「足を運ぶ」の意味をチェック!正しい使い方の例文や敬語表現も!

「足を運ぶ」の意味をチェック!正しい使い方の例文や敬語表現も!

目的をもって出かけるときに「足を運ぶ」と言う表現を使います。相手や場所を意識せず頻繁に使われる言い方ですが、日本語らしい相手への気遣いを考慮すると「足を運ぶ」を目上の人に対して使うときには注意が必要です。「足を運ぶ」の使い方を、由来や類語とともにご紹介します。

記事の目次

  1. 1.「足を運ぶ」の意味とは?
  2. 2.「足を運ぶ」の由来
  3. 3.「足を運ぶ」の特徴
  4. 4.「足を運ぶ」の類語
  5. 5.「足を運ぶ」の使い方
  6. 6.「足を運ぶ」の注意点
  7. 7.「足を運ぶ」は「わざわざ出向く」という意味

「足を運ぶ」の意味とは?

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「足を運ぶ」は、「わざわざ出かける」という意味で、時間や距離をいとわず、ある場所まで自分の意志で行くことを表すときに使う表現です。

「行く」「来る」の代わりに「足を運ぶ」ということで、わざわざ出かけてくれた相手の労をねぎらったり、自分の努力を印象的に伝えたりすることができます。

「足を運ぶ」の由来

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日本語には言葉を組み合わせて別の意味を表す慣用表現があります。「足を運ぶ」という言葉は「足」と「運ぶ」という二つの言葉が組み合わさって「わざわざ出かける」という意味を表す慣用句です。

形の上では「足」が「運ぶ」の目的語になっていますが「足」は独立したものとして運ばれるものではありませんから「足を運ぶ」にはひとつの荷物として「足」というものを移動させるような意味はありません。

「足」と「運ぶ」が「足を運ぶ」というひとかたまりの言葉になって「わざわざ出かける」という別の意味になりました。

「足を運ぶ」の特徴

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「足を運ぶ」は「わざわざ」という意味合いを含むので、使う相手や場面によっては使い方に配慮が必要です。

主語が自分になるのか、または相手になるのかや、相手と自分の上下関係などによって、不自然な使い方や、不適当な使い方になってしまうので、日ごろから言葉選びのセンスを磨いていきましょう。

相手が主語になるときの「足を運ぶ」の使い方

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年長者やビジネスの相手、上司など、目上の人が主語になるときの「足を運ぶ」の使い方は、敬語表現を使う必要があります。

例えば「先生、本日は遠方にもかかわらず、私たち学生の研究会に足を運んでいただき、ありがとうございました」のように、「足を運んでいただく」と表します。

自分が主語になるときの「足を運ぶ」の使い方

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自分が自分自身の希望により出向くときに「足を運ぶ」という表現は適しています。「足を運ぶ」という言い方は、新しいビジネス関係を願うときや、自分の趣味や生活に有益である行動をするときに使う表現です。

例えば、お目当ての絵画を見るために遠方の美術館へ出かけた場合には「私は、念願の絵を見るために遠路はるばる美術館に足を運びました」という表現ができます。

けれども、出かける場所が目上の人の住まいだったり、目上の人の依頼で動いたりする場合はには「足を運ぶ」という表現は使えません。

「足を運ぶ」という表現の中には「わざわざ」労をかけて物事をするという意味が含まれるからです。目上の人に対して、自分はあなたのためにわざわざここまで来たというのは、礼儀として適さないので、この表現は使えません。

「足を運ぶ」の英語表現

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「足を運ぶ」を英語で言い表すときには「わざわざ出向く」の意味の通りに「わざわざ」と「出向く」のふたつの部分に分けて表します。それぞれの単語の特徴について見てみましょう。

英語で「出向く」の言い方は「go」「come」

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「足を運ぶ」の意味を表す「出向く」は英語では「go」「come」「visit」などで、これらは移動を表すだけの単語です。

英語で日本語の「足を運ぶ」の意味を表現したいときには、日本語の「先生が東京にいらっしゃった」「私が東京に参ります」のように、尊敬語や謙譲語の使い分けをすることはありません。

また、英語では、相手のところに行くときには「go」ではなく「come」を使うので、ビジネスの面談の約束をするときなどには注意しましょう。

英語で「わざわざ」の言い方

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「足を運ぶ」の意味に含まれている「わざわざ」の意味合いは、英語では「all the way」と表現されます。

「I go to the station.」 の場合、場所の移動を表すだけで、わざわざ時間と労力を割いて出かけたという意味は含まれません。

自分が「足を運ぶ」ときの英語表現

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「足を運ぶ」を英語で言いたいときには、自分が出かける場合「I go to the station all the way.」やI went to eat ramen all the way.」と表現します。「all the way」の部分で「わざわざ」の意味合いを付け加えます。

自分にかぎらず、目上の人を主語とした場合でも、主語は「I」ではなくなりますが、後半は変わらず使えます。「go」は多くの意味を表せる万能な単語です。

相手が「足を運ぶ」ときの英語表現

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相手にわざわざ訪問いただいたことの感謝を伝える場合は「Thank you for coming .」または、もう少しフォーマルな言い方で「I appreciate your visiting.」と言います。

ビジネス相手の訪問に対する感謝を伝えるときにはこの表現が用いられることが多いので、便利なフレーズとして覚えておくと便利です。

「足を運ぶ」の類語

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「足を運ぶ」の表現が、誰が誰に向かって使うかによって変わるように「足を運ぶ」の類語も、誰が主語で使う相手がだれかによって選ぶ必要があります。

商談で好評価を得ようと思って、豊かな語彙力を駆使して多くの言い換えた表現を使った文を練っても、その類語の選択に間違っているとビジネス相手の気持ちを害することがあるかもしれません。

ビジネスがうまく進むように、日ごろから正しい日本語で熱意を伝えられるように鍛錬して印象的な会話をできるように努めましょう。

目上の人が「足を運ぶ」ときの類語は「いらっしゃる」

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ビジネスにおいて大切な相手に「足を運んでいただく」ときの「足を運ぶ」の類語には「お越しいただく」や「いらしていただく」があります。

これらの「いただく」は丁寧語なので、「お越し」や「いらして」の部分の尊敬語と重複しても二重敬語にはならず安心して使えます。

自分が目上の人のもとに「足を運ぶ」ときの類語は「伺う」

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自分がわざわざ出向くときの「足を運ぶ」の類語には「行く」「赴く」や謙譲語の「参る」「伺う」などがあります。

「行く」「赴く」は単純に移動の意味を表す言葉ですが、謙譲語の「参る」「伺う」は自分がへりくだることによって相手を上げて敬意を添える意味合いが付きます。

「足を運ぶ」の使い方

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言葉の使い方は人の印象に大きな影響を与えます。自然な物腰で感じのいい言葉遣いができる人は、魅力的です。

会話でも手紙やメールでも、相手を尊重する正しい言葉選びでやわらかい応対をされて一気にファンになってしまったという経験は誰しもあるのではないでしょうか。

例文①

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初対面の人との出会いの機会や新しいビジネスの場で自己紹介をするときに、自分の趣味を印象的に話す例文です。

私の趣味は山歩きで、休日には、早朝出発で電車を乗り継ぎ、他府県まで足を運びます。山越えをして、ふもとの食堂のおばちゃんと記念の写真を撮るのが楽しみです。

例文②

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ビジネスの相手にわざわざ自社に来てもらったことに対する感謝を伝えるときの「足を運ぶ」の使い方をご紹介します。

先日は、お忙しい中、遠路、足を運んでいただき、有難うございました。勉強になるお話を拝聴し、今後の企画展開の励みになりました。

例文③

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友人へのメールで、観光のおすすめスポットを紹介するときの例文です。わざわざ出かける価値があることを上手に伝えています。

我が家から1時間ほどドライブしたところに、行列ができることで有名なレストランがあります。2時間待ちも常ですが、わざわざ足を運ぶだけの価値がある味ですから、ぜひご一緒しましょう。

例文④

Photo by Dick Thomas Johnson

就職活動用の自己PR文の例文です。自然に自分の真面目でエネルギッシュな人柄を伝えたいものです。

卒論の準備にあたり、毎週末、地方10都市に足を運んで、開発事業の実地調査をしたり、担当者との懇談を重ねたりしました。

「足を運ぶ」の注意点

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日本語を学ぶ外国の人々を悩ませるのは、日本語における敬語表現の存在です。実際、日常的に日本語を使う方々の多くが、国語のテストで文法に悩まされた経験をお持ちではないでしょうか。

数ある言語の中でも難しいと言われる日本語の表現は、相手によって言葉の選び方や使い方が変わるのです。

目上の人に対して自分がするときは「足を運ぶ」は使えない

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この「足を運ぶ」という慣用句の使い方も同様で、わざわざ何かをするという意味を持っているので、目上・年上の人に対して自分が「わざわざ行ってきました」という表現、つまり「足を運んだ」という使い方は適当ではありません。

ビジネスの相手を訪問するときにも、自分にとって好都合を期待して出向くので、自分が時間を割いて出向く意味を含む「足を運ぶ」は使えません。

親しい間柄で、相手が言葉の端ばしを気にしないような関係でも、内心ひっかかるところがあるかもしれませんから「足を運ぶ」という言葉の使い方については注意しましょう。

「足を運ぶ」は差別語と誤解される可能性がある

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「足を運ぶ」という表現は、慣用句で、誰かを傷つけたりさげすんだりするような言葉ではありません。けれども、気遣いという点では、別の表現を選んだ方が良い場面も考えられます。

日本語には数々の人体の各部をさす言葉を使った言い回しがあります。敬語の表現と同様に、日本語を学ぶ表現を悩ませる難点です。

例えば「目に入れても痛くない」という表現は、子や孫をとてもかわいいと思う気持ちを表す慣用句ですが、目を患っている人に対して使うのは、その言葉を使った人の方に後味の悪さが残るかもしれません。

同様に「足を運ぶ」という慣用句も、足を患っている人に使った場合、気まずさが残ってしまうということを予測すると、あえて使わず避けたほうが良いかもしれません。

「足を延ばす」は「足を運ぶ」プラスアルファを表す表現

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人は、交通手段を使わない場合、自分の足で歩いたり走ったりして移動しますが、この「足を運ぶ」「足を延ばす」のように、移動するという意味の表現に「足」を使うことがあります。

「足を延ばす」は、「足を運んだ」場所から目的をもってさらに遠いところまで出かけるときに使われる表現です。似通った「足」を使う類語ですが、混同しないようにしましょう。

「足を運ぶ」は「わざわざ出向く」という意味

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「足を運ぶ」という表現は、わざわざ出かけるという意味の慣用句です。わざわざというのはどこか恩着せがましい意味を含みますが、この「足を運ぶ」という表現自体は敬語表現でもなく、また、差別用語でもありません。

けれども、失敗や誤解の可能性を避けて、言葉選びには配慮したいものです。自分が出かけるのか、相手が出かけるのか、また、相手によってはこの言葉が不適当なこともあるので注意が必要です。

藤田清美
ライター

藤田清美

古墳の町で小中学生に関わること40年。若いライターのみなさんに交ってシニアライターとして苦闘しています。ゆったりとした雰囲気の中で、ちょっと得する文章を書ければいいなあ。よろしくお願いします。

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