自宅で簡単にタイダイ染めをする方法を紹介!
「タイダイ染め」と呼ばれている染色方法があることをご存知でしょうか?その奇抜でカラフルな色合いは個性的で、Tシャツなどのデザインを中心に昔から定番となっています。最近になって、自宅でタイダイ染めをやってみたいという方も増えつつあるようです。
そこで今回は、ダイダイ染めについての特徴やその簡単な作業方法と手順、またタイダイ染めの主な模様などをご紹介する特集です。タイダイ染めを自宅でやってみたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
タイダイ染めとは
1960年代のアメリカ、サンフランシスコを中心にフラワー・ムーヴメントという若者文化が繁栄しました。その中で登場したファッションの一部が、タイダイ染めによるデザインアイテムです。
サイケデリックで不可思議な模様は自由度が高く、若者たちに響いたことでその後も人気となり現在に至っています。ここではタイダイ染めに関する主な特徴や必要な材料、手軽な染め方をご紹介します。
布地を縛って染めたもの
タイダイ染めというのは、布生地を縛って、その上で染められた染色方法を活かした生地やアイテムのことを指します。縛ることを英語では「tye」といい、染めることを英語で「dye」といいます。
染色前の布生地を何重かに折ってみたり縛ることで、不思議な模様をつけることができます。しかも染め方は手作業が中心なので、二度と同じデザインはできないのが特徴です。
布生地に染料を直接かけて染色
普通の染め物は、熱した釜の中へ染料と布生地を一緒に入れて煮込むという方法をとります。それによって生地全体が染まっていく方法を使います。
ただし自由な模様やグラデーションなどを染めることはできません。一方、タイダイ染めの染め方は、煮込む方法ではなく布生地へ染料を直接かけて染色するのが特徴です。
タイダイ染めでできる模様
一見すると何となく染めているように思われがちですが、タイダイ染めは種類は数多くあります。その染め方も初心者でもできる簡単なものから、やや高度な染め方まで実にさまざまです。
ここではタイダイ染めの種類についてご消化します。どのようなタイプの染め方にしたいのかを参考にしてみてください。
まだら模様
タイダイ染めの初心者にぜひチャレンジしていただきたい模様は「まだら」です。比較的に手軽な仕上がりになりおすすめだからです。
方法としては、基本色を染めたTシャツを丸めたら、数カ所輪ゴムで縛ります。その後は外側にのみ染料液をかけるだけです。すると不思議なことに、他に類がないオリジナルなまだら模様になります。
マーブル模様
2~3色のカラフルな色が流れるように染まっているのがマーブル模様の特徴です。タイダイ染めのマーブル模様を作る場合、生地を紐で縛る必要がなくわりと手軽に染めれる方法です。
あえて染めない白い部分を少し残しながらメインの色を加え、さらにポイントとなる染料を追加し、表と裏を同じように行えば完成します。
じゃばら模様
タイダイ染めでのじゃばら模様の場合、少し難易度が高めな染色方法です。生地を山折りと谷折りで繰り返して折り重ねるとじゃばら状になります。ポイントはその折った状態が崩れないようしっかり紐で縛ることです。袖の端までじゃばらにしていきます。
折る作業が済んだら、あとは好きな色を使います。表裏を違う色にすれば色が交互なグラデーションも作れます。
豆縛り模様
豆縛り模様も初心者向けで簡単に作れます。方法は生地の好きな場所をつまみ、そこをヒモで縛るだけです。縛った個所が円形になりその部分だけ染色に変化が出ます。その後は好きな場所に染料をかければ完成します。使う色も単色でも複数でも可能です。
タイル模様
タイル模様を染めたいという場合も、じゃばら模様と同じように山折り谷折りで布をじゃばら状にします。それをさらに折ったら紐で縛りつけそのまま染料液に浸せば完成します。
ポイントはじゃばら模様以上に染料に漬けることです。白抜き部分が目立たないよう中まで染みるよう調整しながら行います。
サークル模様
サークル模様の染め方はわりと難易度が高めです。円の模様の中心を決めたら生地を引っ張りつつ詰めていきます。そのまま生地を円形にしながら形が崩れないように複数の箇所を紐で縛りつけます。
自分の好きな色を決めて後は染めるという行程です。円中心から外に向かうにつれて三角ゾーンを作るように染めればサークル模様が完成します。
幾何学模様
一定のルールや法則で決められたデザインになっている幾何学的な模様は、難易度が高いため初心者には向いていません。最初の仕込みのときに生地を重ねじゃばらにするまでは一緒なのですが、生地が厚くならないように折ることになります。
その加減を身につけるまでは何度かチャレンジして感覚で覚えるのがコツです。動画がかなりアップされているので、慣れるまでは参考にしながらやってみるといいでしょう。
イラスト模様
簡単なイラストのタイダイ染めをする場合、材料として「チャコペン」と「針」を用います。Tシャツなど染めたい布を半分に折ったら、左右対称のイラストをチャコペンで書いておきます。
そして粗い並縫いをし糸を引っ張りじゃばら状にして縛りあげます。好きな場所に色を入れれば完成です。
タイダイ染めをする際に用意する材料
タイダイ染めを自宅で実践してみたいという場合、事前に道具と材料を準備する必要性があります。かなり大掛かりになるのかなと心配されている方もいるかもしれません。
しかし染料以外の材料や道具は、ほとんど100均などで購入してそろえることが可能なので比較的に簡単です。では、タイダイ染めを自宅で行う際の、揃えておきたい材料やアイテムをご紹介します。
水染め染料
タイダイ染めというからには、当然専用の染料が必要です。タイダイ染めの場合、ボトルに染料を入れて色付けていく方法を取ります。一般的な煮込んで色付けするタイプの染料とは区別されています。
タイダイ染め用染料としては、「ベストコールド」という名称の水染め染料を使用します。染めたいカラーの水染め染料を用意しましょう。
色止め剤
色止め剤は、染色した生地の色を固定させるために使用する薬品です。タイダイ染めをせっかく完了させたとしても、色落ちしてしまうと傑作が台無しになってしまいます。そこで色止め剤を使い、染色された生地をそのまま色落ちしないようにカバーします。
固着剤
固着液はタイダイ染めの染色をする前に、生地を紐組やゴム止めした状態をしっかり固定させるために使用する薬剤です。使い方は固着剤の原液を湯で溶かして作り、巻いた素材を漬け込ませ10分くらい放置します。
ドレッシングボトル
タイダイ染めの染め方のポイントは、水染め染料をドレッシングボトルに入れて行うことです。染めたい生地に染料をかけて染めていく方法を取ります。そのため使いたい色の本数分だけのボトルを準備し、それぞれに染料を入れます。
なるべくボトルキャップの穴の小さいものを選ぶようにしましょう。大き過ぎると染料をかけすぎてしまい思ったような染め上がりができないかもしれません。
塩
先述した固着剤が入手できなかった場合、もっと簡単に自宅にて入手できる材料が塩です。塩はポリフェノールオキシダーゼという成分の働きを抑制してくれます。
空気中でのポリフェノール酸化を促して変色防止させる効果が期待できます。市販の固着剤と一緒に揃えておくとよいでしょう。
バケツ
市販されている普通のポリバケツを用意しましょう。固定剤に生地を浸すときに使用します。約60℃のお湯1Lへ塩250gを入れて形を崩さないよう生地を入れて30分くらい放置します。
この方法で生地の変色を抑えて色を定着させます。塩水の量は染める生地の大きさなどで調整しながら入れていきます。
ワイヤーネット
ワイヤーネットは適当な目の大きさのもので構いません。染めた生地の余分な染料を下に落とし、他の色と混ざることを防ぐために使用します。生地が上に乗るくらいのサイズを選ぶことです。ワイヤーネットはトレーなどの上に設置します。
たこ糸か輪ゴム
自宅でタイダイ染めをする際に、必要なアイテムになるのがたこ糸や輪ゴムといった生地に巻いて固定するものです。この行程を行って模様を付けるのでかなり重要な材料になります。
特に糸は細すぎても太すぎても具合が悪いことも考えられるため、たこ糸位の太さが適当でおすすめです。輪ゴムは代用になるため一緒に揃えておきましょう。
ゴム手袋
自宅でタイダイ染めをする際は、ゴム手袋なども用意しておきましょう。染料が手に付くと石鹸でも落とすのに時間がかかります。
そのため多少汚れてもかまわないゴム手袋をはめて作業を行うとよいでしょう。ゴム手袋なら汚れた後でも乾かして何度も再利用できます。
白のコットン100%のTシャツ
そして肝心なのがタイダイ染めをする生地を用意します。標準的なのは白のコットン100%のTシャツです。もちろん白じゃなくても好きなカラーを使うことは可能ですが、初心者が自宅で行うということなら白いTシャツこそ無難な材料です。
それに絞り易いので厚手の生地よりも簡単にできるという利点があります。素材はナイロンやポリエステルだと色が付けにくいかもしれないので、コットン100%のTシャツがおすすめです。
タイダイ染めをするための染料液の作り方
自宅でタイダイ染めを行う際は、一般的な染物と違った方法を用います。普通の染物なら生地を煮て染めていく行程を踏むのですが、タイダイ染めは染料を溶いてドレッシングボトルに入れます。
生地の好きな箇所へ好きなようにかけていく方法で染め上げていきます。ではそのための染料液の作り方をご紹介しましょう。
①染料を容器で溶かす
タイダイ染めの染料としては、先述してある「べストコールド」という水染め剤を使用することになります。
染めたいカラーのボトル1本に対して、ベストコールドは約120gを混ぜます。一般的には染料2本にベストコールドを1袋使用し、お好みな色の分だけ準備します。
②お湯を加えて色を作る
染めたい色の染料へお湯を加え原材料となる色を作ります。もしより濃い色を出したいのならお湯を少なくし、薄く出したいようならお湯を多めに入れながら調整しましょう。そのためには何回か試しにつくって比べていくと、好きな色の濃度が分かってきます。
③作った染料をドレッシングボトルに移す
染めたい染料ができ上がったら、その材料をドレッシングボトルに移せば準備完了です。使いたい色の分だけ各ドレッシングボトルへ移す作業をします。タイダイ染めの染料をボトルに移す際は、「じょうご」を用意すると簡単にできます。
タイダイ染めの染め方
タイダイ染めを自宅で行う場合は、事前準備と決められた行程を守って進めれば、初心者や子供でも簡単に完成させることができます。では、染め方の基本行程をご紹介します。多少の応用や調整などは、その都度に状況を確認しながら判断していくとよいでしょう。
染めるTシャツは1回洗っておく
まず染める前にしておくことは、タイダイ染めをするベースとなるTシャツや生地を一回洗っておくという点です。
それは付着している塵やごみを取り除くためです。わざわざ洗剤で洗う必要はなく、さっと水に通しておきます。これは染料をしっかり浸透させるためにも重要な準備です。
①作りたい模様にTシャツを縛る
タイダイ染めをしたいTシャツや生地を紐で縛ります。その際は、紐が取れたり形崩れしないようしっかりと絞りましょう。ただし染料がポタポタと落ちない程度に絞れば完了なので、必要以上にきつく絞ることはありません。
②塩水(固着剤)に漬ける
染め方の重要な行程の一つとして、染料を定着させるよう塩水に約30分程度つけておきます。この過程を行うと色が変色しにくくなります。完成品が綺麗な色で保てます。固着剤がある方はそちらを使ってもよいでしょう。
③染料液を作る
タイダイ染めに使う染料を用意します。染料は自分の好きな色を事前に作ってくおくとよいでしょう。濃淡の度合いもお湯の量で調節しながら決めていきます。同色でも濃淡の差で出来栄えが変わり、よりオリジナリティが出ます。
④ワイヤーネットの上にTシャツを乗せて染める
ワイヤーネットと受け皿となる容器を用意し、容器の上にワイヤーネットを設置します。その上にたこ糸や輪ゴムで絞って固定したTシャツや生地を乗せます。
ドレッシングボトルに入れた染料を好きな具合でかけていきます。色をかける場合は、隣の色が混ざらないようにできるだけ気をつけながら行いましょう。
⑤袋に入れて放置してから水洗い
色付けが完了したら、一度ビニール袋に入れてしばらく置いておきます。色が固定するのを待ちます。放置時間は使用する染料にもよりますが、1時間から8時間くらいの範囲が目安です。
その後中身を取り出し水洗いをし余分な染料を洗い流します。色が混ざらないためにはまず部分ごとに水洗いをし、最後に全体を洗うようにしましょう。
⑥色止め剤を入れたお湯に漬けて水洗い
最後の仕上げとして、色止め剤をお湯に溶かして、その中に染めたTシャツや生地を漬けます。しっかりと水洗いをし乾燥させれば、自作のタイダイ染めが完成します。初心者は試作を染めてみて、その善し悪しで調整しながら染めていくといいでしょう。
はじめてタイダイ染めをする人にはキットがおすすめ
自宅で行うタイダイ染めは、事前の準備を整えることが大切ですが、ある程度の必要品がまとめてパッケージされている染め物用キッドを利用すると、時間効率もよく仕上がりも安心です。特に初心者にはおすすめです。
タイダイ染めカップ
初めてタイダイ染めをするという方にとっては、備品をそろえるのも大変な作業です。そこで誰でも手軽にすぐに作業に入れるよう、ある程度の装備がパッケージされているのがこの商品です。
ゴム手袋や計量カップも付いてるので、説明書通りに作業をすれば失敗が少ないという魅力のキットです。
imoli Colorful Tie Dye タイダイ染めキット
初心者はもちろん子供にも適している染料キットです。あらかじめ揃っているセットに水を追加するだけで準備完了します。色は赤、オレンジ、黄色、ライム、ターコイズ、青、紫、紫の8種類が入っています。
他には保護手袋と40個の輪ゴムが付属し説明書通りに行えば、お好きなタイダイ染めが完成します。Tシャツ以外のものでも染めることができるのでおすすめです。
簡単なタイダイ染めに挑戦してみよう!
一つとして同じ柄はできないという、その特異性と自由度が人気のタイダイ染めは、60年代に登場してから今でも多くの方々に支持されています。
既成品のTシャツもいいのですが、できれば自分でオリジナルなタイダイ染めをして、そのステイタスを味わってみるといいでしょう。またお子様などと一緒に楽しみながら染めてみるのもおすすめです。