固執とはどんな意味?使い方・類語やなりやすい人の性格や対処法も解説!

固執とはどんな意味?使い方・類語やなりやすい人の性格や対処法も解説!

固執とはどのような意味をもつ言葉なのでしょうか。あまり肯定的には使われない言葉ではありますが、はっきりした意味を曖昧に覚えている人も多いのではないでしょうか。どのような場面で使われるのかや正しい読み方、成り立ちなども交えながら、固執とは何かを紹介していきます。

記事の目次

  1. 1.固執とは【意味】
  2. 2.固執とは【読み方と由来】
  3. 3.固執とは【類語と意味】
  4. 4.固執とは【対義語と意味】
  5. 5.固執とは【使い方】
  6. 6.固執とは【なりやすい人の性格】
  7. 7.固執とは【英語表現】
  8. 8.固執とは意見を主張して譲らないことを意味する

固執とは【意味】

「固執」という言葉の意味を知っていますか?「固執」とは「こしつ」と読みます。人や考え方などに対して使われることが多い言葉ですが、良い意味での使い方はあまりされません。大まかな意味だけでなく、ほかの類語との違いや詳しい意味や使い方などを例文を交えながら見ていきましょう。

意味①自分の意見を主張して譲らない

固執の意味の一つに「自分の意見を主張して譲らないこと」があります。良い意味での使い方の場合には、「他者の意見に左右されずに自分の意見を曲げなかったので、良い結果に繋がった」といった場合です。

固執の使い方の例文としては「彼は自分の考えに固執し、最後までプロジェクトを諦めなかったため周囲の賛同を得られた」などです。

意味②態度などを強固にして変えない

固執の悪い意味としては、「態度などを強固にして変えない」という使い方があります。1つ目と意味はほとんど変わりませんが、こちらは思考の柔軟性に欠けている際に使われる場合が多くみられます。

例文としては、「彼女はいつまでも自分の過去に固執している」「1つの意見に固執せずに、もっと周りの意見を取り入れるべきだ」などです。固執とは主に悪い意味で使われることが多い言葉なので、褒め言葉としての使い方はなるべく避けるようにしましょう。

固執とは【読み方と由来】

「固執」は否定的に使われることが多いですが、肯定的な文脈の中で使っても間違いではありません。しかし、「相手の意見に耳を貸さない」という否定的な意味で解釈されることが多いので、相手を褒める際には適しているとは言えません。ビジネスシーンなどでは使い方に注意が必要です。

本来の読み方は「こしゅう」

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「固執」の読み方には、「こしゅう」と「こしつ」の二通りがあります。もともと、「固執」の読み方は「こしゅう」が正しい読み方でしたが、今は「こしつ」がごく一般的な読み方として使われています。理由としては「しゅう」という読み方は中国由来の読み方であり、「しつ」は日本語の読み方であるためです。

固執の由来

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「固」と「執」という漢字には、次のような意味があります。「固」は「かたい・備え・本当に」、「執」は「つかんで離さない・こだわる・とらわれる」です。

「固」という漢字の由来は、「かたい兜」と「取り巻く城壁」の象形文字であり、「かたい」の意味からきています。「執」という漢字の由来は、「人が手錠をかけられている様子」の甲骨文字であり、「逃げられないように、つかんで離さない」という意味をもちます。

以上のことから、「固執」は「かたくつかんで離さないかの様に、強固に意見や態度を変えない」ということを指しています。

固執とは【類語と意味】

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固執には意味が似ている単語「類語」がいくつかあります。類語は似通った文例で使われることが多いのですが、少しずつ意味が変わってきます。「意味が似ている」とは、固執とは近いけれど全く同じ意味ではない単語のことを差します。違いがわかりにくい部分も多いので、1つずつ意味と使い方、固執との違いをみていきましょう。

執着

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「固執」の類語である「執着」の意味は、「一つのことに心をとらわれて、そこから離れられないこと」をいいます。もとは仏教用語で、人の心の状態を指すときに使われます。一般的には悪い意味で付き合われることが多い言葉ですが、固執と同様に物事にこだわりを持つといった良い意味でも使うことができます。

この類語の例文としては、「あの人は、お金に執着している」「昔からのしきたりに執着しすぎて苦しくなってしまった」「恋人への気持ちが愛なのか、執着なのかわからない」などです。

執心

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「固執」の類語である「執心」の意味は、「ある物事に心を引かれて、それにこだわること。また、その心。執着」です。「執着」との違いは、「執着」は主に物欲・名誉良くなどにとらわれてそれが心から離れないことを指すのに対して、「執心」は特に異性などに心が引かれて強くそれにこだわるという意味を指します。

この類語の例文としては、「彼女は、別れた恋人にいつまでも執心している」「僕の友達は、あの花屋の店員さんにひどくご執心のようだ」などです。

拘泥

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「固執」の類語である「拘泥」は「こうでい」と読みます。意味は「必要以上にこだわり、周りが見えなくなること」です。この拘泥もあまりいい意味では使われないので、相手を褒める際には使わないよい方がよいでしょう。

この類語の例文としては、「彼は勝ち負けに拘泥している」「目先の利益ばかりに拘泥せずに、もっと長い目で計画を立てる必要がある」などです。

執拗

「固執」の類語である「執拗」は「しつよう」と読みます。意味は「頑固に自分の意見を通そうとすること、過剰なまでにしつこいこと」です。この熟語も似た意味の文字を二つ組み合わせたものです。うるさく感じるほどに何度も繰り返される事に対して使われます。

この類語の例文としては、「執拗に質問されて、すこしうんざりしてしまった」「訪問セールスで、執拗に布団の購入を迫られて困っている」などです。

固執とは【対義語と意味】

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次に「固執」の対義語です。ビジネスシーンでは固執や固執の類語よりも、固執の対義語が使われるシーンが多いでしょう。理由は、固執はどちらかというと否定的な意味での使い方をすることが多いので、ビジネスなどのシーンではあまり積極的に使われません。今から紹介する対義語の方が、耳にすることも目にすることも多いのではないでしょうか。

譲歩

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「固執」の対義語である「譲歩」とは「じょうほ」と読みます。自分の意見や主張を無理に押し通さずに、他人の意見と折り合いをつけることをいいます。相手の意見に同意したり、妥協する、譲るといった意味の言葉です。

この類語の例文としては、「これはお互いに譲歩すべき問題だ」「譲歩してもらうまで、何度でもお願いに向うつもりだ」などです。

妥協

「固執」の対義語である「妥協」は「だきょう」と読みます。意見が対立したことについて、譲り合って解決をすることをいいます。また「完全に満足のいくものではないが、それに決めること」という意味で日常的にもよく使われる言葉です。

この類語の例文としては、「欲しい家具が売り切れていたが、妥協して似たデザインの物を購入した」「2人の意見は対立していて、妥協する様子はみられない」などです。

固執とは【使い方】

それでは、「固執」とは具体的にどういった場合の使い方が多いのでしょうか。「固執」の意味は「自分の考えを押し通そうとすること」です。「固執」の「執」という字には「かたくつかんで離さない」「こだわる」「とらわれる」といった意味があります。よって、ある一つの事柄に強くこだわるという意味で使われます。

自分の意見や考えに拘ることに対して使用

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「固執」とは「自分の意見や考えにこだわって主張する」という意味での、ネガティブな意味の表現としての使い方が多い言葉です。ビジネスシーンなどではあまり使わないほうがよい表現であるといえるでしょう。

例文としては「その固執した考えはいかがなものだろうか」「自分の考えにばかり固執していると、成長の機会を逃してしまうかもしれない」などです。

固執とは【なりやすい人の性格】

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固執とは今までも述べてきたように、「自分の意見や考えにこだわること」を言います。自分の意見や考えに自身をもつことはとても良いことではありますが、それに固執しすぎてしまうと、周囲が見なくなってしまったり新しい事柄を否定してうけれることが難しくなってしまうこともあります。では「固執しやすい人」とはどのような性格の人なのでしょうか。

自意識過剰

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「固執しやすい人」には、自意識過剰な性格の人も当てはまります。周囲や他人の意見よりも自分の意見が何よりも一番正しいと信じているので、周りの意見を聞けず、自分だけを信じて行動してしまうタイプの人です。

自分を誰よりも信じるというのは大事なことですが、周りの意見を取り入れるという柔軟さに欠けているので、何か踏み外してしまうまで自分ではなかなか気付きにくいタイプといえます。

頑固

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頑固な人は、頑固な性格なので何事にも固執しやすくなります。他人の考えや意見を理解できないというよりは、意地をはってしまって考えが凝り固まってしまう性格なのです。素直になる恥ずかしさやプライドの高い性格からなかなか自分の意見や考えを変えることが出来ないという場合もあるでしょう。

完璧主義

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完璧主義な性格の人も固執しやすいと言えます。完璧主義の人は、一人で完璧にこなすまで一切の妥協を許さずに貫き通します。その間、他の人の意見を聞き入れたりすると自分の中にブレがでてきてしまう為、最後まで自分の考えだけでやり遂げようとするのです。完璧主義の人は固執している自覚は薄く、それが当たり前だと思っている場合が多いでしょう。

プライドが高い

プライドが高い性格の人は、周りの意見を受け入れることが難しく自分の考えや意見に固執してしまう場合が多くあります。自分の意見よりも他者の意見が優れているということが認めらず、負けず嫌いな性格です。もしも、自分の間違いに気付いてたとしても簡単に意見を変える事ができにくいため、自分の意見に固執しがちな傾向にあるといえます。

心配性

心配性な性格の人は、過度に色々な事を不安になってしまうので「固執する人」になってしまっている場合があります。何か新しい事を始める際に失敗を恐れるあまり、過去の成功体験から同じように物事をすすめようとする傾向にあります。

一度成功していることや、継続していることは柔軟な対応もできます。精神的に余裕がなくなってしまって、自分の考え方に固執してしまうのです。

ストレスが溜まっている

ストレスがたまっている人は、精神的な余裕がなくなっているために、従来の性格に関係なく、周りの意見が自分への否定に聞こえてしまう場合があります。そのことで、さらに追い込まれまわりの意見を遮断してしまいます。普段なら受け入れられるような意見でも、聞き入れられずに自分の考えや意見に固執していきます。

固執性

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固執性は「こしつしょう」と読みます。「固執した性格」を意味する言葉で、心理学やカウンセリング用語として使われています。精神病の1つとして知られている「強迫性障害」の前兆として、この「固執性」があるとされています。今までとちがい、固執性のような症状が出てきたら注意が必要です。

固執とは【英語表現】

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「固執」は英語では「執着」「執心」などの似た意味の言葉とのニュアンスの使い分けは無いため、「こだわる」という意味の英語を「固執」の表現として使います。日本語には似た意味の熟語が多いため、英語表現にすると使い分けは特にされていない場合が多くあります。

こだわるという意味を使用

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「こだわる」という意味の英語を使った英語表現は「stick to~」「cling to~」「hold on to~」「persist with~」などがあります。例文としては「自分の考えに固執する=Hold fast to one's opinion」、「一度権力を手にすると、これに固執する可能性が高い=Once you hove power,they are very likely to cling to it」などがあります。

「persist」

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「persist」は「~にこだわる」という意味の英語で、「固執」に一番近い意味合いを持ちます。ただし「persist」には「持続する」や「やりとおす」といった似た意味もあるので、文脈に応じて使い分けましょう。例文として「persist stubbornly=かたくなに固執する」などがあります。

「stick to」

「stick to」の「stick」は、日本語の「ステッカー」に由来するといえばわかりやすい英語です。「ステッカー」は貼り付けるシールにようなものなので、「~にぴったりくっつく」という意味があります。文に応じて「~に忠実である」や「~にこだわる」といった使用方法があります。

例文としては「Stop sticking to a thing of the past, and start walking again=いつまでも前のことに固執していないで、前をむいて歩こう」などです。

固執とは意見を主張して譲らないことを意味する

「固執」とは、「他人の意見に耳を貸さずに自分の意見を主張すること」という意味で、あまり肯定的な使われ方はしないため、ビジネスシーンなどでは慎重に使いたい言葉です。一方、対義語である「譲歩」「妥協」などは肯定的に使われます。

物事に固執するというのは、必ずしも悪いことではありません。自分に自信をもち貫くことは、誰にでも容易に出来ることではなく大切なことです。しかしそれに拘りすぎてしまっては、周りの人との関係を良好に保つことが難しくなる場合があるため、柔軟な姿勢も必要です。「固執」の意味を正しく理解し、類語との違いを意識して使いましょう。

Shiraco
ライター

Shiraco

医療事務・コスメ販売などを経験し、小学生の娘と一緒に日々成長しているママライターです。子育て・アパレル・コスメなど幅広い分野で読みやすく一人でも多くの方に読んでいただける記事作りを心がけております。

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