは10ポイント(=10円分)を最低単位としてPASMOにチャージできます。チャージ方法は駅構内にあるPASMO発券機から行います。乗車する度にポイントが貯まるのでかなり便利なポイントとなっています。チャージ手数料等もなく、貯まったポイントをそのまま還元できます。
ですが、この貯まったメトロポイントもPASMOを払い戻してしまうと無効になってしまいますので、払い戻しの前にメトロポイントがいくら貯まっているのか確認をしましょう。
PASMOを紛失した場合の対処方法
PASMOを紛失した場合、まずはカード類をよくしまう場所を確認しましょう。お財布・定期入れ・名刺入れなど。また、バッグの底にむき出しでかくれんぼしている場合もあります。
これらの場所を探してない場合、次点として自分の通学・通勤で使う駅、お出掛けで降車した駅に電話で落し物確認をしましょう。意外と届けられている場合もあります。もしこれらの場所を探しても見当たらない場合、どのような方法で対処をすればよいのでしょうか。
PASMOを紛失した場合は再発行
PASMOを紛失してしまった場合、再発行の手続きをすることによって紛失してしまったPASMOの利用を停止でき、紛失の手続きが完了した時点での残額、定期券、オートチャージサービス機能も引き継がれます。早めに再発行しましょう。
気をつける点としましては、再発行をするにあたって「デポジット料500円」と「再発行手数料510円」が掛かります。ただ、紛失したPASMOを発見した場合、「元々お持ちのPASMO」と「今回再発行したPASMO」の両方を発券窓口へ持って行くことで、デポジット料500円は戻ってきます。
再発行手続きの注意点として、無記名式PASMOは再発行できないという点が挙げられます。再発行には「公的証明書」でPASMO発行時の顧客データと照合するので、もともと個人情報のない無記名式PASMOは照合ができず、再発行ができない仕様になっています。
PASMOを再発行する流れ
再発行の方法ですが、まず通勤・通学の範囲内の駅の発券窓口、またはバスでPASMOを利用している方はバスの営業所へ向かいます。各々の場所にて係員の方に事情を説明し、「再発行申請書」を受け取りましょう。
「再発行申請書」の記入が済みましたら係員の方に提出、ここで再発行登録をしてもらえます。このタイミングで紛失PASAMOの利用停止となります。登録が終了しましたら「再発行整理票」を発行してもらえます。
「再発行整理票」を受け取りましたら、この整理表の他に、「公的証明書」「1010円(デポジット料+手数料)」の2点、計3点を準備しましょう。
翌日、再度通勤・通学の範囲内の駅の発券窓口、またはバスの営業所へ向かましょう。各々の場所で、準備した3点を呈示すれば再発行手続き完了です。
再発行にかかる時間
再発行の手順に触れましたが、申請書の受け取りから記入、整理表の受け取り等を考えますと再発行に要する時間はどの程度掛かるのでしょうか。
先に書いたように、「発行整理表」を受け取ってから、その「翌日」に通勤・通学の範囲内の駅の発券窓口、またはバスの営業所、各々の場所へ向かい手続きをします。このことから、再発行時間は最短でも1日以上は掛かってしまいます。
また、再発行整理表の注意点として、有効期限が整理表発行から「14日以内」となっています。この期限を切れると手持ちの再発行整理表が使用できなくなるので注意しましょう。
重ねての注意点ですが、この再発行整理表を紛失してしまった場合は、有効期限の14日を過ぎてからでないと再発行整理表の再度の発行が出来ません。14日が過ぎるまでPASMO再発行が出来なくなります。無駄に時間が掛かってしまうので、紛失には注意しましょう。
PASMO定期券の払い戻しをする前に確認!
PASMO定期券を現在利用しているけど、「転勤になって電車利用区間が変わった」「まずもって通勤に電車を使わなくなった」など、個人個人の生活環境の変化によって定期券としての利用が必要なくなったというケースもあると当然あります。
そういった場合に「定期券としては利用しないけど、普段使いとしてのPASMOは重宝しているので、その面での利用は継続したい」というニーズは多いのではないでしょうか。
PASMO定期券は不要だがPASMOはそのまま使いたい
PASMO定期券は不要だけど、普段使いのPASMOは便利だからそのまま使いたい。このニーズにPASMOは応えてくれています。お手元にあるPASMO定期券自体の払い戻しをしなくても、定期券の機能のみを払い戻して、記名式PASMOに変更してもらえます。不要な点をピンポイントで削れる便利なサービズになります。
PASMOの払い戻しは種類に応じた方法で行おう!
PASOMは「記名式PASMO」「無記名式PASMO」「PASOMO定期券」の3種類に分けられます。
「記名式PASMO」「無記名式PASMO」「PASOMO定期券」はPASMOに個人情報の記載があるか無いかの単純な違いだけではありません。
払い戻しの手続において、個人情報が証明できる公的証明書の必要・不必要の違い。また手数料が有無の違いなど異なる点が存在します。
再発行についても、無記名式PASMOは個人情報の照合をとれないため出来ないなど、各々の種類によって異る点があります。これらの違いを認識した上で、どの種類のPASMOを発行するか考えましょう。