高利貸しの意味
はっきり言って「高利貸し」に定義はありません。お金を借りた元金に対して何%の利息がかかるかを金利といいます。その金利が高いものを高利というので、一般的に「高利貸し」とは高い利息をとる業者という意味になります。
銀行借入の場合、融資金額や返済期間、利用用途、条件やリスクによっても違いますが平均的な利息水準は0.5%〜4%位で高利貸しとは言えません。
しかし銀行の場合、審査等で時間がかかり実際に借入金を手にするのはかなり遅くなります。また急に必要な数万円〜数十万円単位の小口には銀行は対応してくれません。
小額の借入の場合にはカードローンがありますが、カードローンには大きく分けて3つのタイプがあります。銀行系、JCBやVISAなどの信販系、CMなどでよく見るアイフルやプロミスなどの消費者金融系(サラ金)の3つです。
銀行融資に比べこれらのカードローンは数千円程度の小口融資から対応してくれます。また審査も短時間で済み必要なお金もすぐ手にすることが出来ます。
審査の厳しさの度合いは銀行系→信販系→消費者金融系の順ですが、金利の高さは逆に消費者金融系→信販系→銀行系の順で18%〜5%が一般的です。
カードローンは確かに金利が高いのですが、小口でも短時間でも対応してくれることを考えると高利貸しと言えるかどうかは何とも言えません。つまり「高利貸し」の意味は利用する側の判断・取り方によって変るということです。
金利・利息は法律で決まっている
金利は利息制限法で上限が定められています。その利率は貸し付けた元本の額が10万円未満の場合は年20%以下、10万円以上100万円未満は年18%以下、100万円以上の場合は年15%以下となっています。つまり貸金業者はどんな場合でも年20%を超える金利でお金を貸せば違法となり処罰されることになります。
高利貸しと闇金の違い
高利貸しと闇金との違いは一体何なのでしょう。闇金と聞くと高い金利でお金を貸し付けて、高額な利息を請求する悪徳業者というイメージですが、実際にはどんな業者のことなのでしょうか。
高利貸しと呼ぶには人によって違いがあり確実な定義がありません。しかし闇金には確かな定義があり、闇金と呼ばれる意味もハッキリしています。
闇金とは違法に貸金業を営業している業者のことです。法律を守っていないのですから、金利も好き勝手に高く設定して高額な利息を要求します。正規の登録認可を受けていないもぐり営業なので闇金と呼ばれるのです。つまり高金利の闇金はどんな人にとっても高利貸しにあたるのです。
闇金はお金に困っている人に、審査なしですぐにお金が借りられますなどと甘い言葉で近づいてきて現金で取引します。現金を手にすると何故か人は気が大きくなりがちですが、そこに闇金のワナがあるのです。
銀行振込をしないのは、違法の証拠を残さないためなのです。借入も返済も全て現金やり取りの業者は闇金と見て間違いありません。絶対に手を出してはいけない業者です。
闇金は貸金業法に違法している
利息制限法は金利の上限を定めた法律ですが、この他に貸金業法という法律があります。この貸金業法は社会問題となった多重債務、返しきれないほどの借金を背負わないように消費者を守るために平成18年に改正され平成22年から施行された法律です。
またこの法律では貸金業者の規制を強化する意味で、法令遵守の助言や指導を行える国家資格・貸金業務取扱主任者を各営業所に置くことが義務づけられています。つまり貸金業法に違法している業者は全て闇金で高利貸しということです。
貸金業法について
貸金業法とは消費者の生活を守るため、返済できなくなるような借り過ぎを防ぐために、総量規制という制度で借りることの出来る金額を制限する法律です。
具体的には新規に借入をする時、借入の金額を他の借入残高と合わせて年収の3分の1までに制限する法律です。ただ住宅ローンなどの返済期限の長い定型的な借入は総量規制の適用外になり計算には入れません。
また貸金業者は借入をする人の源泉徴収票などの年収を証明する書類等で審査をすることが義務づけらています。ただし50万円以下の借入や他の業者からの借入を合わせても100万円以下の場合には年収証明は不要ですが審査は必要です。
つまり借入をする際に審査があるということは、貸金業法を遵守しているということでとりあえず安全な業者と言えますが、逆に審査が甘すぎたり審査がない業者は闇金の可能性があるので注意が必要です。
高利貸しは合法だが利息が高い
消費者金融などは銀行に比べ利息が高いので高利貸しとも呼べるのですが、20%を超えない金利で貸付を行っていれば合法です。言葉を変えれば利息が高い高利貸しでも、利息制限法や貸金業法を守っている業者なら合法ということです。
高利貸しと闇金との違いは、法律を遵守して正規の登録をして営業している業者なのか、法律を守らない無登録の業者なのかの違いなのです。つまり高利貸しには合法の業者と違法の闇金業者の両方が存在することになります。
トイチの利子は違法
高利貸しのドラマで良く耳にする言葉にトイチとかトサンなどがありますが、その意味はトイチは10日で1割、トサンは10日で3割の金利という意味です。この高金利の闇金の高利貸しはドラマの世界だけでなく、実際に現実社会に存在しています。
例えばトサンで30万円を借りた場合、10日後の利息が9万円、もし10日後に返済出来ず1ヶ月経ってしまうと、利息にも複利で金利が加算され利息だけで約36万円、元金と合わせて66万円となりたった1ヶ月で借りた金額の倍以上にもなってしまいます。
この金利を単純計算で年利に換算すると約1,080%、トイチでも約360%となり利息制限法の上限20%のなんと18倍〜54倍の無茶苦茶な金利になってしまいます。つまりトイチとかトサンの利子は完全にアウト、危険な違法金利です。
高利貸しに関する法律の選定
カードローンや消費者金融、サラ金などの貸金業者が不当な高利貸しにならないよう抑制する為に法律があります。前に解説した貸金業法は、どちらかというと利用者、借り手側の負担を軽くするために借入金額の総量を規制した法律です。
貸金業者そのものを規制する法律に利息制限法と出資法があります。また出資法では違反した場合の刑事罰の量刑まできちんと定められています。
かつて戦後の混乱に乗じて悪質な高利貸しが暴力団や違法組織と組んで大きな事件を起こしたこともあります。平成22年の法改正前には金利29%を超える高利貸しが平然と存在していました。つまりつい最近まで高利貸しが合法の中に野放しになっていたのです。
そこで借金に苦しむ人びとを助ける意味で、これらの法律が改正を繰り返し現在に至っています。法律のお陰でずいぶん悪徳な高利貸しは減りましたがまだ完全とは言えません。
テレビのコマーシャルなどで良く耳にする「過払い金が戻ります」とは、現在の法律に照らして払いすぎた利息を司法書士や弁護士が本人に代わり精算・返還請求することです。
つまり過去の高い金利のまま利息を払い続けた人が大勢いるということです。それでは利息制限法や出資法が施行された経緯や意味するところ、法律の内容などをこれから解説していきます。
利息制限法
お金を借りる時には、金銭消費貸借契約を貸し主借り主双方で取り交わし、返済期限や金利をその契約書で取り決めるのが通常です。しかしお金を借りる側は貸す側に対してどうしても弱い立場になります。
その優位性を利用して、かつては貸し主が金利を自由に決めて、高い利息を取る悪徳高利貸しが横行していました。
返済に困った人は、返済のために別の業者に新たな借金を繰り返し、利息が利息を生む多重債務となり、返済金額が雪だるま式に増えてどうにもならなくなる人が多く出ました。
そんな多重債務や返済不可能な借金になり自己破産や自殺者を出すような悲劇にならないよう、制定施行されたのが利息制限法です。
やっと平成22年に上限を20%にする利息制限法や出資法の改訂が施行されました。ですから平成22年以前には、弱い立場の借り手の中には、利息の高い合法の高利貸しから借金をしているケースがゴロゴロあったのです。
悪徳の高利貸しは、その法律のスキマをあの手この手ですり抜けようとしています。その為には消費者の側が利息制限法などの法律の知識を持ち、内容や意味を知っておくことが悪徳高利貸しの手中にはまららず、安全な業者を選ぶ方法なのです。
利息制限法の利息
利息制限法の利息は借りた金額(元本)の大きさにより3段階に上限金利が制限されています。
元本額が10万円未満の場合は年20%まで、100万円未満では18%まで、100万円以上の場合は15%までと、借りた金額が大きいほど上限金利は低く厳しく制限されています。
利息制限法では元本以外の金銭は、一定の例外を除いて利息と見なし法律の規制の対象になります。名目が手数料や調査料などもすべて「見なし利息」といい利息として扱われ利息制限法の適用を受けます。
たとえば20万円を借りた場合、上限の金利は18%ですが、年利18%で契約した他に手数料や審査料などを請求されたならば、その時点で利息は18%を超えて違法になります。
返済が期限までに間に合わず遅れた場合の「遅延損害金」についても利息制限法では貸し出し上限金利の1.46倍までと制限、つまり元本額10万円未満の遅延損害金の金利は29.2%まで、100万円未満は26.28%まで、100万円以上は21.9%までと定められています。
この利息制限法の制限金利を超える利息や遅延損害金の契約をかわしたとしても、制限を超えた部分は無効となり、制限内の利息だけ支払えば良いのです。仮に支払ってしまったとしても後から超えた部分の利息は返還請求が出来ます。
しかし後で解説する出資法の平成22年の改正で、遅延損害金の上限金利は個人間の融資をのぞいては20%に引き下げられました。したがって金融業者の金利は、どのような場合でも年利20%を超えてはならないことになっています。
また利息制限法では制限超過で支払った利息は元金返済に充当することが出来ます。たとえば100万円を年利20%の契約で借りたとします。1年間で元本を50万円利息を20万円払ったとすると、単純に見ると元本50万円返したのだから債務残高は50万円に見えます。
しかし100万円の上限金利は15%なので年の利息額は15万円となり5万円多く支払ったことになります。この過払いの5万円は元本返済に充当できるので、実際の債務残高は45万円ということになります。これらが利息制限法で定められている主な内容です。
出資に関する法律・出資法
出資法という文字面を見るとあまり関係のない法律のように思いがちですが、サラ金をはじめとする貸金業者の高金利貸付、いわゆる高利貸しに歯止めをかける意味でとても重要な法律なのです。
出資法の正式名称は「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」なのですが、あまりに長すぎるので馴染みやすいように簡略化して「出資法」と呼んでいるのです。
この法律の条文はわずか9条までと短いのですが、その法律の適用範囲は広く不特定多数の人から出資を募って利息をつけて返還する投資ファンドから、銀行、消費者金融、個人間の融資などにも上限金利を定めています。
利息制限法や貸金業法では違反した場合の罰則規定を定めていないので、違反分の利息を取り戻すには民事訴訟しかありません。しかし出資法では違反した場合の刑事罰や量刑をしっかりと定めています。つまり違反した場合には刑事告訴できるのです。
高利貸しの抑制という意味ではかなりプレッシャーをかけられる法律です。つまり利息制限法、貸金業法、出資法の3つの法律で互いに不足の部分や違いを補い合い、高利貸しを抑制しているのです。
出資法に違反した場合の量刑は、5年以下の懲役または1000万円以下の罰金、および両方が併科されることがあります。ただし貸金業者の場合の罰金は3000万円以下と高くなっています。この罰則規定が効果を上げ、多くの業者が出資法を守るようになり高利貸しがかなり減りました。
受け入れ預かりについて
営業目的で不特定多数の人から預り金をするのは出資法違反になります。最近よく投資詐欺として不特定多数の人から資金を集め告発される事件が多々あります。
集めたお金は預かり金ではなく、物販の代金ですとか一時借り入れたお金ですとか、色々と言い訳をして罰を逃れようとしても、多数の人から金銭の受け入れをした時点で出資法違反となり刑事罰として処分されます。
では銀行の場合は多数の人から預金という形でお金を集めているけれどどうなのでしょう。銀行は銀行法という法律で多くの人からお金を預かることが特別に認可されているので出資法違反にはあたらないのです。
金利について
利息制限法では貸出した元本金額により金利の上限を3段階に分けていますが、出資法では元本の金額にかかわらず一律の上限金利を定めています。この上限金利の定め方の違いが、2つの法律の二重構造が、いわゆるグレーゾーン金利を生むことになったのです。
出資法が施行された1954年(昭和29年)の上限金利は109.5%、何度も改訂されましたがバブルの時代は54.75%、平成3年〜平成22年までは29.2%だったのです。
利息制限法の上限金利20%とは大きな違いがあり、この不整合性に目をつけた多くの貸金業者が出資法の上限金利を選択して荒稼ぎをしたのです。何故ならば利息制限法に違反しても刑事罰の規定がないので、出資法さえ守れば合法となり刑事罰を逃れられたからです。
平成22年の法改正で出資法の上限金利が20%になり、はじめて2つの法律の金利の二重構造が無くなり合法の高利貸しが無くなったのです。
グレーゾーン金利とは?
グレーゾーン金利とは、平成22年の法改正で上限金利が20%に制定されるまでに、違法でありながら合法でもあった金利のことです。違法なのに合法とは一寸不思議な感じですが、実際にそんなグレーゾーンの金利が存在していたのです。
利息制限法では上限金利は借入元本金額により15%、18%、20%の3段階で決められていましたが、出資法では平成22年までは借入元本金額にかかわらず一律29.2%でした。平成22年までは利息制限法と出資法という2つの法律に上限金利の違いがあったのです。
例えば29.2%の金利で貸していた業者は、利息制限法では違法になるけど出資法では合法になってしまいます。仮に100万円を貸した場合、利息制限法に従った年間の利息は15万円、出資法では29万2000円となり14万2000円も多く利息を取れることになります。
利息制限法には罰則規定がないので、たとえ違反しても刑事罰には問えません。その法律の違いを悪用して多くの業者が、グレーゾーン金利で莫大な利益を得ていたのです。今コマーシャルなどで「過払い金が戻ります」と宣伝しているのは、グレーゾーン金利で払い過ぎた利息を民事訴訟で取り戻そうとしているのです。
安全な金融業者の見極め方
平成22年の法改正以降は、ほとんどの貸金業者が利息制限法や貸金業者、出資法を守るようになり安全性は高くなりました。しかしこれまでの歴史を見ても分かるように法律は完全ではありません。
必ずどこかに解釈のズレやほころびがあり、ずる賢い貸金業者はそのスキマを探して法律とのいたちごっこをしているのが現実です。そんな中でも安全な業者を見極める方法があります。安全な業者か危険な業者なのかを見極めるポイントをこれから解説します。
融資条件が甘くないか確認
安全な業者を見極めるポイントは、まず宣伝文句をチェックして下さい。「ブラックでも借りられる」「審査なしで借りられる」などと条件が甘い宣伝をする業者は、違法な高利貸しと疑って下さい。
また要注意のケースには「他社の審査に何度か落ちた方でもOK」などと甘い宣伝文句で誘い、個人情報を引出し審査を受けさせて「残念ながら今回の融資は見合わせて頂きます」と一旦断ってきた後に、闇金業者から誘いの電話が入るという手口もあります。
このようにあたかも正規の消費者金融を装って闇金の窓口のなっている業者もあります。安易に個人情報を与えてしまうと後々大変困ることになるので注意して下さい。とにかく融資条件が甘い宣伝文句で誘う業者は、安全じゃない闇金や高利貸しと見て間違いありません。
賃金業者登録番号の照会
賃金業者には車に登録ナンバーがあると同じように、国や都道府県知事から認可を受けた登録番号があります。この登録番号がなければ賃金業者として営業できません。
まともな正規の業者であれば、ホームページや広告に登録番号が必ず掲載されています。この登録番号を確認することが、安全な業者を見極める方法の一つです。
なかにはニセの登録番号を掲載して、正規の業者を装うものもあるかも知れません。安全かどうか疑わしいと思ったら、金融庁に貸金業者登録番号を照会して見てください。
ネットで金融庁のホームページの登録貸金業者情報検索入力ページから簡単に検索できます。照会すると業者の会社名、代表者名、電話番号まで分かります。金融庁に登録されているならば、まず安全な業者で闇金などの高利貸しではないと見て良いでしょう。
大手の賃金業者を選ぶ
テレビやネットでコマーシャルを打っている大手や中堅の賃金業者は安全性が高いといえます。何故ならテレビなどで派手に広告を打てば当然金融庁や消費者庁の目にとまるはずです。
そこで違法や不正な広告が見つかればすぐに摘発されてしまいます。ですから法律に違反しないよう細心の注意を払って営業しています。つまりテレビCMを打つような大手の賃金業者は最も安全な業者と言えるでしょう。
利息を節約できる返済方法
お金を借りたならば、返済する元金に加えて利息も支払わなければなりません。利息は誰でも少なくしたいものです。利息を節約できる返済方法が実はあります。
初めて消費者金融などからお金を借りる方で、確実に30日後や短期間で返済が可能な場合は、大手の消費者金融などがキャンペーン等で行っている30日間無利息サービスを利用すると良いでしょう。
例えば金利18%で100万円を借りて30日後に100万円返済すれば、30日間は無利息なので利息は0円になります。2ヶ月後に全額100万円を返済した場合には、単純計算で後半の1ヶ月分の利息を支払えば良く、2ヶ月間で半分の年利9%で借りたと同じになります。
ただしこのサービスを利用できるのは初回のみで、確実に短期間で返済する見込みのある時に有効な節約方法です。
基本的な利息の計算
基本的な利息の計算方法を知っておけば、利息の節約にも役立ちます。利息の計算方法は銀行でも消費者金融でも金利の違いがあってもすべて同じです。
金利は1年間の利息割合なので、まず借入金額に金利%を掛けて365日で割って1日の利息額を計算します。1日の利息額に返済までにかかった日数を掛けたものが利息額です。
例えば10万円を金利18%で借りて20日後に返済した場合の計算は、10万円に0.18を掛けて365で割り20を掛けると986.30円となります。端数は切り捨てなので986円が利息です。
30日後に返済すれば1日の利息額×30日で1479円になります。つまり基本的な利息の計算は借入元金に対する1日の利息に返済までの日数の日割り計算なのです。ただし閏年は366日で計算します。
繰り上げ返済で利息を減額
返済日数が少なければ少ないほど、元金が減れば減っただけ支払う利息額は小さくなります。金利の違いにかかわらず積極的な繰り上げ返済が利息の減額・節約になります。
カードローンや消費者金融の返済には、約定返済日と約定返済額が決められていますが、約定返済日の前にお金が用意できたならなるべく早く繰り上げ返済しましょう。またお金に余裕があるならば約定返済額以上に入金すれば、元金残高が予定よりも早く減ります。
返済日数が短ければ利息は減額になり、元金残高が減れば次回の返済利息が減ります。お金に余裕が出来るたびに繰り上げ返済をすれば、最終的に支払う利息を大幅に減額することが出来るのです。
高利貸しの歴史
高利貸しの歴史は意外に古く、7世紀ごろ平安時代に登場したのが日本最古と言われています。また明治から大正時代には「アイス」というスラング・隠語が高利貸しを皮肉った意味で使われていました。
これはアイス=氷(こおり)高利(こおり)、発音が氷も高利も似ていることから来た語源と考えられます。それだけ高利貸しという言葉は時代を超えて、良い悪いの意味は別として日本人の生活に密接にかかわってきたということです。
平安時代
平安時代と言ってもピンと来ない人も多いと思いますが、今から1300年前にも高利貸しは存在してたのです。もっとも一般庶民が手の出せる代物ではなく、ターゲットにしていたのは中央政府の役人です。
その当時の役人は上に認められるには、仕事の実力だけではなく賄賂や袖の下が大きくものを言っていたのです。その為にお金が必要になる役人が大勢いたと推測されます。
その役人が上級の役人に昇給すれば返済のメドが立つわけですから、そこにつけ込む高利貸しも商売として成り立つわけです。今話した内容はあくまで推測ですが、人間の欲は今も昔も変らないということは事実のようです。
ちなみに当時の金利は月利13%から15%と言われています。年利に換算すると1,560%から1,800%となり現在の法定金利に比べて100倍くらい高い高利貸しだったようです。
江戸時代
江戸時代になると貸金業のスタイルはガラッと変り多様化します。平安時代のように役人だけをターゲットにするのではなく、一般庶民のなかにまで入り込んできます。よく落語などで聴く八っあん熊さんの世界です。
大工の熊さんが「長雨が続いて仕事がねぇんで一張羅のの着物を質に入れてやっとこさオマンマにありついた」などの話があるくらいに、物を担保に差し入れるという貸金業の質屋が現れました。
また幕府の役人や旗本達を相手にする高利貸しも平安時代と同様の意味で存在していました。また庶民への金貸しの中には1日で返済を迫る業者や1日1%の利息を取る高利貸しも現れたのです。
そこで江戸幕府は庶民の暮らしを守る意味で上限金利年20%の政策を打ち出しました。何と今の政府と全く考えかたは同じ、いえ逆に今の政府が江戸幕府をまねているのかも知れません。
高利貸しの語源
高利貸しの語源は江戸時代に起源すると思われます。江戸時代以前ではほとんど貸金業が庶民の中に入ってこなかったこと、当時の役人や政府高官の間でしか貸金業が存在していなかったので、彼らの感性では「高利貸し」という捉え方は出来なかったのだと考えられます。
つまり役人の感性ではなく庶民の感性で利息が高いと思ったことが高利貸しという言葉の語源と考えられます。公家や役人は見栄や格式があるため口が裂けても言いません。その業者を「高利貸し」と叫ぶのは庶民です。つまり高利貸しの語源は金貸業が庶民にも広がった江戸時代にあるということです。
高利貸しは法律内で高い金利を要求する業者
どんな方でも急にお金が必要になることがあります。そんな心の焦りに乗じて高利貸しは、法律内の低金利で誘いながら保証料とか手数料、審査料などと法の目をかいくぐる手法で、高い金利を要求する業者が残念ながら未だにあります。これまでの記事を参考に安全な業者を選び、利息の節約も試みて下さい。