埼玉県の方言を徹底調査！語尾や訛りの特徴やかわいい表現も紹介！

一般的に埼玉というと標準語が話されているイメージを持つ人が多いのではないかと思われます。しかし、実際は埼玉にも方言があってかなり特徴的なものなのです。

埼玉県は関東地方の中央部に位置し、一都六県と隣接することから各方向からの言葉の影響を受けていることもその特徴に関係しています。そして、すこしかわいい訛りや語尾があるのも埼玉の方言の特徴です。

ここでは埼玉の方言やその意味について説明していく前に、その全体的な特徴についてざっくりと解説していきます。

埼玉の方言の特徴の一つに、そもそも方言の訛りのアクセントが同じ埼玉県内であっても違うというものがあります。これは、上記のように埼玉県が隣接する一都六県の方言の影響をそれぞれの埼玉県内の地域が受けているからです。

例えば、埼玉県中部や西部地域の方言のアクセントは東京都とほとんど変わらず「中輪東京色アクセント」と呼ばれるものであるのに対し、埼玉県の東部地域では「埼玉特殊アクセント」と呼ばれる全く別のアクセントが支配的となっています。

このように、埼玉県内にはたくさんの方言が雑多に存在しているためにそれを「埼玉弁」だと理解して話している人は中々いません。そしてそれこそが埼玉の方言の大きな特徴であるとも言えます。

埼玉の方言の中で有名なのは「秩父弁」と呼ばれる、埼玉県西部地方の秩父地方の方言があります。秩父弁は埼玉県内の方言の中でもアクセントが特に強い部類に入り方言らしい方言とも言えます。

そんな秩父弁も、秩父の中で独自に発展してきた方言というよりは隣接する群馬県や山梨県の影響を受けて混じりあいながら発展してきたという側面が強いようです。そのため、それらの地方の方言とも共通点が多くみられるのも特徴です。

埼玉の方言、訛りの特徴として語尾が「ん」になることがあります。これは関西弁などの西日本の地方の方言においてみられるのと同じような特徴です。

例えば「何をしているの？」というような言葉であれば埼玉の訛りの場合、「何してるん？」というような表現となります。

そんな語尾に特徴があり、様々な隣接地域の方言が混じりあった埼玉弁の使い方と意味についてここでまずは一般的なものから紹介していきます。

日常会話の中でよく口にするような言葉の意味を持つ埼玉の方言を以下にまとめました。特に埼玉県出身の友人がいる人の場合は会話の中で急に出てくることもあるので、知っておくことで正確に会話の意味を把握することができるようになります。

「そうなん」という埼玉の方言は「そうなの？」という意味で用いられることの多い表現です。先ほども説明したような、埼玉の訛りに多い語尾の「ん」があるのが特徴です。

「そうなん」の起源としては、単純に「そうなの？」の語尾が「ん」に変わったことではないかと考えられています。疑問形として用いるときや驚きの感情を表すときに埼玉の人が方言としてよく口から出てくる単語の一つです。

埼玉の方言での「ゆわく」というのは動詞で、髪の毛などを結んだりする動きのことを指すのが一般的な意味です。髪の毛だけに限らず、靴紐や縄など、結んだりするもの全般に対して「ゆわく」という方言は用いられます。

なお、この「ゆわく」という表現は埼玉だけの訛りや方言というわけではなく、東京の方でもそのような表現があると言われています。そのため、文脈によっては東京方言とも呼ばれることもあります。

西日本の人にとってはあまり馴染みのない方言かもしれませんが、逆に東日本、特に関東圏内の人にとってはむしろあまり方言や訛りであることを感じない単語の一つでもあると言えます。

埼玉の方言の中で、気さくな挨拶の意味を持つものの一つに「あよ」というものがあります。これは特に親しい人たちの間で使われる表現です。「やあ」や「よっ」、「やっほー」といった呼びかけに近いと考えると分かりやすいです。

地域や場合によっては「あよー」のように伸びるような訛りになることもあるようです。埼玉県の人と仲良くなったときには「あよー」と呼びかけてみるとより親近感を持ってもらえることもあります。

「どっくむ」というのは、埼玉の方言において「飲み込む」という意味を持つ単語です。ニュアンスとしては、飲み込みにくいような大きなものを飲み込むときに使うことが多いです。

例えば大きなものを飲み込むときに「ゆっくりどっくんでね」と言ったり、「焦ってどっくんだら喉につまるよ」と注意するような意味で使われます。

埼玉の方言は、建物の玄関や入口についても独特の表現があります。それが、「とばっくち」という方言です。

例文としては、「玄関から入って」という意味の「とばっくちから入って」のようなものがあります。「とばっくち」というのは物理的な玄関や建物の入り口のことだけではなく、物事の入り口や始まりといった意味も合わせて持っています。

物事の始まりという意味で使われる場合、例えば「まだこの試合はとばっくちだ（始まったばかりだ）」のように使われることが多いようです。

埼玉の方言や訛りの中で特にその意味を会話の中で想像するのが難しいものの一つに「ぼっとかして」というものがあります。

「ぼっとかして」の使われ方としては例えば「ぼっとかして今日は雨が降るかもね」というようなものがあります。そしてこの文の意味は、「もしかしたら今日は雨が降るかもしれないね」という意味になります。

このように「もしかしたら」の意味がある「ぼっとかして」という方言ですが、これはあらかじめ意味を知っておかないとその場で会話がうまく取れなくなってしまうものの一つになります。

標準語の「だけど」が訛り埼玉の方言となったのが「だけんど」です。言い回しによっては「だけんども」ということもあります。

「だけんど」を使った例文としては「明日は雨だけんども学校に行かなくちゃいけない」のようなものがあります。多少訛りがあるとはいえ、「だけんど」は文脈やもとの言葉からある程度意味を想像できるという点で易しめの埼玉の方言と言えます。

もとの標準語から意味が想像しにくい埼玉の方言の一つに「むじっけー」というものがあります。「むじっけー」は「かわいい」という意味を持ちます。例文としては「この猫、むじっけー」（この猫、かわいい）というものなどがあります。

その訛りや響きからどうしても「かわいい」という意味の想像しにくい単語ではありますが、例えば女性が「むじっけー」と言われた場合は悪口だと受け止めずに素直にかわいいと言われたのだと取って大丈夫です。

ここまで紹介した埼玉の方言は日常的によく使われる一般的なものがメインでしたが、埼玉の方言の中には訛りが変わっていたりかわいいものも多数存在します。

ここではそんなかわいい埼玉のかわいい方言の中で、埼玉以外の県の人が聞いたらクスッと笑ってしまいそうなものについて紹介していきます。

埼玉県以外の人でも普段から何となく使っていそうな「そうしようか」という言葉ですが、実は埼玉県の方言なのです。

埼玉県の人たちは「あーね。そうしようか！」のようにして使うことが多いです。ここの「あーね」というのは「あーそうだね」を略したものです。

「あーね、そうしようか」というのは同意を表す埼玉の方言ですが、逆に同意しない場合には「あんし」というのが特徴です。このように埼玉の方言の中にはかわいいものも多いです。

「えんちょしなさい」というのは、大人が子供に対して使う埼玉の方言です。「えんちょしなさい」の意味としては「座りなさい」といったものになります。これは埼玉県以外でも使用されている方言です。

他の地方では同じような意味で、「ちゃんこ」「えんこ」「おっちん」という方言も存在します。「座る」という言葉はどこの地方でもかわいい表現が多いと言えます。

「そうなん？なんなん？」というのは「そうなの？何なの？」という意味の埼玉の方言で、疑問を表す表現となっています。語尾に「ん」がついているためかわいい訛りとなっているのが特徴です。

「そうなん？なんなん？」という方言は埼玉だけでなく他の関東圏内の都道府県でも使われている言葉です。特に語尾がかわいいためか、他の都道府県の人たちにとっても使いやすい表現であるようです。

「でんまぁ！」という方言は埼玉の方言の中でもやや古い表現であるため、若い世代の人たちはあまり使わない傾向にある言葉です。お母さんやおばあちゃんが「あらまあ！」というように驚きの感情を示すときに使われる言葉です。

「でんまぁ！」の使い方としては、驚きの感情をこめてゆっくりと溜めをつくって「でん、まぁー」のように語尾の前を切り離して発音するのが特徴です。

これまで紹介した埼玉の方言はかわいいものもあり響きや訛りもそこまで変わっていないものでしたが、ここからは少し変わった埼玉の方言の使い方や意味について紹介していきます。

これから紹介する埼玉弁は中々他の県の人たちは知らないことが多いため、ここで知っておくと埼玉県人から一目置かれる可能性もあります。

埼玉のかなりユニークな方言の一つとして「ささらほうさら」というものがあります。これは他の語尾に訛りがあるだけの類推しやすい方言と異なり、さっぱり意味が分からないという人も多いのではないかと思われます。

「ささらほうさら」というのは「滅茶苦茶」「悪いことが重なる状態」を意味する埼玉の方言です。例えば「もうささらほうさらです」のような使われ方をします。

「おれげ」という方言は埼玉の方言ですが、茨城の方から来た方言でもあると言われています。こちらもユニークな方言であるため中々聞いたことのある人が少ない方言です。

「おれげ」というのはその響きから連想できる通り、「俺」という一人称から派生した言葉です。そのため、一般的には男性が一人称として用いることが多い方言となっています。

「水くれ」というのも埼玉県以外の人からすると誤解しやすい方言の一つです。「水をくれ」という意味のように取ってしまいがちですが、実際には花などに「水をやる」ことを意味する方言です。

したがって、例えば「水やり当番」なども埼玉の言い回しでは「水くれ当番」などと言ったりすることもあるようです。

埼玉の方言で「こわい」というのは一般に使われるような「怖い」などの恐怖を表す言葉とは別です。埼玉においては「硬い」という意味を持ちます。

これは特に、食べ物などが硬くて食べにくいようなときに使われる埼玉の方言です。食べ物の「おこわ」などをイメージするとその言葉の意味が理解しやすくなります。

「けめるい」というのは「羨ましい」という意味のある埼玉の方言です。羨望や憧れの気持ちを表現するときに「けめるいな」といった使い方をします。

場合によっては「けめりー」や「けめりーな」など、語尾が変化して砕けた言い方をすることもある埼玉の方言です。

「あいけんち」というのは子供たちが遊ぶときなどによく行うじゃんけんで「じゃんけんぽん」の掛け声で使われる埼玉の方言です。「あいけんち（じゃんけんぽん）、まだち（あいこでしょ）」のようにして埼玉県民はじゃんけんを行います。

じゃんけんの際の掛け声は地域によって全然違うものであるため、他の県の出身の人たちとじゃんけんをするときは戸惑う時もあるかと思われます。そういったことも会話のタネにすると盛り上がること間違いなしです。

ここでいう「うわっぱり」というのは「上着」のことで、埼玉の他に津軽地方でも方言として用いられている言葉ですが、それ以外の地域ではあまり使われていないようです。これに関しては普段から聞きなれていなくても「羽織なよ」という言葉があれば理解しやすい方言ではあります。

「ほろき出しちまいな」というのは「吐いちゃいな」という意味の埼玉の方言です。例えば食べ過ぎなどで吐き気のある子どもに対して母親が使う言葉です。

埼玉の方言については語源が不明なものが多いですが、この「ほろき出す」という方言もなぜそのような意味を持つに至ったかについては謎となっています。

「んまかねえ」という埼玉の方言は、「やばい」「まずい」「大変」など、ショックを受けて絶望しているような場面で使われる、正直あまり使いたくない言葉です。

日本語ではあまり「ん」から始まる言葉がないのですが、埼玉弁では珍しくそのような言葉が存在するのです。「ん」というのが語尾につくのが埼玉の方言の特徴でもありますが、「んまかねえ」のように語頭につくこともあります。

語尾に特徴があるだけでなく意外な意味や使われ方をすることもある埼玉の方言ですが、ここではその中からさらに間違えやすいものを紹介していきます。

埼玉弁の中には他の地域で使うと意味が逆になったり悪い意味になってしまうものもあるので、ここで埼玉弁の注意すべきものを知っておくことで間違いを避けることができます。

「あめんぼー」というと普通の人は生き物の「アメンボ」を想像するところですが、埼玉の方言においては「つらら」という意味があります。

つららと生き物のアメンボは似て非なるものであるので、埼玉の人と話すときには意味を間違えないように注意する必要があります。

「いびる」という言葉を聞くと「いじめる」「虐げる」といったネガティブな意味が連想されますが、埼玉の方言においては「炒める」という意味になります。そのため、食べ物などを「炒めておいて」などの意味で使われることが多いです。

ただし、人に対して「いびる」という言葉を使ってしまうと「いじめる」「虐げる」といった意味になってしまいトラブルのもとになるので注意する必要があります。

「おぞい」という埼玉の方言は「頭が良い」という誉め言葉として用いられます。しかし、静岡や岐阜などでは「お粗末」「粗悪」といった正反対の意味の方言として存在する言葉でもあります。

そのため、埼玉の人と岐阜、静岡の人たちが話すときにはお互いの地方での「おぞい」の意味を理解しておく必要があります。また、コミュニケーションの文脈からどちらの意味で使われているかをコンセンサスを取ったうえで会話を進めないとトラブルの元となるので要注意です。

「かんます」という埼玉の方言は「かき混ぜる」「かき回す」という意味があります。そのため、「かき混ぜるよ」という意味で「かんまするよ」などと使われることが多いです。

この埼玉での意味を知らないと、「噛む」「かます」といった意味と混同してしまう可能性があります。特に料理の場面においてトラブルが生じる原因ともなるので注意する必要があります。

方言を話す異性というのはかわいくてキュンとするものです。特に、告白を方言でされると胸に来るものがあります。埼玉の方言は男らしいものも多いので魅力的に感じやすいのです。

そこでここからは、埼玉の方言で告白するときのセリフとその意味についていくつか紹介していきます。

「のめっこい」というのは埼玉の方言で「親しみやすい」という意味の言葉です。元々の語源としては手触りがすべすべとしていて滑らかであるというところからきているようです。

「おめぇはのめっこくていい」を標準語にすると「あなたは親しみやすい人ですね」となります。告白や愛情表現としてそれとなく使いやすいセリフの一つです。

「ぬくとい」というのは「温かい」という意味の埼玉の方言です。つまり、「おめぇの手ぬくといな」というのは「君の手は温かい」という意味で、手をつないだ時に言うと相手をキュンとさせること間違いなしの一言です。

埼玉弁はかわいいものが多いですが、この「ぬくとい」というのも男らしさとかわいらしさが両立している言葉の一つです。

「さむしーな」というのは「寂しいな」という意味の埼玉の方言で、山梨との県境である埼玉県西部で主に使われています。

山梨でもこの「さむしーな」という方言はつかわれていますが、とてもかわいらしく標準語で「寂しい」というよりもより寂しい気持ちを伝えやすい方言です。電話やLINEで使うと相手の気持ちを引くことができる埼玉弁です。

こちらはまさに告白の王道とも言えるセリフの埼玉弁バージョンです。とてもシンプルでありストレートな愛情表現の一つです。「んよ」という語尾のかわいらしさが埼玉の方言らしさを表しています。

もちろん標準語での意味は、「あなたのことが好きです」というものになります。男性が言っても女性が言っても魅力的な、魅力的な方言のセリフでぜひとも覚えておきたいものです。

ここまで、埼玉の方言やその特徴について紹介してきました。埼玉の方言は勇ましさとかわいらしさの両方がありとても魅力的な方言の一つです。また、一口に埼玉弁と言っても地域による違いなどもあり非常に多様性も同居している言葉となっています。

中には、標準語と同じ発音でありながら意味がまったく違う方言もあったり他の県の人が聞くと異なる意味に取ってしまいかねないものも存在します。そのため、埼玉に行くときはあらかじめある程度の埼玉弁についての知識をつけておくとベターです。

埼玉に限らず、方言についての理解を深めることで会話も弾み、コミュニケーションも取りやすくなるためにより人間関係の輪を広げていくことができます。