不動産投資とは
不動産を購入するのは、自分や家族が住む為という場合も多いでしょう。しかし、その不動産を別の目的に利用することができます。不動産投資です。不動産投資とは、購入した不動産を人に貸して、賃貸料を受け取って収益を得たり、購入した不動産を購入価格よりも高い金額で売って儲けを得たりする投資方法です。最近はやりの投資方法です。
不動産投資の種類
不動産投資とは、購入した不動産を貸すか販売して収益を上げることを目指す投資方法ですが、その種類はさまざまです。したがって、まずは不動産投資の種類を知ることが始め方の第一歩となります。そこで、その種類を解説しますが、種類を知ったうえで、どう購入し、どう儲けていくのか考えることになります
①ワンルームマンションを貸す
不動産投資の中で最もオーソドックスなのが、ワンルームマンションの一部屋を購入して、それを希望者に貸し、賃貸料を得るという方法です。不動産投資の始め方としてはやりやすい方法で、初心者にとっても簡単な投資術です。この投資方法をよく区分投資と言いますが、一部屋しか購入しないので、少ない資金でも始められるメリットがあります。
区分投資は、1000万円程度、中古物件なら100万円くらいで購入できる場合があり、不動産投資に不安を持っている人でも無理なく始められます。また、都市部のワンルームなら、入居者が途切れる恐れは少なく、安定した収益を得られるメリットがあります。
一方、区分投資とはワンルームを貸すだけの投資の仕組みであり、収益が得られると言ってもそれほど大きな金額にはならないことが多いです。特に、管理費や修繕積立金は賃貸収入から出す必要がある為、デメリットも計算に入れておく必要があります。
②マンションやアパートを経営する
区分投資はワンルームマンションやアパートの一部屋を貸すだけですが、マンションやアパートを1棟購入して、各部屋を貸し出し、賃貸収入を得る投資方法もあります。一棟投資と言われる方法ですが、一棟投資とはマンションやアパートの1棟だけではなく、商業ビルや雑居ビルの1棟を購入し、貸し出す仕組みも含まれます。
マンションやアパートを1棟購入して、各部屋を貸し出せば、区分投資以上の収益が得られます。各部屋に入居者がいるという条件さえ満たせば、大きな収入になります。また、建物1棟が自分の所有物になるので、修繕や建て替えなどにおいても自由にしやすいです。
ただ、マンションやアパート1棟を購入するとなると、かなりの資金が必要で、不動産投資の始め方としては簡単ではありません。また、地域によっては、マンションやアパートを満室にできない場合があり、そうなると損失を生むデメリットも覚悟する必要があります。
③戸建ての住宅を貸す
不動産投資というと、マンションやアパートへの投資というイメージもありますが、戸建ての住宅を貸して、賃貸収入を得るという始め方もあります。戸建て投資と言われるもので、一軒家を購入してから始めることになります。その場合、新築を購入するとかなりの費用が掛かりますが、中古ならある程度購入価格を抑えられます。
戸建て投資という仕組みでは、その家を借りるのがファミリーという場合がほとんどです。したがって、長期にわたって居住してくれる場合が多く、安定した収益を得られるメリットがあります。また、賃貸料も高く設定できるものです。
ただ、いくら戸建て投資を行っても、その家自体は投資家の持ち物なので、修繕やメンテナンスをしなければいけないのですが、そのコストが高くなりがちなところがデメリットです。また、地域によっては入居者が現れにくい場所もあります。
④駐車場をつくる
あらかじめ土地を持っている、あるいは土地を借りる先があるという場合によく行われる不動産投資が、駐車場の運営です。駐車場への投資は、他の不動産投資方法に比べて、初期費用が少なくて済むので、初心者にとっても取り組みやすい方法です。始め方も簡単で、整地して、車の区画を描くだけで済みます。
駐車場運営による不動産投資は、初期費用だけでなくラニングコストもそれほど掛かりません。特に土地を所有している場合は、ラニングコストは0というほどではなくても、かなり安く済みます。これは、駐車場運営の最大のメリットです。
ただし、駐車場運営で得られる収益は大きくないです。よほど大きな駐車場でないかない限り、儲かっても高が知れています。もし土地を借りて、駐車場を運営している場合、あまり利益を得られず、損をするデメリットも考えておく必要があります。
⑤コインランドリーを作る
最近注目を浴びている不動産投資法がコインランドリー投資です。コインランドリーは需要が高く、1軒設立すれば、高い利回りが期待できます。また、コインランドリーは無人経営が普通なので、人件費が掛からないメリットがあります。しかし、初期費用が高く、洗濯機や乾燥機、内装代で軽く1000万円を超えると言われています。
初期費用を抑える方法に、リース契約があります。コインランドリー用の洗濯機や乾燥機を購入するとなると、相当な費用が掛かりますが、リース契約ならその費用は抑えられます。それから、コインランドリーはマンションやアパートのように空室リスクがないです。
コインランドリーの始め方や管理は少し大変です。他の不動産投資方法と違い、いったん貸し出せば大してすることがないというわけにはいきません。また、立地条件によっては、お客が来ないというデメリットに直面することがあります。
⑥不動産用投資信託「REIT」
REITとはどんな仕組みか、ご存知でない方がほとんどでしょうから簡単に説明します。REITとは、日本語で不動産投資信託と言い、投資家から集めた資金で専門家が不動産投資を行い、そこから得られる利益を投資家に分配する仕組みのことを言います。投資対象の不動産は、賃貸住宅、オフィスビル、商業施設、ホテル、駐車場などさまざまです。
REITのメリット
普通の不動産投資は、初期費用がかなり掛かり、初心者にとっても始め方が難しいですが、REITは少額資金で投資ができます。また、REITでは分散投資ができます。個人が不動産投資をする場合、分散投資はなかなかできませんが、REITならそれが可能です。
そのほかにもREITのメリットがあります。まず、流動性が高く、現金化が容易です。それから、税制の優遇措置があるので、状況により不動産投資で得られた利益のほとんどが投資家に分配される仕組みとなっています。
REITのデメリット
REITのデメリットとして、他の不動産投資のように現物の不動産を所有できません。なぜこれがデメリットなのかというと、単なる金融資産であるREITは、運用に失敗した場合は損をするだけで、ほかにも何も生まれないのです。これが現物不動産あら、なにがしかの価値はあるので、所有するメリットが大きくなります。
また、REITの投資法人が倒産したり、上場廃止になったりするリスクがなしとは言えません。必ずそうなるというわけではありませんが、もうそのようなことになれば、投資した金額は戻ってきません。
さらにデメリットとして、金利情勢や不動産市場の環境変化によっては、分配金が減る可能性もあります。また、投資対象の不動産が自然災害で損害を受け、大きく価値が減じてしまう場合があり、そうなれば損失も覚悟しなければいけません。
不動産投資とは?リスクを知っておこう
不動産投資とはどのようなものかは大体お分かりになったでしょうが、この不動産投資にはリスクが伴います。おおよそ投資と言われるものにリスクはつきものではあるものの、不動産の場合は価値が大きいので、そのリスクも軽く考えるわけにはいきません。そこで、実際にどのようなリスクがあり、どのような対策が用意されているのか見てみましょう。
リスク①空室になる可能性
不動産投資の仕組みから言って、空室リスクは避けて通れません。せっかく上手な始め方をした不動産投資でも空室が多くなると、収益どころではなくなり、支出ばかりが多くなります。仮に不動産投資に利用する不動産をローンで購入していたとすると、その返済額が家賃収入を上回るという事態も考えられます。
空室リスクを避ける為に、できるだけ需要の多い物件を選びましょう。地方よりも都会、駅から遠くなく近いところ、バスとトイレは一緒ではなく別々など人気の出そうなところを購入します。お値段は高くなりますが、空室リスクよりはいいです。
リスク②災害
これも不動産投資ならではの仕組みのせいですが、災害リスクも常について回ります。いくら計画を入念に立てて、儲かる不動産投資の始め方をしても、災害に遭えばその不動産が無価値になってしまう場合もあります。地震にしろ火事にしろ水害にしろ風害にしろ、災害に弱いのが不動産です。
災害は生きている以上避けては通れません。したがって、不動産投資をする場合、少しでも災害に強い物件を購入しましょう。それから、これは当たり前の対策ですが、保険には必ず加入します。
リスク③金利変動
不動産投資をする物件をローンで購入する人も多いです。高額な不動産を購入するのならそれも致し方ありませんが、金利変動リスクについては頭に入れておきましょう。特に変動金利型のローンを選んだ場合は、金利上昇の恐れがあります。それが嫌なら固定金利型にするか、ローンの借り入れ額を控えめにするかなどの対策が必要です。
リスク④流動性
不動産を賃貸に出す場合のリスクもありますが、その不動産を売る場合にもリスクはあります。それが流動性リスクで、マンションやアパート1棟、戸建て住宅の場合は、思うように売れない場合があります。区分投資の場合は、条件次第で流動性は高まりますが、大きな不動産ともなると買い手がつきにくい場合も多いです。
不動産投資をして、ずっと賃貸住宅として利用する場合は別ですが、いずれ時期を見て売却することを考えている場合は売れやすい物件を購入しましょう。いくら安価でも、あまり質の悪い不動産を購入すると後で苦労します。
リスク⑤家賃滞納
不動産投資とは、購入した不動産を賃貸に出して、賃貸料を稼ぐ投資方法ですが、その賃貸料(家賃)を払わない入居人に出くわすことがあります。それならば追い出せばいいではないかと言われるかもしれませんが、日本の法律ではそれが簡単にできません。したがって、家賃滞納リスクはかなり面倒です。
どうしても家賃を支払わない入居人がいた場合の最終的な解決方法は訴訟を起こすことですが、それは大変なので、できるだけ入居人との交渉で話をまとめましょう。その際少しでもいいので入居人が支払いやすい条件を付けるといいです。
不動産投資のメリットとは
不動産投資に注目が集まっているのは、その仕組みに多くのメリットがあるからです。そのメリットの一つが他の投資方法に比べて安定性のある収益を確保できることですが、そのほかにもメリットがあります。それらのメリットを見ると、私も始めてみようかしらという人も出てくるでしょう。
メリット①大きな損害が起こりづらく安定性がある
不動産投資の一番のメリットは、その仕組みの安定性です。入居者さえ見つかれば、毎月一定の収入が必ず得られ、採算が成り立ちます。また、不動産の管理を管理会社に任せれば、入居人募集、契約、家賃の集金、修繕やメンテナンス、退去手続きなどすべてやってくれます。つまり、面倒なことを丸投げできるので、とても助かります。
メリット②相続予定の土地なら節税効果がある
不動産投資は節税対策にもなります。なぜかというと、相続時課せられる税金が現金や有価証券よりも低くなるからです。相続税の仕組みでは、課税資産額というものが重要になってきますが、この課税資産額は現金や有価証券の場合、時価で判断され、不動産の場合は固定資産台帳や路線価などがもとになります。したがって、課税資産額が低くなります。
相続税の計算式は、(課税資産額-基礎控除額)×相続税率です。したがって、課税資産額が低くなれば、税額も低くなり、大きな節税効果が期待できます。つまり、財産を不動産として所有しているほうがお得なのです。
不動産投資による節税の仕組み①経費計上
不動産投資が節税対策になるのは相続時だけではありません。所得税や住民税の節税にもなります。その仕組みですが、経費計上によって税額が低くなります。経費として計上できるものは、管理費、修繕積立金、賃貸管理代行手数料、修繕費、損害保険料、租税公課、ローンの利子などいろいろあります。
不動産投資による節税の仕組み②損益通算
損益通算とは、簡単に言うと、不動産所得で生じた損失分を給与所得に回して、引き算することです。したがって、所得の額が少なくなり、やはり節税になります。かつては、この節税効果と不動産の転売利益で儲けた人もたくさんいました。それはともかく、不動産投資は何かと費用が掛かるものなので、この節税効果は大きいです。
不動産投資による節税の仕組み③減価償却
減価償却とは、金額の大きい固定資産を購入した場合、それをその購入年だけの経費にするのではなく、耐用年数に応じて何年かに分けて経費計上することです。年数が経てば、固定資産の価値は減じていくので、経費の額もそれによって少なくなります。不動産投資の場合、土地は減価償却できませんが、建物は対象になります。
減価償却の仕組みが適用されれば、毎年建物の経費計上ができるので、節税になります。購入年だけの経費計上だけでは、節税効果も1年のみですが、それが毎年ともなればメリットも大きくなります。
不動産投資による節税の仕組み④新築物件
不動産に掛かる税金は、相続税や所得税、住民税のほかに不動産取得税があります。この不動産取得税も節税することもできます。ただし、新築物件の購入の場合です。どうして節税になるのかというと、新築物件の購入(マンションやアパートでもいい)では、1戸につき1200万円の控除があるからで、これはかなりの節税効果になります。
メリット③保険の代用にもなりうる
不動産投資を行う場合、ローンを組んで対象の不動産を購入する人が多いですが、その際団信への加入を求められます。団信に加入すると、ローン契約者が死亡した場合、ローンの残債の返済が免除されます。つまり、不動産投資をした本人が亡くなれば、ローン残高もなくなり、不動産も家族に残って、収入が得られるので、生命保険の代わりになります。
不動産投資のデメリットとは
安定性や節税効果など不動産投資のメリットを見ると、さっそく始めようかしらという人も出てきそうですが、メリットだけではない点に注意しましょう。当然、不動産投資にはデメリットがあります。そのデメリットもよく考慮したうえでないと、簡単には始められませんから、まずは冷静になって考えましょう。
デメリット①初期費用は安くない
REITを除き、不動産投資は少額からでは始められません。これは不動産投資の仕組みの最大のデメリットで、お金がない人には手が出せないのです。仮にローンで不動産を購入するにしても、頭金として最低でも100万円くらいは用立てる必要があり、それが準備できない人ではローン審査にも通りません。
デメリット②時間が経つと資産価値が下がる
不動産、特にマンションやアパート、一軒家などは時間の経過とともに資産価値が減っていきます。したがって、不動産投資に利用する場合も、築年数が古ければ、賃貸料も安くせざるを得ないし、売却する場合でも売値が低く抑えられます。これは不動産投資の性質上避けられないデメリットで、ある程度の収益減は我慢しなければいけません。
デメリット③維持費や管理費など
不動産を貸しても、その不動産は投資者のものです。したがって、維持や管理の費用は自分でねん出しなければいけません。しかし、これがかなりの負担になる場合もあり、不動産投資にデメリットを感じることもあるでしょう。また、固定資産税や管理会社に支払う委託費などの問題もあり、意外に大きなデメリットになりがちです。
不動産投資とは?始め方は慎重に!
不動産投資とは、金額の大きい不動産を購入し、収益を上げていくビジネスのことですが、それだけにリスクもあります。そのリスクを考えたら、始め方は慎重にしなければいけません。まず、情報を丹念に集め、必要な資金を準備し、計画をしっかり立ててから手を出す必要があります。さもないと、大きな失敗をしてしまいます。
ウマい話に飛びつかない
不動産投資の対象とする不動産を購入する場合、不動産会社を通すことになりますが、その際、うますぎる話には乗らないことが大切です。信用できる不動産会社の担当者なら不動産投資のリスクやデメリットも教えてくれますが、そうでない担当者の場合いいことばかり言って、すぐにでも不動産を購入させようとします。しかし、そんな始め方は危険です。
不動産投資は資産運用の一つ!資産の範囲で行うべき
不動産投資は資産運用の一手段です。手持ちの資産を増やすために行うべきで、資産がほとんどないのに、無理な借金をして行ってはいけません。資金が少ない状態での不動産投資の始め方は最もよくないのであり、ある程度の資金が準備できて始めるべきです。そして、自分の資産の範囲内で投資をするようにしましょう。
団体信用生命保険について
不動産投資にはリスクがつきものですが、そのリスクを減らす為にも上手な始め方をしないといけません。その上手な始め方というのが団信(団体信用生命保険)への加入です。団信に加入すれば、ローン契約者に万一のことがあっても、残りのローンの支払いが免除されます。そして、不動産も家族に残るので、リスクを最小限にとどめられます。
団信のほかに、火災保険や地震保険にも加入しておきましょう。不動産投資の災害リスクについてはすでに説明しまたが、そのリスクを考えたら、火災保険や地震保険は絶対に必要です。
不動産投資を始めるなら事前準備が重要!
不動産投資の始め方で大事なのはいかに事前準備をするかということです。その準備の在り方で、成功するかどうかが左右されます。では、具体的にどのような準備をすればいいのか見ていきましょう。それさえわかれば、その後の計画も立てやすくなり、ビジネスも順調に運ぶ可能性があります。
人任せはダメ!仕組みをしっかりと理解しておく
不動産投資をする場合、購入する不動産の管理・運営を管理会社に任せることもできますが、だからと言って全く知識や情報が必要ないというわけではありません。自分でもよく勉強し、不動産投資の何たるかを理解しなければいけません。つまり、人任せではなく、自己責任で投資をしていくのです。
セミナーを活用しよう
不動産投資の知識や情報をどこで得るかですが、セミナーに参加するという方法があります。セミナーでは、専門家が不動産投資のメリット、デメリット、リスク、注意点などを詳しく説明してくれるので、自然と知識や情報が身につきます。ただし、セミナーによっては強引な誘いをしてくるものもあるので、選別に注意が必要です。
明確なビジョンを持つ
ただなんとなく不動産投資をしてみようというのではいけません。不動産投資でどのようなことがしたいのか明確なビジョンを持つことが重要です。まず、儲けたお金を何に使うのか、いくら儲けたいのか、いつまでの目標額を達成したいのかなどをはっきりさせておきましょう。そうすれば、どのような始め方をして、どう進めていくかが見えてきます。
資金はなるべく自分で貯める
REITを別にすれば、不動産投資にはかなりの資金が必要です。もちろん、ローンでお金を借りて、その資金で不動産を購入することはできますが、借入額が大きいと後の返済負担が大変です。場合によったら、投資による利益を返済額が上回ることもあり得ます。そうならない為にも、できるだけ資金は自分で準備しておきましょう。
不動産投資と他の資産運用法を徹底比較
ここからは、不動産投資と他の投資方法の比較をしてみましょう。一口に投資と言っても、方法はたくさんあります。株、国債、投資信託、個人型確定拠出年金、仮想通貨、金、FX、ソーシャルレンディングなどいろいろで、ご存知のものもあるでしょう。今回は、この中から、株式投資と投資信託とソーシャルレンディングを取り上げてみます。
株式投資と不動産投資の違いとは
投資というと、真っ先に株式投資を思い浮かべる人も多いでしょう。それほど株式投資は世の中に浸透した投資方法で、多くの人がかかわっています。この株式投資と不動産投資には明確な違いがいくつもあります。それを見てきますが、どちらがいいか悪いかの問題ではなく、目的の違いによって使い分けます。
流動性やレバレッジの違い
株で儲けた利益はすぐに現金化できます。つまり流動性という点では、非常に優れているのが株式投資です。それに対して、不動産投資では利益が得られるまで少し時間を要します。また、不安定な株式投資では、融資は受けられません。一方、不動産なら担保価値と家賃収入があるので、融資が行われ、レバレッジが利くことになります。
株式投資は不安定な投資方法で、儲かる時もあれば損をするときもあります。一方、不動産投資は、リスクさえクリアできれば、安定した収益が得られます。安定性という点から行くと、不動産投資のほうがいいです。
経費の違い
不動産投資をした場合に経費計上できるものをいくつか紹介しましたが、もう一度取り上げてみましょう。管理費、修繕積立金、管理会社に管理を依頼する手数料、修繕費、火災保険料、地震保険料、税金、ローンの利息などいろいろあります。一方、株式投資の場合は、経費計上できるのは売買手数料くらいです。節税の観点では、経費計上の意味は大きいです。
投資信託と不動産投資の違いとは
投資信託とは、複数の投資家から資金を集め、その資金を専門家が運用し、利益が得られたら分配する仕組みです。これに対して、通常の不動産投資は、自己責任で資産運用し、収益の獲得を目指しています。ただし、不動産投資の中でも、REITは不動産投資信託と呼ばれるように、投資信託の一種となっています。
これも株式投資と不動産投資の違いと同じですが、投資信託では元本割れのリスクがあります。つまり、損をしてしまう場合があります。もちろん、不動産投資にもリスクがありますが、安定度という点では不動産投資に軍配が上がります。
投資信託は銘柄選びが大変
投資信託の銘柄はたくさんあります。その中から一番よさそうなものを選ぶのは大変です。運用は専門家任せなので楽ですが、選択で苦労します。しかし、不動産投資でもどの不動産に投資すればいいのか悩むこともあるので、そう意味では似ています。ただし、投資する金額に大きな差があります。
ソーシャルレンディングと不動産投資の違いとは
ソーシャルレンディングとは何なのかご存じない人が多いでしょうから、簡単に解説します。ソーシャルレンディングとは、融資を受けたい会社とお金を貸すことで儲けようという個人を結びつけるシステムです。その仕組みは、個人からお金を集めて、仲介業者が企業にそのお金を貸すのですが、利息が付いて、それが仲介業者と個人の儲けになります。
どっちがお得?
ソーシャルレンディングと不動産投資にはいくつもの違いがありますが、利回りという点では、ソーシャルレンディングのほうに分があります。不動産投資は経費もかなり掛かるので、お得度で評価するとソーシャルレンディングのほうが上になります。ただ、節税効果という点では、不動産投資のほうにメリットがあります。
これは株式投資と不動産投資の違いにも共通しますが、ソーシャルレンディングでは融資を受けられません。一方、不動産投資では融資を受けられるので、大きな資産を作ることも可能です。ただし、失敗した時のリスクは大きいです。
表面利回りと実質利回りの違いに注意
投資金額に対してどれくらい利益が得られるかを表す指標に利回りがあります。この利回りを見れば、不動産投資で儲かる率が大体分かります。ところが、この利回りには、表面利回りと実質利回りがあります。このうち、前者は経費を含めない利回りなので、現実の数字と違っています。したがって、実際に投資する場合は、実質利回りを参考にします。
自己資産の範囲での不動産投資がベスト!
ここまで、不動産投資の種類、リスク、メリット、デメリット、始め方、事前準備などについてお伝えしました。安定した収益を得る方法として不動産投資に注目が集まっていますが、始めるにはある程度の自己資金が必要です。その自己資金の範囲内で、無理のない運用をしていくことがベストです。