マンション購入の際に加入する火災保険
新築マンション・中古マンションを購入する時や新築の住宅、中古の住宅などの住まいを購入する時には、火災保険に加入することが大事です。火災保険とは、自動車の保険、地震保険、旅行保険、賠償責任保険火災保険などの損害保険の種類のひとつです。
火災保険とは、新築・中古マンション、新築・中古の住宅などの住まいが火災により燃えてしまった時に保険金の給付が受け取れる保険です。火災保険の補償範囲は、火災以外にも新築・中古マンション、新築・中古の住宅などに雷が落ちたことによって起きた損害や漏れたガスによる火災でも補償されます。
マンションの給排水設備の不具合にも
また火災保険の補償範囲は、マンションの給排水設備の不具合により起きた損害、さらに、火災保険の種類にもよりますが、盗難で家電製品が盗まれた時やマンション、新築・中古の住宅などへの物体の落下・衝突など外部からの影響で損害が出た場合も保険金を受け取ることが出来る火災保険があります。
「専有部分」の火災保険は個人が加入
マンションを購入することは、「共有部分」と「専有部分」を購入することになります。マンションの「共有部分」と「専有部分」は、火災保険を加入する時に大事なことなのでよく理解しておくことが必要です。
マンションの「共有部分」とは、マンションの玄関に当たるエントランス、各部屋に繋がっている廊下、階数が多いマンションに設置されているエレベーター、駐車場、給排水などの共用設備がマンションの共有部分です。またマンションによってはベランダの一部が「共有部分」になることがあります。
マンションの「専有部分」は、ドアから中の天井、床、壁などのコンクリートで区画されたスペースがマンションの「専有部分」になります。マンションを購入した人は「専有部分」に火災保険を加入することがおおすすめです。
火災保険の加入はおすすめ
マンションを購入した人は「専有部分」に火災保険を加入することがおおすすめと説明しました。マンションを購入した人は必ず火災保険に加入する必要があるわけではありません。しかし、他人のミスから火災を発生させてしまった場合は、自分の家財などの損害は自分で負うことになるため、その備えとして火災保険に加入することをおすすめしているのです。
「共有部分」の火災保険は管理人が加入
新築マンション・中古マンション、新築の住宅、中古の住宅などを購入して住む時には、「専有部分」に関しては、その購入したマンションや住宅に住む人が強制ではありませんが、火災保険に加入することをおすすめします。
中古マンションの「共有部分」の火災保険は、そのマンションを管理する人または、そのマンションに管理組合がある場合は、管理組合の理事長の名義で火災保険に加入します。新築マンションの場合は管理組合が設立されていないことが多く、マンションを管理する会社が火災保険に加入することになります。
また、新築マンションを購入する際は、購入資金が全額現金は少なく、ほとんどの人がローンを組んで購入します。その新築マンションをローンで購入するには、新築マンションの「専有部分」の火災保険に加入することが条件になります。
マンション購入の際に火災保険が必要な理由
マンション購入の際に火災保険が必要な理由としては、前項で説明したように、新築マンションをローンで購入するには、新築マンションの「専有部分」の火災保険に加入することが条件になります。
また、マンションやアパートなどの集合住宅で火災が発生して、自分の所有物の家財、家電製品などに損害が出た場合、その損害を自分の責任で負うことになります。
つまり、他人の過失によって火災が起きても火災を起こした人に、自分の損害を請求することは出来ません。そのために自分の損害を補償してくれる火災保険に加入することが大事になり、火災保険への加入をおすすめします。この他人の過失でも自分の損害を補償しなければならないのは、失火責任法という法律があるからです。
マンション購入には失火責任法がある
マンション購入での「失火責任法」とはどんな法律なのでしょうか。マンション購入での「失火責任法」とは、マンションに住んでいる人が火災を起こして他人に損害を与えたとしても損害を請求することが出来ないと定めています。
つまり注意をはなはだしく欠いた状態ではない場合は、責任を負う必要がない法律のことです。「失火責任法」が適応されない例としては、寝タバコにより火災を発生させた場合などがあります。
この例のように自分が注意をすれば防げた重過失以外は、責任を負う必要はありません。ちょっとした不注意での火災は、責任を負われることないということです。
火災保険に未加入だと地震保険に加入できない
新築マンション・中古マンション、新築の住宅、中古の住宅など住まいを購入する際に入る保険には、火災保険、地震保険、家財保険などがあります。火災保険は火災、水災、雷、風災、落下、衝突によって壊れた建物の損害を補償してくれる保険、地震保険は地震、噴火、津波が原因で起こる建物の火災、損壊・埋没・流出による損害を補償するための保険です。
家財保険とは、火災保険に加入する時につける保険のことで、家具や家電製品などに損害が出た時に、火災保険だけでは補償された物を補償してくれるおすすめの保険です。
また家財保険は、火災、水災など以外の日常のトラブルによって起きた損害にも補償されるおすすめの保険です。火災保険に加入する時には、家財保険もセットで加入することをおすすめします。
地震保険は単独で加入出来ない
地震保険に加入する時には単独で加入することが出来ません。地震保険に加入するには火災保険に入っていることが条件になります。火災保険に入っていることが条件というよりは、火災保険に加入すると地震保険は原則セットされます。
火災保険は補償金額などの補償内容・保険料を決めることが出来ます。しかし、地震保険の場合は、火災保険の保険額の30%から50%の範囲に設定する必要があるので補償内容・保険料を詳細に選ぶことは出来ません。
事情別に火災保険が必要な理由もある
新築・中古マンション、新築・中古の住宅など住まいを購入する際に入る火災保険が必要な理由は、他項で説明しました失火責任法があるからです。つまり他人の過失で火災が起き、自分の家財に損害が出ても火災を起こした人に損害を請求することが出来ないため、自分の家財を守る備えとして火災保険が必要になります。
それ以外にも、火災保険が必要な理由があります。火災保険が必要な理由としては住宅ローンを組む場合、現金でマンションを購入する場合、投資用で賃貸に出す場合といった項目があります。次項からそれらの項目について説明をします。
住宅ローンを組む場合
新築・中古マンション、新築・中古の住宅など住まいを購入する時に住宅ローンを組む場合は、住宅ローンを提供している銀行などの金融機関から火災保険への加入が条件と言われます。なぜ、住宅ローンを組む時に火災保険への加入が条件になるのでしょうか。
住宅ローンを組む時に火災保険への加入が条件になる理由は、ローンが返済出来なくなった時の備えのためです。火災により購入した住宅が全焼した場合や地震などで全壊した場合は、全焼・全壊した住宅に変わる自分が住む住宅が必要になることでローンが返済出来なくなります。
しかし、火災保険に加入していれば火災保険の保険金によってローンの返済が可能になります。つまりお金貸す側の銀行などの金融機関がローン返済が出来なくなることを防ぐ目的のためです。
住宅ローンを組んで住宅を購入する人のため
また、住宅ローンを組む場合の火災保険への加入は、銀行などの金融機関のためでもあり、また住宅ローンを組んで住宅を購入する人のためでもあります。
火災で購入した住宅が住めなくなった場合は、ローン返済どころではなく、新たに住むための住宅の購入が必要になり、もし火災保険に加入していなければ途方に暮れることになります。そのことを防ぎ意味からも火災保険への加入はおすすめです。
現金でマンションを購入する場合
現金でマンションを購入する場合は、ローンを組んで住宅を購入する時の条件の火災保険への加入はなく、火災保険への加入は強制されることがありません。しかし、中古マンションを購入する場合は、購入するマンションの管理組合が火災保険への加入を条件にしている場合は、火災保険に加入する必要があることは覚えておきましょう。
投資用で賃貸に出す場合
投資用で賃貸に出す場合のマンション・アパートなどの共有部分に関しては貸す側が火災保険に加入する必要があります。しかし、賃貸のマンション・アパートなどの専有部分に関しての火災保険の加入は、賃貸物件に入居する人が加入するのが一般的です。
火災保険の加入が強制ではないものの不動産会社によっては火災保険に加入していない人には貸さないことがあります。貸す側は「共有部分」には火災保険に加入が義務と考え、借りる側は自分の家財を守る備えとして火災保険に加入することをおすすめします。
火災保険で補償される金額は?
火災保険で補償される金額はいくらぐらいなのでしょうか。火災保険で補償される金額は、購入した住宅が全焼したのか半焼したのかといった購入した住宅の損害の程度によって火災保険で支払われる保険金の相場が変わってきます。つまり火災保険で支払われる保険金の相場は建物・家財の評価額で決まるこになります。
建物・家財の評価額で決まる
火災保険で支払われる保険金の相場は建物・家財の評価額で決まるなると説明をしました。建物の評価額を知るには新価・時価の意味をする必要があります。新価とは、火災や地震で全焼したり全壊したりした住宅を新たに建てるための価値のことです。
時価は、現時点での建物の価格になります。火災保険に加入する時には、新たに建てる建物の価値の新価を基準に保険金が支払われるように設定することをおすすめします。
新築単価法の計算方法
火災保険に加入する時には、新たに建てる建物の価値の新価を基準に保険金が支払われるように設定することをおすすめと説明をしました。その新たに建てる建物の単価を評価する方法について説明をします。新築の単価を評価する方法には「新築費単価×地区別指数×延床面積」の計算式により建物の評価額が決まります。
年次別指数法とは
火災保険の新たに建てる建物の単価を評価する方法には新築単価法の他、年次別指数法があります。年次別指数法とは「建物建築時価額×年次係数」の計算式で求めることが出来ます。年次別指数法は、マンションなどの建物の建築年の新築にかかった価格と建物の年数によって変わった価格の係数によって決まる価格のことです。
つまり、建築年の新築にかかった価格は年数と共に下がっていくということです。例えば、10年前に1000万円で建てたマンションを現在建てるとすると1800万円の価格が必要になるということです。
簡易評価とは?
家財の評価額はどのようにして決まるのでしょうか。家財の評価額は、簡易評価で決まります。簡易評価とは、自分の住宅にあった家具・家電製品などを自分が購入した時の価格を調べて損害を受けた家具・家電製品の合計した価格を保険会社に申請する方法です。
しかし、購入した時の価格がわからなかったり、はっきりと覚えていなかったりした場合などは、保険会社に依頼することも出来ます。依頼を受けた保険会社は、被害を受けた部屋の広さや家族構成により、おおよその金額を決めることになります。この簡易評価は保険会社によって違いがあることを知っておきましょう。
マンション購入で火災保険はいくら?
ここでは、新築マンション・中古マンション、新築の住宅、中古の住宅など住まいを購入する時に加入する火災保険の保険金額について説明をします。火災保険は、自動車保険、生命保険といったように受け取れる保険金額を決めることは出来ません。
マンション購入で火災保険に加入した場合の支払われる保険金額はマンションなどの建物の評価額で決まります。つまり新築マンションと中古マンションでは、新築マンションの評価額が高くなるため中古マンションより受け取れる保険金額が多くなるということです。
火災保険の相場は新築や中古とは無関係
新築マンションと中古マンションでは、火災保険の受け取れる相場が変わるということです。新築マンションを購入した時の火災保険の評価額は、マンションが建っている土地部分とマンション自体の建物の部分に分けて計算する必要があります。
土地部分の評価額の計算は時価、国定資産税評価額などで計算することが出来ます。マンション自体の建物の部分の評価額の計算は、基本的には国定資産税評価額の6割から7割になります。またマンションの場合の火災保険の評価額は、マンションの共用部分の評価額を引いたのが相場になります。
おすすめは保険会社の見積もりを取る
火災保険を提供しているおすすめの保険会社には、楽天損保・セコム損害保険・東京海上日動・損保ジャパン日本興亜・SBI損保などの保険会社があります。
楽天損保が提供している「ホームアシスト」、セコム損害保険が提供している「安心マイホーム保険」、東京海上日動の「トータルアシスト住まいの保険」、損保ジャパン日本興亜の「トータルアシスト住まいの保険」など各保険会社により様々な保険を提供しています。
それらの保険会社が提供している火災保険と地震保険がセットなった保険の補償内容、保険金額を比較して自分のマンションに合っている火災保険を選ぶようにしましょう。
火災保険が支払われない場合がある?
火災保険に加入して、火災、水災、風災、落下などによって壊れた建物の損害に基本的には保険金が支払われます。しかし、いくつか火災保険や地震保険の保険金が受け取れないケースがあります。どんなケースの時に火災保険の保険金が受け取れないのか説明をします。
火災に関しては、火災になった原因が重大な過失又は法令違反であった場合は、火災保険の保険金は受け取れません。また一緒に住んで家族などが故意に行なったと判断されれば、火災保険の保険金を受け取ることは出来ません。
火災保険には期間がある
火災保険の支払われる保険金は盗難の損害でも支払われますが、その盗難が自然災害が原因で起きた場合は、火災保険の保険金を受け取ることは出来ません。さらに、火災や地震などで損害が出て3年以内に保険会社に保険金の請求をしなかった場合は、保険金は受け取れなくなりますので注意が必要です。
マンション購入で火災保険料を抑える方法
ここまでは、マンション購入の際に火災保険が必要な理由、火災保険の相場の新築と中古との違い、マンション購入で受け取れる火災保険の保険金の相場などについて説明をしてきました。ここからは、マンション購入で火災保険料を抑える方法について説明をします。
マンション購入で火災保険料を抑える方法には、火災保険の加入期間があります。また火災保険の補償内容を絞るといった方法により火災保険の保険料を安くすることが出来ます。次項からそれらの方法について詳しく説明をしていきます。
長期契約がおすすめ
火災保険の保険料の支払い方には、年払いと一括払いがあります。また火災保険の加入期間は最長10年・地震保険の加入期間は最長で5年です。火災保険は最長10年で契約が切れることになります。
しかし、火災保険の契約時に「10年自動継続方式」を選択すれば、さらに10年自動的に継続することが可能です。しかも、火災保険の保険料は、契約が長期になるほど保険料が安くなり、火災保険の契約時には、「10年自動継続方式」を選択することをおすすめします。
火災保険の保険料は年払いよりもまとめて支払うことで保険料を安くすることができますので一括払いがおすすめです。「10年自動継続方式」を選択した場合の例として2年の保険料を一括払いで5万円納めた場合の1年あたりの保険料2400円ほどに対して10年の一括払いで20万円の場合は1年あたりの保険料2000円ほどとなり保険料が安いことがわかります。
保険料の相場
火災保険の1年に支払う保険料は補償内容によってまた加入期間によって違いがあります。火災、水災、雷、風災による補償の保険料の相場は3,000円から4,000円程度です。また火災保険と地震保険をセットした場合の保険料の相場は20,000円から22,000円程度です。
また、盗難・水濡れの補償をつけた火災保険の1年に支払う保険料の相場は23,000円から26,000円程度となります。
補償内容を絞る
火災保険の1年に支払う保険料を安くする方法には、自分が購入したマンションの立地などを考えて、どこまでの補償が必要になるかを検討して、必要と考えらえる補償内容に絞ることで火災保険の1年に支払う保険料を抑えることが出来ます。
例えば、自分が購入したマンションの部屋が1階にある場合は、水災に備えて水災の補償をつけた火災保険が必要になります。しかし、マンションの7階など高い階に自分の部屋がある場合は、水災の補償をつける必要がなく、そのことで火災保険の1年に支払う保険料を安くすることが出来るようになります。
銀行提携の保険会社がおすすめ
火災保険の加入するのであれば、みずほ銀行と提携している「損害保険ジャパン日本興亜」、りそな銀行が提携している「東京海上日動火災保険」、三井住友銀行が提携している「三井住友海上」など銀行と提携している保険会社がおすすめです。それらの銀行と提携した保険会社で火災保険に加入すれば、住宅ローンが低金利になる可能性があるからです。
マンション購入での火災保険は相場を比較して加入しよう
新築・中古マンション購入での火災保険の必要性やマンション購入で火災保険料を抑える方法などを説明してきました。また保険会社から支払われる保険金の相場や保険金を支払うための建物・家財などの評価額を決める新築単価法・年次別指数法なども紹介してきました。
またマンションを購入して加入する火災保険は「共有部分」と「専有部分」とでは加入する人が違うことを知っておきましょう。さらに保険会社によって支払われる保険金の相場には違いがあります。そのため各保険会社の保険金の相場を比較して火災保険に加入するようにしましょう。