マイナンバーが悪用されたら?対処法や実際のトラブルの事例も紹介

マイナンバーが悪用されたら?対処法や実際のトラブルの事例も紹介

2015年から始まったマイナンバー制度は、会社でも使われるようになりました。最近マイナンバー(個人番号)が悪用される危険性が指摘されています。そんな場合の対処法と悪用された事例を紹介します。またマイナンバーカードを紛失した時にどう対応したらいいのか解説します。

記事の目次

  1. 1.マイナンバーの悪用について徹底解説!
  2. 2.マイナンバーは会社に教えても大丈夫?
  3. 3.マイナンバーカードが悪用された場合の対処法
  4. 4.マイナンバーカードの悪用事例
  5. 5.マイナンバーを上手に活用する為に
  6. 6.マイナンバーカードが悪用された際にはいち早く対処をしよう!

マイナンバーの悪用について徹底解説!

Photo bySkitterphoto

マイナンバー(個人番号)は、個人や会社が行政手続きをする場合の時間と労力を、大幅に短縮することができます。またマイナンバーカードは身分証明書としても利用することができます。

便利で使いやすいと思われていたマイナンバーですが、最近、悪用される事例が増えてきました。2018年12月15日には、国税庁がマイナンバーと源泉徴収のデーターが漏えいしたことを発表しました。

ところがマイナンバーを漏えいしたり、マイナンバーカードを紛失したりするとどんな危険性があるか知っている人は少ないです。今回はマイナンバーが悪用される事例を紹介したうえで危険性について徹底解説します。

マイナンバーは会社に教えても大丈夫?

Photo byStartupStockPhotos

マイナンバー制度がスタートしたことにより、会社からマイナンバー(個人番号)の提出を求められるようになりました。そんな時、個人情報であるマイナンバー(個人番号)を会社に教えても大丈夫なのでしょうか。

結論から言うと会社にマイナンバーを提出しても大丈夫です。その理由は、マイナンバーの利用目的は法律によって限定されているからです。マイナンバーを利用できるのは「社会保障」・「税金」・「災害」の3つの分野だけです。

それ以外の目的で使うことはできません。もし、目的以外のことに不正に使用すると罰則があります。ちなみにマイナンバーを利用目的以外の理由で、他人に教えたり他人から教えてもらうことも禁止されています。

勤務先の会社に教えるのは義務

Photo byfreephotocc

マイナンバーを会社に提出するのが不安なので教えたくない人がいたとします。そんな時に会社に提出する義務や罰則はあるのでしょうか。実際はどうなのか調べてみました。結論から言うと提出義務はありません。また提出しないからといって罰則もありません。

ただし、義務や罰則が無いからと言って提出しないわけにはいかないようです。なぜなら、会社で使用する書類の中には、マイナンバーを記入するように定められている書類があるからです。

つまり会社に対してはマイナンバーを使用する義務が法律によって課せられているのです。その結果、従業員にも提出する必要が出てくるというわけです。

会社の手続きに必要

Photo byrawpixel

会社で従業員の代わりに行う事務手続きには、年末調整などの税金関係・雇用保険・社会保険・厚生年金・災害対策などがあります。たとえば住民税や所得税の支払業務・ハローワークや年金事務所などにたいする手続きも従業員の代わりに会社でやっています。

それらの書類にはマイナンバーの記入が必要になります。なお会社は、従業員にマイナンバー(個人番号)の利用目的を伝える義務があります。したがって会社にマイナンバーを通知する際は利用目的をしっかりと確認しておきましょう。

いずれにしても会社の手続きにマイナンバーは必要なものです。従業員という立場を考えると教えるのが不安という理由だけで教えないわけにはいきません。

管理が厳重であれば悪用の可能性は低い

Photo bypixel2013

マイナンバー(個人番号)は、個人を特定できる「特定個人情報」になります。この情報を利用する会社は、平成28年1月から施行されている「マイナンバー法」の適用を受けます。

さらに会社には「取集・利用・保管・廃棄・委託」について適切に管理する責任が課せられます。ちなみに適切な管理とは「本人確認」「安全措置」「監督責任」「説明責任」の4つです。

いずれにしても会社が法令に基づき厳重にマイナンバーを管理している場合は、マイナンバーが悪用される可能性は低いといえるでしょう。管理が厳重な会社であれば大きな不安を持つ必要はないでしょう。

個人番号の取扱いの教育もされている

Photo by377053

マイナンバー(個人番号)の取り扱いで、会社が注意するべき事項は「情報漏えい」を無くすることです。マイナンバーの12ケタの番号が漏れても、それだけでは本人の特定はできません。

但し、会社が注意しないといけないのは、マイナンバーの漏えいだけでなく、その他の個人情報が一緒に漏えいすることです。情報管理が厳重にされていればマイナンバーが悪用されることはまずありません。

その為、会社では、マイナンバー法(法人用)に基づいて、適切な社員教育が行われています。そしてヒューマンエラー(人為的なミス)が起こらないように細心の注意を払って情報管理されています。

マイナンバーカードが悪用された場合の対処法

Photo by_Alicja_

マイナンバー(個人番号)が悪用される原因となるのはマイナンバーの漏えいです。マイナンバーカードには住所や電話番号などの個人情報が記載されていますから、身分証明書と同じもので重要な個人情報になります。

個人番号の漏えいだけなら本人を特定されることはありませんが、マイナンバーカードは特定されます。もし、外出などをしていてマイナンバーカードを紛失したり、盗難にあった場合は、早急に「一時停止の処置」をする必要があります。

そういう意味で言うとキャッシュカードと同じようなものと考えて対応したほうが良いでしょう。次にマイナンバーカードが紛失した場合の対処要領を具体的に紹介します。

①地方公共団体情報システム機構に連絡

Photo bySkitterphoto

マイナンバーカードを紛失した場合に対応してくれる機関は「地方公共団体情報システム機構」です。お問い合わせ先は「個人番号コールセンター」・「マイナンバー総合フリーダイヤル」・「マイナンバー総合フリーサイト」のいずれかです。

マイナンバーのトラブルについて、24時間365日いつでも対応してくれます。またマイナンバーカードを紛失したのか、盗難にあったのかハッキリ解らなくても構いません。

最悪の場合、悪用される危険性を考えて早急にマイナンバーカードを一時停止して貰いましょう。連絡を受理された時点でカードの機能が一時停止されるので悪用されることは無くなります。

②警察署に遺失届を出す

Photo byFree-Photos

マイナンバーカードを紛失した時は、警察署に「遺失届」を出す必要があります。特に外で紛失したのがハッキリしている場合は速やかに対応したほうがいいでしょう。遺失届をした際の「受理番号」は、再発行する時に必要になります。

遺失届には、亡くなった日時、場所、物品名などを書きこんで提出します。警察で受理されると「遺失物受理番号」のお知らせメモを受け取ります。受理番号は、再発行の手続きをするまで大切に保管して下さい。

遺失届は、いわば交通事故の事故証明のようなものです。勘違いでは無く間違いなく紛失したという事実を警察に認めて貰う為に行う手続きです。

③市町村役場で再交付依頼

Photo byFree-Photos

マイナンバーカードを再発行して貰うためには、紛失・焼失を証明する書類が必要です。紛失や盗難にあった場合は、警察署が発行する遺失届が必要です。手続きの際に遺失届の受理番号が必要になります。

また焼失した場合は、消防署が発行する罹災証明書が必要になります。再発行の手続きは、お住まいの市町村の窓口で行います。窓口で記入する書類は、受理番号・通知カード紛失届・通知カード再交付申請書・身分証明書の4つです。

さらに、これに手数料が500円必要です。(都道府県によって手数料は異なります。)なお再交付に要する日数は、3週間から4週間かかります。

一時停止を優先して紛失対応

Photo byFree-Photos

マイナンバーカードを紛失した場合は、一時停止することが最優先にするべき対応です。また紛失したかどうか、あやふやな場合でも、カードを探すことを優先するよりも一時停止する処置を優先する必要があります。

探すのは一時停止の処置が終わってから探しても問題ありません。もし、後からマイナンバーカードが見つかった場合は、所在している市町村の窓口で一時停止解除の手続きを行えば、再び利用できるようになります。

その際は、運転免許証などの本人確認書類が必要になります。なお印鑑は認印でも構いませんが、シャチハタなどは利用できません。

マイナンバーカードの悪用事例

Photo byqimono

マイナンバー(個人番号)が漏えいしても、番号だけでは行政手続きをすることはできません。また個人番号だけでは銀行口座を開設することも出来ません。なぜなら身分証明書による本人確認が必要になるからです。

ところがマイナンバーカードを紛失した場合は、悪用されるリスクが一気に高くなります。なぜかと言うとマイナンバーカードには身分証明書と同じ役割があるからです。

個人番号に、さらに個人情報が加わると悪用される危険性が高くなるというわけです。それでは実際にマイナンバーの漏えいによってどんな悪用の事例があるのか紹介しましょう。

①マイナンバーで勝手にクレジットカードが作られた

Photo bygeralt

マイナンバーカードを悪用された事例の中にはクレジットカードを勝手に作られたという事例があります。これはマイナンバーの先進国のアメリカで起きた事例です。

カードに記載されている氏名・住所・電話番号などの情報によって、本人が特定された結果、悪用されてクレジットカードが作られたのです。それ以外にも、印鑑登録証明書が勝手に発行されたりしています。

あるいは、見たこともない異性と結婚したことになっているというケースもあります。要するに本人がする行政手続きや、売買契約などを赤の他人が本人になりすまして行うやという事例がいくつも起きています。

全財産を失ってしまった

Photo byanalogicus

マイナンバー(個人番号)の特徴がお解りになったでしょうか。12ケタの個人番号と付随する情報が一緒に漏えいすると危険性が一気に増すのです。カードを紛失したにも関わらず、何もしないで放置するのはとても危険です。

勝手に印鑑証明書が作られたり、銀行口座が開設されて株式の売買が行われていたりします。さらに、最悪の場合は巨額の借金ができていて、気がついたときには全財産を失うリスクもあります。

今後マイナンバーがさらに使いやすくなり、カードに更なる情報が記載されるようになると、さらに取扱いに注意しないといけなくなるでしょう。

②悪用によって自分名義の車を契約

Photo byAymanejed

マイナンバーカードを使ってクレジットカードが作られる可能性があるということは、売買契約も簡単にできるということになります。たとえば高級車の売買契約が結ばれていたとしても不思議ではありません。

しかも、自分が知らないところで使用されているとすれば、さらに危険性は広がります。これらの事例はマイナンバーカードの先進国のアメリカで実際に起こっています。

日本はマイナンバーカードができてまだ5年たらすですが犯罪の手口が巧妙化している現代では日本も例外ではありません。実際にアメリカで起きていることは、日本でも起きる可能性があるということです。

自分名義の車を使い犯罪が発生

Photo bylipetkd

マイナンバーカードを悪用されると被害はどんどん拡大する危険性があります。たとえば知らない間に車を購入された場合、自分名義の車で交通事故が起こったりすると何もしていないのに加害者になってしまいます。

日本はマイナンバーカードができてまだ5年たらすですが犯罪の手口が巧妙化している現代では日本も例外ではありません。実際にアメリカで起きていることは、日本でも起きる可能性があるということです。

マイナンバーを上手に活用する為に

Photo by089photoshootings

ここまでマイナンバーが悪用される危険性について紹介して来ました。危険性を強調しすぎると使うのが不安になったりするものです。しかしマイナンバーの特性を正しく理解すれば安心して上手に活用することができます。

マイナンバーは単なる12ケタの番号ではありません。正しく活用する為にはマイナンバー(個人番号)もマイナンバーカードも同じものだと思った方が良いでしょう。それではマイナンバーカードを正しく活用する為に、どんなメリット・デメリットがあるのかを紹介しましょう。

マイナンバーカードのメリット

Photo byPublicDomainPictures

マイナンバーカードを利用するメリットは4つあります。1つ目のメリットは、公的な身分証明書として利用できるので行政手続きがスピーディにできます。また会社に提出する際もカードを提示するだけで書類を提出する必要はありません。

2つ目は電子証明書の機能が搭載されているので自宅で確定申告(E-TAX使用)ができます。また最寄りのコンビニで住民票・印鑑証明の他6種類の各種証明書を手軽に取得することができます。

3つ目は、マイナンバーのポータルサイトを使って自分の特定個人情報を確認できます。4つ目は、マイナンバーを利用することにより自治体のポイント制度を利用できるので地域の各種サービスを貯まったポイントを使って利用できます。

マイナンバーカードのデメリット

Photo byConcord90

マイナンバーカードのデメリットは、たった一つです。それは今回ご紹介した紛失による悪用の危険性があることです。その為、マイナンバーは法律によってむやみに他人に教えてはいけない重要な情報という位置づけがなされています。マイナンバーカードの取り扱いにはくれぐれも注意して下さい。

今回、ご紹介した悪用される事例やマイナンバー及びマイナンバーカードの特徴をしっかりと把握して、マイナンバーのデメリットを正しく理解し、適切に利用することができれば不安を感じることなくマイナンバーカードを活用することができるでしょう。

マイナンバーカードが悪用された際にはいち早く対処をしよう!

Photo bynattanan23

2015年にはじまったマイナンバー制度は、日本ではまだ歴史の浅い制度です。今回紹介した事例だけでなく、マイナンバーの発行に関する詐欺の事例は日本でも起きています。

今後さらにマイナンバーが悪用される可能性が予想されます。個人情報であるマイナンバーは、最終的には個人で守るしかありません。マイナンバーカードの紛失や盗難については、今回紹介した内容を活用して速やかに対応しましょう。

また悪用されたと感じた場合も、マイナンバーコールセンターに連絡をして速やかに対応しましょう。それが悪用された時の被害を未然に防ぐことに繋がります。

田代朋義
ライター

田代朋義

頑張ります。

関連するまとめ

人気の記事