「捗る(はかどる)」の意味は?使い方や類語も分かりやすく解説!

「捗る(はかどる)」の意味は?使い方や類語も分かりやすく解説!

「捗る」という言葉は物事が順調に進んでいる時に使います。また、「捗る」は最近ネット用語としても使われています。そこで「捗る」の意味や使い方、日常会話とネットでの「捗るの意味の違いや類語までご紹介します。「捗る」の読みを含めて正しい使い方をマスターしましょう。

記事の目次

  1. 1.捗るの意味とは?
  2. 2.捗るの語源と意味
  3. 3.捗るの類語と意味
  4. 4.ネット用語の「捗る」
  5. 5.捗るの使い方
  6. 6.捗るは順調に進むという意味

捗るの意味とは?

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「捗る」という言葉は日常会話でもよく使われます。「今日は仕事が捗るね」とか「作業が捗る」などと使い、物事が順調に進むことを表します。このように「捗る」とは作業や勉強が順調に進むこと、物事が調子よく進み片付くことという意味があります。

辞書では停滞せず順調に仕事の過程や工程が進むさま、進捗することとあります。「捗る」には仕事や作業、勉強などの目当てや目標という意味もあるのです。また、「捗る」の本来の意味としては「打つ」「叩く」というものもあります。

「捗る」という言葉はビジネスの場面でもよく使われる言葉ですので、意味や読みを間違えないようにしっかりと覚えておきましょう。

「捗る」の読みは?

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「捗る」の言葉の意味は知っていても漢字で書くと読めないという人も多いようです。間違えて「ちょくる」という読みをする人もいますが、これは進捗という言葉からきているのでしょう。「進捗」の場合は確かに「ちょく」という読みをします。

「捗る」という言葉を見つけてなんて読むんだろう、なんという言葉だろうと疑問に思った人もいるでしょう。中には「こだわる」という読みをする人もいるようです。「捗る」は難解な漢字ですが、「はかどる」とふりがなを振れば「なんだ」と思うほど日常的に使う言葉であることがわかります。

「捗る」の正解は「はかどる」なのです。「捗」の読みは音読みで「ちょく」訓読みで「はかどる」と読みます。「捗る」はビジネスの場面でもよく使うことですので、意味と読みを正しく覚えておきたいものです。

「捗る」の漢字は手偏に歩くではない

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「捗る」の漢字は手偏に「歩く」ではないのです。似ているようですがよくよくみると「捗る」の漢字の右側は「歩く」の字から点が一つ足りないのがわかります。実は「歩く」の1画少ない字は旧字体なのです。

1981年に政府は当用漢字に95文字を加えて常用漢字を制定しました。そして2010年にその常用漢字に「捗」の字が加えられたのですが、その時に「歩く」の点を加えない、1角少ない「捗」の字が登録されました。そのため、「捗る」の漢字は手偏に「歩く」は間違いとなります。

「捗る」は「果取る」とも書く

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「果取る」と書いても「はかどる」と読みます。使い方や意味は「捗る」と全く同じで、「今日は作業が果取るね」「勉強が果取る」と言う使い方をします。意味や読み方、使い方が「捗る」と全く同じ「果取る」は「捗る」の別表記とされています。

しかし、「捗る」よりも日常的にあまり使われない漢字表記です。難解な漢字クイズにでも出てきそうな言葉ですが、ちょっとした知識として覚えておくのも面白いのではないでしょうか。「この字読める?はかどるって読むんだよ」と会話のなかで使えば物知り博士として鼻が高いかもしれません。

捗るの語源と意味

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「捗る」の語源は遠く平安時代にあり、「はかが行く」という言葉からきたものであると言われています。「はかが行く」のはかとは米の収穫予想量のことを意味していました。

そこから物の量や大きさを数値化する「計る」や「測る」の意味となり、また計画を立てるという意味の「図る」という意味の言葉も誕生しました。江戸時代には現代と同じ意味の「はかどる」という言葉が使われていたようです。

「はか」は漢字で「捗」「果」「計」「量」と書き、仕事や物事の進み具合を示す言葉でした。田植えなどの作業が順調に進むことを「はかがいく」といい、それが「はかどる」と変化したものです。

捗るの類語と意味

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「捗る」の類語としては、「進む」「進捗する」「捗々しい(はかばかしい)」「順調に進む」「兎の上り坂」「サクサク進む」「はかが行く」「スムーズに進む」などがあります。

その他にも似たような意味を持つ類語ががたくさんありますが、代表的な類語の意味をひとつ、ひとつ調べていきましょう。

進捗するの意味

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「進捗する」は「しんちょくする」と読みます。物事の進行が順調に進む、物事が捗るという意味の類語となります。仕事や作業、勉強などが順調に進んでいくことを意味しています。ビジネスシーンでも仕事の進み具合を尋ねる時によく使われる言葉です。

仕事上において進捗状況を聞くということは、仕事がどのくらい進んでいるのか、どのくらい捗っているのかと聞かれているのです。

捗々しいの意味

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「捗々しい」の読みは「はかばかしい」と読みます。その言葉にある意味とは、物事が順調に進む、望み通りの方向に行っている、うまく行っているなどどいう意味があります。「工事の進み方がはかばかしくない」とは工事が思うように進んでいないことを意味しています。

また、「捗々しい」には「頼みがいがある」「しっかりしている」際立っている」明確である」という意味もあり、また、「重要である」「本格的である」という意味もありますが、この場合は「捗る」とは使い方が違ってきます。

兎の登り坂の意味とは

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「兎の登り坂」の読みは「うさぎののぼりざか」と読みます。うさぎとは何だか可愛いイメージがありますが、うさぎは坂を登るのが早いことから「トントン拍子に進む」という意味となります。

得意分野で実力を発揮することのたとえとしての使い方もありますが物事が滞りなく順調に進むことを意味しています。また、条件に恵まれて物事が調子よく進むことを意味する言葉です。

うさぎは前足が短く、後ろ足が長いので坂を駆け上がるのが早く、得意としていることからこの言葉が生まれました。兎の上り坂とも書きます。

サクサク進むの意味は

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「サクサク進む」の「サクサク」の意味はすばやく行動することやそうしたさまを表します。もともと「サクサク」とは野菜を切る音や食べ物を噛む音、または雪の中を歩く音を表す擬音語としてすでに鎌倉時代にはあったとされています。

意外に歴史が古いこの言葉は「物事が停滞せずにスムーズに進む」という意味となって現代に蘇った言葉です。「サクサク進む」は物事をスピード感を持って片付けるといった意味合いを持っているので、「捗る」を「サクサク進む」という言葉に言い換えることもできます。

効率よく進む

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「効率良く進む」も「サクサク進む」と同じように「捗る」の言い換えとして使うことができます。「効率よく進む」とは無駄がなくスピーディーに仕事や勉強が進むことを意味します。

「捗る」と同じような意味を持つ表現として「効率よく進む」も「捗る」の言い換えの言葉として使うことができます。

「捗る」のその他の類語・関連語

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「捗る」の類語についてその意味を説明しましたが、その他にも「捗る」の類語・関連語があります。その類語・関連語も押さえておきましょう。

同じことを言うのでも別の言葉に言い換えるとその時のニュアンスが違ってくるものです。語彙を豊富にするためにも類語をたくさん知っておきましょう。

「捗る」の類語・関連語として、「物事がうまく進む」「あんばいがいい」「上げ潮に乗る」「順風満帆」「着々と進む」「上昇機運に乗る」「「快調」「破竹の勢い」というのもあります。全て順調と言う意味となりますが、その場の雰囲気で言葉を言い換えると会話も弾みます。

ネット用語の「捗る」

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「捗る」はネット用語としても頻繁に使われます。日常会話での使い方とほぼ同じ意味ですが、ネットの世界でユーザーたちが使っていくうちに広義に使われるようになりました。ネットでの「捗る」は2chのスレッドから始まったとされています。

書き込みでこの「捗る」を見たユーザーたちが読みがわからず検索して読みや意味を確認したユーザーが読み方を知り、優越感を持って使っていくうちに広まったということです。2011年ごろから2chを中心に使われていったようです。

一番古い使い方としては2008年9月27日のスレッドで「ファイラー使えよ、色々と捗るぞ」が挙げられます。

「捗る」はネットスラング

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ネットでは「捗る」の読みが難しいところから「かかわる」「こだわる」と読むのかと疑問のネタレスが多くなり、その結果「捗る」のスラングが流行っていったようです。

「これを使えば捗るぞ」「困ったらこれを使え。色々捗るぞ」というようにおすすめの意味での「捗る」の使い方が増えていっています。また、「便利になる」「有利になる」という使い方も増えており、ネットの世界で「捗る」は本来の意味から広がりをみせています。

捗るの使い方

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「捗る」という言葉は「勉強が捗る」「仕事が捗る」「工事が捗る」などのように、勉強が順調に進んでいる様子や作業が滞りなく進んでいく様子を表す時に使います。

勉強を誰にも邪魔されることなく順調に進めたり、工事がトラブルもなく順調に作業できる状態を表します。「捗る」は日常的な生活の場でも使われますし、ビジネスの場でも使われます。今度は実際に例文を使ってその場、その場の「捗る」の使い方を見ていきましょう。

例文①

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捗る」をビジネスの場面で使ってみましょう。ビジネスシーンでは「捗る」はよく使われます。「君のおかげで仕事が捗るよ」上司にこんなふうに言われたら嬉しくなります。また、「彼がいるから仕事が捗るね」とは、優秀な社員がいて順調に仕事を進めてくれるから助かるという場面です。

また、「捗る」は使い方によっては否定形にもなります。「近くの建築現場の騒音がうるさくて少しも仕事が捗らない」といった具合です。このようにビジネスシーンでも「捗る」は頻繁に使われる言葉です。上手に使って語彙を広げるのも良いものです。

例文②

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「捗る」は日常的な場面でも使う言葉です。使い方を文例をあげてご紹介すると「僕は音楽がガンガン鳴っている方が勉強が捗るんだ」「好きな科目の勉強は捗るね」「強力な助っ人が現れたからこれからの作業は捗るよ」という具合です。

否定形では「騒音がうるさくて勉強が捗らないよ」「あの道具がないと作業が捗らない」「一生懸命片付けているのにちっとも捗らない」という感じで「捗る」が使われます。このように「捗る」はビジネスでも日常生活でも比較的広く使われる言葉です。

例文③

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今度はネットでの「捗る」の使い方をみてみましょう。「〇〇してみろよ。色々捗るぞ」「〇〇を使えば色々捗るぞ」など、このやり方をすれば便利だ、あるいはこのアプリを使えば何かと便利だとお勧めする時に使われることがあります。

また、「捗るアイテム何かあったら教えて」とゲームなどをしてもっと早く攻略できる方法を教えてもらうといった助言を求める時にも使っています。この場合の「捗る」は便利だとかお勧めという意味となります。

今までの「捗る」は「仕事が捗る」「勉強が捗る」というように「〇〇が捗る」という使い方をしていましたが、ネットでは「けっこう捗る」というように言葉の前の「何が」というのを省いた使い方が多くなっています。

例文④

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次にあげるのが「兎の登り坂」の使い方です。前述したように「捗る」の類語としてもあげられています「兎の登り坂」は類語というよりは昔からある「ことわざ」です。意味は「捗る」と同じですが、使い方が難しいかもしれません。

一例をああげると「あの選手は体格にも恵まれていて彼にとってのバレーボールは兎の登り坂だ」「一見難しい取引だが経験豊富な彼女にとっては兎の登り坂だろう」「彼は学校でも一番の成績の持ち主なので難関と言われるあの大学を目指していても兎の登り坂だろう」というような使い方をします。

意味は「捗る」と同じように仕事が順調に行く、進捗するという意味で使います。言葉の端にこのようなことわざを使うのもよいのではないでしょうか。

「捗る」の対義語・反対語

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「捗る」の対義語は「滞る」「膠着」などがあります。「滞る」は「とどこおる」と読み、物事が停滞して進まなくなることを意味します。「渋滞」などのように物事が一向に進まない、埒があかないことを表しています。

「膠着」は「こうちゃく」と読み、全く動かなくなってしまうことを言います。少しでも動いている「滞る」よりも状態が悪いことを意味しています。膠着の膠は動物の骨や皮、腸などを煮出して取るゼラチン質のもので、接着剤として用いられるものです。

「膠」は乾くと固まって張り付いてしまうことからある状態のまま固定してしまい動かなくなることを「膠着」といいます。よく「膠着状態」という言い方をしますが、これは物事が進まず行き詰まっている状態を指します。

捗るは順調に進むという意味

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「捗る」の意味は物事が順調に進むという意味です。漢字の読みが難しいので誤読されやすい言葉ですが、ネットでは頻繁に使われています。今やネット用語となった「捗る」ですが、それだけ「捗る」は本来の意味を離れて広がりを見せています。しかし、本来の意味を考えて「捗る」を使ってみましょう。

ポン子
ライター

ポン子

少女時代は小説家に憧れて原稿用紙をいつも傍らに置いていました。 今は定年退職した主人と月に一度の小旅行に行くのが楽しみとなりました。 ケーキと北海道犬と西郷輝彦が大好きなお気楽主婦です。

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