円高・円安をわかりやすく解説!為替で使える覚え方も紹介!

円高・円安をわかりやすく解説!為替で使える覚え方も紹介!

円高や円安という言葉をニュースなどでよく耳にします。円高と円安の意味をわかりやすく説明しています、また円高と円安がわかりにくい原因でもあるどうなれば円高でどうなれば円安かといった混乱しやすい部分の覚え方や考え方についても説明をしたまとめ記事です。

記事の目次

  1. 1.円高をわかりやすく解説
  2. 2.円安をわかりやすく解説
  3. 3.円高・円安の覚え方
  4. 4.円高・円安が個人に与える影響
  5. 5.円高・円安が企業に与える影響
  6. 6.円高・円安の基準レートが動く理由
  7. 7.円高・円安の今後の動向は誰にもわからない!
  8. 8.FX投資への展開

円高をわかりやすく解説

Photo byPIX1861

いつも見ているニュースでも円高と円安という言葉はよく耳にします。アナウンサーが「今日の為替と株の値動きです、円相場は1ドル107.8円で先週から円高傾向です」などと言っているのを聞いたことはないでしょうか。円高も円安もよく聞く言葉なのですが、その意味はよくわからないという方のために円高と円安についてわかりやすく説明をしてみます。

Photo byMaklay62

円高と円安についての前提知識になりますが、世界各国ではそれぞれ基準としている通貨が異なります、たとえば日本は円でアメリカはドルです。日本企業がアメリカで製品を販売した場合に日本企業は、アメリカの人から代金として手に入れたアメリカの基準通貨のドルでその代金を受け取ります。

Photo byrawpixel

日本企業は日本に拠点があるので基準の通貨は円になので円が欲しいので、海外で得た利益を最終的にドルから日本での基準の通貨である円に換えることになります。そのときに交換所で円とドルを交換する比率が為替相場です。1ドルはいつも108円を基準に交換されるわけではなく、その時々で交換比率が変化しています。

なにかの理由で交換所で交換できる円が少なくなると、円の希少価値が高くなるので円の交換比率が値上がりします。プレミアム商品の価値が高くなるように、通貨でも希少価値が高くなると今後の交換比率は値上がりすることが予想されます。

円高とは「円の価値が高くなる」こと

Photo bystevepb

そのようにドルを円に交換する為替相場ですが交換において固定された基準があるのではなく、ある時は1ドルが108円の時もあれば、今後は109円になることもあります。「ああ、109円で高くなったからこれが円高ってことか~」と思ってしまうところですが、これは間違った理解です。

円高とは、円の「価値」が高くなることをいいます。単に「円が高くなる」とは言っていません、覚え方のコツは円の「価値」が高くなるというところです。

「ドル安・円高」の場合

Photo bygeralt

また前提知識になりますが、見出しのドル安・円高という言葉ですが、通貨の価値ということで円とドルを比較していますので、どちらかに基準を置いて一方が高いということは当然に他方は安いということになります。円高ということは円をドルと比べて円が高いのですから、逆に相手のドルは円に対して安いということです。

冷静に考えると難しいことではありません、基準の視点を円として、円高ということはドル安ですし、基準の視点ドルとして、ドル高であれば円安ということになります。円高を丁寧にいうと円高・ドル安(ドル安・円高も同じことです)となるわけです。

「1ドル=100円」だった商品が今は80円に

Photo bygeralt

わかりやすくするためもっとシンプルに、「1ドル自体が商品」と考えてみてください。「1ドルという商品」を購入するのに以前は100円が必要でしたが、今は80円で購入できるということはどういうことでしょうか。

つまり円の価値が上がって以前と同じ「1ドル」という名前の商品が価値が上がっている円であれば、80円使うだけでで購入できる状況です。これは円の価値が高い状況で、そしてそれは円高ということでした。

Photo byMediamodifier

大切なところなので繰り返しますが、円高とは円の価値で考えます、わかりやすくするため以前は1ドル100円だった交換比率が今は1ドル10円になった場合を考えてみてください。日本企業は今までドルを持っていけば100円の日本円が手に入ったのにそれが今日は10円しかもらえません。これは「円の価値」が高くなる円高になっているということです。

円の価値が高くなって、以前のように1ドルに対して貴重な円を100円で交換したらもったいないので、今後は1ドルに対して10円でしか交換できないという状況です。とても円「の価値が」高くなっているので円高の状況であることがわかります。

円安をわかりやすく解説

Photo byNikolayFrolochkin

先に説明をした円高の逆の状態が円安になります、ですので繰り返しのようになりますが再度説明をします。円安とは、円の「価値」が安くなることをいいます。単に「円が安くなる」とは言っていません、円の「価値」が安くなるということに注意してください。大切なのは見かけの数字が100円から150円になったとかということではありません。

円安とは「円の価値が低くなる」こと

Photo byTumisu

具体的には、これも極端に考えましょう。今まで1ドル10円だったのに、1ドルが100円になった場合を考えてみてください。これが円安です。高いとか安いというと見かけの数字だけに注目してしまって円の見かけがが10円から100円になったので円高だと間違えないようにしなくてはいけなかったことを思い出してください。

「円安・ドル高」の場合

Photo byangelolucas

ドルの価値が上がったので、今までは1ドルと10円で交換していましたが、今では1ドルを10円で交換したら大損ですので、100円をもらえないと交換しないという状況です。ドルの価値がとても上がり円の価値は下がっている状況ですので、円の価値が下がっている円安(・ドル高)ということになります。

「1ドル=100円」だった商品が今は130円に

Photo byMediamodifier

理解する段階では基準となる価格を簡単な10とか100といった数字で極端に差をつけて考えましたが、最後はもう少し現実的な数字で見てみましょう。1ドル100円だった商品が今は130円になっているということはどういうことでしょうか。

同じ1ドルのものが100円払えばよかったのに今後は130円も必要な状況ですので、円の価値が下がっているからそのようになっているのですから、円の「価値」が下がっているので円安です。より丁寧に言えば円安・ドル高という状況です、一般的には後ろを省略して円安(ドル高)といいます。

円高・円安の覚え方

Photo byWokandapix

円高と円安は混乱しやすいので、こちらでは覚え方を確認していきます。見かけの数字に惑わされないようにしてください。1ドル=100円が1ドル=90円になったら、1ドルに対していままで100円支払っていたのに、90円の支払いでよくなったということは円の「価値」で考えると、円の「価値」が上昇しているのでこれは円高になります。

「数字が減ったら円高」だと覚える

Photo byPexels

覚え方は人それぞれですが、もう十分理解できていると思いますので「数字が減ったら円高」という覚え方で丸暗記をしてもいいでしょう。

今後、誰かに説明するときをイメージして「間違えやすいところだけど、価値に対して高いか安いかって言ってるので、1ドル100円が1ドル90円になることは円高です。」と自分がいつかどこかで誰かに説明している様子を思い浮かべながらしっかり覚えてしまいましょう。

「1ドル100円」が「1ドル80円」になったら円高

Photo byPublicDomainPictures

覚え方で大切なのは見かけの数字ではなく価値が高くなってるか安くなっているかで判断するということです、結論としては先の見出しのように「数字が減ったら」その通貨が高くなっています。ですので、こちらの見出しの例では円が100円から80円に減っていますので(その通貨)円が高くなっています。つまり円高(ドル安)ということになります。

円高・円安が個人に与える影響

Photo bymohamed_hassan

円高と円安について私たち個人が普段の生活するうえで関係することはあるのでしょうか、ニュースで円安で企業業績がどうなったとか言ってるのを聞いたことがあるので、仕事とかでは関係する人もいるんだろうけど、日常生活ではほとんど関係することはないと考えがちですがそんなことはありません。以下では円高と円安が個人に与える影響を見ていきます。

影響①海外旅行の際の両替

Photo byun-perfekt

アメリカに旅行に行くときには円とドルを交換するので、今その交換比率がいくらなのかということはとても気になります。

そして自身が旅行にいっている期間だけではなく、帰ってきて家族に土産話をしたときに旅行先や土産につかった費用の話をするときに、30年前に行った人と今の時期に行った人ではかかった費用がずいぶん違うというようなことがあります。それも長期的に見て当時と今が円高であったか円安であったかということと関係しています。

影響②輸入品の値上がり

Photo byFree-Photos

意外と見落としてしまうのが、普段の生活でも円高や円安は関係しているということです。たとえば円安のときにはガソリンのような輸入品は値上がりをします。円安の時には円の価値が安くなっているので、企業はガソリンを購入するためにより多くの円が必要になります。

多くの円が必要ということは、仕入れ値が高くなっているということです。仕入れが高くなるとそれはその商品の価格に反映されます、この例でいえばガソリンという輸入品の値段が値上がりするということです。

円高・円安が企業に与える影響

Photo bymhouge

次に円高と円安が企業に与える影響を見ていきます、個人とは違い活動範囲が相対的に大きくなる企業の場合は円高や円安の影響を受ける状況も多くなります。実際に円高や円安は企業の利益の増減と大きく関係しており、そのことがさらに企業の株価にも影響を与え日本全体の景気にも影響してきます。

影響①円高で輸入企業の利益が出やすい

Photo byMichaelGaida

円高の場合に輸入業者にどんな影響があるのかを考えてみます、今、仮に円高と仮定しますと円の価値が高くなっているので、普段より少ない円で多くのドルなどの外貨に交換できます。

するとどうなるでしょうか、たとえばガソリンを輸入している業者は普段仕入れているのと同じ量のガソリンをより少ない円の支払いで仕入れることができます。そして販売価格は以前と同じだとします、今は仕入れ値が安いのでその分の利益が輸入業者の手元に残ります。円高になると輸入業者は利益が出やすくなるということになります。

影響②円安で輸出企業の利益が出やすい

Photo bygeralt

次に円安の場合は輸出業者を例にどのような影響があるかを考えてみます。少しややこしいので覚え方に役立たせるために極端な例で考えてみます。1ドル=100円だったのが今は1ドル=1000円の円安になっているとします。

100円というとおにぎり1個の値段です、一方で1000円というと高級なラーメンぐらいの値段です。1ドルということは変わっていませんので、アメリカのほうから見るとどうなるでしょうか、日本から入ってきた1ドルの商品はいままでは100円程度のものでしたので「まぁ、こんなものかな」というような商品でした。

Photo byechosystem

しかし、円安の今は1ドルなのですが1000円の価値があるお買い得品になっているわけです。「えっ、これが1ドルなの!」というようなものが日本の製品になります、100円で1000円はするような高級なラーメンが食べられるというような状況ですのでどんどん売れます。

結果、輸出業者は商品がたくさん売れて利益が増えていきます。円安では輸出企業の利益が出やすいということがわかります。

円高・円安の基準レートが動く理由

Photo byQuinceMedia

円高と円安についてみてきましたが、こちらでは円高や円安により通貨の交換レートが変動する理由についてまとめています。経済の難しい話になってくるのでどうしても少し混乱するような難しい話がたくさん出てきますが、わかりやすくなるように身近なたとえ話を多用して説明をしています。

円・ドルのレート変動の理由

Photo byPublicDomainPictures

通貨の交換比率やレート変動と呼ばれている現状はなぜ生じるのでしょうか。今は1ドルが108円なのになぜそれが109円になったり、今後は107円になるだろうというような予想が出たりするのでしょうか。

その理由はと覚え方は「需要と供給」というキーワードです。あらゆるものの値段は「需要と供給」により決まります、わかりやすい例としてはフリマのようなものをイメージしてもらうとよいです。

通貨の需要と供給のバランスで決まる

Photo byPexels

具体的な覚え方の例として、プレミアムがついているような人気がある期間限定のコラボTシャツがあったとします、フリマでは販売価格より高く売られていると思います。それは欲しい人(需要)が多くて、出品する人(供給)が少ないので欲しい人が多少高くても購入をするということで高くなっています。

商品でも通貨のレートでもそうですが、すべての物の価格はこのように欲しい人(需要)と売りたい人(供給)の優劣関係で決定されます。

通貨の円でも同じです、ドルより円を欲しい人が多くなれば覚え方で紹介したコラボTシャツのように今後は円の価値は上昇して円高になります。逆にドルが欲しい人のほうが円が欲しい人より多くなれば、今後はドルの価格が高くなることで(結果的に)円の価値は下がり円安になります。

レートの変動に影響する4大要素

Photo byPublicDomainPictures

こちらでは、今後のレートがいくらになるのかという予想にも役立つレートが変動する主な理由を説明も加えてわかりやすく説明をしていきたいと思います。あくまでこちらでは大きな要素を4つに絞り込んで説明をしています、レートの変動に影響する要素はこれだけではありませんが、まず最初に注目すべき重要な要素を4つ示しています。

理由①国際収支

Photo bygeralt

国際収支はわかりやすく考えると2国間の貿易での収支の差をイメージしてください。「アメリカとの貿易黒字膨らんでいる」というようなニュース報道などで言われているものです。貿易で儲かっているかどうかということが今後の通貨レートに影響を与えます。

わかりやすくいうと、仮に今、日本の車がアメリカでたくさん売れているとします、販売をした日本企業はアメリカで代金である大量のドルを持っています、日本企業ですので日本の従業員の給料や協力会社への支払いなどに充てるためドルを円に交換しなくてはいけません。

それにより、大量のドルを交換所で円に交換すると円がどんどん少なくなり、やがて円の価値が上がって円高になるという仕組みです。このような国際収支の要素は貿易だけではないですが、そのようなさまざまな国際収支の要素がレートを変動させます。

理由②金利差

Photo byPublicDomainPictures

レートを変動させる次の理由は金利です。たとえば今のアメリカが金利が高いとします、そのような国にはみんながドルで預金をして金利を得たいと考えますので、円やポンドやユーロをドルに交換しますのでドルの人気が高くなりドルは不足していきます。

そうするとドルの交換比率が上昇して、今までは1ドルには107円で交換できていたのに、今は110円でないと交換しないといわれます。ドルの(価値)が上昇して円の(価値)が下落しているのでドル高(・円安)の状態になります。

このように国際収支が人々の心理を誘発して通貨間の需要や供給の関係が変化して円高や円安の原因になります。

理由③インフレ率

Photo byPettycon

インフレとは物の価格が上昇することです。物の価値が上昇するということはお金の価値が下がっていると考えることができます。少し難しく混乱しやすいですが、物のほうが価値があり相対的にお金の価値が下がっているのです、お金の価値が下がるということはそれが円であれば円安状態であるということです。

もうすこしわかりやすく説明します。バブル景気の時の日本ではお金が有り余っていて物の価値が高くなっていました、今は1コイン500円のランチですが1万円のランチを食べ、1万円札を振ってタクシーを止めて乗車してチップとして渡していました。

Photo bygeralt

円が人気があり高くなる状態(円高)を通り越して、国内どころか世界中に円があふれかえると今度は円の価値が下がってきます、十分に円が供給されたことで円の価値が下がる(円安の)状況です。まるで限定のコラボTシャツが人気があるのでみんなが転売をしだして、十分に行き渡り今では定価以下の価値しかなくなってしまったかのような状況です。

物の価値が上昇するインフレで相対的に円やドルといったお金の価値は下がってきます。それが通貨の交換レートにも影響をしてきます。

理由④株価

Photo byAhmadArdity

最後は株価です。インフレは少しややこしい話でしたが株価は金利と同じです。対象が預金から株式になっていると考えればわかりやすくなるのではないでしょうか。今、日本の株が絶好調で儲かっているとします、そうすると各国から自国の通貨を円に換えて日本の株式に投資をしようとします。

投資目的の日本株を購入するために人気がある日本円の価値は、転売されだした当初の人気コラボTシャツのようにどんどん価値が上昇していって円高になります。

円高・円安の今後の動向は誰にもわからない!

Photo byAbsolutVision

最後のまとめです。ここまで円高や円安になる理由や原因を見てきました、複雑で混乱をしてしまうことも多かったと思います。人気が出て最初はみんなが欲しがり価格が上昇するけど、ある時を境には十分に行き渡り供給が満たされると下落に転じて価値が下がっていくという状況が生じるわけですので混乱するのも無理はありません。

Photo byMacdongtran

また、通貨の交換レートが変動する理由は数限りなくあります、天候や自然災害や戦争など無数の要素があります。

戦争でも昔は「有事のドル買い」といって高い軍事力を持つアメリカのドルの価値が上昇しましたが、近年では「有事の円買い」という考えがあり、総じて戦争の巻き込まれる危険が少ない円で保有するほうが安全だという考え方があります。

そしてこのような投資やレートの予想では嘘みたいな話ですが、占いや猿にくじを引かせるという方法で予想をするというものもあります。

Photo byGerDukes

結論は円高になるのか円安になるのかといった今後の通貨レートの予想は、無数の考慮すべき要素(戦争など)やその要素(戦争に強い国が良い、戦争に巻き込まれない国が良い)に対する考え方もそれぞれ説得力があり何が正しいのかがわからなくなってきます。そしてそのような考慮すべき要素があまりに膨大なので誰にもわからないということになります。

FX投資への展開

Photo bygeralt

予想が困難な通貨の基準レートですが、これは逆に言うとだれでも予想が困難なので、だれもが平等に競い合えるということです。レートの完全な予想はできませんが大まかな予想は可能です。様々な要素を駆使して分析をして通貨の取引をして利益を得る投資がFX投資です。

Photo bydenkendewolke

FX投資は自己責任にはなりますが、一考に値する投資の選択肢です。レートの予想は困難ですがこれは人生に似ています、未来はどうなるのかわからないですが、それでも自分自身で判断し対策を立てて、少しでも可能性を上げるように工夫をして進んでゆくことが何事においても必要なのではないでしょうか。

busi
ライター

busi

日常のふとした気づきを大切に記事を書くようにしています。よろしくお願いします。

人気の記事