いけずとはどういう意味?京都でよく耳にする方言の使い方を解説!

いけずとはどういう意味?京都でよく耳にする方言の使い方を解説!

「いけず」という言葉を京都などを旅行した時に聞いたことがあるという人も少なくないでしょう。ですが「いけず」とはどういう意味なのかわからないという人もいるはずです。「いけず」とはどういう意味の方言なのか、その語源や使い方などについてご紹介しましょう。

記事の目次

  1. 1.「いけず」の意味とは
  2. 2.「いけず」の語源
  3. 3.「いけず」は京都の方言?
  4. 4.「いけず」の使い方
  5. 5.「いけず」の例文
  6. 6.「いけず」は意地悪や邪魔な人を意味する

「いけず」の意味とは

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京都に旅行に行った時などに「いけず」という方言を聞いたことがあるという人も少なくないでしょう。他にはテレビに出ている関西の芸人さんなどが「いけず」という方言を使っているのを聞いたことがあるという人もいるはずですが、「いけず」という言葉の意味がわからないという人も少なくないはずです。

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関西の人達なら「いけず」の意味を知っているはずですが、関西の人の中にも「いけず」の意味をすべて知っているわけではないという人もいます。「いけず」という言葉は昔、違う意味で使われていたこともあるからです。

「いけず」とはどういう意味を持った言葉なのか、まずは「いけず」という言葉の意味についてご紹介しましょう。

意味①意地悪な人

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「いけず」とはどういう意味なのかの一つ目は、「意地悪な人」という意味です。「いけず」とは、人に対して意地悪な事を言ったりやったりするような意地悪な人のことを指します。「意地悪な人」というと底意地の悪い人を指すようですが、実は「いけず」の意味での「意地悪な人」はそれだけではありません。

好きな人がいたずら心を起こしてちょっとつれなくしたといった場合にも、「いけず」という言葉は「意地悪な人」という意味で使われます。「いけず」は「意地悪な人」という意味ではありますが、本気で意地悪だという人だけを指すわけではないということです。

「いけず」は「意地悪な人」という意味を持ちますが、その「意地悪な人」という人は決して本当に意地が悪い人だけを指すわけではないという二面性を持っていると言えます。

意味②邪魔な人

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「いけず」とはどういう意味なのかの二つ目は、「邪魔な人」という意味です。「人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて」などと昔から言われていますが、「いけず」の意味での「邪魔な人」というのは、人の恋路を邪魔する「邪魔な人」という意味になり、恋愛関係での邪魔者のことを指します。

片想いの相手や恋人といい雰囲気になっているのに、いつまでも二人の間に入っていてどこにも行く気配がないような人のことを「邪魔な人」という意味で「いけず」と言うこともあります。

こういう時にはやや本気で「いけず」と言うこともありますので、言い方のニュアンスなどに注意が必要です。

意味③悪人

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「いけず」とはどういう意味なのかの三つ目は、「悪人」です。京都に住んでいる人でもこの「悪人」という意味は知らないという人もいるでしょう。江戸時代の上方(かみがた)では、ならず者などの悪人のことを「いけず」と呼んでいたため、「いけず」の意味の中には「悪人」という意味もあります。

「悪人」という意味で「いけず」が使われるのは昨今では浄瑠璃などの伝統芸の中だけで、一般的な人が「悪人」という意味で「いけず」という言葉を使うことはほぼありませんが、「いけず」とは「悪人」という意味もある言葉です。

昨今では「悪人」という意味で「いけず」という言葉を使う人はほとんどいませんが、「いけず」の意味には「悪人」という意味もあるということです。

「いけず」の語源

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「いけず」とはどういう意味なのかをご紹介しましたので、次は「いけず」という言葉の語源についてご紹介します。「いけず」という言葉は関東の人にはあまり耳慣れない言葉で、その語感から語源を想像することは容易ではないでしょう。ですが「いけず」という言葉を使っている関西の人でも、その語源を知らないという人は多いはずです。

普段から「あの人いけずやなぁ」などと言っている人であっても、「いけず」という言葉がどんなところからきているのかわからず、語源も知らずに日常的に使っているという方が多いでしょう。

それでは、「いけず」という言葉の語源とはどういう語源なのか、「いけず」の語源についてご紹介しましょう。

池之端の芋茎からきている

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「いけず」の語源は、「池之端の芋茎(いけのはたのずいき)」だと言われています。「池之端の芋茎」と言われても訳が分からないという人が多いでしょう。「芋茎」というのはサトイモの茎のことで、関西などではおいしい野菜として食生活に取り入れられてきましたが、このサトイモの茎が「いけず」の語源として有力だとされています。

池に生えている芋茎は吸収力が強いため、その池の養分や水分などを独占してしまうという性質を持っています。芋茎が生えていると他の植物に養分や水分が行き届かないことから、「池(いけ)」の「芋茎(ずいき)」が「いけず」の語源になったと言われています。

何かを独り占めして他人に譲らないような人のことを「池之端の芋茎」と例えたのが、「いけのずいき」「いけずいき」と略されてきて「いけず」になったというのが有力です。

「いけず」は京都の方言?

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「いけず」の語源についてご紹介しましたので、次は「いけず」は京都の方言なのかどうかについてご紹介します。京都旅行をした時に「いけず」という言葉を聞いたことがあるという人も結構いるはずですので、「いけず」は京都の方言だと思っている人も少なくないでしょう。

確かに京都では、舞妓さんやお土産物屋さんなど京都感を出すことが必要な人ばかりではなく、一般的な民間人であっても「いけず」という言葉を使うことが多いため、「いけず」は京都の方言だと思っている人が多いでしょう。

ですが実は「いけず」は京都ならではの方言というわけではありません。「いけず」は京都の方言なのかどうかについてご紹介しましょう。

元々は関西地方の方言

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京都で良く聞かれる「いけず」という言葉ですが、元々は関西地方の方言です。主に「いけず」が良く使われているのは京都と大阪ですが、兵庫や奈良などでも「いけず」という言葉が使われています。「いけず」は京都ならではの方言だと思っている人も多いですが、「いけず」は関西地方の方言で、関西の沢山の人達が使っている言葉です。

関西地方では京都だけではなく、大阪や兵庫や奈良なども有名な観光地ですが、大阪や兵庫や奈良などでも「いけず」という言葉を使う人はかなり多く、特に大阪などでは「いけず」という言葉を使う人が多いです。

「いけず」という言葉を関東の人が使うこともありますが、「いけず」は関西地方の方言ですので関東地方の方言ではありません。

「いけず」の使い方

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それでは次に「いけず」の使い方についてご紹介します。「いけず」の意味は「意地悪な人」「邪魔な人」「悪人」ですので、このようなことを言いたい時に「いけず」という言葉を使うことができます。ですが先に少しご紹介したように、この「いけず」が示す「意地悪な人」はただ単に意地が悪いだけではありません。

「いけず」という言葉を使う対象がどのような人なのかによって、「いけず」の使い方のニュアンスはかなり違ってきます。

また、京都ならではの性格などもあり「いけず」の使い方は結構複雑だと言えます。「いけず」という言葉はどういう使い方をするのか、「いけず」の使い方についてご紹介しましょう。

愛憎入り混じった言葉

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「いけず」の使い方の一つ目は、「いけず」とは愛憎入り混じった言葉だという使い方です。本当に意地が悪いと感じる人に対しても「いけず」と言いますが、好きな人に愛情のこもった軽い意地悪をされた場合にも「いけず」と言います。なので「いけず」という言葉は愛憎入り混じった複雑な言葉だと言えます。

嫌いな人に対して「いけず」と言う使い方をすることもあれば、好きな人に対して「いけず」と言う使い方をすることもあります。「いけず」の使い方はそれを使う人の心次第だと言えます。

また京都では言葉を額面通りに受け取ってはいけないという場合もあり、「いけず」も例外ではないと言うことができます。

声高に相手を非難しない言葉

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「いけず」の使い方の二つ目は、「声高に相手を非難しない言葉」という使い方です。意地悪な相手に対して「いけず」という言い方をしても、「いけず」という言葉には何となく優しさや可愛さがあります。そのため「いけず」は相手に対して本気で非難しない場合に言うという使い方もあると言えます。

相手がちょっと困ったことをした場合などには本気で非難するようなこともありませんので、このような場合には「いけず」と優しく言うことで軽くたしなめるといった使い方をしたりします。

相手に対して本気で怒ったりした場合にも「いけず」を使う場合もありますが、こういう場合「いけず」の言い方を変えることによって本気度を表現するという使い方もできます。

「いけず」の例文

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「いけず」の使い方についてご紹介しましたので、次は「いけず」を使った例文をご紹介します。関西の人以外が「いけず」という言葉を使うことはほとんどありませんので、関東の人が関西の人から「いけず」と言われた場合、相手がどのような気持ちで「いけず」と言っているのかわからず戸惑うこともあるでしょう。

「いけず」という言葉は、その言葉を言う時にどのような心情なのかによって言い方が違います。同じような言い方であっても意味が違う場合もあるため、「いけず」という言葉に慣れていない人にとっては非常に難解です。

「いけず」という言葉を普段使わない人にも「いけず」の微妙なニュアンスの違いが分かるように、「いけず」という言葉を使った例文をご紹介しましょう。

言い方によって様々な意味となる

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ここまでにも触れてきたように、「いけず」という言葉は言い方によって様々な意味になります。優しく言ったり強く言ったりすることによって、「いけず」の意味は大きく違ってきます。また、「いけず」の前後の文章によっても意味が異なってくる場合もあります。「いけず」という言葉はそれほどに微妙でデリケートな言葉だと言えます。

「いけず」と言う人の気持ちや「いけず」と言う相手次第で「いけず」の意味は様々です。それでは京都などで日常的に使われる「いけず」の例文をいくつかご紹介しましょう。

いけずな人

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「いけず」の例文の一つ目は、「いけずな人」です。「意地悪な人」という意味ですが、実は言い方などによってはかなりきつい言い方になります。「あの人、ほんまにいけずな人やわ」などと憎々しげに言う場合には「いけず」だと言っている人は「あの人」のことが本気で大嫌いだということもあります。

ですが同じように「いけずな人」と言う場合でも全く意味が異なることもあります。恋人にからかわれた時に「ほんま、あんたいけずな人やな」などと言う場合には、相手のことを嫌っていません。大好きな相手に対してでも「いけずな人」と言うことは結構あります。

このように「いけずな人」という言い方は、本気で大嫌いな相手に対して言う場合と好きな相手に言う場合とでは全く意味が違うということになります。

もういけずぅ~

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「いけず」の例文の二つ目は、「もう、いけずぅ~」です。「もう、いけずぅ~」という言い方は、恋人に対して使われるといったことが多く、相手のちょっとしたからかいや意地悪などに対して甘えるように抗議する使い方です。彼氏からからかわれたりした場合には「もう、いけずぅ~」というように「いけず」を使います。

「もう、いけずぅ~」という言い方は彼氏に対して使うだけではなく、男性のお客さんを相手にする職業の女性なども使うことがある、可愛く甘えるように抗議する言い方になります。

いけずされる

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「いけず」の例文の三つ目は、「いけずされる」です。小学生の女の子なども「先生、A君にいけずされる」などという使い方をする「いけずされる」は「意地悪される」という意味で、この場合は相手が悪意を持って意地悪してきている時の「いけず」の使い方です。ですがこちらも言い方や相手によってニュアンスが変わってきます。

相手が自分に好意を持って軽いいたずら気分でいる場合にはそう深刻そうではない様子で「いけずされる」と言いますが、悪意がある場合には嫌な顔で「いけずされる」と言いますので、言い方や相手によって「いけず」の度合いは異なります。

いけず言わんといて

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「いけず」の例文の四つ目は、「いけず言わんといて」です。「いけず言わんといて」の意味は「意地悪言わないで」で、こちらも言い方や相手によって意味が異なってきます。好きな相手などに優しく「いけず言わんといて」と言うなら可愛らしい抗議ですが、嫌な相手に強く言うなら本気の抗議になります。

ほんまにいけずやわぁ

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「いけず」の例文の五つ目は、「ほんまにいけずやわぁ」です。「ほんまにいけずやわぁ」の意味は「本当に意地が悪いわ」で、これは本気で相手に対して怒っているという場合によく使われる言い方です。ですがこちらも相手によって多少意味が変わることもあり、言い方や表情などが見分けるポイントになります。

「いけず」は意地悪や邪魔な人を意味する

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「いけず」という言葉の意味や語源や使い方、「いけず」を使った例文など色々とご紹介してきましたが如何だったでしょうか。「いけず」は意地悪や邪魔な人のことを意味する言葉ですが、愛憎入り混じった言葉なので嫌いな人に対して使うだけではなく好きな人に対しても使うことがある言葉です。

京都の人などに「いけず」と言われた時は、言い方のニュアンスや言った時の表情などによって、本当に非難されているのか愛情をこめて言われているのかを見定めることが大切ですので、相手の「いけず」の言い方や表情に注意して相手の心を理解しましょう。

モモ
ライター

モモ

女性向けの美容関係の記事や心理関係の記事、難解な言葉の解説の記事などの作成を得意としていますが、ダイエット関連は自分自身でも色々試していますので、特に得意だと言えます。その他にも興味のあるものがたくさんありますので、お役に立てて楽しめる色々な記事を提供していきたいです。

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